ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~ 作:捻れ骨子
ちゃんと答えてはくれないだろうなあとは思いつつも、フェバリット女史に話を振ってみる。さすれば。
「あ~、
普通に答えたよこの人。
「テック使い相手にできるレベルのシロモノが仕上がっているンナラ、軍事機密クラスの話になりマスからネ。機密漏れる危険を冒してマデ、他国でテストする理由はありませんデス」
「話振っといてなんだが、言って良いのかそれ」
そう聞いてみると、フェバリット女史はパタパタ手を振って応えた。
「現場が知ってる情報なんカ、聞かれても問題ないものしか降りてこないデス。本当の機密っていうのハ、扱ってる本人にも分からないものデスヨ」
「そういうもんか」
事実かどうかは分からないが、これ以上のことは聞き出せなさそうだ。
さてそうなると。
「他の大国はサイバー化や強化処理に関しては遅れているからなあ。そも生体強化はともかく
「あらそう? ものによるけど常人並の体格でパワードスーツ並みのパワーが出せるものもあるそうだし、逆にコスパはよさそうだけど」
イケハタ氏が言う。確かに、そういうレベルのサイボーグもいるそうだが、問題は性能じゃないんだよな。
「ランニングコストが割に合わないんだよ。簡単に言えば、パワードスーツなら動力落としておけば金はかからんが、人間は
「ああ、なるほど」
サイバー化した人間を
「基本性能だけ考えても、テック使いに対抗できるレベルのものなんて、開発だけでいくらかかるやら。ましてや特殊な装備なんかを内蔵させて見ろ、戦車開発する方が安くつくんじゃねえか?」
「かと言って生体強化処理にも限度がありマスシネ~。サイバーに比べれば安上がりで安全ですケド、サイバーほどの性能も見込めないデスヨ」
生体強化処理とは、手術や投薬によるホルモン制御や、簡単な外科手術による骨格や筋力の強化、遺伝子的改造による性能向上など、可能な限り人間の生体を維持したままで強化する手段だ。フェバリット女史の言うように、サイバー化ほどコストもかからず手間は投薬程度。危険性もそれほど無いが、どうしても能力面でサイバー化に劣る。
また個人の体質や何やらによって発現する性能も安定しないので、一部を除いて軍隊など大規模な組織ではあまり使われない。まあ隠密性は高いので諜報員や工作員などによく施されているようだし、一部の探索者やテック使いは施術を受けているらしい。
サイバー化よりは使いやすいが、この技術もテック対策として考えたら不足がある。腕力だけで考えても、平均的なテック使いが増強を施した状態と比べれば、一歩劣るのではないだろうか。
しかしな。
「それもこれも、
「それでサイバーや生体強化の能力が飛躍的に向上した。あるかもしれない……いや」
ふむ、とギンボシ姐さんは考える。
「実際あの黒いのが現れて、総長ちゃんと
何のかんの言っても、実際に俺たちの目の前に現れているわけだ。色々な問題をクリアして、実用段階に持ってきているのは確実。敵に回るかどうかまでは分からんが、対策は練っておく必要があるだろう。
「どんなギミックが飛び出してくるか分からん。目からビームぶっ放すくらいは覚悟しておいた方がいい」
「ええっと? 流石に目からビームブッパするのはどうかと思いマスヨ? 構造的に眼球に仕込めるほど光学兵器って小型化してませんシ。っていうかそこまで小型化できるンナラ、歩兵火器サイズのものが先に出てくるのデハ……」
常識的なツッコミを入れてくるフェバリット女史。うん、その通りなんだよ。光学系の武器ってのは構造上やたらかさばるので、現時点ではせいぜいがバズーカサイズまでしか小型化できてない。当然目ん玉に仕込むなんて不可能な
だがね。
「……この界隈じゃな、無駄に高性能だったり、やたらと小型化したりしたものを作り上げる奴らがいて、そういうヤツに限って「できるから」だとか「ロマンだから」だとか言う理由で、意味も無くトンチキな仕込みや運用をしでかすんだよ。油断してたらホントに目からビームぶっ放す仕掛けがありかねん」
俺の言葉にうんうん頷くイケハタ氏と姐さん。最低でもサイバー化した義手にグレラン仕込んでたヤツはいたからな。それを運用しているヤツもヤツだが、開発したのもトンチキであることには間違いない。こんな掃きだめの、まともに技術を維持するのが難しいところでもそうなのだ。
「まあ目からビームは基本と考えて、他のはどんな能力が考えられるかしら。あ、テック打ち消すとかも基本セットよね」
「腕にグレラン仕込んでんのがいたんだ。同じようにビーム仕込んでてもおかしかねえだろ。あとは胸か腹か、そこら辺りも怪しいよな」
「現実的に言えば高周波ブレードや、ワイヤーカッターあたりは十分仕込めそうだ。本体じゃなくともプロテクターにリアクティブアーマーを兼ねたクレイモアなんかもありうる」
思いつく仕掛けを羅列する俺たち。
それを見ているフェバリット女史は、どことなく引いていた。
「今日改めて封印都市の
え? 大げさじゃない?
知らんところでハードルが上げられていく黒ずくめ。