ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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 結局、何が仕込んであるかは分からないけれど多分内蔵武器がてんこ盛りではなかろうか、と言う結論に落ち着いた。

 

「敵対関係で遭遇したら、有無を言わさずありったけの火力を叩き込んで様子を見るべきだ、というのが大方の見解だ」

「それは端から殲滅しにかかってますやろ」

 

 カウンターで応対しているマネ女史は呆れ顔だった。そんなにおかしなことを言っているつもりはないんだがね。

 

「それで殲滅できれば御の字だろ。何が出てくるか分からないびっくり箱相手だ、フル火力叩き込んでも油断なんかできるか」

「石橋を叩いて壊してませんか? ……まあええですわ、丁度ご注文の品が出てきました」

 

 奥の方からメイド店員が大型のケースを二つ運び出してきた。カウンターの上に置かれたそれを、店員が開く。

 

「MCX300blackout6.5インチバレル。バレットXM109カスタマイズ。ご注文通りに仕上げました」

 

 俺が個人的に頼んでいた銃だ。支給品だと投げ捨てるのも躊躇われるが、私物なら多少の無茶が効く。ゆえに個人で購入させて貰った。

 銃を手に取り各部の様子や作動を確かめる。それを見ながらマネ女史が説明を始めた。

 

「MCXのサイトはシグの純正品、×1のホロサイトです。オプションとしてオフセットタイプのアイアンサイトを追加。基本の仕様はGSに納入させて貰った支給品と同じですけど、バレルとボルトキャリアはカスタマイズしてまして、精度と作動性は向上してます」

 

 MCXを構えたり、チャージングハンドルを引いてボルトの作動を確かめたりする。うん、良い仕上がりだ。

 頷いてからMCXを置き、XM109を手に取って同じように確認を行う。

 

「見ての通りXM109(こちら)は軽量化のため外装からカスタマイズしてます。スコープはリューボルトの1-4倍率ドットタイプ。精度よりも速射性を、とのことでしたので、ボルトキャリアは軽量化、スプリングも軽めにしてあります。その代わり反動が少々強めになりましたな。取り扱いにはご注意を」

 

 確かにボルトの作動は軽い。注文通りの出来だ。俺は再び頷いて、銃をケースの中に置いた。

 

「相変わらずいい仕事だな。これなら中型以上の来訪者相手でも、そうそう後れは取らん」

「お褒めにあずかり恐悦至極。……しかし中型以上対策もせんといかんってのは、面倒な話ですなあ」

「全くさ。以前持ち込まれた転送装置のことも中々進展がないし、おまけにわけの分からん黒ずくめがご登場と来ている。せめてどこのどいつがやらかしてんのか、目処くらいは付けたいところだ」

 

 そう言うと、マネ女史は「ん~……」と考え込むそぶりを見せる。

 

「そのことですけどな。もしかしたら、どっかの《企業》が関わってるかもしれませんね」

「ふむ? 企業、企業か……その辺は考えてなかったな」

 

 この世界にも当然だが軍需産業はある。当然軍との関わりが深く、技術開発するのであれば軍が介入し、好き勝手にはできない。黒ずくめのような()()()()()()()()()()()()ようなことは起こらないはずだ。

 だが()()()()()()()()()()

 

「サイバー化ならサイバーディンやオムロ、生体強化ではヨロシイヤンやアノザマ。戦闘用に転用できそうな技術を持っているところは、いくつかありますでなあ」

 

 いずれも医療用の義肢や生体強化を応用した医療技術を持つ企業だ。かつ後ろ暗い噂がいくつか流れている。不法に戦闘用の技術を開発するなんて事もやりかねない所ばかりだった。

 

「新たに軍需産業に参入するつもりなら、やってもおかしくはない。この街に出没してんのはテストと……」

()()()()()()()()()()って考えたら、辻褄は合うような気はしますな」

 

 テック使いに比肩する能力を示す。しかも()()()()()()()。あんな派手なレースなら確かに印象に残るだろう。直接戦闘を避けているようにも見えたし、デモンストレーションである可能性は少なくないような気がする。

 

「商売人ならではの視点か。正解かどうかは分からんが、参考にはなりそうだ。礼を言う」

「どういたしまして。……ん~、でも、そうですなあ。礼をと言うんでしたら」

 

 そういってマネ女史はちょっとしなを作ってくすりと笑った。

 

「これから名前で呼んでいただく、ってのはどうですやろ」

「じゃあキネコさんでいいか?」

「迷わず即答!?」

 

 ガビビンと戦くマネ女史……キネコさん。なんだよ、言うとおりにしてやったのに。

 

「いやなんちゅうか、そこはほら、照れるとか戸惑うとかもうちょっとなんかあってもええんとちゃいますの?」

「んな中高生じゃあるまいし、いい歳こいたおっさんがかわいこぶっても面白くないだろうよ」

「まだおっさん言う歳でもないでしょうに。それにもうちょっと()()()()()()()女性にはもてますえ?」

「その辺の機微にはとんと無頓着でな。それにこんな商売だ。色恋で調子に乗ると足下をすくわれかねん」

 

 どっかの男装格好良い系ぽんこつほどの勇気は持てないからな俺は。ビジネスライク以上に異性へ踏み込む気はない。

 ……夜のお店はビジネスライクだからノーカンと言うことで。

 それはそれとしてキネコさんとの付き合いもそろそろ長い。胡散臭い人間ではあるが、商売上は良い取引をしていることだし、名前で呼んでやるくらいはしてやるさね。

 

「とにもかくにもキネコさん、あの黒いのがあれだけで終わるとも思えん。キネコさんの方でも何か耳に入ることがあったら連絡をくれ。頼む」

「へえ、それは良いんですけど……」

 

 ん? 何かキネコさんの様子がおかしいが。

 彼女は人差し指で頬をかきつつ、あらぬ方向に視線を彷徨わせて言った。

 

「改めて名前で呼ばれると、その、なんか照れますな」

「そっちが中高生か」

 

 締まらねえなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




微妙に好感度稼ぎに来てるキネコ
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