ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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「…………」

「がっかりですと、頭目は申しております」

 

 クワイエットレディースのニンジャ屋敷にて、俺は頭目から報告書を受け取り、目を通していた。

 一見いつも通りに見えるが、なんとなく期待外れだったとでも言いたげな雰囲気を漂わせている頭目。何だかなと思いつつ報告書に目を通してみる。

 

「ふむ、大体は本人達の申告や話していた内容と辻褄が合う」

 

 ネクスティスの背後関係。調べて貰ったそれは、想定していた以上の内容はない、予想範囲内の物であった。強いて言えば彼らに出資している勢力が、結構多彩な物だと言うことくらいか。それでもテック使いや来訪者、ダンジョン関係に対して危惧を抱いていると言うことは共通している。今のところはっきりとした組織にはなっていないものの、そのうち派閥のような物を形成するのではと感じられる。

 

「件の強化を受けた探索者たちも、彼らの技術のテスターだったと言うことか。……あんたらの調べたことだ、抜かりはあるまい」

 

 クワイエットレディースの調査能力は高く、時折公的機関の依頼も受けるほどだ。よほどのことがなければ出し抜かれることはないはず。

 ……だってのに何が不服なんだ頭目は。

 

「…………」

「目からビーム対策とか結構真剣に考えていたのだが、拍子抜けであると、頭目は申しております。拙者個人としては余計な苦労をしなくてすんだと、胸をなで下ろしておりますが」

 

 そこかい。どっちかって言うと俺もセンナイ嬢と同じく、取り越し苦労で良かったと思う方なんだが。

 とは言っても()()()()()()()()()()()()()()()()()んだよなあ。

 

「まだ分からんぞ。あのテンドウ女史という御仁、やらかす系の人間だ。下手すりゃ目からビーム出すためだけにフル義体の重サイボーグ作りかねん」

 

 今まで出会ったアレでナニなマッド系技術者。それと同じような空気を彼女からは感じた。最低でも腕にグレネードくらいは仕込めると考えていた方が良い。目や口からビームやロケットパンチなど、ノリと勢いで作ってしまう可能性はあった。つーか機会があったらやる。賭けてもいい。

 

「え~、個人的な意見ですが、そこまでするくらいだったらロボットにしちゃった方が良いんじゃないかなと、拙者思うんですけど」

 

 至極真っ当な意見をセンナイ嬢が口にする。うん、常識的に考えたらその通りだ。

 けどね。

 

「マッドな連中はそんな常識なんぞ軽く無視してくるぞ。ロボットよりもサイボーグの方がロマンではないかね。とかその程度の適当な理由でやらかすのが連中だ」

「…………」

 

 俺の言葉に頭目がうんうん頷く。

 センナイ嬢は頭目を見て、次いで俺を見て、深々とため息をついた。

 

「なるほど類友」

 

 いやまて、俺は常識を無視することはあるかも知れないが、適当な理由でやらかしたりはしないぞ? (←自覚のない人生エンジョイ勢)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ともかく。

 

「想定の範囲内、というかそれ以下だったな」

「むしろ隊長達がハードル上げすぎたのでは」

 

 GSに戻った俺は資料を代表に提出した後、今後の対策を話し合ってエリーターズの部屋に戻っていた。

 今後の対策と言っても、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「訓練および各スケジュールに変更はない。ただネクスティスに対する警戒を1ランク下げる。仮想敵から要注意団体扱いと言うことだ」

「警戒は解かないんですね。当然と言えば当然ですけれど」

 

 ふむふむと、資料のコピーを見ながらトザマは頷く。彼ら(ネクスティス)はダンジョンやテック使いを危険視する勢力の後押しを受けた、対来訪者対テック使い前提のクランだ。いざというときは、ほぼ確実に敵に回る。警戒を解くわけにはいかなかった。

 まあ危惧する人間達の気持ちは分かる。テック使いは凶器を持ち歩いているような存在だ。酷いのになると歩く戦術核(大佐)みたいなのもいる。いまはダンジョンの探索に視線を()()()()()いるが、その力が無闇に周囲へと向けられたらどれほどの惨劇が起きるか、想像に難くない。

 実際諸外国はテック使いのコントロールがきかず、酷いことになっている所が多々ある。ヒーローとヴィランが大手を振って大騒ぎしている米国がマシな方だと言えば、大体想像が付くだろう。時はまさにヒャッハーである。

 むしろ我が国じゃなく、米国を初めとする諸外国の方が欲しがるんじゃないか、彼らの技術。まだどこまで使えるシロモノかは、俺たちにも分からんが。

 ひとまずそれは良いとして。

 

(で、()()()()()()()()()、なんか思いだしたか?)

 

 ひそひそと小声で尋ねると、トザマもひそひそと返してくる。

 

(やはり特殊能力持ちのプレイアブルキャラですね。主人公(ヒロコちゃん)たちのライバル的な立ち位置だったかと)

 

 多くのゲームでは、敵でも消滅したキャラでもプレイアブルになってるもんだから、明確な味方というわけではなさそうだ。時折敵対して時折共闘するってところか。

 

(でもなんか最終的にヒロコちゃんのコミュ力で絆されてたような気が)

 

 ダメじゃんライバル。いやこれもよくある話ではあるけど。

 しかしこの現実では、どう転ぶか分からん。無闇に敵視しすぎるのもよろしくはない。

 

「……ほどほどに警戒して、ほどほどに付き合うのが良さそうだ。機会があれば、一度模擬戦でもやる必要はあるか」

「受けてくれますかね向こうさん」

「受けてくれるかどうかでスタンスも見えてくるさ。折を見て打診してみるとしよう」

 

 とは言っても、しばらく様子を見る気で、すぐさま動くつもりはなかった。なかったんだが。

 わりと早く、関わり合いを持つことになっちまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




早々に背後関係丸裸。
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