想像よりも遅くなってしまいましたが続きです。
みなさま。多くのアンケートありがとうございます。
これからも多分毎回と言って良いほどアンケートはございますので気軽に投票していただけると嬉しいです。
今回、貴方の所属クラスを決めるというアンケートでしたがやはり結構な差で1-Cが選ばれました。
まあ現在関わっているのが椎名ひよりしかいないからというのもありそうですね。今回もひより回ですが。
それでは長々とお話にお付き合いいただきありがとうございます。ここからが本編ですどうぞ。
────貴方は高育の入学式に向かっている最中、椎名ひよりという少女と出会った。
貴方は椎名と共に大きく張り出されているクラス分けの紙を見に行く。多くの新入生らしい生徒が集まっている紙の近くではところどころから自分のクラスを主張する大きな声が聞こえる。そんな声に貴方は耳を傾け、声を注意深く聞き分けているとどうやらAからDクラスの4クラスに分けられていると気付く。
「ここなら見えますね……えーっと……」
名前名前…とAから順番に探している椎名の横で貴方はDから順番に探していくだろう。一目見て苗字のあいうえお順だと分かった貴方は“お”が並ぶ場所と“し”が並ぶ場所を重点的に見て調べる。
「あっ!ありました……!」
椎名が指差す先、そこに貴方の名前が書いてあるのが見つかるだろう。どうやらそのまま下に目を向けるとそこにも“椎名ひより”の名前が書かれてあるのが見える。どうやら貴方たちは同じクラスのクラスメイトだった様だ。
「やった!同じクラスですよ!」
クラスは1-C。一体どういう基準でクラス分けが為されているのか。貴方は少し気になったがすぐにランダムで選ばれているだろうと考えるだけ、今は無駄だろうと今は知り合いとなった椎名と同じクラスである事を喜ぶ。
勿論、分かったのなら邪魔になるから退いておこうと貴方たちは腰を下ろせそうな椅子を探す。だがそうこうしているともう入学式が始まるということで貴方たちは道案内をしている上級生に誘導される様に講堂に入っていく。
「やはり人が多いですね……」
講堂の中には既に多くの人が席に座り、壁には紅白幕とその上にはお花紙で作ったであろう飾りが綺麗に散りばめられている。クラスだけ分けた席に貴方と椎名は座り始まるまでの時間を待つ。
貴方は手慣れたように周囲を探るだろう。座っている椅子から周囲の生徒まで。
椅子に関しては特にいうこともなくパイプ椅子である。周囲の人間もらしい感じは無く、目を引くといえば中々厳つい黒人系のマッチョが同じクラスの席に並んでいる事だろうか。
『今年度、入学式を始めます─────総員、起立』
そうこう考えていると周囲の明かりが消え入学式が始まる。
特に何か特別変わった事はなく進んでいく。個人的に貴方が驚いたのはどうやらここの推薦を書いてくれた坂柳さんがまさかの理事長である事ぐらいだろうか。
坂柳さんからは以前、同い年になる娘がいると聞いたことがある。
先天的な疾患を患っており激しい運動が出来ないとまで聞いたことがある事を貴方はふと思い出すだろう。だがその肝心の何某の名前を貴方は忘れてしまった。おそらく同じ学校に進学しているだろうから、どこかでお目にかかる事があるかもしれないと貴方は自身の頭の中で情報を追記した。
『それでは、生徒会長からの祝辞の言葉です』
そうして進む入学式を聞き流していると、どうやら生徒会長は堀北学という名前である事を知るだろう。その人の話の中ではこの学校の特色は努力と実力主義で成り立っているという有り難い話を聞く事ができた。
入学式が終わり貴方たちは自身の教室へと向かうだろう。教室は広く、白を基調とした何処か見慣れた教室とはかけ離れた光景を貴方は目にする。黒板があるはずの場所にはホワイトボードが置かれ、机も何処の学校でもある様な木目のモノではなく重厚な机である事が見てとれる。椅子も力を多少入れても嫌な音ひとつ鳴らないのを見て、この教室だけで非常に多くのお金が掛かっていると貴方は思う。
そうこう考えているうちにもこれまた隣の席だった椎名が貴方に話しかける。教室も我関せずとそっぽ向いていたり、前を向いて物思いにふけている生徒や、新しくコミュニケーションを作ろうと積極的に話しかけに行っている生徒もいるのを見て貴方も隣に席をズラして椎名と話して時間を潰していた。
「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます」
そうして15分程度経った頃だろうか。教室の扉が開き、その奥から1人の男性が姿を見せる。メガネを掛けたスーツ姿の男性。キチンと髪まで整えられているのを見るに貴方たちは厳格そうな…それこそ先生であると直感的に理解する。どこか彫りが深く年齢よりも歳上に見られそうな風貌だがそれでも十分気力に満ちている様に見えるだろう。
「私の名前は坂上数馬と申します。そしてここCクラスの担任です」
そうして貴方たちはこの学校についての解説を正式に聞くことになる。どうやら三年間寮生活で外に出られないだけでなく、学年ごとのクラス替えをしないという話を聞く。従って三年間、担任はこの坂上先生になるとこの時点で確定している。
「そしてこれが今からみなさんに配布する学生証カード」
顔写真と名前、そして学籍番号などが書かれたカード。掌大ほどの大きさのそのカードで施設内全ての施設や商品を購入できないモノはないという事を説明される。つまりこれは学生証でありながらこの学校の敷地内専用ではあるがクレジットカードと同じ働きをする重要なカードである事が分かる。
だが貴方の勘に触れたのは勿論そんな学生証兼クレジットカードという今までの人生経験でも中々無い特殊なカードなだけでなく、坂上先生が口にした【購入できないモノはない】という言い草だ。貴方はその説明に坂上先生が何か含みを持たせたという事が分かる。
「使い方は資料から…まあ最も翳すだけで使えますが。ちなみに1ポイントは1円の価値があります」
「ああ、あとポイントは毎月1日に自動配布されます。そして既に貴方たち全員に10万ポイントが支給されています」
使い方についての説明とポイントについての価値が伝えられる。分かりやすく1ポイント1円なのは一目見て分かりやすいようになっているのだろうと貴方は説明を聞きながら思う。そしてその後に説明された毎月の配布に10万ポイント…つまりは10万円ほどの大金が配布されているという説明を聞く。
「驚きますよね。ですがそれが貴方たちの価値。実力で生徒を測るこの学校に入学しただけで貴方たちにはそれほどの価値があるのです」
だが先生がそんな反応を待っていたかの様に笑うのを見て貴方はどうやらこれが恒例の流れなのだと分かる。1ポイント1円。そして毎月配布されるポイント。纏めるとあまりに美味すぎる話に貴方は内心警戒するだろう。
ただでさえ警戒するべき『価値』という言葉に貴方はふと坂上先生が真相を口にしていないことに気がつく。嘘をついている感じではなく、どこか解釈に任せた曖昧な解説の中に見落としている事があるのでは無いかと貴方は密かに警戒心を上げる。
「ああ、それと。無理矢理カツアゲなどの不正行為は学校側が見過ごすつもりは無いとだけ伝えておきます。……それで、何か質問は?」
そうして貴方は配布された書類などを片付けながらこれからの生活の必需品を買いに行こうと席を立つだろう。そうして教室を出ようとした瞬間、急いで片付けてきましたとばかりにカバンのチャックが空いている椎名が貴方に声をかける。
「あの……一緒に買い物行きませんか?」
その誘いを特に断る理由はない。貴方は喜んで一緒に教室を出るだろう。廊下や学校内には特段変わった施設などがあるわけではなく、ただ何処を見てもお金が掛かってそうだなと分かる。
そうして貴方たちは街へと歩き出すだろう。街の風景も何処か変わった様子はなく多くの店が立ち並ぶのが見える。配布された書類の中に町中にある施設の解説が入っているのを見つけた。貴方たちが特に目を引いたのはコンビニや大型ショッピングモールである。
「一応コンビニも寄ってみませんか?」
一番学校に近い商業施設とだけあって、少なからず生徒がコンビニに立ち寄っているのが見える。だがその生徒の多くが上級生だろう。その光景に特に違和感はないが、確かに学校外と内のコンビニで値段に差があるのか気になった貴方は椎名と共にコンビニに向かった。
コンビニ。どこか変わった様子はなく、陳列棚に今も多くの食料品から日用のモノまで揃っているのが見える。だがやはりコンビニとだけあって値段は少し高めだ。
「あれ?これ、なんでしょう」
そうして一通りコンビニ内を見て歩いていると貴方たちはひとつ奇妙なモノを見つけるだろう。それは陳列棚の1つだが、その中には雑多な雑貨が積まれておりPOPには無料と大きく書かれ、その横に一ヶ月三個までと書いてある棚である。
「使いすぎた人への救済、でしょうか?」
その中をよく注意深く見てみると、既に多くの人が手に取っていったのが分かるだろう。そしてここに入っているモノ全てが日用品として必需といって良いものしか入っていない。
ポイントの使いすぎと言っても最低限のやりくりぐらいはするだろうと貴方たちは考える。十万という大金、されど十万。これ一ヶ月過ごすとなったら少しでも余裕があった方が良いだろうと貴方たちはそのかごの中から三点手に取り、コンビニを出たのだった。
「もしかしたら他にもあるのでしょうか?」
椎名の意見に貴方は確かにと思う。仮にも救済措置として置かれているのなら、間違いなく主要な商業施設にもこう言った無料の棚があると思える。生憎とまだ昼間であるこの時間から店巡りをしないかと貴方は椎名に問いかけた。
「良いですね。私も、興味がありますから!」
─────貴方の、新生活はまだ始まったばかりだ。
彼…いえ、苧環くんという貴重な同志兼親友を手に入れた私こと椎名ひよりはこれからの新生活を期待で胸がいっぱいで歩きだしたのでした。今バスから降りた私たちと同じ生徒だけでなく、既に門を潜った向こう側では多くの人たちが集まっています。
その集まっている場所に向かっていくと、どうやらクラス分けの紙が大きく張り出されているみたいです。少し人混みで鬱陶しいですが、やはり隣に顔見知り以上の人がいれば安心できます。
「ここなら見えますね……えーっと……」
どうやら紙を見ているとAからDまでの4クラスに分けられているみたいです。苧環くんと同じクラスになる確率は単純計算で4分の1。つまりは25%という狭き門を潜らなくてはなりません。なら先に苧環くんの名前から見つけた方が祈りやすいでしょう。名前の並びだって“苧環”の『お』と“椎名”の『し』なら間違いなく上に来るのは苧環くんの方なのですから。
そうして祈りながら調べること少し。既に私の心臓はドクン…ドクン…と脈打っているのが分かるほど緊張しています。まさかそんなクラス分けで、たかがクラス分け程度の事でここまで緊張するなんて初めての事ですから親友とは良いものです。
「あっ!ありました……!」
そうして見つけたCクラスの中にあった苧環くんの名前。他を見るよりも先に私の視線はそのまま下を向きます。カ行を抜けて、サ行。私の祈りは通じたのでしょうか?………ええ、確かにこれは運命ですとも。
「……椎名さんも見つけたよ」
「やった!同じクラスですよ!」
そこにあった私の名前。そうです!なんと貴重な事でしょう!私が出会った初めての趣味の友人にして、私が気になる人で、そしてまさか進学先で同じクラスだなんて。一体どれほどの確率を乗り越えられたらここまで運命的な出会いになるのでしょうか!?人は時に、運命を女神様だと言います。……ええ、認めます。確かに今ここで、確かに女神様は微笑んだのですから。
この時感極まった私はまさかの彼の身体に抱きついてしまうなんて。ま、まあ同志兼親友ならこれぐらいの距離感でも問題ないでしょう...たぶん。直後に我に帰った私は少し恥ずかしくなりましたが、そういう事もあります。ですが、やはり驚いたのは男の人ってあんなに筋肉質なんだなぁ…という事でした。結構がっしりしていて……そんな事を後ほど悶々と思い出すのはまた今度の話です。
「もうみんな講堂の方に向かっているみたいだな」
「ええ、ですがやはり人が多いですね……」
そうして少し周囲の視線を受けながら私たちは少し後ろで時間が来るまで待とうという話で落ち着きましたが、どうやら学校側はそれを見越していた様で既にクラスが分かった人はもう次の場所へ案内されている様でした。
「一体どれほどの生徒が入学するのだろうかな」
「4クラスで120人ぐらいでは?」
一クラス30人程度と考えれば大体それぐらいでしょう。そんな他愛のない話をしながら歩いていると気がついた時にはもう式場にたどり着いていました。紅白幕に紙細工の花。いかにも入学式らしいその場所に私はようやく今からここに入学するのだと再度認識したのだった。
『それでは、生徒会長からの祝辞の言葉です』
とは言っても入学式。特に何か変わったことはなく、至って普通の堅苦しさもある入学式が続く感じでした。いつもなら特に何も感じる事もない私はただひたすらに前を向いて終わるのを待っておくのですが今回は違いました。
(何を考えているのでしょうか……?)
運良く彼の隣に座れた私は、どうしても彼が気になってしまいます。…これが運悪くクラスが離れてしまっていたら、どうにかアイコンタクトを取ろうとしたかもしれませんが、隣だから良いとしましょう。
そして、なんと言っても気になるのは理事長が紹介された所でしょうか。ずっと隣を見ていたから分かったのかも知れませんが、何故か理事長紹介の時に苧環くんが少しだけ動揺した様にも見えました。……何か関係でもあるのでしょうか?とても気になります。
入学式を終えた私たちは教室に向かいました。割と怖そうな人が多い中、やはりここでも運命なのか隣の席だった苧環くんと平々穏便に本についての雑談で時間を潰している事少し。ようやく入ってきた私たちの担任である坂上先生から、これからの生活についての解説がありました。要約すると毎月十万円が私たちに振り込まれ、そしてその使い方は自由という事。あまりにも詐欺っぽいですが、周囲の騒めきと騒ようからすればこれが当たり前なのでしょうか?いえ、或いは国が動かしている学校だからこれぐらいの対応は当たり前?そう思い、横を見てみました。
訝しげに警戒している苧環くん。ああ、やっぱり警戒するに越したことはない。という感じでしょう。確証がない以上やはり疑いの域を出ませんが、それでも私と同じ視点を持つ人がいるというのはとても喜ばしい事です。……やっぱり私には貴方しか。
「……それで、何か質問は?」
特にないのを見て先生が立ち去った後に、まるで最初からその場にいなかったと言わんばかりにもう苧環くんが立ち上がり去っていくのが見えました。一体いつの間に片付けたのでしょう。机の上の書類も全て無くなったその机の主人は既に外に出ようとドアに手をかけていました。
「……え?ちょっ、」
私に対しては何もないのですか!?
そう叫びたくなる内心よりも先にどうにか急いで書類を鞄の中に突っ込んだ後、急いで苧環くんを追いかけます。あれほど親しく話していたのに、いざ放課後になったら見向きもせずに立ち去っていく……そ、そんなの納得できません!
私たちは親友で同志なのですから、一緒にいてもなんらおかしくはありません。だというのに、まるで最初から居なかったみたいに無視されるのは、流石に孤独に慣れている私と言えど堪えるモノがあります。そうして短くともようやく捕まえた彼の手首を掴んで、私はようやく言いたい言葉が言えました。
「あの……一緒に買い物行きませんか?」
「?……いいですよ」
なんなのでしょう。このそこはかとなく感じる違和感は。もう隠す事でもありませんが私は苧環くんを本の価値以上に気になっているのは事実です。だと言えど…いえだからこそ、でしょうか。
貴方のことを知りたい。そう思ったのは。
今まで人との関わりも少なく興味を持たなかった私が、もしも人と関わっていれば貴方ともっと仲良くなれたのかも知れないと後悔を抱くほど気になる貴方。
「良いですね。私も、興味がありますから!」
これから、よろしくお願いしますね。
キャラクターシート②
名前:椎名 ひより(しいな ひより)
称号:冒涜的な叡智の断片に踏み入れようとする愚者
年齢:15歳
性別:女
髪色:青みがかかった銀 瞳色:紫
STR:7 CON:9 POW:13
DEX:12 app:15 INT:14
幸運:65 アイデア:70 SAN値:65/65
技能
図書館:55 目星:25
《特殊ルール》
このキャラクターが対人において“興味”を示した場合のみ【目星】または【心理学】に小補正。
感想、評価お待ちしてます。
難しければアンケートに一票入れていただけると作者は喜びます。なにより反応があればあるほど続きの執筆が早くなります
椎名のキャラシこんなんじゃないやろ!とか、苧環くんってもしかして…などという考察もお待ちしてます。
貴方はショッピング中とある生徒と出会った
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坂柳 有栖
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一之瀬 帆波
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龍園 翔
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綾小路 清隆