ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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【抑止力を志す者たち】

 

 

 

 

 

【another side】

 

 

 去って行くアルトワークスを見送って、キズクはふう、と息を吐いた。

 

「油断のならん御仁だ。あれが数々のテック使いと渡り合ってきた、GSの猟犬か」

 

 キズクの感覚は、GSの隊長という存在がただならぬ相手だと訴えていた。さすが封印都市のヤベーヤツランキング(ネット調べ)でトップ争いしているだけはある。

 キズクは元軍人である。ある任務において重傷を負い、退役かサイボーグ化して機械化部隊に転属かを迫られたが、()()()()()に目を付けられ、ネクストテクニクスの前身となる研究開発機関に所属することとなった。

 そこでアユミと出会ったり生体強化を受けたりして、実働部隊の指揮官に収まった。その経緯についてはあまり思うところはない。ただ、()()()()()()()()()()()。そのことをありがたく感じる。

 自分が戦場でしか生きられない人間だとは思わない。退役して市井に下っても、それなりに生きていけるという自信はあった。だが張り合いのない生き方となるのは目に見えており、淡々とした味気ない物になっただろう。やはりある程度の緊張感があった方が生きやすいと、キズクは自認している。だからこそこの道を選んだのだ。

 まあ、それはそれとして。

 

「【カワシタ】、いい加減博士を解放してやれ」

「あ、もういいっすか?」

「ぶふぁっ! ……何で良いところで止めるのかね!? 絶好調だったのに!」

「絶好調だからだよ。いずれバレるとはいえ、機密事項をポンポンさらけ出して良い物ではないのだから」

 

 アユミに向かって呆れたように言うキズク。この女、紛れもない天才ではあるが、性格にちょっと問題を抱えていた。一言で言うとお調子者でうっかり気質である。今回のようなことはしょっちゅう起こっていた。

 

「まあ【テックジャマー】については近々公開する予定だったから良い。だが後で技術主任と()()()()()に怒られておくのだな」

「なにゆえ!? 理不尽ではないかね!?」

「放っておくとそれ以上のことをペラペラ喋りそうだからだよ。()()()()()()()()()

 

 恐らくテック使い関係全てから注目されるであろう技術、テックジャマー。その名の通り脳が発するテック発動の波動を阻害する特殊音波を発するシステムである。アユミはその開発の中核となった技術者であった。

 このシステム、フルプロテクターの強化装備に組み込めるほどコンパクトに出来る物だが、そこまで小型化すると単体では効果範囲が狭く、精々が数メートル四方でしか効果を発しない。また物理的にテックを封じるものではないので、効果範囲外からテックを使用されると全く役に立たない、などの欠点があった。

 しかし複数人で同調させて使用すれば効果範囲が広がり、また機器を大型化すれば広域で効果を発することも可能だった。まだ実用段階に入ったばかりで発展途上の技術であるが、これはダンジョン攻略およびテック対策に有効だと目されている。

 

 ネクストテクニクスに出資したのは、その将来性を見込んだ勢力だ。来訪者に対し本格的な対策が必要だと考えている者、テック使いがダンジョン攻略の主力となっている現状に思うところがある者、テック使いそのものを危険視する者。そういった存在が主であった。

 そう言った背景ゆえに、実働部隊であるネクスティスは来訪者やテック使いなどを相手にした、対テック戦を想定して構成されている。現状そのような思惑まで開示されると余計な軋轢を生み出しかねないので、アユミには自重して欲しいところであった。

 

「いざというときはと言うことはあっても、現状で封印都市のテック使いたちから敵視されるような真似は控えておいた方が良いということさ」

「……もう大分やらかしているし、今更ではないかね?」

「うん自分もそう思わないでもないが、だからと言ってペラペラ喋るのは違うからな?」

 

 傭兵稼業やテック使いのバイク乗りを相手取ったテストは、スポンサーからの要望も絡んでいた。実際テック使いを相手にしてどれだけやれるのか。ただしできるだけ敵視されない方向でという、妥協と創意工夫の結果である。決しておもしろ半分の愉快犯でやったわけではない。

 ないったらない。

 

「それはそれとして、テックジャマー以外の装備もしっかり頼む。カワシタ、ちゃんと監視しといてくれ」

「りょーかいです」

 

 テックジャマーばかりでなく、生体強化やサイバー技術なども高い水準にある。その上で、探索者を志す一般人に対して希望者を募り、最新の生体強化やサイバー義肢などを施しテスターとして活動して貰っていたりもする。与えた義銃に関してはトラブルも少なく評判も良いようで、探索者だけでなく軍や法的執行機関などに対しても売り込みがかけられるのではと期待されていた。

 ただし基本設計を行っているのはこの女だ。

 

「その辺はちゃんとしてるぞ!? 目からビームを出すために脳幹を胸郭に収めて、頭部を丸ごとレーザー発信器とセンサーシステムにするフルサイボーグとか設計中だ」

「とてつもなく無駄だからやめなさい」

「そ、そんな! ならばせめてロケットパンチを!」

「飛ばした腕を損失したら丸腰じゃすまないだろうが。強化装備のオプションにあるワイヤーアンカーを改造するくらいで収めておけ。……ホント頼むぞカワシタ」

「自信ないけど頑張るっす……」

 

 何か色々と問題はありそうだった。ともかくクランネクスティスは、この街で本格的に活動を始めるようである。

 それがどのような影響を及ぼすのか、まだ定かではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※キャラ紹介

 【ダイチ・キズク】

 

 

 漢字にすると【大地 築】。名前は新たな物を大地に築くようなイメージをそのまま持ってきた。

 適当な私服にネクスティス制服ジャケットを羽織るという、服のセンスがあまりない男。

 

 ダンジョンや来訪者、テック使いなどに対抗する術を求める勢力が後押ししている技術開発組織ネクストテクニクスの副代表、およびその試験運用実働部隊であるクラン、ネクスティスの指揮官を務める人物。見目は良く、非常に真面目で堅そうに見える外観。しかし隊長との会話から、結構いい性格をしているように見受けられる。同時にマッドサイエンティストである上司テンドウ・アユミとの関係を見るからに、わりと苦労人気質なところもあるようだ。

 本文の通り元軍人。生体強化を受けたことにより現役時代よりも高い戦闘能力を得ているらしい。素の戦闘力は隊長と互角以上ではないかと推測され、その上でテックジャマーを備えた強化装備を運用すればどうなるか、想像に難くない。

 

 以前セツナたち封印都市のバイク乗りを翻弄した黒いライダーが彼である。本人としては喧嘩を売るつもりはなく、あくまでスポンサーの要望と兼ね合いの上でああいう手段を取った……と言い訳しているようだが、その本心はどうだか。またそんな言い訳をセツナが聞いてくれるのかどうか。再会が実に楽しみである。

 なお隊長を含む封印都市の連中からはどんなギミックを身体に備えているのかと期待(?)されているが、今のところ彼にそんな隠し球はないようだ。ただし上司にして主任開発者のアユミがアレでナニなマッドなので、いつの間にやら何か仕込まれているという可能性は捨てきれない。筆者もノープランなのでいつの間にかということもありうる。また他のメンバーが無事である保証もない。

 

 外観のイメージは漫画呪術廻戦より【七海建人】が眼鏡かけてない感じ。時間外労働で強くなったりはしないと思う。

 イメージソングはチャゲ&飛鳥で【YAH YAH YAH】。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




わりとそのまんまなバックボーンの人たち。
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