ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~ 作:捻れ骨子
さて、火力も揃えた。新たな訓練の目処も立ってきた。
だがまだまだやるべきことはある。
「そういうわけで、連中のことを調べて貰いたい」
「…………」
「珍しいことだ。貴方が我々に依頼するとはと、頭目は申しております」
畳敷きの部屋。開け放たれた障子の向こうに見える庭園。どこからともなく響く鹿威しの音。
封印都市の荒廃した景色。その中にある違和感しかない日本家屋が、クワイエットレディースの本拠地だ。俺はそこを訪れていた。
通された和室には、【慈悲等無用】と書かれた掛け軸を背に、微動だにせず正座してる覆面忍者ヒエイ女史……と隣のスパッツ女子大生ニンジャ。先に言ったとおり、彼女らにある調査を依頼するためだ。
「これは俺個人のものではなく、GSからのものだ。あるいは極上の厄ネタになるかも知れない」
「…………」
「テックが封じられる危険性、であろうかと、頭目は申しております」
「分かってんなら話は早い。この街のテック使いの在り方に一石を投じるかも知れない状況だ。GSも情報が欲しいのさ」
場合によっては、
「だが、あんたら多分
「…………」
「確かに同様の依頼が持ち込まれていると、頭目は申しております」
「やはりか。……だからこっちは
俺の言葉に、ヒエイ女史は微かに身じろぎした。
「…………?」
「どういうことであろうかと、頭目は申しております」
「直接連中を追うのではなく、
そう言って用意した資料を差し出す。それを受け取ったヒエイ女史は、覆面から覗く鋭い眼差しで資料を読み始める。
ぱらぱらと、流し見しているような速度でめくられていく資料。ちゃんと読んでないように見えるが何しろ忍者だ、ちゃんと頭に入っている。(前に何かの資料をあっという間に覚えてた)
「…………」
「なるほど、きゃつらが出現したあたりから、そう言った方面で何らかの変化がなかったか、それを調べろと言うことなのだなと、頭目は申しております」
「ああ、黒い武装集団と、黒いバイク乗りと、
「…………」
「別働隊ではなく別勢力かも知れない、それを念頭に置いておくと言うことかと、頭目は申しております」
「何らかの関係はあるかも知れんがね。だが黒いバイク乗りは単独で動き、他の連中は影も形も見せなかった。それが気になる」
敵対関係とも考えにくい。であれば黒いライダーには何らかのちょっかいが出されていただろう。放置していたのは様子を見ていたから、とも考えられるが、手を出すのであれば機会はいくらでもあった。そこらあたりどういった関係なのか読みづらい。他の連中が動きを見せなかったのは何らかの理由があって、ホントにただの別働隊だったってこともありうる。
ともかく放置してちゃ何も分からん。とっとと正体を暴くためには、色々な方向から調べておかなきゃな。
「ついでに、もし支障が無ければ、他の調査の依頼の結果をこちらにも教えて貰いたい。機密事項があるのならば無理にとは言わんが」
「…………」
「それについては全てというわけにはいかないが、融通を利かそう。ある程度の情報の共有はこちらにも益がある。無論隠す物は隠させて貰うし、戴くものは戴くがなと、頭目は申しております」
話が早くて助かる。こんななりで会話も独特だが、頼んだ仕事は信用できる人間だ。後はどんな結果が出るかだな。
「…………」
「頭目、その話は。……は、確かにそうですね」
ん? ヒエイ女史とセンナイ嬢が何やら話している。ややあって。
「…………」
「関係ある話かどうかは分からぬが、
「気になること? なんだ?」
「…………」
「最近新たに探索者として登録された者の中で、生体強化を受けた者やサイバー化した者の割合が少しずつ増えているように思うと、頭目は申しております」
「ふむ?」
それは気づかなかった。探索者として登録する際、テック使いはその能力を申請せねばならないが、生体強化やサイバー化については全くノータッチだ。何か明確な犯罪や騒動を起こさない限り
医療の名目で正式に施術を受けた者から、封印都市の怪しい闇医者(ベルセルククリニックを含む)で違法に施術を受けた者まで多岐多様に存在し、探索者としてもそれなりの数は存在するので、登録自体はおかしい事ではないが……。
「何か頭目の勘に引っかかった、ということか」
「…………」
「左様。なにがどう、とははっきりと言えぬが、どうにもなと、頭目は申しております」
どうする? と視線で問うてくる二人。
こいつはどうも、調べて欲しいことが増えそうだ。
背後関係調べようとしたら、なんか怪しい情報が出てきた。