ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~ 作:捻れ骨子
演習所内でそれぞれ配置につく。 俺達の指揮を執るのはお嬢。向こうは無し。もうこれだけで大分ハンデではなかろうか。
もっともそんなこと知ったこっちゃないので、存分に利用させて貰う。
『どっちみち彼女らだと指揮官の言うことなんか聞きはしないと思う』
「同感ですね。そも連携が取れるかどうか怪しい物です」
「特にあのヒーローっぽいのか。孤立するな」
準備を整えて軽くブリーフィング。 やることは大体決まっているので、後は向こうの出方次第だ。
『いくつかパターンは考えられるけど……動いた! やっぱりね』
お嬢の索敵に引っかかったらしい。模擬戦開始の合図を待たずに動き出すと予想はしてたが、まるっきりその通りの行動パターンを取るとは。少し笑えてくる。
「で、先行してくるのは」
『これまた予想通りヒーローさんだね』
「それじゃあ手はず通りに。油断するなよミナセ嬢」
「そちらも。ではお先に」
ミナセ嬢が先行し、俺が少し遅れて後を追う。程なくして、土煙を上げて爆走するヒーロー女が現れた。
『ふはははは粉砕爆砕だいかっさ……』
ミナセ嬢はヘビーマシンガンモードのギミックソードを容赦なくぶっ放した。
『あぶあぶあぶ危なっ! コラ貴様卑怯だぞ!?』
ヒーロー女は泡を食って回避。間髪入れずギミックソードを変形させたミナセ嬢が斬りかかり――
『ヒャッハー! 貰ったゼェ!』
そこに横合いからパンク女が振りかぶったエレキギターで殴りかかってくる。それに追従したのか、残りの2人も攻撃を行おうとしていた。
すかさずMCXを指切り3点射。空中で俺の攻撃を受けたパンク女はその反動を利用して後退。残りの2人も一旦下がる。その前に割って入って、俺は銃を構えつつ告げた。
『こっから先は通行止め。お前さん方の相手は俺だ』
『おいおいマジナメくさってるなブラックメン。てめえ1人でアタイら3人相手にしようって?』
半ば見下し、半ば苛立ってパンク女が言う。俺から属性の気配がしないので、低位のテック使いって事は分かるはずだ。舐めてると思われても仕方は無い。
俺はただ不敵に笑みを浮かべて、こう言ってやった。
『御託はいい。とっととかかってきなお嬢ちゃん』
『上等だ吐いたツバ飲むなや!』
吠えたパンク女が攻撃を仕掛けようとし。
「【
ミナセ嬢の全体デバフテックが発動した。
『なっ!?』
パンク女は蹈鞴を踏み、そこに容赦なく銃弾を浴びせてやる。動きが鈍った彼女は自分の得物で何とか凌いだ後、俺に食ってかかった。
『てめ卑怯だぞ!!』
『当たり前だ。敵は卑怯に決まってんだろ』
多分こいつら不意打ちや闇討ちなんかで一方的に叩きのめすことには慣れていても、策を講じて罠にはめる相手には慣れていないようだ。だからこそ当局に捕縛されたんだろうが。
『多少動きが鈍ったからってー!』
『だったらこっちも……っ』
両手にでっかい裁ちバサミを持ったお水が突っ込んで来て、同時に俺の身体がずしりと重くなったように感じる。引きこもりのテックか。
連携したのではない、ただ単に同時に動いただけだ。しかしタイミングが合った。動きが鈍った俺に裁ちバサミが迫り――
「
自己バフにてデバフの効果を相殺。左手に持ち直したMCXで裁ちバサミを受け止める。甲高い音が鳴り響いて火花が散るのと同時に、俺は右手で引き抜いたインフィニティをぶっ放していた。
『ぬわったぁ!?』
お水は奇声を上げて、身体をよじって銃弾を回避し飛び退く。間髪入れず飛来した何かを、俺は余裕を持っては回避した。
「黒塗りのナイフに極細ワイヤーか。動きが鈍ったところを死角からぐさり、ってわけかい」
『ちっ、これだから陽キャラはっ!』
ワイヤー付きナイフを回収しながら、引きこもりが忌々しげに舌を打つ。
ふむ、パンク女がパワー属性、お水が速度属性、引きこもりが技量属性ってのは分かっていたが、いまいち力を使いこなせてる感じがしないな。手加減する理由もないし、純粋に技量不足なんだろう。能力に頼ってそれを磨くことを怠ったと見える。もったいない。
もしかして将来性を見込まれたか? 手駒にするために育てようとしているのかも知れない。まあ前も言ったとおり高位テック使いはくせが強いのが多いので、そうそう上手く行かんとは思うが。
それはともかく、インフィニティを懐に収め、俺は改めてMCXを構え直す。ヴィランもどき3人は動きが鈍くなったこともあって警戒を強め、距離を取って俺の隙を窺っている。
『たいちょーさん!』
「
突如
仕上げをご覧じた。