ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~ 作:捻れ骨子
【ユウカside】
いや~助かったわ。正直今回はヤバいと思ってたんで、ホント命拾いをした感が強い。こんな危機感覚えたの最初にダンジョン潜った頃以来だわ。
あたしらが彷徨っていたのは、やっぱり2階層だった。どうやらまだ未探索の領域には、本来もっと下の階層を徘徊している来訪者が屯っている場所があるらしい。
クラハムさん曰く。
「効率と安全性を考えたら、そう言った場所を見つけても寄ろうとは考えないさ。報告の義務もないしね。僕は自己鍛錬と小遣い稼ぎに丁度良いから、あのあたりをよく利用していたんだ」
主にクワガタが出没するあの地域は、彼女にとって都合の良い
今回たまたまクラハムさんが狩り場に赴いていたおかげで、あたしたちは命拾いした。いきなり知らない場所に吹っ飛ばされたのは不運だったけど、こうやって助かったんだからトントンって所かな。ダンジョンはまだまだ油断ならない場所だと再確認できただけでも収穫と思っておこう。
で、あたしたちを助けてくれたクラハムさんだけど。
「助かったのは確かだ。礼を言う」
「隊長くんに礼を言われるとは、出張ったかいがあったという物」
「安すぎるなその台詞。そういうのは1杯おごられてから言え」
「それは1杯おごってもらえると解釈して良いのかな?」
「飲み代持つだけだ。そっから先はないぞ」
「……僕は今、歓喜に震えているっ!」
「だから安すぎんだろお前」
上の階層に向かう道すがら、隊長さんと楽しそうに言葉を交わしている。明らかにクラハムさんからは好意が見て取れた。とてもじゃないが、
二人とも切り替えというか割り切りというか、他の感情と殺意がシームレスに移行する。内心葛藤とか迷いとかあるのかも知れないけれど、それはそれでと行動に移すことができるってのは、最早根本的に常人とは感性が違うとしか言いようがない。
人から言わせればあたしも似たような物だろうけど、あたしは流石に身内や仲間に刃を向けるとなれば絶対躊躇う。この二人はそれすらない。親兄弟恋人友人、いかなる立場であろうとも、必要とあらば敵に回し容赦しないだろう。幸いにして今のところそんな機会はないのだけれど。
できれば知り合いと殺し合いはしたくないなあ。よそのクランとかと散々バチバチやっといて今更だけどさ。そう言ったことをつらつら考えているうちに、あたしたちはGSと合流した。
……なんでGS隊員の人たちは誰一人驚かないのよ。みんなああやっぱりかって顔なのは、隊長さんを信用していたからなのかしら。あのC13って隊員だけよね、なんか不安そうだったの。
「良かった。二人が無事で」
そして出迎えてくれたヒロコは、心底安心したような笑みを浮かべていた。こちらは普通にあたしらの事を心配してくれていたようだ。
『あの男といい……この国の連中って変なのばっかり』
カティナは何か言いつつそっぽ向いてる。もしかして照れてるのだろうか。深く突っ込んでへそを曲げると面倒だから何も言わないけど。
……まあ、それは良いんだけどさ。
「なぜ俺は正座させられているのだろうか」
「おかしいなあ僕感謝されこそすれ、怒られる覚えはないんだけど」
「だまらっしゃい」
「「はい」」
なんで隊長さんとクラハムさん正座させられてるんだろう。いやヒロコは隊長さんが気になってるから色々思うところはあるんだろうけど、分かってる人間は怖くてあの2人にあんな真似させられないよ? ヒロコが分かってないはずはないんだけどなあ。
「みんなに心配させたんだから、せめて申し訳なさそうな態度を取ろうとは思わないんですか。何二人で楽しそうにイチャイチャと。羨ましいから混ぜろください」
「「アッハイ」」
説教というか愚痴のようなことを延々と2人向かって言うヒロコと、神妙に聞くしかない二人というよく分からない光景。それを見てあたしはなんとなく思った。
もしかしてあの二人が敵に回ったとしても、ヒロコなら何とかするんじゃなかろうか、と。
そしてそれはあながち外れていないような気が、すごくした。
※キャラ紹介
【アカサカ・ユウカ】。
漢字で書くと【紅坂 優火】。紅い、火からこのような名前になった。
ゲームだとしたらサブヒロイン筆頭。イメージカラーが紅のポニテ娘。
蒼の子に次いでお嬢と合流。そのままホープブリケイドのメンバーとなる。本文で本人がちょっと触れていたが、代々続く実戦剣術の道場で生まれ育った。若くして師範代クラスにまで至る技量を持つ。その剣術の腕にテック能力を上乗せすることで、遠距離から攻撃を放つことも可能。また基本攻撃力も高いので、相性が悪い敵以外には主なダメージソースとなることが多い。
性格はサバサバとしたさっぱり系。愛想が適当で敬語もあまり使わないが情に厚い。また個人戦闘レベルであるが戦術に長けているので状況判断が速い。その上で隊長や痴女ほどではないが性根がガンギマリ系であるため、迷いながらも最善と思われる手段が取れる人物。
戦闘コスチュームは蒼の子の色違いで紅白が基調。同じくシンフォなギアで、Gの紅いフレームがモデル。当然電磁ブレードはガーベラなストレートに寄せたデザイン。
使用できる固有テックは『加熱』と『集約』。分子の運動、熱エネルギーをある程度制御することが可能。彼女が放つ斬撃はこれの応用で、実は熱エネルギービームである。
外観のイメージは小説インフィニット・ストラトスより【篠ノ之 箒】。ブツはかなり大。
多分クランで一番の常識人な紅の子。