ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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「じ、自覚はなかった……」

 

 指摘されて気がついた。言われてみりゃあ確かに狙われるわ。高位テック使い狙うより、よほど戦力の底上げに役立つ人材じゃねえか俺。

 うむむ、ある意味互助関係作るのに説得力は増したが。なんかこう、思ってたのと違う展開になってきたぞ。

 

「アナタが一番他人事じゃないじゃないの」

 

 呆れたように言うイケハタ氏。全くもってその通りなのでぐうの音も出ねえ。

 がっくりきてる俺を見て、イケハタ氏は肩をすくめた。

 

「まあ不義理をすれば容赦ない全自動キリングマシーンを無理矢理引き入れたいか、って考えるとねえ」

 

 その言葉をギンボシ女史が継ぐ。

 

「2時間くらいのアクション映画じみた展開が待ってるわなあ」

 

 これまたぐうの音も出ねえ。強制的にスカウトされそうになったら、ジ●ン・ウィ●クムーブをノリノリでやる自分が目に浮かぶわ。

 

「そうなったらクラン率いてついて行かせて貰います。検体多量に確保できそうだし」

 

 一人だけ空気違うぞ先生。

 

「実物知ってたら身内に引き入れンの躊躇するけどナ」

「共闘するくらいならともかく、配下に入れるかどうかは悩みどころであるな」

「やましいところがなくとも、背中から銃口を押しつけられているような状況は、心臓に悪かろう」

 

 そこまで怖がられるようなことしたか、俺?(←してる)

 

「……うちのクランとは結構相性良いみたいだから、私としては欲しいと思うんですけど」

 

 お嬢、気をつかってくれなくて良いぞ。……いやちょっと女神かな、とか思ったが。

 

「…………」

「隊長殿の存在は諸刃の剣ともなり得る。相当の覚悟がなければ使いこなすのは難しいと、頭目は申しております」

 

 通訳越しの言葉に、お嬢はこてんと小首を傾げ、事もなげに答えた。

 

「覚悟して使えば良いのでは?」

「あらやだこの子すごいガンギマリ」

 

 女神は女神でも戦女神の類いだったわこのお嬢。何でこんな子になった。俺のせいだったわ。

 まあそれはそれとして、集めたクランと協力関係を築くと同時に、自分の身を護る算段もしなきゃならんとは。厄介ごとの増量セールか。……ともあれ対処は考えなきゃならん。切り替えていこう。

 

「とりあえず俺の習性とか飼い方は置いておこう。それで、互助関係の構築に協力してもらえるだろうか」

「切り替え早いわねアンタ。……まあいいわ。うちとしても余計なリスクを背負い込みたいわけじゃないし、協力しても良いわよ」

 

 真っ先に賛成したのはイケハタ氏。彼が率いるクランは、どちらかと言えば反社的な存在であるが、無闇に諍いを起こしたがるわけでもない。どちらかと言えば穏健派だ。協力してくれるだろうと予測はしていた。

 

「公僕とはあまり連みたくはないんだが、そうも言っていられんか。……良いぜ、力貸してやる」

 

 ギンボシ女史が言う。彼女らのクランは軍から退役した元軍人で構成されている。そのせいか公的機関とはあまり関わりたがらない。が、状況が状況だ。己のクランだけでは対処しにくいと判断したようだ。

 

「検体も確保できそうだし、良いですよ」

 

 うんあんたはそう言うと思っていました先生。拒否されないのは良いけれど、なんだかなあ。

 

「…………」 

「先も言ったが可能な限りの協力はしようと、頭目は申しております」

 

 ここはまあ順当な反応だろう。 クワイエットレディースは公的機関の依頼もよく受けるし、それ故にコネクションを重視する。俺達や他のクランに恩を売っておくとか考えててもおかしくはない。()()()()()()()もあるかもだが。

 

「小生に異論は無い。先も言ったが借りもあるし、なにより己のクランを護るためだ。微力を尽くさせて貰おう」

「我も同様であるな。何より我らが覇道の邪魔をされるのは業腹だ。降りかかる火の粉は払わねばなあ」

 

 この二人のクランは探索者としての活動が中心だ。己の技量を世に知らしめる、野望を叶える糧とする。考え方と違いはあれど、己の目的のために邁進している部分は同じだ。それを邪魔されたくないと考えるところも似ている。

 さて、問題は。

 

「気にくわねェなァ」

 

 もう不機嫌丸出しといった様相のカワサキ嬢。彼女はヤンキーである。もう根っからのヤンキーである。最初の頃は俺に対して全面的に喧嘩腰だったくらいのヤンキーである。ゆえに警察的立場の俺たちと連むのは、抵抗があると思うんだが。

 果たして彼女は頭をバリバリと掻きながら、吐き捨てるように言う。

 

「人のシマに手ェだそうとするクソの存在も、それに対抗するにゃァうちだけじゃどうしようもねェって事実も、結果ポリ公(GS)と連まにゃならんって現状も」

 

 そこまで言ってため息を吐き、こちらを睨め付ける。

 

「クソが、協力しなきゃ詰みじゃねェか。……してやっから一生恩に着やがれこの野郎」

 

 すごく嫌そうに言い放った。うん、なんかすまんね。

 さてこれで全員……。

 

「給与の面より武器弾薬を望むだけ供給する方が魅力的かな。となれば支部長さんと掛け合って……」

「ヒロコさんヒロコさん。戻ってきてください」

「へ? ……あ、はい! 皆さんご協力ありがとうございます!」

「早い早い御礼を言うのが早い」

 

 ……中核になるはずのお嬢が、なんか微妙な感じなんだけど、大丈夫かなコレ。

 

 まあ、とにもかくにも。

 

 こうして密やかな脅威に対抗するべく、十人十色のごった煮状態で互助協力関係は成った。俺達はダンジョンという脅威の他に、外部からの介入という『侵略』と戦うべく備えていく。

 

 ……はずだったんだが、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やらかして、え?俺なんかやっちゃいました?じゃなくて、やってもた~って言うタイプ。
でもすぐ切り替える。それが隊長。
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