ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~ 作:捻れ骨子
※2日前
『臨時強化訓練編成2個中隊、総勢250名。ただいま着任いたしました!』
『よく来たファッキンガイズ。貴様らの着任を歓迎する』
勢揃いした米兵達が一斉に敬礼を行う。以前の連中よりも平均年齢が上で、見たところ練度も高い。前は試験運用と言ったところだったので、まだ若い連中を送り込んできたが、それなりの効果があったらしく、今回は本格的に対テック使いのノウハウを学び国に広めるため、将来的に教官や指導者となり得る人材をよこしたようだ。
彼らの前に立つフェバリット女史は、いつもと違い凜とした態度と表情で声高らかに告げる。
『貴様らが
『『『『『Yes,Mom!』』』』』
『よろしい。それではまず、貴様らを地獄の底に叩き込んでくださるGS隊長殿からお言葉がある。感涙にむせび泣きながら拝聴せよ』
なんでこの人軍人前にするとこんなにキャラ変わるのか。いやこっちの方が素なんだろうけど(←未だに勘違いしてる)、このギャップは慣れんなあ。そんなことを思いながら兵士達の前に立つ。
『紹介にあずかったGSエリーターズ隊長だ。まずは諸君の着任を歓迎しよう――
適当なことを言いながら兵達を観察する。以前の連中と比べて練度が上がっている分、自信もあるのだろう。何割かはこちらの方をなめてかかっているような気配が窺える。ふむ、
この間の連中みたいに、いきなり師匠呼ばわりして従順なのは扱いやすい。が、もう一つ上の段階まで対テック戦闘を叩き込もうと思ったら、負けん気の一つも持っていて貰わにゃ困る。
その自信が、どこまで自分たちを伸ばせるか。俺はにやりと笑みを浮かべて話を締めくくる。
『――見せて貰おうか。諸君の覚悟のほどを』
何人かの口から小さく「ヒェ」とかいう声が漏れたような気がするが。
うん、諦めて。
※another side
『しぬー! しんじゃうー!』
『足が、あしが攣ったぁ!』
『嘘だろオイ! なんであれであんなに動けんの!?』
『おれらと同じ強化フレームだよな? 向こうだけなんかズルしてるとかないよな?』
米兵達は、早速心が折れかけていた。
訓練の初っぱなから標準装備である強化フレームの電源を落とされ、いきなり模擬戦闘というハードモード。相手は同じように電源落とした強化フレームを纏ったエリーターズ(レフトメンバー)。最初はふざけやがって目に物見せてやると内心いきり立っていた米兵たちだったが。
開始5分で、米兵2個中隊は窮地に陥っていた。
要因は色々あるが、最大の物は
だと言うのに同じ装備を纏ったエリーターズは、淀みなく戦闘行動を取っているように見える。動きに多少のぎこちなさがあるので、強化フレームの負担が全く無いわけではなさそうだ。
『どういう手品だありゃあ』
四苦八苦しながら遮蔽物に隠れた兵の一人が、愚痴るように言う。同じように遮蔽物の裏に潜り込んだもう一人が、吐き捨てるように応える。
『そりゃこっそりテック使ってんだろ。でなきゃあんなに動けるもんか』
この模擬戦闘では、エリーターズはテックの使用を禁じている……と言うことになっていた。だが今の状況を鑑みると、それを遵守しているとは考えにくい。テックの波動を感知できない一般兵から見ればそう感じられる。
しかし。
『いんや、ありゃマジでテック使ってねえわ。一体全体どういうトリックだっつーの』
先の兵達と同じように退避していた低位テック使いの兵が、死人のような目で言う。米兵の中にも彼のようなテック使いはいたが、電源の落ちた強化フレームを纏って通常通りに動けるような人間はごく僅かだ。そう言ったテック使い達の目から見ても、エリーターズはテックを使っている気配が感じられない。
そのからくりは、そうたいしてものではなくて。
「いやあ、みんな良い感じで狼狽えてるね~」
「…………(汗)」
訓練場の中にある廃ビル。その中層階の窓から訓練場の様子を窺って、レフト6がサディスティックな笑みを浮かべる。その横でスナイパーライフル【H&K-SL-9タクティカルカスタム】を構えたレフト5が、心持ち引いた様子で冷や汗を流していた。
「電源落とした強化フレーム纏っての訓練なんて拷問、何の役に立つかと思ってたけど、運用する視点から見たら必要になるって分かるよ」
訳知り顔でうんうん頷くレフト6。前回の米兵教導以降、エリーターズの訓練にも電源無し強化フレームを纏っての訓練が追加されていた。そも強化フレームを運用していないエリーターズに意味は無いと思われたが、教導することを前提として考えていたのであれば話は違う。強化フレームの特性や欠点、運用のコツを学ぶにはうってつけの訓練だと、エリターズメンバーは理解を得ていた。
(それにこの状態の強化フレームでも、全く使えないわけじゃないからな)
口に出さずにレフト5は呟く。電源を落とした強化フレームはパワーアシストの機能こそ失っているが、『身体を支える構造』はそのままだ。これを上手く使えば、負荷を軽減し銃器を長時間構え続けることも可能だ。移動なども無理に力を入れずダンパーの反発力などを利用すれば、普通に小走りくらいはできる。もちろん普段よりも体力は使うしコツも必要だから無駄な動きは出来ないが、逆にそれが効率的な動きを生み出す要因となる。
まあ訓練すれば米兵達もこれくらいのことは出来るようになるだろう。苦労するけど。レフト6は嗜虐的に笑って、レフト5は諦観して、それぞれ思っていた。
「……お、動きが変わったね」
レフト5が双眼鏡を覗く。米兵達の一部が体勢を立て直し、反撃に移ろうとしているようだ。どうやら有能な指揮系スキルを持っているのがいるらしい。
「楽しませてくれるねぇ。レフト5、そろそろ出番だよ」
「……分かっている」
獣のような笑みを浮かべる
しばらくして、米兵達は
意味のあるお約束の洗礼が米兵達を襲う!