ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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最悪の状況を想定する≠ハードルを上げる
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 テック使いと互角の能力を持つと推測される存在の出現。

 それは各勢力に震撼を……招いたりはしなかった。

 

「やっとこさこっちの技術がテックに追いついた、って所かしら」

 

 さも当然といった様子で言うのは代表。黒いヤツの出現を予想していたような態度だった。

 

「大きな声じゃ言えないけれど、どこの国家、勢力でも研究してることよ。()()()()()()()()()()()()()()()というのは」

 

 聞いたことのある話だ。特に大国は、そう言った研究に大金をつぎ込んでいるという。

 だが。

 

「自分の知っている範囲では、そう言った研究の成果が出たという話は聞いたことがありませんね。隠しているだけかも知れませんが」

「ある程度目処が立っても、簡単に表沙汰にはできないことだしね。逆に表に出てきたって事は」

「実戦投入できる目処がついた、と」

「そう言うこと。どこの勢力かまでは分からないけど、ダンジョン対策メインで動いてくれて、ワタシ達が少しでも楽になったらありがたいんだけどね」

 

 そう上手く行かないだろうなあと、顔に書いてある。俺も同じ意見だ。

 

「どうせまた何らかの接触があるでしょうな。そして面倒なことになる」

「でしょうね。……でも一つ、気になることがあるのよ」

 

 代表は眉を寄せた。

 

「身体能力を上げたとして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()よ。広範囲火力やデバフ、精神影響系なんかに対抗する措置。それが取られていなければ片手落ちよね」

 

 対来訪者、対テック使い。どちらにせよテック対策は必要となる。それがなければいくら強力な強化措置だとしても、役に立つかは微妙だ。

 であるならば。

 

()()()()()()()()()のではないでしょうか。以前ダンジョンの向こう側がテックを封じる可能性があるという話をした覚えがありますが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()、おかしくはないかと」

「……あ~、そうよね。ありうる話だわ。最悪と言うには程遠いからまだマシか」

 

 テックを封じられると言うことは滅多にないが、まれにそのような能力を持つテック使いもいる。俺も一度だけ遭遇した。そうでなくてもテックが使えない状況というのはあるし、それを想定して俺達は訓練してもいる。そのことを鑑みて最悪よりマシ、と代表は言っているのだ。

 

「GSはテックが使えなくても戦えるだけの面子と体制が整っています。我々が相手をする分には、滅多な相手は後れを取らないと思いますが」

「一般兵を対テック戦闘で戦えるようにした第一人者だものねあんた。よっぽど奇天烈な相手でない限り後れは取らないわよね。……目からビームとか」

 

 その唐突な言葉に、俺は一瞬考える。

 

「…………最初の一撃を凌ぐことができれば、なんとか」

「真面目に考えんな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ともかくGSについてはさほど問題にならないと判断された。まあ奇天烈な手段を持ち込まれたらその限りじゃないような気もするが。目からビームとかロケットパンチとか。

 実はそう笑い事でもない。目からビーム出すようなテック使いに何人か心当たりがあるんだが、テック使いなら気配で分かっても、サイボーグとかが不意打ちでやらかすとちょっと危ないかも知れない。気がついたら額に穴が空いてたなんて事もありうるからな。

 まあその辺は、おいおい対策を考えるとしよう。ともかくGS以外の勢力も、黒いのの存在を大きな問題にしてはいないらしい。()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()からだ。

 現時点でテック使いが大規模に徒党を組んでテロリストでもやっているんならともかく、最低でもこの国でテック使いが国に反旗を翻すような様子は全くない。将来的に可能性はあるかもだが、現時点でそんなマネをやらかすヤツはいない。むしろむやみやたらにテック使いを排斥するような真似をしたら、あちこちから猛反発を喰らうことになるだろう。

 

「……だからと言って、油断できるもんでもないんだがな」

 

 グラスを傾けつつ、愚痴るように俺は言う。

 

「心配しすぎ……でもないわねえ。状況は移ろい変わり、いつだって最悪になる。ダンジョンが出現する前から、世界はいつだって危機一髪よ」

 

 苦笑しながら言うのはイケハタ氏。

 

「この街で安心なんかできるもんかよ。油断してたら後ろから撃たれるなんてしょっちゅうさ」

 

 皮肉めいた笑みを浮かべてショットグラスを揺らすギンボシの姐さん。

 

「退屈とは無縁デスけどネ~。おかげサマで、仕事はマンインオンレーデスヨ」

 

 言ってビールをぐびりと喉に流し込む金髪巨乳。

 俺達が駄弁っているのは、繁華街にあるちょっとお高めの飲み屋。イケハタ氏が仕切っている店で、比較的安全に飲み食いができる所だ。

 集まったのは、情報収集を兼ねて一杯奢るぞって言ったらノコノコついてきた面子である。あるいは自分たちも情報を欲していたのかも知れない。

 

「この街なら対テックのテストとして申し分ないとは思うけど……正々堂々としたものじゃないのなら、やっぱり訳ありの連中かしら」

「多分な。公的機関なら、まず俺たちかギンボシ姐さんのところに話通しに行くだろ」

「おいおい、うちは軍から足洗ってんだぜ? 今更話通しにゃこねえだろ」

「しらばっくれんなよ。時々やり取りしてんのは知ってんだ。装備の調達とかな」

 

 元々強襲空挺(第一狂ってる団並のアレな連中)出身の彼女らだが、()()()()()()()()()()()というのはそこはかとなく知れ渡っている。現在の姐さん達シルベスタ・ファミリーは、半分軍の契約エージェントみたいなもんだ。だから軍が絡んでいるとなれば、彼女らにも話が行くはず。

 それが知られていると分かってても、姐さんはそらっとぼけてみせる。  

 

「さて何のことだか。……ま、最低でも黒ずくめの事なんざ、耳にしちゃいないね」 

 

 多分それは本当のことだろう。つまり()()()()()()()()()()()()()

 容疑者が一つ潰れたってわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




わりと本気で目からビームを警戒しているチューおじ。
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