ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

72 / 155
【姉を名乗る何か】

 

 

 

 

 

 【ミドリside】

 

 

 ああもう! あのヤンキー小娘ひろこちゃんをこき使ってくれちゃって!

 

『タイマン張らせるよ! 失墜天使のみんなはセツナちゃんの邪魔させないで!』

「「「「「応っ!」」」」」

 

 言葉まで乱れてるううううう! タイマンなんて不良の言葉、使っちゃダメえええええ!!

 

「ミドリさん! ハンカチ噛んでくきぃ~とかやってないで、こっちを手伝ってくださいまし!」

 

 戦闘指揮車の上部ハッチから身を乗り出し、ヤンキー娘を出し抜こうとしている余所の暴走族(サンピン)に対して、レールガンで牽制射撃を行っているカナが叫ぶ。

 ふ、この私を舐めて貰っちゃ困るわ!

 

「自慢じゃないけど射撃下手だから、への役にも立たないわよ!」

「ホントに自慢じゃありませんわね!? 何しに来たんですの!?」

「ただひたすらにひろこちゃんが心配だったからに決まってるでしょぉ!」

「あほですのあほでしたわね!!」

 

 私の至極真っ当な主張を一蹴するカナ。ひどくない?

 と、助手席で指示を飛ばしていたひろこちゃんが、不意にこちらを向いてにっこり笑った。

 

「お姉ちゃんの格好良いとこ、見てみたいな?」

 

 ………………。

 

「シャアオラやぁーーーーってやるわよ!」

「チョロっ! このあほの子ちょろいですわ!?」

 

 カナがなんか言ってるけど耳に入らない。ひろこちゃんに期待されたからにゃあ、やらなきゃ女が廃るというもの! 

 私はサイドのドアを蹴り開けて、飛び出す。周囲でバイクを駆っていたヤンキーどもが「「「「「は?」」」」」って顔で見てるけど知ったこっちゃない。空中でテックを発動させる。

 

「【加速(アクセル)】っ!」

 

 足が地面につくやいなや駆け出す。自慢じゃないけど、速度なら上位テック使いにも引けを取らないんだから!

 

「「「「「生身でバイクに併走してるううううう!?」」」」」

 

 はっ、この程度ならあのスタイリッシュヤクザ(エリーターズ隊長)だってやってのけるわよ! 数秒しか保たないけどねっ! 

 全力で疾走してから、近場の三下に跳び蹴りをかます。失墜天使と違ってむさい男ばかりだから見間違うことはない。

 

「へぶぁっ!?」

 

 蹴られた男が吹っ飛び、私はその反動を利用して宙に舞う。そして再び三下を蹴りつけ、跳んだ。

 

「ちょっと流された! ならっ!」

 

 後方に流されたので両の腰から専用銃(フッカーガン)を引き抜いて虚空に撃つ。その反動を利用して姿勢制御、戦闘指揮車の上に着地する。

 

「真面目にやったらできるのだから最初からちゃんとしてくださいな!」

 

 カナが文句つけてくるけど無視無視。ひろこちゃんに頼まれなきゃこんなことやんないんだから。

 

「あのやろう何えり好みしてやがんのよ!」

「大丈夫だよツタエさん、本当に嫌ならやってないもの」

 

 さて、次なる獲物は……。

 

「やっぱりてめえら総長に手ェ出す気だったなこの野郎!」

「うるせえ女のくせに生意気なんだよ!」

「むしろ別の意味でナマイキさせてやらあ!」

「「「「「セクハラか潰すゾ?」」」」」

「あ、ちょ、やめてやめて本気で四方八方から物投げないでえぶらう゛ぁっ!?」

 

 ……う~ん、三下どもは失墜天使の連中に押さえ込まれてる。噂の黒いバイクに挑戦すると見せかけて、あのヤンキー娘に横から手を出し倒して名を上げる、なんてことを考えていたらしい。三下らしい浅はかな考えだ。

 それはそれとして、ヤンキー娘の方は……。

 ん? あの黒いの、ハザードランプ焚いてる?

 

「っ! ジョートーだ! やってやんヨ!」

 

 ヤンキー小娘が加速。それを見たカナが声を上げた。

 

「あれは走り勝負の合図!? あの黒いバイク上位テック使いに対して勝負を挑んだというの!?」

 

 なんであなたそんなこと知ってるの。いやまあそれはいいけど、2台のバイクは加速して激しいデッドヒートを繰り広げる。ここまではひろこちゃんの思惑通りだけど。

 ……って。

 

「ナメんなよこん畜生!」

 

 三下の駆る1台。2人乗りをしていて集団から少し遅れていたそいつのバックシートに座っているヤツが、ロケットランチャーなんて物を取りだしていた。

 どこにそんな物を、と思っている暇はない。集団から少し離れているせいで失墜天使の連中が対処するのは間に合わない。ちっ、仕方ないわね!

 

「【加速】っ!」

 

 屋根から飛び出し、横合いからロケット弾を迎撃しようと――

 

「馬鹿め! 狙いはテメエだ!」

 

 ロケット弾が私に向かって放たれた! くっ、迎撃っ!

 本当に射撃が苦手な私だが、飛んできたロケット弾を()()()()()()くらいはできる……けど。

 殴りつけたロケット弾はその場で爆発。咄嗟に防御したけどその衝撃までは殺せない。

 

『ミドリさんっ!』

 

 お姉ちゃんって呼んで。そう言う間もなく私は空中で体勢を崩して――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※人物紹介

 【カザマツリ・ミドリ】

 

 

 漢字で書くと【風祭 翠】。名前の由来は風と緑。割とそのまんま。

 見た目はボブカットの和風美人。中身はアレ。

 

 自称姉。気に入った人間にはお姉ちゃんと呼ぶよう圧をかけてくる。

 ホープブリケイド結成直後に参入。多分最初のガチャ説明とかで出てくるキャラ。

 出会った当初からヒロコを気に入り彼女の姉を自称する。ヒロコばかりで無く気に入った年下の少年少女を弟妹と見なし見境無しに構いまくる、ある意味非常に迷惑な人物。

 そんな彼女には凄惨な過去が……全く無い。普通の家庭に生まれ普通に成長し、普通にテックの才能があったから学び、ちょっと優秀だったから異世界対策機構にスカウトされた。それだけである。家庭環境も一人っ子だった以外に特筆することもなく、実はアオイなどとほぼ同じような状況で育ってきた。なのにどうしてこうなったのかは筆者にも分からない。

 

 当然戦闘コスチュームはシンフォなギアでグリーンなフレームの感じ。だが武器はナックルダスターと合体したデザートイーグル、通称【フッカーガン】というキワモノ。本人曰く「撃っても当たらないから殴った方が早い」とのこと。実は射撃が下手。

 使用するテックは【加速】と【反応速度向上】。ともかく早く動くこと、速度を上げることに特化しており、並のテック使いの倍以上の速度で行動できる。ゲーム的には1ターンに2回行動することが可能、みたいな。ただし近接以外のダメージがショボい。

 

 外観のイメージは漫画もののがたりから【長月 ぼたん】……を想定していたんだが、ヤバさっぷりからアニメGQuuuuXの【シイコ・スガイ】でも良いような気がしてきた。なおたわわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そこはかとなくピンチに陥った姉。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。