ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~ 作:捻れ骨子
『もう一度アオイちゃんとユウヒちゃんで組んで。今度はユウヒちゃんが先に攻撃して、間髪入れずにアオイちゃんが続いてちょうだい』
「よく分かりませんが、分かりました」
「それは分かってないって言わない?」
新たに出された指示に従って、蒼の子と紅の子が動き出す。通常であれば射撃系の蒼の子が先に攻撃を加え、紅の子が追撃すると言うパターンだが、それを変えて何の意味があるというのだろうか。
「ふんっ!」
紅の子が太刀を振るって斬撃を飛ばす。もう字面がおかしいが事実なんだから仕方が無い。放たれた衝撃波は、狙い違わず強化歩兵に当たりよろめかせる。
それに続いて蒼の子の射撃が撃ち込まれる。ヘビーマシンガンの掃射は周囲を巻き込みながら強化歩兵を襲った。そして。
ずん、と結構な損傷を受けた強化歩兵が膝をつく。今ので相当のダメージを? 理屈が分からんのだが。
「どういうことだ、お嬢」
そう問えば、お嬢は腕を組んでフンスとドヤ顔を見せた。
『ふっ、ユウヒちゃんは攻撃に加熱の効果を乗せることができる。アオイちゃんはその逆で冷却の効果を乗せることができる。つまりこれは――』
勿体ぶった僅かな間の後。
『
どどん、と大いばりで宣った。
……そんなんで防御力抜けるのか。抜けたからああなってるんだが……多分
と、金色が納得した様子で頷いた。
「なるほど。であれば……ミドリさん、ちょっとあの強化歩兵を一体
「う、同い年以上の頼みはやる気が出ないんだけど」
「言ってる場合じゃありませんわよさっさとおやりなさい!」
「はぁ~い」
渋々と姉らしき存在は構えを取り、駆け出す。クラン最速の彼女はガトリングガンの弾雨を回避しつつ一瞬で間合いを詰め、強化歩兵に殴りかかった。
「お姉ちゃんレバーブロー! あ~んどお姉ちゃんナッパー!」
相手の体勢を崩してカチ上げる。この女性格はアレだが、仕事はできるタイプだ。宙に浮かんだ強化兵の元に、これまた間合いを詰めた金色が迫る。
「良い位置ですわ!」
そして下からすくい上げるように、レールガンを強化歩兵のどってっぱらに突き刺した。
「ゼロ距離、獲りましたわよ!」
ドガンと発砲。強化歩兵はくるくると回転しながら吹っ飛び、頭から地面に突き刺さる。
金色は髪を掻き上げてふっ、と余裕の笑みを見せた。
「これぞ文学芸術的コンビネーション、「苔の一念岩をも砕く!」ですわ!」
「……わたし苔なんだ……」
ショボ~ンとしてるフェイク姉。……ふ~ん、文学芸術的な攻撃なんだ。どう見ても力業で無理矢理ダメージ通したようにしか見えんのだが。(←何もかもを諦めた目)
ともかく、ある一定の組み合わせで属性の違う攻撃を連続で叩き込めば、ダメージが通るようだ。お嬢がこれに感付いたのは偶然……じゃなさそうだな。彼女は時々本人にも分からない勘の良さを発揮する。多分指揮官としての才覚が未発達で、無意識に気づいた事象を纏め切れていないのだろう。それが勘の良さという形で現れていると見た。
確かに現場指揮官としては最上の才覚だ。欲しがるのは分かる。だがそれ故に――
……っと、そんなことを考えている場合じゃなさそうだ。牽制射撃を行っていた俺の元に、1体の強化歩兵が迫ってくる。ツーマンセルを組んでいない単体だから、コンビネーションは使えないと踏んだか。
『たーちょーさん、今そっちに……』
「不要だ。任せろ」
お嬢が仲間をこっちに回そうとするが、俺はそれを留めた。1体くらいならこっちでなんとでもなる。
身体能力のみを全力で増強。火力の強化は必要ない。
駆け出す。 ガトリングガンが放たれる。しかし、遅い。そのときにはもうフェイントを使って、強化歩兵の横に回り込んでいた。
そして。
「オルァ!」
膝裏に全力の回し蹴りを入れた。
当然強化歩兵は、どう、と倒れ込む。ここで思い出して欲しい。
じたばたじたばたじたばた。
倒れ込んだままもがく強化歩兵。
そう、こいつら転けたら自力で起き上がるのが非常に難しいのだ。
はい、ここで装甲の隙間から銃口を突っ込みます。
フルオートで撃ちます。
はい、びくんびくんいってから、静かになりましたね。
と、10秒クッキングしてやったら。
「「「「『えぇ~~』」」」」
なんか一斉に不満げな声が上がった。
『ちょっとそれはどうかと思う』
「情緒がないというか何というか」
「そりゃ効率的なのは確かだけどさあ」
「空気が読めないとはこういうことですのね」
「貴方そういう所よ。ホントそういう所よ」
なんでこんなにダメ出しを喰らうのか 。
女性に花を持たせないからじゃないかな?