ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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 そういうわけで、スラム街へやって来た。

 ハヤミとレフト1とトザマを引き連れた俺は、件の転送装置を売りつけた店へ向かっていた。その最中にハヤミから色々と聞き出している。

 

「たまに掘り出し物があるっつってもなあ、怪しすぎんだろ転送装置とか」

「いやあ、客引きがエロいねえちゃんだったんでつい。なんか強者感バリバリだったけど」

「……そいつだらしねえ格好の黒髪ロングじゃなかったか?」

「なぜ分かるし」

 

 何やってんだあのバケモン(カントウ・メガ)。アレに客引きさせるとか、連中人手不足か。っつかアレ相手に良くホイホイついて行ったかこいつ。ある意味勇者か。

 それよりもだ。

 

「ヤツが客引きとか世も末だな。……まあ、()()()()()()()()()()。こいつの出番がないことを祈ろう」

 

 懐をぽんと叩く。今回はハンドガンしか用意していないが、装弾しているのは全部45口径CBJ 弾という、タングステン弾頭が仕込まれた特殊徹甲弾だ。こいつは物によっては旧世代戦車の装甲すら撃ち抜ける。アレ用に用意させて貰ったが……どこまで通じるかは未知数だ。

 もっとも、先に言ったとおり連中はすでに姿をくらませた後だと予想していた。連中の目的は恐らく、転送装置を含んだ()()()()()()()()()()()()()()()()()だと俺は睨んでいる。であれば一カ所に居座って商売のマネをする可能性は低いとみた。アイテムをばらまく理由? 多分実践テストと混乱を招くためだと睨んでる。GSを含む各勢力の目をそらし、何らかの本命を果たすために。

 そう言うことだと予想していても、一々調べにゃならんのだよなあ。そのあたりも狙いなんだろうが。

 

「で、ここか?」

「だった……んですけどねぇ?」

 

 ガラクタや食料品、盗品らしき物など様々な物が無秩序に売りに出された商店街()()()区画。その一角に目的の店はあったのだが。

 その正面は適当なベニヤ板が打たれ、塞がれている。どう見ても潰れた後だった。

 

「あっれぇ!? 半月前はやってたんだけどなあ!?」

 

 首を傾げるハヤミ。やっぱケツまくってやがったか。

 

「堂々と居座ったり待ち構えたりはしないと思ってたがね。……レフト1、手伝え。引っぺがす」

「了解です」

 

 野郎2人でベリベリとベニヤを剥がす。周囲の人間がなんだなんだと覗きに来るが、俺たちの姿を確認した途端、そそくさと去って行く。そりゃこんなところで怪しい商売をしてる連中だ。GS(俺たち)に目を付けられたくはあるまいさ。

 それはそれとして、人が十分出入りできるだけのスペースを確保し、俺たちは足を踏み入れんとする。

 

「俺が先行する。レフト1、フォロー。ハヤミはその後だ。トザマ、バックを頼む」

「「了解」」

「あ、あの? 僕も入るんですか?」

「店やってた連中の顔知ってんのお前だけだろ。観念してついてこい」

 

 渋るハヤミを促して銃を抜く。サングラスの音響、動態センサーをONにし、胸の前で銃を構えるハイポジションをとって、一歩ずつ進む。中は多少ほこりっぽいが、片付いている……というかがらんとしている。やはり慌てて逃げ出したのではなく計画的に撤退したなこれは。

 ……ん?

 

「またこれ見よがしな」

 

 奥の部屋。がらんとしたその中央に机が一つ。そしてその上には、スマートタブレットがぽつんと置かれていた。

 油断なく索敵。完全に気配がないことを確認した俺は、サングラスのインカムを起こした。

 

「エリーターズリーダーより本部。増援を要請する」

「こちら本部。増援の編成は、通常部隊で?」

「いや違う」

 

 通信向こうでオペレーターが困惑する空気を感じながら、俺は淡々と告げた。

 

「爆発物処理班だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「恐る恐る調べた中身が、()()()()()()とはね」

 

 報告を聞いた代表が鼻を鳴らす。処理班によって厳重に梱包され、技研に運び込まれたタブレットを調べてみたら、連中が開発し販売していたらしい()()のカタログがインストールされていた。そして中身はそれだけである。

 うん、挑発だろうコレ。代表もそれを理解しているらしく、青筋立ててお冠だ。

 

「これだけのものを作り、ばらまいた。そう宣言してんのよねコレ」

「でしょうな。置き土産のつもりなのかも知れません」

 

 連中の足取りは途絶えている。もしかしたら何らかの伝手を使って、封印都市の外に出た可能性もあった。それを調べると同時に、アイテムがどれだけばらまかれたのかも探らなければならない。やってくれるよ全く。

 

「また腹が立つのが、すっごく役に立ちそうなのよね。裏がなくてカタログスペック通りなら、探索者は欲しがるわ」

「それも狙いなんでしょう。連中がもし追加の生産を考えていないのだとすれば、アイテムの争奪戦すら考えられます。その上で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。いやらしいやり方です」

 

 転送装置を含む連中謹製のアイテム類は、ダンジョン内で役に立ちそうな物ばかりだった。対来訪者用複合センサーゴーグル、アサルトライフルサイズのレールガン、現在流通しているナビアプリより優れた自己学習型ダンジョンナビゲーションシステム等々、転送装置以外は普通にありそうな物ばかりだが、カタログスペック通りであれば探索者は欲しがる。数が少ないとなればプレミアついて取り合いなんて事もあり得た。

 そして連中のアイテムの製造にはテックが絡んでいる。つまりどんな隠された仕掛けがあるか分かりゃしないのだ。分解したところで技術者達が首を捻る不可解な構造が待ち構えており、表面的な性能しか分からない。下手すりゃ分解したら自爆なんてこともありうる。

 品物を追跡するのも調べるのも手間。これは完全にGSの足を引っ張りに来ている。さすがはボス勢力、と言っておこうか。

 

「かと言って手をこまねいてるわけにもいきません。できる事から一つずつ片付けていくしかないでしょう」

「正論だけどムカつくわね。……まあしばらくは、連中のアイテムを追いかけることになるんでしょうけど」

 

 代表はため息を吐いた。

 

「それで、転送装置とアンビシャスはどうなってるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いやすぎる置き土産。
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