ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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【部下その4……と】

 

 

 

 

 

【another side】

 

 

「なるほど、取り逃がしたと。……委細承知。では後ほど」

 

 インカムで隊長と連絡を取っていたレフト4が通話を終えた。

 

「対象には逃げられたようですな。我々はこの場で待機。隊長殿が戻ってくるのを待てとのことで」

「……了解」

 

 失墜天使のメンバーにしこたまタコ殴りにされ虫の息となっている余所の族を、3人ほど纏めて引きずってきたレフト5は、口数少なく返事を返す。

 怠惰なだけのライト5とは違い、口下手(と自分では思っている)なレフト5は、目線を装甲車の方に向けてから言う。

 

「……そろそろ満杯だが」

 

 彼の視線の先では、装甲車の周囲に集められた族達を、満面の笑みで()()しているレフト6の姿があった。

 

「ふふふ、我慢しちゃダメだよ? いい声で啼かせてあげるから」

「うう……やめろ、やめてくれェ……」

「そんなこと言って。ここはこんなになってるのに」

「う…………うぎぇあああああ!! や、やめろ……やめてぇ! 死んじゃうううう!!」

「まだまだ元気じゃない。痛いのは生きてる証拠だよ? ほら、ここをこうしたら……」

「んぎょへゃああああああああ!!」 

 

 お約束である。そして酷い絵面であった。

 そんな光景を見ても、レフト4と5は全く動じてない。もう慣れっこだ。

 

「ま、()()()()()()()()()なんとかなるであろう。本部まで死にはせんでしょう」

 

 地獄絵図だなあ、そう思ったレフト5であるが、他人事なので指摘しなかった。

 

「……それで、対象は?」

 

 逃したらしいが、封印都市でも指折りのテック使いと隊長に追われて、簡単に逃げられるとは思えない。一体どうやってとレフト5でなくとも思うだろう。その問いに対して、レフト4はどういったものだか一瞬迷った。が、他に言いようも無いので正直に答える。

 

「空飛んで逃げたのだそうで」

「……空飛んで?」

「空飛んで」

「……なるほど」

 

 どういうことだかさっぱり分からなかったが、空飛んで逃げたと隊長が言うのであれば、本当に空飛んで逃げたのだろう。ついに空飛ぶ輩まで出没するようになったのかこの街は。

 ……出てもおかしくはないわ。レフト5は得心した。

 

「おーい【ゴカセ(レフト5)】~、おかわりまだ~」

 

 近場の連中に治療という名の残虐行為を終えたらしいレフト6が、催促してきた。レフト5は気持ちを切り替えて、彼の元に怪我人(犠牲者)を運ぶ。

 

「あとどれくらい居る?」

「……4、5人ほど。それで終わりだ」

「おっけ~、やっとくから残り連れてきて」

「……了解」

 

 治療が終わって白目を剥いた族どもを、無造作に車両に詰め込むレフト6。それを背にレフト5はレフト4を伴って、残りの怪我人を回収しに向かった。

 再び響く悲鳴を聞かなかったことにして、レフト5は珍しく己から話を振る。

 

「……対象の目的はなんだと思う?」

 

 その問いに、レフト4はふむ、と考えてから答えた。

 

「皆目見当もつかぬが、ただの愉快犯でないことは確か。高位テック使いと互角に渡り合える身体の強化技術と車両。そして空を飛ぶという技術。どれをとってもコストがかかっておる。愉快犯をやるだけのためにそこまで金をかけますまい」

 

 なるほど道理。普通に考えればそうなる。

 しかしこの界隈、()()()()()()()()()()()が多々出没するからなあ。レフト5はそう思うし事実だ。ホントに愉快犯やるためだけにそこまで金をかける輩が出てきてもおかしくはない。いや大分おかしいけど。

 

「ほうれほうれ、ええか? ええのんか?」

「も”う”や”べでェえええええええええ!!」

 

 背後で断末魔が響いているような気がするがそれは置いといて。

 

「まあいずれにせよ」

 

 レフト4は、苦笑しながら言う。

 

「我々と何らかの形で関わることは、間違いなかろうかと」

 

 ですよねー。心の中でがっかりと諦めたレフト5は、こっそりため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして某所。

 夜の闇の中走る、どこにでもありそうな大型コンテナトラック……のコンテナの中。

 そこは様々な機材で埋め尽くされている。その中央、様々な機器を取り付けられたり、なんやかんやされているのは、失墜天使などを翻弄した大型バイクだ。

 その乗り手は、ヘルメットを外して技師達のリーダー格であろう人物と言葉を交わしている。

 

「良い結果が出ている。マシンの方は十分な性能と言えるだろう。……君自身は?」

「悪くない。スーツとバイク(これ)との相性も良い。個人的には十分実戦投入できるレベルに仕上がっているな」

「それは重畳。()()()にも良い報告ができそうだ」

 

 浮かれ気味の技術者を余所に、その人物は考える。

 今回は()()()()()()()()()()()()()を選んでのことだったが、常識外の相手ではどこまでできるか未知数だ。実戦に投入できるとは言ったが、実際はまだしばらくデータ取りが必要だろう。

 

「……さて、我々は()()()となりうるのかね」

 

 スーツの人物は、密やかに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※キャラ紹介

 【レフト4、5、6】

 

 

 GSエリーターズレフト分隊メンバー。

 数少ないテック使いの野郎ども。例に違わず個性的。

 

 

 レフト4【シホウ】

 レフトメンバーのライトマシンガン使い。

 複合武器などの奇天烈武器が大好きなオタクだが、自分では使いこなせないと自覚しているので、人が使うところを見て喜んでいる自制のあるオタク。

 独特なしゃべり方をしている基本変人。

 キャラのイメージはゲームシュタインズゲートの【橋田 至】。当たり前のようにいい性格をしている。

 

 レフト5【ゴカセ】

 レフトメンバーのスナイパー。

 本文で語っている通り、口下手を自称する。ライト5と比して大火力で一撃必殺を狙うのではなく、精密な狙撃で目的を果たすのを得意としている。見た目がごつく、それに見合う怪力の持ち主。

 外観のモデルは漫画こちら葛飾区亀有公園前派出所より【ボルボ西郷】。常識人に見えてやはりいい性格をしている。

 

 レフト6【ロクドウ】

 レフトメンバーのヒーラー兼デバッファー。

 童顔のかわいらしい容姿だが、その実態は歪んだサディスト。味方の時は控えめだが、敵と認識した相手を治療するときは、最早ヒーラーの名を借りたおぞましい何かへと変貌する。小悪魔とかじゃなくモノホンの悪魔かも知れない。

 外観のモデルは漫画暗殺教室の【潮田 渚】。言うまでも無くいい性格をしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




伏線を消費したつもりが、新たな伏線が生えてる感。
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