ガンダムSEED DESTINY─運命の鎖─ 作:カフェ・ラテ
ご注意ください。
L4・プラント アーモリーワン。
ジェットファンヘリコプターの中から、フレイ改めロゼリアは物珍しそうにアーモリーワンにある基地を眺めていた。それもそうだろう、基礎的な知識は教わったが、ほぼ施設から出される事は許されず、ありとあらゆる戦闘技術や知識を叩き込まれ、フェイスとしての称号に相応しいコーディネーターになるように創られたのだから。
赤いザフト軍の黒い襟元には、シルバーホワイトのフェイスのバッジが付けられていた。赤い髪は後頭部でお団子に纏められている。膝上の短い白いタイトスカートに、黒いニーハイソックス。白いブーツ。
物珍しそうにヘリコプターの中から地上を眺めるロゼリアの姿に、デュランダルは柔和な笑みを浮かべて静かに話かけた。
「どうだね?初めての
「いえ、すみません」
「いや、構わないよ。もうすぐ到着するが、それまで空の旅を楽しむといい」
「ありがとうございます」
本日はオーブ連合首長国のアスハ代表との会談がある為、護衛として付いて来たと言うのに、と、ロザリアは気を引き締め直した。
しばらくして、基地へヘリコプターが到着し、デュランダルの背をロザリアがついて行く。
デュランダルを出迎えていた高級官吏達は両端に通路を作るように整列し、敬礼をしていた。
ロザリアもまた敬礼する。
伝えられたであろう伝言にデュランダルは歩きながら答える。
「議長、オーブのアスハ代表がご到着です」
と、同時にアスハ代表がご到着との知らせを受けたデュランダルは、静かに頷いた。
「やれやれ、忙しい事だな」
■
会談室へ着くと、ロザリアはデュランダルのすぐ側で静かに立っていた。
「やぁ、これは姫。遠路お越しいただき、申し訳ありません」
「いや、議長にもご多忙の所お時間を頂き、有難く思う···!?」
(この方が、オーブのアスハ代表)
デュランダルの斜め後ろから自分と変わらぬ歳の女の子が首相を治めるなんて、余程凄い人物なのだろうと、握手を交わす2人を見ている時だった。
不意に、アスハ代表、カガリの視線が目立つ赤い色に流れた。
「っ、···!?(フレイ、フレイ・アルスター···いや、いや違う、彼女は死んだんだ···先の大戦のおり、巻き込まれて···)」
思わず息を呑んだ。
次いで部屋に入ったアレックス(アスラン)は、カガリの様子に違和感を感じてスっと近寄った。
「···アスハ代表」
小声で諭すように声をかけるアスラン。
カガリの琥珀色の目がロザリアに向けられた物だと知ったデュランダルは、手を離しながらロザリアに視線をやった。
「あぁ、彼女は護衛でね」
ロゼリアは頷くと、カガリに視線を向けた。
「本日はご多忙の所、ようこそおいでくださいました。デュランダル議長の護衛を委任させて頂いております。ロザリア・アンバイエルンと申します」
ロザリアは柔和な笑みを浮かべて、ゆっくりと丁寧にお辞儀した。
(···あれは、フェイスの)
顔を上げたロザリアの胸元にはフェイスのバッジ。
サングラスの奥の瞳を、アスランは細めた。
一方、カガリと言えば心ここに在らずと言ったような感じだ。
しかし、この胸騒ぎは何だ?
何処かで彼女の声を、聞いたような気がするのは、と。
得体の知れぬ不安のようなモヤモヤが胸の内に渦を巻いた。