ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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【騎士】

 

 

 

 

 

【リアside】

 

 

 まずいな。これは、いかん。

 GSの隊長殿に頼み込んで実現した模擬戦。もう模擬戦と言うよりは試合だな。その最中、小生は僅かに眉を顰める。

 

 隊長殿の技量は、絶妙なものだ。全ての打ち込みが逸らされ、やもすれば吸い込まれるように体勢が崩れそうになる。しかも()()()()()()()()()。正確には()()()()()()()()()()()()()()

 小生が完全に体勢を崩してしまわないように、テックを封じる集中力が途切れないように。加えて小生が少しずつ慣れるのに合わせて難易度を上げてくる始末だ。実力が違いすぎた。

 テックを使えさえすれば、等とは思わない。そも隊長殿とてテックを使っていないのだ。条件はこちらと同じ。大体テックが使えないことを想定しての模擬戦だというのに、テックが使えないからなどと泣き言が言えるものか。

 

 小生は元々海外との貿易で財を成した家の生まれだ。仕事繋がりで父と縁を結んだ西洋人の母からは、よく海外のおとぎ話を聞かされたものだ。その中でも騎士が活躍する冒険や戦いの物語が、小生のお気に入りであった。

 騎士に憧れ武技を学び、テック使いとして目覚めた小生は、その力を生かすべく探索者となった。ダンジョンを攻略して名をはせるとか、一攫千金を目指して、などという目的では当然無い。 理不尽の権化であるダンジョンと来訪者を無力化する、あるいは封じるためだ。

 大言壮語と言わば言え。もちろん簡単に成せることだとは思わない。騎士に憧れ、その生き様を体現せんとする小生にとって、未だ世に災いを為すダンジョンという存在を見逃すことができない、それだけのことである。

 例え志半ばで倒れても、それまでに確かなものを積み上げていれば、それは後に続く者たちにとって貴重な情報源とも道しるべともなろう。それが小生の生きた証、小生の騎士道たるものだ。……などと考えて生きてきた。

 そう、この身は騎士道の体現。戦いにおいて血を好む、非道を成す、など言語道断。ましてや()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ……だがしかし。

 ……うむむ。

 …………………………。

 ええい、認めざるをえまい。

 この、隊長殿との模擬戦を。

 小生は確かに、()()()()()()と。

 

 これはいかん、いかんぞ。

 いや戦いそのものが楽しいというわけではないと信じたい。戦いの最中、できなかったことができるようになっていく感覚。それが楽しいと感じてしまう。

 良い一撃が繰り出せた。前より一歩踏み出せた。それだけのことが、自分が成長していると直に感じ取れる感覚が、楽しい。テックを封じて戦うコツは、平常心を保つこと。日常生活と同じように、凪いだ心で戦いに挑む。余計な感情は不必要なのだ。今のように浮き足立った心持ちでは、いつ不意にテックを使ってしまうか分かったものではない。

 

 だが、それが分かっていても。

 己が一つずつ進んでいくのが、たまらぬ。

 

「いいねえ、ノってきたじゃないか」

 

 一進一退の攻防を続ける隊長殿が、不敵に笑んで言う。まったく、人の気も知らないで。

 

「調子に乗ると、いつテックを使うか分からぬぞ? 我ながら自制する自信が無い」

 

 そう言ってみれば、彼は小生の突きを弾きつつ応えた。

 

「いいんじゃねえの? どこまで調子に乗ったら冷静さが崩れ、テックを使ってしまうか。そういうのを見るのも鍛錬のうちだ」

 

 言う彼自身は、上がり調子のようだ。それでいてテックが発動する様子は微塵もない。これこそ完全に制御している証拠だろう。何をどうやったらそのような芸当が可能になるやら。

 しかし、ふむ。

 

「だがあえて使わぬように留意しよう。卿の言い様を借りれば、これも鍛錬のうちだ」

「言うねえ。……じゃあ、やって見せろよ!」

 

 さらに激しく打ち合いは続く。さて、小生はどこまで堪えられるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【another side】

 

 

 そんな二人の様子を見ているヒロコは。

 なんかぶんむくれていた。

 

「なんかあれ楽しそうじゃない? 良い雰囲気出てない? 伏兵出現な感じ?」

 

 ……そっとしておこう。周囲の人間の心が一つになった瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※キャラ紹介

 【アルトウ・リア】

 

 

 漢字で書くと【在燈 梨愛】。名前の由来はモデルになったあの王、上乳上から。

 探索者クラン【ナイトブレイズ】リーダー。通称団長。鎧姿にどでかいランスという、あれ、この作品サイバーパンク謳ってたはずだが? と言いたくなる格好がトレードマーク。

 

 貿易関係の仕事を営む資産家の出身。幼い頃から騎士の物語に憧れ、己が理想の騎士となるべく探索者の道を選んだ。ご家族は渋ったかと思いきや、物理的に説得された彼女の心意気に打たれたようで、快く送り出してくれたらしい。そういうことにしておけ。

 実家の関係者の家族であった幼なじみ達と封印都市に乗り込みクランを結成。快進撃を続け封印都市でも有数の勢力を持つにいたる。なお団員の大多数から「お姉様……(トゥンク)」ってな目で見られてるらしい。武門の女王感ばりばり。

 

 使用する武器はパイルバンカーを内装した大型ランス。テックを使ってるとは言え100㎏は超えるそれを振り回し、大型の来訪者すら正面から粉砕する豪快な戦い方を得意とする……のだが、最近の状況の変化に対応し、趣旨替えして新たなる技能を得ようと模索しているようだ。

 

 性格は義を重んじ、真面目で堅物。しかし冗談の分からない性格ではなく、茶目っ気もある。また時々素で真面目にボケをかます。なお母親が海外の出身であるためか、複数の言語を使うことができる。

 

 外観のモデルは当然ゲームFGOの【アルトリア・ランサー】こと上乳上。大柄なモデル体型。自覚無しにエロい。

 イメージソングはfate……ではなく【ワルキューレの騎行】。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ラブな感情はまだ抱いていない……はず。
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