コードギアス―謀略のキヨナガ   作:嫉妬憤怒強欲

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オリジナル機体「グレイズ・マリス」について解説を忘れてました。
外見のイメージは、ガ○ダム鉄血シリーズ1期の序盤でガリガリの人が乗っていた機体をパクってます。なんかランスロットに似てたので。
ちなみにマリスは、円卓の騎士ランスロットの異母弟から取りました。



STAGE13「進展」

 ブリタニア本国、帝都ペンドラゴンの宮殿にある宰相執務室にて、私はある人物を待っていた。

 

「そろそろかな……」

 

 コンコン

 

 来たね。

 

「入り給え」

 

 時間通り、その人物は執務室へと現れた。

 

「突然呼び出して済まないね。ミルビル卿」

「いえ。シュナイゼル殿下のお呼びとあれば、すぐにでも馳せ参じるのは当然です」

 

 緊張した表情で入室した彼はウィルバー・ミルビル。

 ロイドと同様博士号を持つ貴族で、航空機産業からKMF開発に参入した軍需企業シュタイナー・コンツェルンのKMF技術主任でもある。

 

「それで、私に話とは?」

「特別派遣嚮導技術部、通称特派のことは知っているね?」

「は、はい。シュナイゼル殿下の管轄にあるブリタニア軍の技術部と聞き及んでおります。確かロイド君……失礼、アスプルンド伯爵が主任を務めておいでとか」

「そういえば君はロイドとは大学アカデミー時代同期だったね」

「ええ、まあ…」

 

 当時彼に散々振り回されたんだろう。遠い目をしているね。

 

「実はその特派で、ランスロットとは別に新しいナイトメアが開発されてね。第三者の率直な意見が聞きたいんだ」

「私の、ですか?」

「第六世代ナイトメアを手掛けたことがあり、ロイドと親交のあった君なら適任だと思ってね」

「は、はあ…それは身に余る光栄です」

 

 他言無用、という条件付きのもと、エリア11にいるロイドから送られてきたデータの一部が入っている端末をウィルバーに見せる。

 

「こ、これは…!」

 

 端末に表示された図面を見て、すぐに彼は目の色を変えた。いや、顔色か。

 

「すごい………凄いぞこれは!一体だった機体骨格と装甲を完全に二分させ、自重をフレームに集中させることで強度を上げているのか…っ、装甲の方は骨格との兼用から純粋な装甲板へと変遷したから、損傷してもその部分だけを交換するだけでいい。しかも装甲同士が干渉しないよう、形状と配置が工夫されている。だがフレーム上のジョイント部に取りつけるのはいったい?それにこれだと従来機より重くなってしまうのでは……ブツブツ」

「んんっ!」

「はっ!」

 

 傍に控えていたカノンのわざとらしい咳払いで、独り言を早口で呟きながら食い入るように端末を見ていたウィルバーが我に返り、こっちを見て慌てだす。

 

「し、失礼しました!つい…!」

「はは、いいよ。キミでもそうなるんだね」

 

 トロモ機関所属の技術者とバトレーに見せた時なんて、しばらく石のように固まっていたしね。

 

「…それで、君から見てこの機体はどうだい?」

「あ、はい。このE-01”グレイズ”という機体、実に斬新で、合理的な設計だと思いました」

「ほう?」

「現主力機であるサザーランドやその発展型であるグロースターは、前世代機のグラスゴーをベースに設計されており、基本構造を継承しています。技術が進ませたことで第四世代機以上のスペックを有しています。ですが……この機体はまったく異なる構造で、運動性や耐久性、可動範囲が第五世代機以上のそれを上回っています。稼動範囲を狭めていた装甲のかさばりが無くなったことで、複雑な動きが可能でしょう」

 

 説明書なしでそこまで理解できるとは流石だね。

 

「その上………」

「その上、なんだい?」

「……その上、試作機とは思えないほど、設計に綿密な計算が行われており、まだ改良の余地があれど、実戦に投入できるほどのレベルだと考えます」

「ふむ、成程…」

 

 ロイドと同じ評価か。

 

「質問、よろしいでしょうか?」

「なんだね?」

「この機体の設計、本当にあのアスプルンド伯爵が行ったのでしょうか?正直彼の無茶苦茶振り……いえ、嗜好からかけ離れているような気がしてならなくて」

 

 やはり彼を知る技術者なら気付くものなんだね。

 

「実を言うとね、ロイド自身が設計したわけではないんだ。設計思想を考えたのは、最近特派に入隊したナンバーズの少年だよ」

「ナンバーズが、ですか?」

「ロイドが直々にスカウトしたイレヴンでね。一週間でナイトメアに関する基礎的な知識をものにしたらしい」

「い、一週間ですとぉ!?」

 

 おおっ、ウィルバーでも素っ頓狂な声を上げるとは。

 

「ロイド曰く、彼の驚異的な強みは、極めて高い吸収力だそうだ。一度学んだ技術はすぐに自分の能力に昇華させることが出来、基礎を学び終えると、今度は類稀な応用力を使い初めて触れるものに対処する技術も身につけ始めている程だと」

 

 教えれば教えるだけ、全てを飲み込むように吸収していき、そして現に新型ナイトメアの構想を練ってしまっている。

 ナンバーズだからという理由だけで、自分達より劣っていると蔑む今のブリタニアの考えを真っ向から否定する存在だね。

 まあ、大抵の者はそれを認めようとしないだろうけど。

 

「な、成程……彼がそう評価したのならそうなのでしょう。かなりの変わり者ですが、人を見る目は確かでしたし。他の人間は一蹴するでしょうが……」

「だろうね。もし先にナンバーズが設計したと告げていれば、君のようにちゃんとした評価を下さなかっただろうね」

「殿下、それ以上は……」

 

 おっと、カノンに注意されてしまった。

 

「それで、ナンバーズが設計したと知った後の君の評価は?」

 

 しばらく悩むように考え込むウィルバーだが、やがて意を決したように表情を引き締める。

 

「………ご存じでしょうが、私は皇族派についています。殿下や陛下の御威光に従う所存です。その上で敢えて申し上げます。彼の才能は帝国のナイトメア技術を大きく前進させると確信します!」

「君ならそう言うと思っていたよ」

 

 これで言質を取ることに成功した。

 

「では、第二皇子シュナイゼル・エル・ブリタニアから君に一つ、依頼をしよう」

「………はい?」

 

 

 

 

 

「よろしかったのですか殿下?ミルビル卿にあのような――」

 

 ウィルバーの退室からしばらくしてカノンが口を開いた。

 

「問題ないよ。ロイドから彼が実直な人物だと聞いていた。グレイズについて客観的な評価をしてくれた。そんな彼に何もないというのは失礼だと思わないかい?」

「では、グレイズの設計データを見せたのも?」

「ふふ……彼にとって良い刺激になっただろうね」

 

 ウィルバーが提唱した天空騎士団構想、あれは非常に興味深い。あの子()の考えた対テロの騎士団にも大いに役立つだろう。

 新たな騎士団の主力機に新たなナイトメアが配備されれば、無敵にもなるし良いデータが取れる。

 グレイズの設計思想をものにし、更にそれに転用できればよし。行き詰ってしまえば本人の手を借りればいいだけのこと。

 

 だけど………。

 

「彼に会うのが先かな…?」

「殿下?何やら楽しそうですね」

「ん?そう見えるのかい?」

「はい。笑っておられるので………」

 

 自分の口元を触れて確認してみると、口角が上がっていた。

 

……驚いたな。私はこういう風に笑えるとは。

 

♢♢

 

 特派の拠点(大学)に戻る道中、雨に濡れる親子を家まで送り届けた翌日。

 

「あっ……」

「どうも昨日ぶりですね」

「うん、昨日ぶり」

 

 久しぶりに生徒会に足を運んでいると、クラブハウスの玄関の前でマーヤとばったり会った。

 いや、彼女はここの生徒だからばったりじゃないか。

 

「昨日は送ってくれてありがとうね」

「いえ、別にオレが運転してたわけではないんですが」

 

 そもそもマーヤとクラリスの送迎を提案したのはセシルさんだし。

 

「あの後クラリスさんと話はできましたか?」

「うん、家に戻ってから色々謝った。逃げてしまったことや今までのこと……今度、もう一度二人で話をしようと思う」

「良かったですね」

「うん」

 

 長い時間はかかったが、どうやら再び家族と向き合う覚悟ができたようだな。

 

「クラリスさんのこともありがとう」

「ん?」

「クラリスさんが泣いた時、キヨナガが介抱してくれたって聞いたよ」

「ええ、まあ。大したことはしてませんが……」

「そんなことないよ。クラリスさんが今度お礼したいって言ってた」

「別にそこまでしなくても良いんですが…」

「もう、遠慮とかしなくて良いのに…」

 

 なんかグイグイくるな。

 拒否すると人間関係に支障がでる。ここは人の厚意に甘えるのが良いか。

 

「後で空いている時間を確認します」

「うん……あっそういえばキヨナガはどうやって軍に入ったの?」

 

 ん?

 

「あの天邪鬼な眼鏡主任にスカウトされて…」

「天邪鬼って……スカウトされるなんてなんか凄くない?」

「そうでしょうか?」

 

 凄いことか………もしあの眼鏡がオレを見つけてくれなかったら、一生牢獄の中だったからそうかもな。

 

「そっか。スカウトされて………他にはどんなルートがあるんだろう」

「…軍に興味があるんですか?」

「あっ、うん少しね。どうやったら軍に入れるのかと思ってね」

「軍に入る…?」

「ええ。このところ物騒なことばかりでしょう?いざという時、自分だけじゃなくクラリスさんのことも守るためにも、強くなりたくて」

 

 そういうことか。

 

「…すみません。オレはそういうの詳しく無くて、後でセシルさんあたりに聞いてみます」

 

 クラブハウスに入り、会議室に到着する。中は何やら騒がしかった。

 

「えっと、皆どうしたの?」

「あっ、マーヤにキヨナガ。いやさ、この前ナリタで騒ぎがあっただろ?その時シャーリーの親父さんが出張で行ってたんだってさ」

「えっ」

 

 あそこにいたのか。とんでもない偶然だな。

 

「で、でも無事だったよ。山崩れが起こった時もう避難してたから巻き込まれずに済んだみたいで、一昨日出張から帰ってきた」

「そ、そう…良かったね」

「本当良かったわ。お父さんが無事で」

「うん…」

「「「………」」」

 

 ん?マーヤの様子がおかしいな。カレンもルルーシュも、安堵とは別の複雑そうな感情が読み取れる。

 気落ちと……後ろめたさか?

 

「にしても、避難警報が鳴らなかったらヤバかったよな。やっぱあれかな?黒の騎士団が巻き込まないように仕掛けたとか」

「うーん…どうなんだろう」

 

 警報を鳴らしたのはうちの上司だが、結果的に知り合いの父親の死を回避できただけだ。公言はしないでおく。

 警報が鳴った原因を探ろうにも、証拠は既に土の下だ。掘り下げる必要はない。

 

「なあ?スザクはどう思う?」

「さ、さあ……」

「ハイハイ、もうこの話は終わり。シャーリーは実家に戻った方がいいんじゃない?久しぶりにお父さんが家にいるなら。しばらく学校休んでいいわよ」

「えっ、でも生徒会の方は………」

「気にしない気にしない。皆で上手くやるから。それにちょうどお手伝いも来てるし……」

 

 お手伝いはオレのことなんだろうな。しばらくこき使われそうだが、断る空気じゃないな。

 

「………ありがとうございます会長、じゃあお言葉に甘えさせていただきます」

「ええ。落ち着いたらまた来なさい」

「――シャーリー!」

 

 退室しようとしているシャーリーをルルーシュが呼び止める。

 

「どうしたのルル?」

「いや、その…悪かった」

「え?どうしてルルが謝るの?」

「それは……ほら、この前一緒にコンサートに観に行けなくて」

「あっ、ううん。気にしないで。私もちょうどお父さんのこと聞いて行けなかったから」

 

 ん?ルルーシュとシャーリーがデートの約束をしてたのか?

 

「そうか…」

「だからさ………落ち着いたらその、また誘っていい?」

「えっ………ああ、勿論」

 

 おお…。恥ずかしがりながらも上手くルルーシュを誘えたな。

 

「マジか…」

「あらあら。シャーリーったら、見ないうちに大胆になっちゃって………」

「ち、違いますよ会長!そういうのじゃなくてその!」

 

 ミレイ会長にからかわれ、顔を真っ赤にしたシャーリーはいつもの調子で慌てる。

 いつもの光景だが、こっちもこっちで進展しているみたいだな。

 

 だが少し引っかかるな。

 ルルーシュが理由を述べた時、まるで取ってつけたような感じがした。

 

 なら本当は何に対して謝ろうとしたんだ?

 

 

♢♢

 

 ある日の夕方、オレとスザクはコーネリア総督直属の部下、アンドレアス・ダールトン将軍から作戦の招集が掛かった。

 

 出番があることに大はしゃぎのロイドに連れられ、トウキョウ租界にあるトウキョウ湾の埠頭まで向かうと、現地では既に倉庫内にナイトメア部隊が配備されていた。

 トレーラーから降りたオレ達は、すぐに呼び出した当人であるダールトン将軍と相対する。

 

「ナリタでは総督を救ってくれたこと、礼を言うぞ枢木准尉」

「えっ」

「それにアネコージ准尉も。貴様が駆けつけてくれなかったら、あのままあの新型に残りの部隊ごとやられていたであろう」

「いえ、そんな」

 

 ナンバーズに礼を言うとはな、ブリタニア軍人にも義理堅い奴がいたようだな。

 

「そういえば、貴様が乗っていたあのナイトメア……貴様が設計したという噂を耳にしたが、実際のところどうなんだ?」

 

 と思ったら唐突にマリスのことを聞いて来たな。

 面倒事の予感しかしない。

 

「それは――」

「ええ、実はそうなんですよ!」

 

 誤魔化す前にロイドが割って入ってきた。

 

「いやぁ彼ナンバーズ出身ですが凄いもの作っちゃいましたよ。ナリタで見たと思いますが、ランスロット程ではないにしても、その性能と耐久力は折り紙付きです」

「ほう?」

 

 おいやめろ眼鏡。

 部下を自慢する良い上司のつもりだろうが、オレには有難迷惑なんだよ。

 

「伯爵が推すほどとは…ちなみにこれはもしもの話だが、あれを数機用意することは可能か?」

「ん?そうですね………フレームの方は設計図のデータさえあれば軍の施設でも作れますよ。データを取っている最中ですが、今の段階でも実戦投入は可能だと思いますよ」

 

 なにとんでもないことを言っちゃうんだコイツ?

 推すなら自分のランスロットを推せよ。

 

「ふむ、成程……」

 

 将軍は視線をオレの後方に控えているグレイズ・マリスへと動かし、しばらく考え込むような仕草をする。

 それからオレ達の方に戻し、本題に入った。

 

「総督は、まだナンバーズである貴様らを使うことに難色を示されているが、私は使えるものは使う主義だ。たとえそれが日本の元総理の息子や、謎の多い少年であろうと…」

 

 謎の多いってオレのことか。

 

「本作戦は、船で国外への亡命を企てている日本解放戦線の生き残りのトップ、片瀬少将の確保だ。こいつさえ抑えれば、日本解放戦線はおしまいだ。捕獲は海兵部隊が行う。貴様らは地上から、海兵が片瀬を確保するまでの援護射撃。及び、確保後の残党の殲滅に当たれ」

「!」

 

 殲滅という言葉にスザクは動揺したな。

 

「目標以外は一人も生かしておいてはならん」

 

 リーダーだけ生け捕りか。公開処刑が目的じゃなさそうだ。

 わが身可愛さにこのエリアにいる日本人達を見捨てて国外に逃亡したと公表すれば、一気に求心力はガタ落ちになる。

 このまま放っておいても、良くて無血でエリア11のテロ勢力を大きく削ぐことは出来るというのにそれをしない。

 コーネリア総督は発想の転換ができないのか、あるいは片瀬本人に聞きたいことがあるかのどちらかだな。

 

「ブリタニアへの忠誠を示せ。出世のチャンスだ。励めよ」

 

 それだけ告げ、将軍はその場から立ち去った。

 

「踏み絵かな?どうする?試されてるよ」

 

 ロイドの言う通り、これはテストだろうな。

 命令に従順で結果を出せば、まあ合格。

 拒否したり裏切るような素振りを見せれば、命令不服従やテロリストとの共謀なんかの理由で厳しい処罰を受けること間違いない。

 

 オレは別に連中がどうなろうと知ったことじゃないから引き金を引けるが………。

 

「……スザク、当てなくていい。狙いをずらして撃っておけば命令違反にはならないだろ」

「そう、なるのかな……」

 

 兵士の素質はあっても、他者が死ぬことを極端に嫌うという矛盾の塊であるスザクには酷か。

 

「あっそうそう。どうも日本解放戦線の残党は、亡命の手土産に流体サクラダイトを大量に持ち出そうとしているみたいだから、今回ヴァリスは無しね。代わりにサザーランドが使う対人ライフルを使うことになってるよ」

 

 そういえばサクラダイトは流体状態だと起爆性が飛躍的に上がる性質があって、ある程度纏まった量があれば大爆発を引き起こせるんだったな。

 ヴァリスなんか使えばそれこそ大惨事だ。ただでさえ威力が高すぎる上エナジーを大幅に消費してしまうから、今回あれを使わなくて済むなら大助かりだ。

 

 だが………。

 

「なんか引っかかるな」

「ん?引っかかるって?」

「トウキョウ湾からの船での逃亡、流体サクラダイト……情報がやけに細かいと思ってな。そもそも総督はどうやってそんな情報を手に入れたんだ?」

「さあ?僕らは指揮系統が違うから、全部は教えて貰ってないよ」

 

 ロイドも知らないか。

 

「…罠の可能性があるな」

「え?罠?」

「あっ、ひょっとして黒の騎士団が待ち構えてると考えてる?心配性だねぇ」

「だと良いがな………ん?」

 

 倉庫の入り口に人の気配がして振り向く。だがそこには誰もいなかった。

 

「どうしたの?」

「いや…」

 

 気のせいか。

 

 

 

 それから数時間が経ち、日が沈んで辺りが暗くなった時間帯。

 港から大きなタンカーが出港したのを確認した時、作戦が開始された。

 

 オレ達が陸から援護射撃をしている間に、海兵部隊が駆る水中用ナイトメアがタンカーに取りつく。

 ここまでは作戦通りだったが、問題が発生した。

 

 

 まるでタンカーにナイトメアが取り付くタイミングを見計らっていたかのように、タンカーが大爆発を起こしたのだ。

 流体サクラダイトに引火したことで発生したその威力は凄まじいもので、余波で発生した大津波が、港にいたオレ達を襲った。

 

『聞こえるキヨナガ君!?』

「セシルさん、聞こえます」

『そっちで爆発が起こったみたいだけど二人共大丈夫!?』

「オレとスザクは無事です」

『そう、よかった………そっちの現状はどうなっているの?』 

「こっちですか」

 

 軍の通信を開き、周囲を確認する。

 

『204シグナルロスト。エリクソンは308に合流、支援せよ!』

『全機状況を報告せよ!繰り返す!全機状況を報告せよ!』

 

 想定外のハプニングで指揮系統が混乱状態だな。津波に巻き込まれて海に流された機体までいる。

 

『本当に自爆を?片瀬少将』

「考えるのは後だぞスザク」

 

 オレはすぐにファクトスフィアを展開し、周囲の状況を確認する。

 

「……海からなにか大きな物体が本隊に向けて高速で接近してきているぞ」

『まさか!ゼロ!タンカーを囮にして!』

 

 すぐさまランスロットは本隊の方へと向かった。

 なに勝手に動いてるんだ。まあいいか。

 

 ランスロットについていくかどうか考えていると、近くのコンテナからグラスゴーに似た機体(無頼)が次々と出てきて、海に落ちた味方を引き上げていたコーネリア軍に向けて銃を乱射しだした。

 

『なっ、奇襲!?』

『黒の騎士団か!?』

『ぐわぁ!』

 

 突然の奇襲にコーネリア軍はすぐに対応できず、次々とやられていく。

 

『くらいやがれブリキ野郎!』

 

 当然黒の騎士団はオレの方にも銃を乱射してきた。

 何発もの銃弾がマリスに当たるが、機体の損傷は軽微、と。

 ロイド特製装甲の硬度はとんでもないな。

 

『はぁ!?全然効いてねえぞ!?』

『馬鹿、玉城!白カブト擬きに攻撃が通らないこと、あいつが言ってただろうが!』

 

 取り敢えず撃ってきた奴に、お返しにライフルを五発撃つ。

 

『ぐわああ!やられたあああ!』

『玉城!お前いっつもそうだよな!』

 

 相手が旧式の機体故にあっさりと撃破できた。

 どうやらゼロは解放戦線を囮にして、手薄になった本隊を攻めてきたようだ。

 どうせなら敵の戦力を削ぎ落としたいと、役立たずとなった解放戦線を生きたトラップとして使ったんだろう。

 やり方がナリタの時と大して変わらないな。

 

 そうなると、ゼロと輻射波動付きの赤いナイトメア、青いナイトメアが本隊を攻めている間

、こいつらが残った生き残りを本隊に合流させないための足止めをしているといったところか。

 本隊の方には既にランスロットが向かったが、あいつだけだとまだ不安だ。

 とはいえ、こっちを放置したままだと後が面倒でもある。

 

――――仕方ない。

 

「さっさとこっちを片付けてからスザクと合流するか」

 

 





ナリタでの民間人の被害はゼロとしたので、本作は劇場版ルートに近いです。
最後に玉城がちょい役で登場。しかし即退場。
アニメでも出撃してすぐ、出番なく即退場だったのが印象的だったので((笑))。
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