ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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「まあこのファッキンビッチどもがヴィランもどきの中じゃ比較的まともな方って時点デ、そう思われても仕方ないデスガ……って、隊長サン? もしかして英語分かるデスカ?」

「ああ、分かるから無理して……っと、あんたら英語はどうだ?」

 

 俺は居並ぶクランのリーダーたちに問うた。

 

「小生は問題ない。これでも一応海外の血を引く身分なのでな」

「専門はドイツ語であるのだが、英語も一応たしなんでおる」

「現役の夜間高校生ナメんな。必須科目だから嫌でも覚えたゼ」

「普通にしゃべれるから問題ないですよ」

「…………」

「うむ、全く分からんと、頭目は申しておりますが、拙者が分かりますので通訳いたします」

「……!?」

「え? 英語分かるの!? ですか。拙者は現役女子大生ですので、それなりには」

「士官学校で死ぬほど叩き込まれた。会話する分にゃあ支障ない」

「お店に海外の人も来たりするからね。会話くらいはできるわよ」

「うぬう。私分かんない」

「自分が通訳しますので。今度勉強しましょうね」

 

 一部を除いて問題は無いようだ。

 

『そういうこった。無理に日本語で話さなくても良い』

 

 俺が英語に切り替えると、フェバリット女史は目を伏せた。

 

『感謝を。ともかく先ずはこのキ○ガイどもを躾けてやって欲しいのです』

 

 英語だと雰囲気ががらりと変わるなこの人。こっちが素か。

 

『誰がキ○ガイだ! アタイらをこのヒーローオタクと一緒にすんな!』

 

 俺達の会話を聞きとがめたパンク女ががなり立てる。気持ちは分かるが五十歩百歩じゃないか?

 

『何を言うかマイフレンド。君たちは悪を懲らしめて評価されているだろう。つまりは私の同類』

 

 なぜか大いばりで宣うヒーロー女。パンク女はムキーと真っ赤になって吠えまくる。

 

『アタイはマフィアとかギャングとか襲って金品奪ってたら、勝手に祭り上げられただけだぁ! 断じてヒーローごっこに興じていたわけじゃない!』

 

 彼女に続いてお水と引きこもりも愚痴る。

 

『うちはレイパーどもの(リボルバー!)を()()()()()()雌堕ちさせてただけだしー。ヒーローなんかじゃないしー』

『お金貰って恨み晴らしてただけなのに……ヒーローとか病む……』

 

 なるほど。

 

『悪人ターゲットに悪事働いて、結果民衆から支持を得たタイプか。加えてターゲット以外には余計な被害を出さないと見た』

『その通り。これでもヴィランもどきの中では自制が利く方なのですよ』

『逆にヒーローもどきの方は自制が利かないタイプだな。まあ犯罪行為に走ってる時点で目くそ鼻くそだが』

 

 俺はチラリとこっちのクランリーダーたちに視線を向けた。

 

「ま、なんとかなるか」

「言いたいことは分かるけどアンタも同類だからねキリングマシーン」

 

 封印都市の外だったら犯罪行為じゃすまないことやってるしな、お互い。

 まあそれはそれとして。

 

『先ずは彼女らの躾け、って事だが、模擬戦の一つもしろと言うことかな?』

『そうですね。そちらも準備万端のようですし、獣を躾けるのには殴るのが一番かと』

 

 うーん、口調は丁寧だが言葉の端に米国面(偏見)がにじみ出てるなあ。しかしそれなら話は早い。

 今回この場にいるのは、クランリーダーたちとお嬢に蒼の子、そして俺達エリーターズ(一部)と言うメンバーである。各クランそのものはやることがあるし、俺達も通常業務がある。それに全体のフルメンバー呼んだら演習場埋め尽くしちまう。様子見ってこともあって、控えめな数になった。

 対する相手だが、歩兵部隊はいいとして……。

 

「テック使いは見事に属性が分かれてるな」

 

 テック使い同士なら、属性とか能力の強さとかはなんとなく分かる。(近年では器械でも測定できて数値化も可能だ)ただその能力の詳細までは判別ができない。しかし気配から高位テック使いであることは間違いなさそうだ。

 

「こっちの誰を出しても対抗はできそうだが……問題は連携かな。それを考えて組ませるとなると……」

「それなんだけどたいちょーさん、ちょっといいですか?」

「なんだ?」

「今回()()()()()?」

 

 その問いに、俺は片眉を上げて答える。

 

「1つな」

「なら編成はこういうのでどうかな?」

 

 にやりと笑うお嬢。その提案に俺達は顔を見合わせた。

 そして。

 

「最低限と考えれば、無難なところか」

 

 腰回りにマガジンポーチを追加し、カスタムしたMCXを肩に担いだ俺。

 

「組むのはこの間ぶりですね。足を引っ張らないように微力を尽くします」

 

 いつものプロテクターを纏いギミックソードを携えた蒼の子。

 目の前に立つ俺達2人を見て、パンク女は鼻で嗤った。

 

『ハン、ブラックメンもどきと乳臭い小娘だけでアタイらとヤろうって? ナメられたモンだな』

 

 残りのヴィランもどきも不服そうな表情だ。

 

『皆が尻込みする中、名乗り出たのが2人だけとはな! しかしその意気や良し! 敬意を表し全身全霊で叩き潰してやろう!』

 

 まあ狂人はほっといて。

 

『やってみれば分かるさ』

 

 フェバリット女史の言い様じゃないが、こういう輩に言葉を重ねるのは無意味。実力が最大の言語だ。

 俺は不敵に笑い、MCXのチャージングハンドルを引く。

 

『見せて貰おうか。米国のテック使いの実力とやらを』

 

 弾丸が装填される音が、じゃきんと鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




暴走する系のヒーローと、いい人に勘違いされる系のヴィラン
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