ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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 死屍累々。訓練が一区切りついた時の様子を一言で表せば、そうなる。

 

「アタシらがどうこう以前に、アンタだけで十分心折れそうなんだけど?」

 

 なんだかんだで訓練のアドバイスとかしてた大佐の言葉である。確かに端から飛ばしすぎた感はあるが、この程度で心折れてちゃ話にならんぞ?

 

「あの……訓練内容、どうこう言う以前に……()()()()()()()()()()()()()、問題ではないかと……」

「な、なんで、ずっと組み手やってて、元気いっぱい、なんだよこの人……」

「おかしくね? なんかすっごくおかしくね?」

 

 息も絶え絶えなレフト組三人が口々に言いやがる。こいつらはまだマシで、一般隊員達は声を出すのもしんどそうだった。けどこちとら見てくれほど平気じゃねえぞ。

 

「いくら何でも俺だってしんどいわい。……やっぱしばらく本格的に近接の訓練してねえから、鈍ってんな」

 

 言いながらタオルで汗を拭う。多くの人間と入れ替わり立ち替わりで組み手をやった結果、服の下は汗でぐっしょりだ。こりゃちょっと先にシャワーでも浴びといた方が良いか。

 

「ともかく今回はここまでだ。総員十分に身体を解して休みを取れ。自主訓練は止めやしないが、やり過ぎると明日に響くからほどほどにな。筋肉痛で動けないとかないようにしとけ」

「ここから、自主訓練をしようという、根性のある人間は、自分を含めていないと思いますが……隊長は、どうするつもりで?」

 

 レフト1の問いに答える。

 

「シャワーで汗流してから外回りだ。武器弾薬の発注や、ちょいとした情報収集だな。直帰になるかも知れんから、その場合は適当に上がってくれ」

「まだこっから仕事する気とか、すでに色々おかしいからねアンタ」

 

 大佐はそう言うが、嫌でもやっとかなきゃならんことが多いのよ。俺だって帰って酒かっくらって寝たいわい。

 これから先の対策は、何も訓練だけじゃない。やることは山のようにあった。

 一つ一つ崩していくしかないんだがね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなわけで、これが発注依頼書だ。確認を頼む」

「へえ。拝見させて貰います」

 

 マネ女史の店を訪れた俺は、封筒に入れた発注依頼書を彼女に手渡した。ネットやファックスで発注すれば良いと思われるだろうが、インフラが信用できないこの街では対面でのやり取りが一番確実だったりする。まあ俺が直接来る必要は無かったんだが、用事もあったしな。

 

「……300blackout、7.62㎜NATO弾、9パラ、45ACPの徹甲弾(アーマーピアシング)。12.7㎜の徹甲弾と徹甲榴弾(APHE)。チタンショットシェルにタングステン弾頭スラッグ。……ダンジョンに潜るっちゅう話は聞いてましたけど、中型以上の複合装甲対策ですな、これ」

「ああ。それと【バレットXM109】の採用も検討されている。多分数は限定されるが通るだろう。用意しておいて貰いたい」

「へえ。発注の準備はさせて貰いますけど。……本格的ですなあ」

 

 XM109とはバレット対物ライフルをベースにした、25x59Bmm対物グレネードを用いるグレネードランチャーだ。通常のバーレットライフルに比べ短く取り回しがしやすい上、口径がでかく様々な弾頭を使用することができる。装弾数が少ないのが難点だが、ダンジョン内で使用できる火器としては最大級の威力を誇る。一般兵が中型以上の来訪者を相手にするのであれば、必要となるだろう。

 可能な限りの火力の充実。代表と俺は協議の末、その方向での戦力向上も図ることにした。銃器による火力の向上は限度があるとは言え、一般兵にとっては大きな差が出る。弾頭を変えるだけでも、命を拾う確率は上がるという物だ。

 ただし予算関係で代表が泣きを見るのが確定しているが、正しく必要経費と言うことで見なかったことにしよう。

 

「とまあ公的な注文はここまでだ。後は個人的に頼みたい物がいくつかある」

「おや、弾丸の更新だけでは物足りない、ちゅうわけですか?」

 

 ぎらん、とマネ女史の目が光ったような気がした。彼女もまた武器マニア。俺が頼もうとする物品に興味津々なのだろう。

 

「そんなところさ。で、頼みたい物なんだが……」

 

 俺は注文をマネ女史に告げる。そうすると彼女は、悩むような表情となった。

 

「他はともかく、()()()()()に関しては、ちょっと確約しかねますなあ。繋ぎがある職人に聞いてみますけど、期待はせんといてください」

「そいつに関してはできれば、でいいさ。あくまであればありがたい程度の代物だ」

「さいですか。ほならぼちぼち当たってみますわ。……そういえば、面白い品物があるんですけれど、ちょっと見てくれません?」

「なんだ、珍しいな?」

「隊長さんの好みではないと思うんですけれど……ん、ありがと。これですわ」

 

 メイド服の店員が持ってきた物を受け取るマネ女史。それをカウンターの上に置いた。

 

「こいつは……【コイルガン】、か? ……弄っても?」

「どうぞご自由に」

 

 手に取ったそれは、大型のハンドガンのように見える。磁力で弾体を飛ばす電磁銃らしい。

 ふむ、マガジンはオートマチックハンドガンと同じグリップに挿入するタイプ。銃の上部後方がデザートイーグルと同様にスライドして、ハンドガンと同じ要領でチャンバーに装填するのか。ブローバックのたびに内部機構が露出する危険があるが、弾詰まりを起こしたときに排出しやすいようにという配慮のようだ。

 マガジンを出し入れしたりスライドを確かめたりしてみる。ふむ、しっかりした作りだ。ガタつきもない。

 

「3㎜径の伝導体を弾体にすることができる銃ですな。径が合えば釘を加工してもいけます。バッテリーケースは銃身の下。電動工具と共用規格になってます。装弾数は40。連続射撃回数は最大で300前後。最大出力なら貫通力は357マグナムと同等以上。最近取引を始めた工房の品です」

「確かに俺の趣味じゃないが……出来が良いな。火薬式のオートマチックを扱い慣れた人間にも使いやすいよう配慮がされている。良い設計士と職人の仕事だ」

 

 一通り弄ってから、それをカウンターの上に置く。

 

「こう言った方向性で、武器の更新を考えてみたらどうか。ということかな?」

「あくまで参考、って所ですけれど。最近はこんな感じで良い電磁火器も出てきてます。信頼性はまだ火薬式には劣りますけど、威力と弾数は十二分かと」

 

 彼女なりに気をつかった上で、新たな商売に繋げようという意欲が見える。全くちゃっかりしてるよ。

 

「前向きに検討してみるとするさ」

「ご入り用の際は、是非とも当店にお声がけを」

 

 満面の営業スマイルを見せるマネ女史に別れを告げ、俺は店を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




武器調達シーンは、良いぞ……。
そしてサーバーパンクチックなSF銃も出していきたい。(出すとは言ってない)
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