ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~ 作:捻れ骨子
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納得できない終わり方ではあったが、ともかくあほな騒動は終わりを告げた。
幸いにして、GSとしては被害がほとんど無い。暴走したとはいえ、ただ単に俺の目の前で格好つけたかっただけのエイカは、訓練場の外に出ることなく、また本能的に手加減もしていた。怪我人くらいは出たが、まあそれは普通の訓練でもよくあるレベルに押さえられている。不幸中の幸いと言ったところか。
その代わりと言っちゃあ何だが、エイカ本人は散々な目に遭った。
具体的にはベルセルククリニック送り。健康以外の色々なモノが犠牲になったようだ。加えてテンドウ女史が原因解明のために徹底した
……確かに加害者なんだが、同時に被害者でもあるし受けた仕打ちがあまりにもあまりなんでちょっとかわいそうになってきた。今度一杯おごってやるか。
で、やらかしたもう片方、テンドウ女史の方はと言うと、事後速攻で各方面に土下座行脚を行い、
「人死にが出なかっただけマシな騒動だろ。そうそうなんでも上手いことはいかんさ」
肩をすくめて俺は言った。今回のことは戦力底上げの試み、その一端だ。失敗することもあると割り切って考えた方が良い。
「まあクラハムさんも能力の向上を図りたいという思惑はあったみたいですね。焦りというか、貴方にアピールしたくて」
くすりと笑いながら言うのはナガバヤシ先生。ちょっとした野暮用があって彼女のもとに顔を出しに来ている。
「確かに頼りがいのあるに越したことはないが、なんかズレてんなあいつ」
「いつものことじゃないですか。……それで? 今回は何が聞きたいんです?」
先生に促された俺は、当初の目的を果たすことにした。
「テンドウ女史からある程度のデータは受け取ってると思うが……今回の暴走、
あのあまりにも強力な力。元がトップクラスのテック使いだったとは言え、何もかもが桁外れだった。
性質は違うが、
すう、と先生の目が細まった。
「
「どうしようもない最後の最後、的なモノならな。ネクストテクニクスも技術そのものは封印したとはいえ、アプローチとして考えないはずはなかろうよ。俺たちの方でも一考しておくべきかと思ってね」
自分たちが使わなくとも誰かが似たような手段を使う可能性は十分にあった。そのときの対策も必要になる。
ん~、と考えた先生は、ややあって話を続けた。
「……いくつか考えられますね。インプラント、ホルモン等薬物の投与、催眠暗示。けどどれもデータで見た出力に届くかは、疑問」
「あれほどの効果は期待できないということか」
「手段を選ばない、それこそ本格的な人体改造を施せば可能性はある。けれどもそれはあくまで可能性であって、確実性はないですね。それにそこまで改造したら、寿命を著しく……どころかほとんど使い捨て。その場限りのモノに成り下がるでしょう。上位テック使いをそんな風に扱うとか、ナンセンスにもほどがある」
手軽さを求めれば性能面で折り合いがつかず、能力だけを追求すれば実現の可能性はあるが、実用的ではない。その上ナガバヤシ先生クラスの技術を持たなければ、まず不可能な施術。手段として使える物ではなさそうだ。
「やはりそうそう上手い話はない、か。……しかしそうなると、カントウ・メガ、
前々から思っていた疑問が、つい口から漏れ出る。上位テック使いを使い捨て前提で魔改造して、やっと追いつけるかどうかという存在。テック使いとして隔絶しすぎた……いや、
だが、俺はヤツの力にどこか既視感があった。最低でも同じようなテックには心当たりがないというのに、何かが引っかかっている。それがどうにももどかしい。
俺の疑問に、先生は眉を寄せた。
「正直私もデータでしか知らないから、確たることは言えませんね。ただ、さっき言った強化手段を用いているわけではなさそう、って推測は出来ます」
「その心は?」
「まず簡易的な手段ではあの域に至れない。次に本格的な強化なら、そも貴方と交戦した次点でメッキがはがれるでしょう。いくら強力でもその場限りの使い捨てに、貴方が手こずるとは思えませんから」
「エイカの件から考えるに、そうとも言えんがね」
買いかぶりに近い評価に、俺は苦笑した。実際カントウ・メガにもエイカにも苦戦したわけだし。
ともかくアレに関しては、先生の思いつく強化手段を施されているわけではなさそうだ。
「じゃあ何が思いつく? 俺はどうにもアレの力に既視感がある。だがそれが何を連想させるのかが分からん。先生はどう見る」
俺の問いに、またもや考え込む先生。
「難しいことを聞きますね。まともなテック使いじゃないと言うことは分かるけど、じゃあ何だと言われれば答えに詰まりますよ。解剖すれば分かるかも知れませんが」
肩をすくめる。そりゃ実際相対したわけでもないのに、どうのこうのは言えんわな。愚問だったとちょい反省。
「すまんな、つまらんことを聞いた。アレとテック強化については別アプローチで考えるさ」
そう言うと、先生はにっこり笑った。
「通常の強化処理ならすぐにでも出来ますよ? やっときます?」
「おまけみたいなノリで強化手術勧めんなや」
どくたーヤエに聞いてみて!
聞いてみた。