ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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【あくのかいはつしゃ】

 

 

 

 

 

 香港。ダンジョンでありながら都市としても機能している、世界で唯一の場所だ。

 もっともダンジョンと化し拡張した九龍城に無理矢理住み着いているのを機能しているというのかと言われれば、ちょっと言葉に詰まる。そも行政なんて存在すらしていないし。

 そんな混沌の坩堝である香港だが、現在少し()()()()があった。

 この地に存在する数多の反社組織。その抗争が徐々に減っているのだ。何しろまともな警察組織もないものだから、反社的存在はやりたい放題。と言うかこの街の実質的な支配者である。彼らはダンジョンを巡る利権や何やを賭けて、日夜裏に表に抗争を続けている……はずだった。

 それが少しずつ、収まっていく。どこかが勢力拡大し、数多の組織を次々と傘下に入れているのか。あるいは何らかの事情により、組織同士が協力関係を結んだのか。住人の間で様々な噂が飛び交っていたが。

 

「予定通り事は進んでいるね」

「存外あっさりしすぎて拍子抜けよ」

 

 当然、やらかしている人たちがいます。

 どこにでもいるような女性に見えるのに、なぜか違和感を感じさせるその女は、ごちゃごちゃと機械類が散乱する部屋の中央で胡座をかいて座っている人物に語りかけている。 無造作に束ねた髪、適当に着込んだ作業着。そばかすが目立つ明るい雰囲気の女性。それが部屋の主のようだ。彼女はへらへらと軽薄な笑みを見せて、これまた軽薄に言葉を放つ。

 

「で、あたしちゃん謹製の増幅器(ブースター)はどんな感じ?」

「順調さ。全くもって問題なく機能している。()()()も満足しているようだ」

「そっか~」

 

 へらへらと笑ったまま彼女は。

 

()()()()()なあ。一回ぐらいは大失敗して爆発とかしてくれてもいいと思うんだけど」

 

 なんかとんでもないことを宣った。

 それを聞いた女の方は苦笑を浮かべる。

 

「私からすると羨ましい限りなんだがねえ。()()()()()()()()()()()()()()()()なんて」

「最初は有頂天になってたのよあたしちゃんも。でも、()()()()()ってのは、成功の喜びもなくて、張り合いがないのよね。開発者の端くれとしては外法極まりないと思うのですよ」

 

 へらへらとしている女の目。その奥には何やら黒く濁った色が見え隠れする。絶望のような、諦観のような、酷く疲れた何かがあった。

 

「これがあたしちゃん以外にも再現可能ってんなら、まだ作りがいもあると思うけど……他人には真似できないって時点で論外。こんなのは技術とは言えないわね」

「不満が分かるとは言わないよ。ただそのテックが我々にはどうしても必要だと言うことは理解して欲しいな」

「分かってるわ。あたしちゃんだって世界がこのままじゃいけないってのは理解してるつもりだし」

 

 自身のテックに不満がある。しかし、必要だから使う。作業服の女はそういうスタンスだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それだけの理由があった。

 

()()()自分のテックに思うところはあるねえ。……まあそれは良い。【置き土産】はどうだい?」

「まだ派手な取り合いまでは起こっていないわ。仕込んだ()()()()はそれほど強力な物じゃないから、じわじわ価値が上がってるように見えてるところ、かしらね」

 

 作業服の女はにやりと笑う。

 

「GSの介入は良い宣伝効果になったわね。そこまで計算して彼らを巻き込んだ感じ?」

 

 違和感を纏う女も同様に笑む。

 

「もちろん。彼らは良くも悪くも封印都市の中核。だからむしろ()()()()()()()()()()。ならば最大限に利用させて貰うさ」

 

 テックで作り上げられたアイテムをばらまき、封印都市中のテック使いに刺激を与えると同時に、GSを奔走させその目をそらす。そのような目論見があった。

 作業服の女が作り出すアイテムは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。GS隊長が危惧した隠された仕掛けはもちろん、盗聴器のように周囲の状況を彼女に伝えることも可能だ。遠く離れた地にいながらも、アイテム周りに関してはリアルタイムで情報を得ている。つまりGSは、いや封印都市そのものが、彼女らの手のひらで転がされているような物だった。

 

「彼らには()()()()()()()()()。さすがに()()()()()()()()()()()()()()までとは言わないけれど、それが見えてくるくらいには、ね」

「蠱毒の壺ってわけ? 強くしすぎるとあたしちゃんたちの邪魔にならないかな」

「我々が()()()()()()の保険は必要だからねえ。元々が狂人じみた真似だ。確実に成功するとは限らない。危険でも彼らが力を持っておく必要はあるだろう」

 

 女の目が鋭さを増した。

 

「しばらくは香港で色々と試す。そして世界の目を引き付けたところで、君にはあの国に戻ってもらう。そこからが本番だ」

「目途は()()()()が実用段階に至ったとき、ね?」

「そうだ。負担を押し付けてしまうことになるが、君が計画の中核だ。改めてよろしく頼むよ、【イスルギ・メイ】」

 

 作業服の女――メイは、不敵に笑み、答える。

 

「全部あたしちゃんに任せて……なんて言わないけれど、やるだけはやってみるわ。何もしなければ、()()()()()()()()()()()()()()()()んだから」

 

 女たちの目には、覚悟があった。

 その覚悟を持って何を成すつもりなのか、今はまだ見えてこない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※キャラ紹介

 【イスルギ・メイ】

 

 

 漢字で書くと【石動 明】。元ネタとなったキャラの名前をちょっと弄ってこうなった。

 

 謎の勢力の幹部格で、悪の科学者枠。転送装置を初めとするアイテムは彼女が生み出した。

 元々技術屋志望で、そのために努力し研鑽を重ねていた……ところで開発チートなテックに覚醒。オンオフが上手くできず(無意識にテックを使ってしまうことが多々あるらしい)、試行錯誤や失敗などなく想像した物を生み出せる上、自分以外には再現できないアイテムしか生み出せないテックに努力が無駄になったと失望し、やさぐれていた。そんなところで謎の女の勢力にスカウトされる。

 謎の女と意気投合した彼女は、勢力の計画に従い、様々なアイテムを作り出す。それらは封印都市中にばらまかれ、様々な騒動の要因となる……かも知れない。

 謎の勢力の計画、その中核であり、物語上重要な役割を果たす……と言ったようなことをうっすらと筆者は考えているが、当然適当にノープランなのでどう話が転ぶかは分からない。

 

 キャラクターのモデルはゲーム艦隊これくしょんより【明石】。彼女にそばかすがついて目のハイライトがなくなった感じ。

 イメージソングはロザリーナで【何になりたくて、】。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




転送装置とか作っちゃった人がこれ。
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