ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

161 / 161
5

 

 

 

 

 

「そっちの()()はちょん切っちゃらめぇええええええええええ!!」

 

 意味の分からんことを叫びつつ飛び起きたアンビシャスのリーダー、【ハヤミ・ハヤト】。その横でしゃがんでいた俺は、軽く手を上げて言ってやる。

 

「よう、良い夢見てたか?」

「あへひゃぅわぁ!!」

 

 俺を認識した途端、悲鳴を上げて飛び上がり凄い速度で物陰に隠れようとする小動物ハヤミだったが、周囲がおれらとクランのメンバーに囲まれていると知ると、その場に蹲ってブルブル震えだした。

 

「お、オレに酷いことするつもりなのね!? えっちな本みたいに! えっちな本みたいに!!」

「こいついつももこんな調子なのか?」

「追い込まれるとなんでかこんなんになります」

 

 俺が問えば、メンバーの一人が答え、残りの面子もうんうん頷く。

 

「普段はわりとしっかりしてんですけどねえ」

「そりゃ仮にもクランリーダー張って、ここまで大きな被害もなく生き延びてきたんだ。しっかりしてなきゃ困る。……ってなわけでいい加減正気に戻れ」

 

 すぱんと軽く頭をはたいてやる。「ぺぎゃ」とかいう声を出して倒れ伏したハヤミだが、そのまましくしく泣き出した。

 

「うう……金なら、金なら良い感じで儲け出てきたからそのうち返すよう。もうちょっと待ってくれよう」

「また人聞きの悪いこと言ってくれてんな。誰が借金取り……ん?」

 

 はて、こいつ確か俺たちがGSだって認識しているはずだが。なんで借金返す返さないの話してる?

 

「何でそんな話になってんだ。GS(うち)は債務回収の代行なんてやってねえぞ」

「だってあんたらんとこ隣でサラ金やってんじゃないか!」

 

 ガバッと顔上げて訴えるハヤミ。まあたしかに、お縄をかけた連中に保釈金を貸し付ける金融業者がGS本部の隣に立っちゃいるが、あれはあくまでウチのバックがやってることであって、俺たちはその運営に全くタッチしていない。結構知れ渡ってると思ってたんだがな。そう思ってる間にも、ハヤミは言いつのる。

 

()()()()()()()()()()()の取り立てに来たんだろぉ! 多分全部一本化して利息上げて! この悪魔め!」

「何ソレ知らん」

 

 こいつ封印都市の外で借金しまくって、逃げ込んできたらしい。俺だけじゃなく、周りのクランメンバーも初耳と言った様子だ。そのあたりを上手く取り繕っていたようだな。

 しかしGSの隣に金貸しがいるだけで、妄想逞しいこと。

 

「生憎お隣さんの仕事は請け負ってねえ。取り立て屋なら専門の人間がおるわい」

「じゃあアレか!? 綺麗なお姉ちゃんが色々とサービスしてくれる店で()()()()()()()()()()()ヤツか!?」

「「「「「ほう?」」」」」

 

 俺の周囲で声が上がった。この話もメンバー達は聞いていなかったらしい。気のせいか気温が下がったような。ってか大概酷いなこの(リーダー)

 

「お前さんのツケとか知らんがな。なんで借金とかツケの取り立てなんてケチな仕事を、おれらがやると思われてんの」

「それじゃあアレだな!? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のが拙かったのか!? に、認知とか言われても困るぞこんな男が父親とか不幸を呼ぶ未来しかねえ!」

 

 

「「「「「……ほぉう?」」」」」

 

 

 今、明確に気温が下がったんだが? 気がつけば俺たちの周囲にはクランメンバーの()()()()()が固まっていた。(男性陣は少し離れた場所でこっちを見ながらブルブル震えてる)

 ……もしかしてこいつ、この女性陣全員に粉かけてたのか? お前ホント、ホントお前。

 

「「「「「ちょっとコレとお話したいんですけど、よろしい?」」」」」

「え? ええ!?」

 

 がし、と周囲の女性陣から捕縛されるハヤミ。自分が何を口走っていたのか自覚がなかったようで、狼狽えた様子を見せている。

 俺はため息を吐いた。

 

「……尋問が出来る程度にしといてくれ」

「「「「「Yes,sir」」」」」

「いやあああああオレに酷いことする気なのね!? グロ漫画みたいに! グロ漫画みたいに!!」

 

 ずるずると物陰に引きずり込まれていくハヤミが悲鳴を上げるが、もちろん誰も聞いちゃくれない。

 折角テックで治療したのに、また治さなきゃならんのか。すっごい無駄骨のような気がして肩を落とす俺であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしてオレがこんな目に……」

「自業自得って言葉知ってっか?」

 

 ボッコボコにされたハヤミが愚痴るが、命があるだけでもマシだろう。幸いというか、クランメンバーの女性陣に粉はかけていても深い関係には到っていなかったようで、フルボッコにされた挙げ句、総スカンを食っただけですんでいる。……今後のクラン運営がギスギスした物になるとは思うが、そこまでは俺の知ったこっちゃない。

 まあそんなことはどうでも良くて。

 

「もう色々面倒くさいんで単刀直入に言うぞ。お前らのクラン、最近怪しい転送装置的な物を手に入れたか? そいつを確認したい」

 

 そんな問いを放てば、ハヤミはぽかんとした表情で俺を見た。そして口を開く。

 

「……あの、オレ個人の話は全く関係ない?」

「端からピコグラム単位も関係ねえな」

 

 沈黙。そしてハヤミの表情がみるみる変わっていく。そして彼は叫んだ。

 

「最初からそう言ってェえええええええ!!」

「言う前におめえが逃げたんだろうが!!」

 

 叫び返した俺はハヤミをはたき倒した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




人の話はちゃんと聞こう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

タフネス系乙女ゲー主人公VS一般転生モブ兄妹VS出遅れたイケメンども。(作者:はめるん用)(オリジナル現代/冒険・バトル)

力に目覚めた女の子がイケメンを従え鬼と戦う、そんなゲームの世界に転生した兄と妹。前世の知識と経験を生かし主人公たちのアオハルを眺めてニヤニヤしようと企む兄妹だったが、オリチャーとガバチャーの連発で当然の権利のようにシナリオは崩れ始めてしまう。▼なによりも、主人公である巫女が成長するまで塩対応を続けてきたイケメンどもと、レベル1から支え続けてくれた転生者では信…


総合評価:40715/評価:8.92/連載:81話/更新日時:2025年10月26日(日) 00:53 小説情報

初期実装☆2盾キャラ(人権)の話(作者:POTROT)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

サービス開始から3年くらい経ってインフレもそこそこ進んだけど、未だに強くて殆どのパーティに採用されてるような低レアキャラが、とんでもない味方達に囲まれて苦労する話。


総合評価:26070/評価:8.77/完結:29話/更新日時:2026年06月06日(土) 22:41 小説情報

シンギュラリティ・ラッドピース(作者:物部。)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

ファミ通文庫様から【書籍化】します。▼ 『迷宮都市ヤマト』▼ 熟練のゲーム好きでも匙を投げる緻密なフラグ管理、キャラ一人一人に与えられた前日譚と言う名の回避不能鬱イベント。マイナーゲーマーならば一度は名前を聞く、鬼畜恋愛ゲームの世界にある青年は転生した。▼ 本編より10年前の世界。▼ 九条鋼と言う名の、ゲームでは名前すら登場しなかったモブと呼べるのかも怪しい…


総合評価:12933/評価:8.73/連載:45話/更新日時:2026年01月23日(金) 21:42 小説情報

好奇心で首を突っ込んだら攻略難易度ルナティックの黒幕美少女に目を付けられた件(作者:ああああああ)(オリジナル現代/ミステリー)

タイトルのままで、ギャルゲーの世界に転生した主人公が黒幕に目を付けられる話です。▼なんちゃってミステリーと恋愛を題材に書いてみたかったので出来ました。別作品の息抜きなので、反響があれば続きます。


総合評価:12292/評価:8.63/連載:17話/更新日時:2025年12月31日(水) 23:56 小説情報

恋愛要素ありの死にゲーに転生して鉈を振り回す転生者(作者:エヴォルヴ)(オリジナル現代/冒険・バトル)

エロゲーとギャルゲーの皮を被った死にゲーと名高いゲームの世界に転生した男。▼最大コンテンツたるハクスラ(最大コンテンツではない)とメインヒロイン(ヒロインではない)と導きのメインウェポンに脳を焼き尽くされた男は恋愛要素など知ったことではないと言わんばかりに突き進む。▼え?関わってきた人達の好感度ですか?(彼にとっては)知らない子ですね。子ではない?じゃあ、そ…


総合評価:16976/評価:8.3/連載:101話/更新日時:2026年03月12日(木) 23:36 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>