ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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「クラン【アンビシャス】ですか。特に気にするようなことではないと思うんですけど」

 

 助手席で、レフト1が訝しげに眉を寄せる。

 ヤトマ女史から情報を得た俺は、早速件のクラン、アンビシャスが拠点としているマンションへ向かっていた。

 今回のメンバーは俺とレフト1、そして。

 

「確かに今まで目立った業績は上げていませんでしたが、最近の向上は急激な物です。何らかの要因はあると思いますよ」

 

 タブレットのデータとにらめっこしているトザマだ。

 もちろん彼女から今回の件について情報を得ている。しかし。

 

「原作と状況が変わっていますね。まずヒロコちゃん達が関わるはずだったんですよ」

 

 彼女はそう言った。ダンジョン内での偶発的な遭遇から、かのクランと関わることになっていたと。俺たちGSが関わることになるのは、今回のストーリーが後半になってからだったようだ。

 

「つまり今回は、自分の情報はまるで当てになりません。合っているのはクランの名前だけ、くらいに考えておいた方が良いかと」

「なるほど。それで件のクランは、原作じゃどんな連中だった?」

「普通に陽キャのDQN? ってやつですかね。最初は大分ヒロコちゃん達をなめてかかってたみたいですけれど、最終的に()()()()()()はずです」

 

 ……多分、()()()()なんだろうなあ。なんか結果が見えたので、それ以上のことは聞かなかった。

 

「いずれにせよ、()()()()()()()()()()()のは間違いないんだな?」

「原作通りであれば。この業績の上がり具合から言って、まず間違いないと思います」

 

 それはカントウ・メガを擁する謎の勢力を追う手がかりとなる、はずだ。原作ゲームとの差異がどの程度の影響を与えるかは分からないが、大まかに変わらないのであれば、実働する転送装置を入手することも不可能じゃない。

 そのようなことを前もって話し合い、アンビシャスとの()()を名目にトザマを連れ出したわけだ。

 で、今に到る。

 

「しかし良いんですか隊長、このメンバーで」

 

 レフト1が問うてきた。

 

「ただ話聞くだけだ。ネクスティスの時みたいに、いざというときはドンパチなんて考えてねえ。過剰な戦力はいらんのさ」

 

 アンビシャスを敵に回すつもりは全く無い。転送装置を所有しているかどうかを確認し、協力を要請するだけだ。転送装置を売りつけられたのは連中だけじゃないだろうし、最悪売りつけた方の情報が入手できりゃいい。俺はある意味アンビシャスにはあまり期待していなかった。ぶっちゃけ転送装置関係以外はどうでも良いとすら思ってる。

 

「ま、どっちみちライトメンバーは通常任務で手が離せねえし、他のレフトメンバーじゃ交渉には向かねえ。消去法だ」

「トザマさんを連れ出したおかげで、何人かから悲鳴が上がっていましたが」

「上げさせとけ。便利が良いからって、いい加減トザマを頼ってばかりじゃいかんだろ」

 

 まあトザマがGSのキャラを甘やかすのがそもそもいかんわけだが。しかしこいつの矯正はエイカと同等かそれ以上に難しいからなあ。どうしたもんだか。

 そうこうしているうちに、目的のマンションにたどり着く。このマンションをアンビシャスが所有しているわけではなく、部屋のいくつかを借りて事務所やメンバーの住居として使用しているようだ。駐車場にはクランの所有物らしい軽トラが数台止まっており、整備を受けていた。

 駐車場に車を止めれば、軽トラ周りで屯っていたいた者たちが、何者だと言わんばかりの視線を向ける。俺たちが車を降りれば、その視線に驚きの色が乗った。GSの人間が現れるとは予想していなかったのだろう。俺は近場にいた適当な人間に、身分証を提示しつつ声をかけた。

 

「お前さんらクランアンビシャスの構成員か? GSのモンだがちょいと話を聞きたい。リーダーに取り次いじゃもらえんかね?」

「え? あ、はい」

 

 ちょっと戸惑いつつも、若い兄ちゃんが答えマンションの方へ向かう。 屯っていた連中も顔を見合わせたり、不安げな視線をこちらに向けている。別にとって食いやせんというのに。

 

「日頃の行いって大切ですねトザマさん」

「自分たちはみんな似たり寄ったりだと思いますよ」

 

 ……うん普段の行いを思い返してみたらビビられる要素しかなかったわ。周りの連中は多少の残虐行為程度ではどうとも思わない神経鋼鉄製の輩であるが、そうじゃない人間からしたらヤベぇのの集まりだからなGSって。まあれだ、ウザくイキられるよかマシだと思っておこう。

 こいつらのリーダーも大人しくしてくれりゃあ良いんだが。そう考えながら待っていたらば。

 どがん、と言う轟音。マンションの方から煙が上がり、ドドドドド……と言う音が響いて遠のいていく。なんだ? 何が起こった?

 

「行くぞ」

「「はいっ!」」

 

 背後の2人に声をかけ駆け出す。懐の銃に手はかけたがまだ抜かない。まずは状況を把握することが先決だ。マンションの事務所へ急ぐ。

 1階にある事務所の前に来てみれば、その扉は()()()()()()()()()()()()()()吹っ飛び、もうもうと煙を上げている。そして扉から外の道路に向けて()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が続いている。一体なんぞ。

 

「おい、一体何がどうした」

 

 吹っ飛んだ扉の近くでへたり込んでる若いの――先ほど声をかけた青年に尋ねる。青年は、自身もどうなっているのか分からないといった様子で、戸惑いながら答えた。

 

「それがその……リーダーにGSの人が尋ねてきたと言ったら、なんかいきなり()()()()()()()……」

「「「はい?」」」

 

 なんでだよ。もしかしてGSに探られるとまずい、後ろ暗いことでもやってたのか?  

 ……まさか、原作にないような状況が起こっている、例えばカントウ・メガ一派の協力者だったとか?

 

「益々話を聞く必要が出てきたな。……レフト1、トザマ。ここ任せる。彼らの状況の説明と事情聴取を。何だったら応援を呼んで構わん」

「隊長は?」

「俺はリーダーとやらを追う。場合によっては非常線を張るぞ」

「「了解」」

 

 軽く敬礼する2人を置いて、俺は駆け出した。

 悪いがちょいと本気出させて貰う。逃がしはせんぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




リーダー「ヒェ」
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