ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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 色々とあったが、ひとまず必要なところに面通しはした。そして俺たちは帰路につく。

 

「それでどうよ、現実のキャラ達は」

「生で動いている姿をたっぷり堪能させて貰いました」

「そうじゃねえよ」

 

 むふー、とか満足げなトザマにツッコミを入れる。すると彼女はてへりと笑った。

 

「もちろん半分は冗談です。……私が知っているのと大差はありません。一部を除いて」

「一部? 違いがあったのか?」

「ええ、ヒロコちゃん、原作での主人公なんですけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。まあああなるのは限られた状況でのみのようですけど」

 

 そう言いながら意味ありげに俺を見る。なんだ?

 

「……この間のダンジョンの時には、自分報告とかで席外してたんですけど、ヒロコちゃんあんな感じになったりしました?」

「なったな。なんか正座説教されたぞクラハムと一緒に」

「……あ~」

 

 納得したような態度のトザマ。お嬢がああなる理由に心当たりがあるらしい。

 

「OK理解しました。それはヒロコちゃんの心のデリケートな部分に関わることなんで、優しくしてあげてください」

「まあそう言うなら」

 

 同じ女性なら分かることもあるのだろう。優しくしておけと言うのであればそうした方が良さそうだ。具体的にはどうすれば良いか分からんが。

 

「大きな差と言えばそのあたりですね。……みんな生きて、ここに確かに存在しています」

 

 転生者であるトザマにも、色々と思うところはあるのだろう。()()()()()()()()()()()()()()俺のようなひねくれ者よりは、まともな感性をしている。

 と、トザマが話を変えてきた。

 

「そういえば、隊長銃を接近戦仕様にしてましたよね」

「ああ。これから必要になるだろうと思ってな。それがどうかしたか?」

「自分が覚えている範囲ですが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そも明確に隊長が格闘技に精通しているって表現もありませんでしたし」

「ふむ、微妙に性格が違う、ということか?」

「そう言うよりは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()っていう、IFの感じですね。むしろやっぱり隊長だと納得しました。……ん? あれ?」

 

 突然何か何か思いついたらしいトザマは、眉を寄せた。

 

「……ヒロコちゃんの事といい、隊長もちょっと原作変えちゃってますね」

「武器はともかくお嬢は俺のせいかぁ?」

「隊長のせいです。どういう意味かは彼女の名誉のためにいいませんが、人生変えちゃった責任は考えておく必要があるんじゃないですか?」

「そこまで」

 

 良いことなのか悪いことなのか分からんが、俺もどうやら少し原作をねじ曲げてしまったらしい。

 まあ原作通りに行動しようとしても、全く同じようになるとは限らんのだが。はたしてこれは、蝶の羽ばたきですむ物なのかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トザマを官舎に送り届け、俺は自分の部屋に戻った。上級職員用であるこの建物も、GSで買い上げた官舎だ。外観は古くさいが最新鋭の防犯設備と防災設備が整っている。

 日課を終え、俺は煙草をくわえ一服していた。しかし身体は休まっても心はどうにも休まらない。今日1日で、色々と考えることが増えた。

 トザマ・ミユ。俺以外の転生者。彼女の記憶は段階的に解放されるような限定的な物だが、その知識は役に立つ物が多い。これから先、力になっていくだろう。

 

 ()()()()()()

 

 封印都市に不穏な空気が流れているこのタイミングで、原作知識を持つという転生者の発覚。狙ったようなこのタイミングは、何者かの思惑が絡んでいるのではないか。そう言った疑いが、常に俺の脳裏にはあった。

 トザマ本人に悪意があるという問題じゃない。彼女が偽っているという疑いはもちろんあるが、そうでなくとも何者かに利用されているという可能性もある。記憶その物が植え付けられたりした物だとかな。

 その目的、および下手人はと考えると、これは絞り込むのが難しい。GSに敵対する勢力がスパイとして送り込んだ、あるいは内部からの破壊工作を狙った、と言った物から俺たちをこの世界に送り込んだ何者かの策略。はたまたダンジョンの向こう側の仕業。等々色々と思いつく。

 疑わしいところがあるというだけで、何も根拠はない。だがもし彼女が何らかの偽りを持っているとしたら……致命的なことになる可能性が高い。それだけは避けねばならなかった。

 

 かくいう()()()()()()()()()()()()。前世の記憶なんて物を持っている時点で、己自身の存在に対し眉につば塗っとかなきゃならん。以前はもしかしたら何か未発見のテックなのかも知れないと思っていたが、トザマの存在がその考えを否定することとなった。何しろ彼女は()()()使()()()()()()。前世の記憶がテックによる物ではないという生きた証拠だ。ならばなんだと言われると、その正体は皆目見当もつかないと言うしかない。

 この世界のルールに当てはまらない何か。前世の記憶とはそのような怪しい代物だ。それを所有する俺やトザマは異物でイレギュラー。存在自体が疑わしい。これまで役に立ってきた前世の記憶が、急に怪しげな物に感じられるようにもなった。我ながら神経質だと思うが。

 

 鬱々とした気持ちを紫煙と共に吐き出す。疑いだしたらきりがないと分かっちゃいるが、どうも根っからの性分のようだ。前世でなんかよほど嫌なことでも…………あったような気がするわ。この世界ほどでは無いにしても、性根が捻くれてしまうくらいの経験を積んでしまったような記憶がおぼろげにある。

 まあいずれにせよ、何があっても対処できるよう準備と心構えをして、ことあるごとに乗り切っていくしかない。そう考えつつも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。度しがたい矛盾した性分。業が深いというか、これもまた何か仕組まれた物なのかね。

 

 ともかく嫌でも何でも俺たちはこの世界で生きていて、生き続けていかなければならない。それだけは確かだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




チューおじ「今更だが前世がとか言い出すヤツぁ怪しくね? 俺含めて」
要約するとこれ。
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