ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

34 / 155
気がついたらお気に入りが1500を超えていました。ありがとうございます。
そして誤字が増えております申し訳ない。指摘してくださる皆様に感謝を。

今回推奨BGM、ゲームDDRから【B4U】。あるいはゲームマヴラブから【送迎最速理論】。


ほのおのたからもの
1


 

 

 

 

 

 ぎぎゃ、とタイヤが短く悲鳴を上げる。

 

「逃げ切れると思ってんのかまだタネがあるのか、どっちだ!?」

 

 全ての能力を増強させたアルトワークスのハンドルを握るのは俺。

 

「いずれにせよ逃がさんのである! 罠があるなら噛み砕くまで!」

 

 怒りを隠さない表情で助手席に座るのはマウザ嬢。

 

「おうおうおうおうおうおう……」

 

 後部座席で目を回しているお嬢と。

 

『なんでアタイがこんなことに巻き込まれてんだァ!?』

 

 ひっくり返ってがなり立ててるパンク女。

 バックミラーを確認してみれば、アホみたいな動きで追走してくる渦巻く十字団の兵員輸送車と、これまたアホみたいな挙動で追走してくるホープブリケイドの機動指揮車。

 

「総統、総統ー! お待ちくださーい!」

「おのれちょこまかと!」

「盗人風情が、往生際の悪い!」

「【タカミ】さん! もう少し安全運転という物をですね!?」

「もう少し大人しくても罰は当たらないとお姉ちゃん思うんだけどな!?」

「じゃかあしいだーっとれ舌噛むぞ!」

「「はいごめんなさい!!」」

 

 なんかごちゃごちゃ言ってるようだが、ちゃんとついてきているようだ。

 俺たちが総出で追いかけ回しているのは、黒のデリバリーバン。相当弄ってある上にドライバーもそこそこやるようで、封印都市のごちゃごちゃした道を荒っぽくすり抜けていく。

 

「隊長殿、この先はどうなっている!?」

「いくつか分かれ道がある! 封印都市の外に出ようと思ったらどれでも一緒だな!」

「そう簡単に出られる物なのか!? 地下道は全て潰されているだろう!」

「蛇の道は蛇ってヤツだ! それにヘリか搭乗型ドローン(ライドローン)のパーツ運び込んで組み立てたら、最低限のスペースありゃなんとでもなる!」

 

 限界を超え悲鳴のような音を奏でるエンジンの咆吼と吹き荒ぶ暴風が唸る中、俺とマウザ嬢はがなり立てるように言葉を交わす。まったく、こんなことになるとはね。腹が立つほどおもしれえじゃねえか。

 追跡劇は続く。デリバンは曲がりくねり障害物だらけの道を、避けて跳ね飛ばして挽き潰してひた走る。周囲がどうなろうとお構いなしだった。それを追う俺たちもドライブテクニックを駆使し、離されまいと食らいつく。

 ぎゃぎゃぎゃと音を立て、片輪を浮かせながらデリバンが無理矢理角を曲がる。俺は曲がり角の直前でギアを一速落とし一瞬だけサイドブレーキを引き、最小限のパワースライド(ドリフト)で後に続く。タイヤの滑りを最小限にしてパワーロスを抑え、車の速度低下を可能な限り防ぐ技術だ。

 

「やるではないか! それも増強の恩恵か!?」

「運転技術は自前だよ! カーチェイスの機会にゃ事欠かさないんでな!」

「なるほど道理だ!」

『何言ってんだかわかんねーけどまともに走れェ!!』

「おうおうおうおうおうおうおうおう……」

 

 てんやわんやである。 うむ、今思えば後ろの二人は後方の車両に放り込んだ方が良かったかも知れん。今更だけど。

 と、デリバンのリアゲートが左右に開いた。

 ぬっと姿を現すのは、RPG(ロケットランチャー)構えた黒ずくめ。

 俺とマウザ嬢は即座に銃を引き抜く。

 バンバンバンバンバンバンバンバンバン! 爆竹の連打のような音が響いた。

 RPGが撃たれるとほぼ同時に銃を連射。その甲斐あってRPGのロケット弾は信管を撃ち抜かれ爆発。その衝撃で揺らぐ車を制御しつつ、弾を撃ち尽くした銃のマガジンキャッチボタンを押しながら一瞬手首をひねる。

 排出された空マガジンが車外に吹っ飛んでいくが、それを気にしている場合じゃない。車で爆煙をぶち抜きながら、スライドストップしたままの銃を噛み咥え、懐から取りだした予備マガジンをグリップへ叩き込む。

 噛み咥えたまま銃をスライド。口から銃を放し片手でチャンバーチェック。大分ぶっ放したが、機能は問題ないようだ。まあ最終的にはとどめが刺せりゃいい。

 ちらりと左側を見れば、同じく銃に弾を装填しているマウザ嬢。彼女が使うのはモーゼルM712をベースに、H&KのMP7A1と同じ弾丸、4.6x30mm弾を使えるよう1から設計し直して近代化したものだ。デザインは結構変わっているが、マガジンと給弾クリップのどちらでも弾を装填できる機構はそのままだった。

 専用のクリップでイジェクトポートから12発の弾丸を装填し、マウザ嬢はクリップをしまってボルトを引きチャンバーチェックを行う。

 

「はん、追い込まれてきたか? 容易にデカ物を引っ張り出すようではなあ!」

「最低でも攻撃型のテックは持ち合わせていないようだな。温存する場面でもない」

 

 テック使いであろうがなかろうが、盗人としては手練れだろう。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それにしても解せないところがある。()()()()()1()()()()()()()、ここまで必死になるか? 世界で1つしかないとはいえ、もっと価値のある物もあったというのに。

 ()()()()()()()()()()()()()()()だが、他人にとってはただの珍しい銃だろう。価値はある。が、そこまで必死になる物でもない。奴らは何が目的なんだ?

 疑問が浮かぶが今はそれを置いておく。今は連中を追い込みカタを付けるのが先決だ。

 

「この先にちょっとした広間がある! 仕掛けてくるとしたらそこだな!」

「上等! 蹴散らしてくれる!」

 

 牙をむき出すかのごとき獰猛な笑みを浮かべるマウザ嬢。彼女は射貫くような目で下手人のデリバンを見ていた。

 

「奪い返す。必ずな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はアクション成分多め
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。