コードギアス―謀略のキヨナガ   作:嫉妬憤怒強欲

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昔のアニメの最新作がディズニープラスで配信されていたり、アプリゲームとして出ていたりしているので、久しぶりにアニメを1話から見直しています。
ゲームのストーリーは原作の流れを変えないよう違和感なく進んでいて面白かったです。
アニメ化しないかな。外伝の『相貌のオズ』も。


R1『善悪を作るもの…それは人の心であるーエドマンド・スペンサー』
STAGE01「解き放たれた最高傑作」


 そこはかつていた白い部屋だった。

 白い机と、白い椅子と、そして白い簡素な服を着た多くの幼い子供たち。

 身寄りのない孤児、表には出せない隠し子など、皆訳ありでかき集められた者たちだ。

 

 ここではその訳ありの子供たちが教育を受けていた。

 あらゆる分野を担当する講師たちは表の世界で問題を起こした連中ばかりで、提示されるカリキュラムも普通の子供では耐えれそうもないものだった。

 

 行き過ぎた教育に音を上げて脱落するものが多く、無事に修了したとしても感情の欠如などの副作用が残る者が殆どだった。

 そんな異常な場所に生まれた時からいたオレは時が経つごとに次々と脱落していく子供達を見送った。

 

 一人オレに助けを求めるのがいたが、オレにはどうすることもできなかった。

 そして最後には白い空間にオレ以外誰もいなくなった。

 最後の1人になったとしてもオレがここから出ることは叶わない。生まれた時から生涯サンプルとしてここに留まることは決まっていた。

 

 オレは一人机の上にあるテスト用紙の解答欄に答えを書き込んでいく。

 すると机に影が出来る。誰かが内界に侵入してきたのだ。

 

「キヨナガ」

「────」

 

 この窮屈な部屋で、オレの名前を呼ぶ者はたった一人だけ。

 だがオレは特に反応を返すことはしなかった。

 何故男がオレを呼んだのか、何を話そうとしているのか。その全てがどうでも良かったからだ。

 

「よく覚えておけキヨナガ。『力』を持っていながらそれを使わないのは、愚か者のすることだ」

 

 

 

 

 

 

――――それからしばらくして、神聖ブリタニア帝国による侵攻で日本は敗退。エリア11というブリタニアの属国へと変わると同時に、当施設『ホワイトルーム』は解体された。

 

 

 

 

♢♢

 

【7年後】

 

『単刀直入に聞くけどさ。キミ、僕のところで働かない?』

「は?」

 

 ここはとある収容施設にある面会室。

 身体を拘束具で雁字搦めの状態にあるオレは、ガラス越しにいる妙な男にスカウトされていた。

 

「悪い。話がまったく見えないんだが……そもそもアンタはいったいどこの誰だ?」

 

 薄紫がかった銀髪に眼鏡、そしてとぼけたようなにやけた表情を浮かべるその男とは今まで面識がない。

 

『ああ、まずは自己紹介からだったね。僕はロイド・アスプルンド。特別派遣嚮導技術部、通称特派の主任を務める科学者だよ。あっ一応伯爵でもあるね』

「一応って……」

 

 身分や爵位には頓着しないタイプなのか?

 

『特派はブリタニアの兵器開発の最先端を担っていてね。今はランスロットの新しいデヴァイサーを探しているところ』

「ランスロット?デヴァイサー?」

 

 訳の分からない単語が多すぎる。

 

『ランスロットは僕が開発した試作の第7世代型ナイトメアフレームのことだよ』

「悪い。そのナイトメアフレームっていうのも何なのか知らない」

『あー…まずはそこからか』

 

 ここは外界とは完全に遮断されている施設だから情報が何一つ入ってこない。

 

『人型自在戦闘装甲騎………簡単に言えば、人間が乗って操縦する大きな人型ロボットのことだね。日本侵攻の際本土上陸作戦に於いて初めて実戦投入され、その圧倒的な力で日本の敗退に追い込んだんだよ。凄いでしょ?』

「まあ……凄いと言えば凄いな」

『あ、あれ?反応薄くない?』

「ん?ああ、科学文明は巨大ロボットを作り出すまで進歩したんだなって驚いている」

『いやそうじゃなくてさ………悔しいとか思わないの?』

「悔しい?何に対して?」

『その、日本が負けてエリア11になってしまったことに対してだよ。それから日本人は僕たちブリタニア人に「イレヴン」と呼ばれ差別を受けているんだよ。今もキミがこうして薄暗い牢獄に入れられているのもそのせいだし……』

 

 ああ、そっちか。

 

「別に日本という国に思い入れなんてないぞ。敗北した以上、敗者が勝者に従うは当然の理だ。だからアンタ達に恨みとかそういう感情は抱いていない」

 

 閉じ込められるのは前とそう変わらないし。

 

『あっ、そう……キミ若いのに色々と割り切ってるんだね』

 

 顔が引き攣っているな。別の反応を期待していたのか?

 

「それが当たり前の場所にいたからな…それで、そのランスロットとかいうナイトメアフレームがなんだって?」

『ああ、話を戻すね。僕が開発したランスロットは次世代型ナイトメアフレームの試作機でね。その試験運用のデータを取るために必要なデヴァイサー………テストパイロットが欲しいんだ』

 

 乗り手は部品扱いか。

 

「つまり、オレにその機体の乗り手になれと?」

『そういうこと。おぉめでとぉ~!君は選ばれた!世界でただ一つのナイトメアのデヴァイサーに!』

 

 びっくりした。独特な喋り方をするな。

 

「何故イレヴンのオレが?他に候補がいなかったのか?」

『あーそれね……いたにはいたんだけどさ。クロヴィス殿下……って言っても知らないか。ブリタニアの第三皇子にしてエリア11の総督だった方が殺されてね。その容疑者としてその候補者が拘束されてしまったんだよ』

「へえ、そいつは実際殺したのか?」

『いいや。殺害時刻僕たちと一緒にいたんだけどさ、今軍を仕切っているのは純血派っていって、ブリタニア軍はブリタニア人だけで構成されるべきだって主張している連中が彼を犯人に仕立てて処刑するつもりらしい』

 

 つまりその第一候補もイレヴンだったわけか。 

 

『他の候補も探したんだけど、軍のデータベースにある人間の殆どはそれぞれの所属でガチガチで固められているし、軍でランスロットの性能を9割以上引き出せそうなの彼以外いないみたいなんだよね。いやあ困った困った………そんな時、君に関する噂を聞いたんだ』

 

 にやりと、口元に明け方の三日月のような笑みを浮かべたロイドが身を乗り出す。

 

『キミ、面白い才能を持っているみたいだね?前にいた施設で五歳の時に武器を持った複数の軍人を再起不能手前まで追い込んだとか!いやぁ凄い凄い!惚れ惚れするよ!』

「…噂は噂だ」

『そう?キミがこうして外界から隔離されているのは事実だろ?その才能、あまりにもレアだから処分するには惜しいとかの理由で』

 

 ホントよく調べてるよ。

 

「…あそこでオレが何をやっていたのか知った上で引き入れたいと?」

『ああ、勿論。キミ以外彼のスペアは務まらないと確信しているよ。こんな薄暗いところで腐らせておくのは勿体無い』

「…オレへの見返りはなんだ?」

『ん?そぉだねぇ。まず、ここから出ることができるね。ここの責任者にはもう話は通してある。出た後は僕が身元保証人になるってね』

「アンタが?」

 

 なんか不安だな。

 

『出ても色々と制限はあるだろうけど、ある程度の自由は保証するよ。ただし成果はちゃんと出してもらう』

 

 自由を守るために、自由を捨てるか…。

 

「何故そこまでする?仮にアンタの部下になったとして、いつか寝首をかかれるんじゃないかと心配にならないのか?」

『ん?簡単な理由だよ。僕は自分の研究をやりたいだけなんだもの。だから極端な話、僕はデヴァイサーがブリタニア人だろうがイレヴンだろうが、僕が造った機体を上手く乗りこなしてくれるなら別にどうでも良いんだよぉ。寝首を搔かれるのは正直勘弁だけど』

 

 変人の極みだな。

 

 

『で、どうする?勿論ここに留まる選択肢もあるけど、こんなチャンス滅多にないよ?キミも、キミの世界も変わるかもしれないよぉ?』

 

 オレの世界が変わる、か…。

 

「………選択の余地なしか」

『決まりだね。それじゃあすぐに出る準備をするといい』

 

 面会終了となり、ロイドは席を立って部屋を出ようとする。

 

「いつか後悔するかもしれないぞ。オレを利用しようとしたことを…」

『あはぁ、それは少し楽しみかも』

 

 

 それから面会室を出て、自分の部屋に戻ったオレは身支度を整える。といっても、元々持ち物が少なかったからたったの五分程度で終わった。

 部屋を出て、外へと続く通路が通る。最初は半信半疑だったが、あの男の言う通り出所の手続きがされていたようで、看守は渋々ながらもすんなりと通してくれた。

 

 

 

 

 

「あはっ、来たね」

 

 出口に辿り着くと、ロイドが優しそうな印象の女性と一緒にオレを待っていた。

 

「紹介するね。彼女はセシル・クルーミー。僕と同じ特派の一員で、えっと……秘書か補佐官みたいなものかな?」

「なんで疑問形なんだ?」

「ロイドさん。一応、私もランスロットの開発者の一人なのですが?」

「あっ、はい。そうですねごめんなさい」

 

 にっこりと笑みを浮かべるセシルさん(威圧感がある)にロイドがペコペコしだした。

 この二人の上下関係が分かった気がする。

 

 取り敢えず自己紹介しておくか。

 

「あー……えっと……どうも。姉小路清永(あねこうじきよなが)です。あー……趣味や得意なことは特にありません。皆さんと上手くやれるように頑張りたいです」

「「……………」」

 

 反応が薄い。 

 

「え、えっと……これからよろしくねキヨナガ君」 

「あはっ、キミ自己紹介初めて?」

 

 セシルさんに滅茶苦茶気を遣われ、ロイドには少し小馬鹿にされた。 

 失敗した。 

 確信する。オレは多分、良くてコミュ障、悪くて根暗そうな奴だと認識されたに違いない。 

 

「さてと、お互い自己紹介が済んだところでとっととこんなところから出ようか」

 

 ロイドが天井脇にあるカメラに手振りによる合図を送ると扉が開く。

 

 

「これが…本物の外」

 

 開いた先に進むと、新鮮な空気と風がオレの肌を撫で、衣服を揺らした。

 そして視界に、映像でしか見たことのない黒い夜空と、高層の建物がいくつも映った。

 

「おぉめでとぉ~ようこそ外の世界へ!そしてざぁんねんでしたぁ~!」

 

 眼鏡がなにか言っているが無視し、この光景を目に焼き付けておく。

 

 

 既にここはブリタニアのモノ。日本人には正直生きるには厳しい場所だ。

 だが、未だに恐怖も不安も後悔もない。

 そこには内心心躍る自分がいた。

 

 

 

 

 

 

『クロヴィスを殺したのはその男ではない!やったのはこの私、ゼロだ!』

「真犯人登場だね~」

「…のようですね。これでスザク君は無罪放免になるでしょうか?」

「多分ね。あっキヨナガ君、キミランスロットに乗らなくてすむかも」

 

「えっ」

 

 

 前言撤回。いきなり不安になってきた。





ヒロインを誰にするかまだ未定。
ブリタニア側の殆どの女性キャラクターが可愛い。
あとオズのオルドリンやロスストのマーヤちゃんも。


どちらも優しさの裏に闇を抱えていますし……
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