ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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 気分が上がってきたのか、テンドウ女史の言葉はさらに続く。

 

「そのためにテックとは違う様々なアプローチを試みているっ! 生体強化と併用することを前提とした強化装備や各種オプションなどは序の口! 現在開発し試験段階にあるのはテックジャ……」

「ああああああああ言っちゃダメええええええ!!」

 

 突如作業服の青年がテンドウ女史を後ろから羽交い締めにしてその口を塞ぐ。

 ……うん、大体何言おうとしてたのか分かったんで、無駄なんだけど。などとは武士の情けで言わない。

 もがもが言ってるテンドウ女史を必死に押さえている青年。その光景を横目で見やってから、ダイチ氏はこちらに視線を向ける。

 

「……企業秘密でして」

「OK、聞かなかったことにしよう」

 

 白々しいやり取り。お互いに()()()()()()と、口にしないでも通じていた。あえてこちらに知らしめたのか、それとも物の弾みか。いずれにせよ、彼らが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のは確実なようだ。

 予想通りではある。そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言う技術も所有していることが分かった。例の黒いフルプロテクタースーツのことだろう。もしテックのジャマーがまともに作用する物であれば、十分な戦力となる。来訪者に対しても、()()()使()()()()()()()

 しかしそれだけでダンジョンの抑止力とは、大げさに過ぎる。多分まだ何かカードが有ると見た。流石にそこまでバラす気はないだろう。テンドウ女史を煽てたら、あっさり白状しそうな気はするが、それは周囲が止めるはずだ。

 

「詳しい話を聞いてみたい気はあるが……ま、そのうち分かるだろう。この街で本格的に活動するんなら、いやでも目の当たりにするさ」

「確かに。隠しおおせることでもないですし、いずれは日の目を見せなければならない物ですから」

「そうだな。その際に、できる事なら敵対はしたくないもんだ」

「できる事なら、ですか」

「できる事なら、だ」

 

 場合によっては敵に回す。俺はそう宣言したにもかかわらず、ダイチ氏は否定も肯定もしない。彼もまた、場合に言っては敵に回ると言っている。そう判断した。

 しばらく俺たちは真正面から視線をぶつけ合う。テンドウ女史がもがもが言ってる中、ややあってどちらからともかく肩の力を抜く。

 

「……今回はこんな所か。邪魔をしたな。またいずれ顔を出しに来る」

「そうですね。そのときには前もってアポ取りをお願いします。隠すべき物は隠しておきたいので」

 

 同時にふっ、と笑みをこぼす。長い付き合いになるだろうという予感が、俺にはあった。多分ダイチ氏も。

 見送る彼の油断なき視線と、テンドウ女史がもがもが言ってる(まだやってた)声を背に、俺たちはネクスティス本拠を後にする。

 

「良かったんですか、あの程度で」

 

 帰りの車の中で、レフト1が問うてきた。

 

「むしろ収穫があった。連中が何を目的としどのような技術を持つか。そのさわりだけでも知れただろう」

「しかし、連中が本当のことを言っているとも限りませんぞ?」

 

 レフト4が言う。

 

「それも織り込み済みだ。先ず連中は()()()()()()()にそった行動を取るだろう。そこからどう舵を取るか。それによって俺たちの対処は変わる」

「……なるほど。用意はしておくと」

 

 レフト5が頷いた。どう動いても対処できるよう準備は整えておく。基本だ。

 

「そういうこった。どの道連中を放っておくつもりはなかったんだ。しばらくは裏探ったりと目を向けとかにゃならん」

 

 戦力、性質、背後関係。探っておかなければならないことは山とある。しかも通常業務と並行してだ。忙しいってもんじゃなくなる。

 

「奴らが名目通りの存在だって言うんなら、取り越し苦労ですむだろうが……そうじゃなさげだよなあ」

 

 設備にしても規模にしても、個人が立ち上げた規模ではない。傭兵稼業や武器の制作販売などで資金を集めてから、とそのようなことを言っていたが、それにしたところで設備や器具などに金がかかっている。

 グレードの高い防弾ガラス、質の良い整備工具、高価な監視カメラ類など、ぱっと見ただけでも質の良い物を取りそろえていた。もちろん小規模で組織を立ち上げるにしても、拘る者は拘るだろうが、それなりに頑丈な建物を一つ丸ごと買い上げ(そこは前もって確認している)改装するなどなかなかやれることではない。言ってる以上の資金源があると見た。

 あるいはヒエイ女史――頭目が言っていた生体強化やサイバー入れた探索者たち、その施術を請け負うことで資金源にしている事も考えられる。

 

「向こうさんもこっちが疑っているってのは承知の上だろ。あのマッドサイエンティストっぽい姉ちゃんは分からんが」

「名前だけ代表ということですか?」

「かも知れんし、あの態度が演技だって事も考えられる。見た目通りだとすれば実質の頭はダイチ氏だろうさ」

 

 どっちも敵に回したら厄介だろうが、実際にやり合うとしたらダイチ氏は相当に手こずると見た。ありゃ多分()()()()だ。可能な限りの準備を整え事に当たる、そういう類いの人間だと直感している。できれば敵に回したくないというのは紛うこと無き本音だった。

 

「確かに()()タイプの人間に見えましたな」

「……一筋縄でいかない気はします」

「だろ? その上で生体強化かサイバー入れてる。かなりの強者だぞあれは」

 

 テックが使えないのは気配から察しているが、それはハンデにもならないだろう。その上でジャミングされたら、俺と互角以上と見て間違いない。

 自然と俺は苦笑していた。

 

「しかしとりあえず、彼の目からビームは出なさそうだがね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




敵かどうかは分からないがライバルキャラのようである。
……カーボ○イ?
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