ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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「ほんでウチんとこ来たちゅうわけですか」

 

 目を細めて言うのはマネ女史。俺たちは彼女の店を訪れていた。

 銃器関係と言えば彼女が適任だろう。それに色々とコネもあるだろうしと考えてのことであったが。

 

「悪いんですけど見込み違いですなあ。そう言ったお話はよう持ち込まれるんですけど、ウチではお断りさせてもうてます」

 

 そう言われた。

 

「ウチでは基本バッタモン(出所の怪しい品物)は取り扱わんようにしとるんです。そう言ったモンはトラブルを呼びますんでなあ。中古品もシリアルナンバーないのは引き取りませんし。サタデイナイトスペシャル(粗悪品)なんかは論外です」

 

 確かにこの店は高品質な物を扱い、中古もジャンク品などは出してこない。この街でそれをやるのは並大抵のことではないが、逆になんらかの後ろ暗いことがあるとも思える。マネ女史の雰囲気がそう感じさせるというのもあるが。

 

「それに骨董品扱いの銃というモンはどうも好きにはなれませんで。銃っちゅうんは撃ってなんぼやと思うてますし。最低でもウチの店で取り扱おうとは思いませんなあ」

 

 少し眉を上げて言う。本心を言っているようにも誤魔化しているようにも聞こえる微妙さ加減だ。いずれにせよこの件で協力は得られそうにない。彼女の言い様じゃないが、当てが外れたな。

 

「そうか。……すまない、邪魔をしたな」

 

 そう言って立ち去ろうとする俺たちだったが。

 

「まあお待ちよし。ウチでは伝手とかありませんけれど、伝手がありそうなとこに心当たりはありますえ?」

 

 にんまりと、一物ありそうな笑みを浮かべるマネ女史。何か企んでる感じか?

 

「ほう? 条件は?」

「なに、貸し一つって事にしときますわ。そのうちお食事でも一緒にしてもうたら」

 

 ただのお食事で済むのかどうなのか。内心警戒しつつも、マネ女史の話を聞いてみることにした。

 

 

 

 

 

「キネコさんいい人なんだけどな~。()になったら手強いだろうな~」

「あの二人そういう関係とは違うような気がするのだが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、次に紹介されたのが。

 

「「「「「いらっしゃいませ」」」」」

 

 イケハタ氏が経営するカジノ【バブルマネー】である。

 さて、ここで一つ豆知識。以前も話したかも知れないが、テック使いの素質を持つ者は女性の方が割合が多く、探索者もそれに応じて女性の方が多い。そしてこういう店で楽しめる客層も、自然と金持ってる女性探索者の割合が多いわけだ。

 それが理由というわけでもないが、この店の店員は……。

 

 キュートなウサギの耳!

 丸くてふわふわのシッポ! 

 あふれんばかりの胸と纏った小さめのベスト!

 膨らみが自己主張しているブーメランパンツ!

 

 ……そう、ムッキムキのバニーボーイだった。

 いやいいんだけどさ。女性が喜ぶのか、これ? 疑問に思いながらイケハタ氏に面会を求める。

 ややあって。

 

「お待たせ。ちょっとダンスショーの準備があってね」

 

 イケハタ氏が現れるとほぼ常時に、常設しているステージでショーが始まる。

 野郎のポールダンスショーなんか需要あるのかねえ? とか思ってたら。

 

「いーぞいーぞもっとやれー!」

「激しく上下に! そう良い感じ!」

「かぶりつきデース! サービスするデース!」

 

 ……なんかどっかで見たようなピチスージャケットと迷彩タンクトップと金髪巨乳が最前列で騒いでるんだが。

 何してんだあの人ら。そんな目線をイケハタ氏に向けてみれば、彼は平然と答えた。

 

「常連よ」

「……彼女(金髪)もか?」

「最近会員証作ったわ」

 

 なんだかなあもう。……まあ大佐とギンボシの姐さんはともかく、フェバリット女史は仕事が絡んでるんだろう。多分。

 ……仕事言い訳に遊んでんじゃねえだろうな? (※仕事関係無しに遊んでます)

 まああの3人は見なかったことにして。イケハタ氏というか777マフィアはほぼ反社で、もろ裏社会に浸かっている。真っ当でない闇のオークションにも関われるのでは、というのがマネ女史の言い分だった。

 そう言ったもろもろの事情を含めて、かくかくしかじかと話してみれば。

 

「なるほどそういうこと。良いわよ、協力したげる」

 

 至極あっさりと、イケハタ氏は協力を申し出た。

 

「えらく判断が早いが、いいのか?」

「アタシ嫌いじゃないのよ。そういう先祖伝来の物を大切にするって感覚」

 

 イケハタ氏はふっ、と格好付けて笑い、そして続けた。

 

「それにGSの機嫌損ねて、店ごと吹っ飛ばされたくないもの」

 

 だいなしだった。

 そしてこっちの話が聞こえていたわけでもなかろうに、ステージの前でこっちを見てばちこーんとウインクしながらてへぺろと舌を出し、親指を立てる大佐の姿が。

 可愛くないんじゃむしろ怖いんじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なおキネコさんとしては、精一杯愛想良くしているつもり。
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