あのアニメのエンディングの絵にマーヤとキヨポンを加えたいと思いました。
「それでは、我がアッシュフォード学園、生徒会風紀委員、枢木スザク君の騎士叙勲を祝いまして、おめでとうパーティー開始!」
「「「かんぱーい!」」」
この日、アッシュフォード学園にあるクラブハウスのホールにて行われる、生徒会主催の記念パーティーにオレも呼ばれた。いつものことだが、生徒会の一員となっているオレも強制参加とのこと。もちろん執事服着用で。
「企画立案はナナリーよ」
「お祝い、いっぱいされたでしょうけど、私達のも受けていただけますか?」
「勿論!すっごく嬉しいよ」
「………なあ、オレも来てよかったのか?」
「ええ。最近キヨナガさんと顔を合わせる機会が中々なかったですし」
「それは…悪い」
「ふふ、冗談です。軍のお仕事で忙しかったのわかってますから」
ナナリーでも冗談言うのか。
「スザクさんがお世話になってますし、そのお礼も兼ねてます。それにキヨナガさんも生徒会の一員ですから」
ナナリーが天使に見える。
「ナナリーの言う通りよ。キヨポンだけ仲間外れなんてことしないわよ」
「……会長のその言葉、書類整理の時も聞いたような気がしますが」
「死にゃばもろともってやつよ♪」
「会長、それ使い方違う気が………」
「細かいことは良いのよ。今日は目一杯楽しんでって」
まあいいや。それにしても………
「いやあ、すっげよなあ!」
「おめでとう、スザク君!」
パーティーに参加しているのはクラスメイト達か。なんか隅っこでピザをむしゃむしゃ食べている緑髪の女子が混ざっているが。
今までの軍人や貴族ばかりのパーティーと違い、純粋にスザクを祝う生徒ばかりだから和やかな雰囲気に包まれていた。スザクがちゃんと受け入れられている証拠か。
オレも学園に通っていたらこうなっていただろうか。
いや、今さらか。
「ねえねえ、キヨナガ君ってホテルの事件で会長達を助けたんだよね?」
「十五歳って本当?すごく落ち着いているけど」
「執事服すごく似合うよ!」
「スザク君の同僚ってことは、もしかしてあの赤いナイトメアに乗ってたのってキヨナガ君?」
「マーヤさんと付き合ってるってホント?」
タラレバを考えていると、オレも生徒達から話しかけられた。主に女子から。イレブンのオレが物珍しいからと、ここの生徒は好奇心旺盛みたいだな。
ん?付き合ってる?マーヤとオレが?
「ちょ、ちょっと待って…今のいったいどこ情報なの?」
当然近くにいた
「リヴァルやシャーリー達から二人の距離が近いって話聞いたんだけど」
噂の発信源はからかうのが好きな会長かと思ったら違った。
「それでそれで?実際どうなの?」
「そ、そんな…別に付き合ってないよ」
「えーホント?」
「本当にキヨナガとはなんでもないって」
確かにそうだが、否定されたら否定されたで少しくるな。
「そ、それよりも……私はシャーリーとルルーシュとの間が気になるな。シャーリーがこの前デートに誘っていたし」
否定してもキリがないなと考えていた時、マーヤは話題をそらしだす。どうやら矛先を別の奴に変える作戦に出たようだ。
「えっ!?それ本当!?」
「それ初耳なんだけど!」
「これは問い詰めなきゃ!」
効果は覿面で、食いついた女子達はシャーリー(ルルーシュがいない為)の方へと向かっていった。マーヤの名前を呼ぶ叫び声が聞こえるが気付かない振りをしておく。
「えっと…なんか皆がゴメンね」
「いえ、少し戸惑っただけなので」
「そ、そっか…リヴァル達にも困ったね。後で文句言っておかないと」
「…そうですね」
それにしてもリヴァル達はなんでそんなこと言ったのやら。そんな風に見えてたってことなのか?
「わ、私会長の手伝い行ってくるね」
そう理由を付けてオレから距離を取りたいのか、マーヤは素早い動きで人混みをかき分けて離れていった。
♢
「会長、手伝いますよ」
「ありがとう………ってどうしたのマーヤ?なんか顔がちょっと赤いわよ」
「え?何でもありませんよ」
「そう?じゃあピザのおかわり持ってきてくれない。いつの間にか足りなくなってて」
「わかりました」
うぅ、顔が熱い。
私と?キヨナガが?付き合ってる?どうしてそんな根も葉もない話をリヴァル達が?皆にはそういう風に見えてたってことなの?
いやいやいやいや。おかしいって。私自身普通に接してただけなんだけど…
よし、考えるのはやめよう。気を紛らわすため、ピザ運びに力を入れることにする。
それにしてもこの短時間でピザが減るなんて…うん。見覚えのある緑髪の少女が視界の端に入ったけどスルーしよう。
「あっ、カレン。ピザ並べるの手伝ってくれない?」
「………」
入り口から入ってきたカレンに呼び掛ける。
「カレン?」
だけど聞こえない距離ではない筈なのに、カレンは私の呼びかけに反応せず、真っ直ぐスザクの方へ向かって行く。
カレンのあの目なんだろう?嫌な予感がする。
だけど杞憂に終わった。あともう少しまで迫ったところで、後ろから来たルルーシュに腕を掴まれ、動きが止まった。
「マーヤが手伝って欲しいってさ」
「ごめんなさい。今は大切な用事があって」
「何だい?その用事って」
「あっ!ルルーシュ…」
スザクがルルーシュに気付いて話しかける中、カレンは気まずそうにその場から離れて行った。何だったんだろ?
「悪いスザク、遅くなった」
「とんでもない。来てくれただけで嬉しいよ」
会話の最中、ルルーシュの視線が一瞬キヨナガに向いたのを見逃さなかった。
なんだろう。ルルーシュのあの視線がいつもと違った。
この前のパーティーで、ダールトン将軍がキヨナガに向けていたのと何処か似ていた気がする。
「残念でした!ま~た仕事が増えちゃったねスザク君」
クラブハウスの入口から聞き慣れた声が聞こえた。
ホールにいた全員がそちらへ向く。
入口にいたのはロイドさんとニーナだった。なんで一緒にいるんだろう?
「あれ?ロイドさん?何か用ですか?」
「ミレイちゃん、知ってる人?」
「婚約者だもん」
「え」
「「「えええええええええ!!?」」」
「で、いいんだよね?」
「は、はあ…」
言っちゃった。キヨナガとスザクから話は聞いていたけど…
皆知らなかったようでかなり驚いている。特にリヴァルが。
「ちょっとちょっと。あっ、じゃあ、あんたが?名前は?」
「ロイド伯爵」
「はくしゃく!?あ、いや…伯爵様?その………お二人は、どういうご関係で?」
「だから婚約者」
「んなああああ!?」
ショックのあまり、リヴァルは絶望の声を上げながら膝から崩れ落ちた。
本気だったんだ。
「えっと、それでロイドさん……もしかして軍務ですか?」
「そ、大事なお客様が船でいらっしゃるんでね。お出迎えを。もちろんランスロットとユーフェミア皇女殿下も一緒に」
「「おお!」」
「ついでに、キヨナガ君とマーヤ君もね」
「「え?」」
「ちょ、ロイドさん………」
「どうしてマーヤも?ロイド伯爵、彼女を知っているんですか?」
「勿論!だって、彼女。ウチの部署の新人さんだもの」
「「「えええええええええ!!?」」」
生徒達の驚愕の声がさっきよりもホールに響いた。
「ロイドさん……」
「言っちゃうんだもんなぁ」
「はぁ………」
ロイドさんによって私が軍に入隊していたことが暴露され、その場は大騒ぎとなった。
♢
ブリタニア本国にある軍需企業シュタイナー・コンツェルン本社。
航空兵器開発主任のオフィスの扉を、一人の顔立ちの整った青年がノックした。
「ウィルバー主任、レオンハルトです。戻りました」
レオンハルト・シュタイナー。
シュタイナー・コンツェルンを運営する技術系貴族シュタイナー家の一人息子で、ウィルバー・ミルビルの天空騎士団構想のテストパイロットである。
現在はブリタニア軍学校に在籍していて、休日を利用して帰省していた。
「ウィルバー主任?開けますよ」
返事がないことを不可解に思い、失礼しますとレオンハルトはオフィスの扉を開けると…。
「うぃ、ウィルバー主任!?」
デスクの上にあるパソコンを前に、真っ白に燃え尽きたウィルバーがそこにいた。
「大丈夫ですか主任!?」
「ん………ああ、レオンハルト君。戻ってたのか」
「いったいどうしたんですか主任?リングの上で死闘を繰り広げた後のボクサーみたいになってましたよ」
「君その時代生まれてないよな?………まあ君ならいいか。実は新型ナイトメアの開発に行き詰ってな」
「新型って、ブラッドフォードの?」
「いや。それとは別の、シュナイゼル殿下直々に依頼されたモノだ」
「あの第二皇子からですか!?」
シュナイゼルがウィルバーに依頼したのは、グレイズのような
シュタイナー・コンツェルンは航空機産業からKMF開発に参入しただけに、可変型ナイトメアフレームという飛行能力を持つ戦闘機に変形する機構を備えた独特の機体を開発する。このような可変型についての設計ライセンスは、唯一シュタイナー・コンツェルンのみが有している。
航空兵器開発主任で、第六世代機の開発を手掛けているウィルバーの提唱した、可変型ナイトメアの導入による航空戦力を強化した天空騎士団構想に、シュナイゼルは目を付けたのだ。
ブリタニアで
だがここで問題が発生。
「シミュレーションでいくつもモデルを構築して検証してみたのだが………」
「上手くいかなかったんですか?」
「ああ、どれも駄目だった………確かに骨格フレームによって複雑な変形機構の実現が可能になる。可能になるのだが、可変機構とフレーム強度の両立には技術的困難が付きまとう。複雑な構造は整備性に影響を与えるだけではない。可動部や変形用ジョイントが増えることで、非可変機に比べて構造的な強度が低下しやすくなってしまうのだ…ここは無難にブラッドフォードと同じシンプルな構造にするべきか?いや、そんなことではシュナイゼル殿下のご期待に応えることが…ぶつぶつ」
「あ、あの主任?」
「………ひょっとして私には才能がないのだろうか?」
「ちょっ、何言ってるんですか。そんなことありませんって。空を飛ぶナイトメアを作れる主任は天才ですよ」
「ふっ、天才?分かっていないなレオンハルト君。世界は広い。内骨格フレームなんてものを思いつく天才に比べれば私なんて、所詮井の中の蛙だよ………」
「か、かわず?」
頭を抱えるウィルビルは見るからに重症であった。全身から負のオーラのようなものが漂っている。
ここまでスランプ状態に陥ったウィルバーを見るのは初めてのレオンハルトはどう言葉をかければいいか悩み………。
「あの、そこまで行き詰っているのでしたら、そのフレームを考えた本人に助力を乞うのはどうですか?」
「え?」
「ほら、共同研究という形を取ったなんて…「それだ!」ええ!?」
レオンハルトの思いつきで出た言葉に、頭を抱えていたウィルバーが食いついた。
「そうだまったくその通りだ!なんでもっと早くに思いつかなかったんだ!」
「あ、あの…主任?」
「こうしてはいられない。すぐに向かわなくては!」
先程の意気消沈とした様子から一転。そうと決まればと、素早い速度で荷物をまとめだすウィルバーに、レオンハルトは困惑する。
というのも、徹夜でもしてたのか目の下に隈ができている状態で滅茶苦茶ハイテンションになっている大人を見れば誰だって引く。
「えっ、いったいどちらに?」
「決まっているだろう!彼のところだ!」
「彼って「せっかくだ!君も同行したまえ!」えっ!?いや、僕明後日には軍学校に戻らないと―――」
「さあ行こう!エリア11に!」
「主任!?僕の話聞いてますか!?主任!!」
口は災いの元、日本のことわざの意味を身をもって知るレオンハルトであった。
♢
オレは今、海の上にいた。
特派のパトロンで宰相でもある第二皇子シュナイゼルが、ブリタニア本国から伊豆諸島にある式根島という島に来るという。
その報せを受け、ユーフェミア副総督がシュナイゼルをいち早く出迎えるために現地へ向かうこととなった。コーネリア総督の部隊は、その大部分がイシカワの反政府組織を壊滅させるべく遠征中で、自由に動ける部隊が他になかったため、ユーフェミア副総督直々に特派に護衛任務を下した訳だ。
ユーフェミアとの顔合わせを済ませた(その際「河口湖の事件以来ですね」と話しかけられたり、ロイドがまた余計なことを言って「まあ!あの赤いナイトメアは貴方が設計したのですか!?」と驚かれたりした)後に軍艦に乗り込み、目的地である式根島へ向けて出航した。
船が海をかける中、オレは甲板から外の景色を眺めていた。
出航から数時間が経ち、既に陸は見えない。
見渡す限りの海。無限に広がる青空。澄み切った空気に混じる微かな塩の香り。
雄大な潮騒の音、聞こえてくるウミネコの鳴き声。
どれもあの白一色の
「どうしたのキヨナガ?」
檻なき空の下、マーヤが横から声をかけてきた。
「海に何かあるの?」
「何も。ただこの景色を目に焼き付けていただけです」
「…ああ、確かに綺麗だよね。任務じゃなかったら生徒会の皆とバカンスに行くのもいいかも」
「会長なら考えそうですね」
「あはは、確かに」
マーヤはオレの横に立ち、風で揺れる長い黒髪を手で押さえながら、視線を海に向ける。
「…ねえ、キヨナガは何のために戦っているの?」
「急になんですか?」
「前から気になってたんだ。私はクラリスさんを守りたくて軍に入った。スザクは内側からブリタニアを変えようと…キヨナガはどうして軍に入ったの?」
この前のパーティーでの一件で、オレに疑念を持ち始めたのか。
仕方ない。ある程度話しておくのがベターか。
「強いて言うなら、自由の為ですかね」
「自由?」
「ダールトン将軍が言っていた様に、オレは特派に入るまで檻の中に閉じ込められていました。なので外の世界がどうなっているかなんてまったく知りませんでした」
「………それは、日本が植民地化してから?」
「いえ、ブリタニアが進軍するよりも前からずっとです」
「えっ」
「まあ家庭の事情みたいなものです」
生まれた時から、オレには自由が無かった。
あの何もない白い部屋で、ただ課せられたカリキュラムを黙々とこなしていくだけの毎日。
普通の人間の言う”当たり前”を、何一つ経験したことがなかった。
日本人共通の帰属意識なんてものも、愛国心もオレにはない。
そもそも日本についての知識はあっても、その中で住んでいなかったから愛着なんてものがないのだ。
黒の騎士団の掲げる日本解放とか、スザクみたいに組織を変えるとかにまったく興味がない。
ブリタニアが攻めてきて施設が無くなってからは、色々あってブリタニアが管理している収容所に収監された。
「そんな時、あの眼鏡伯爵が来てオレを外に出してくれました。ランスロットの予備デヴァイサーとして成果を出せば、ある程度の自由は保証するという条件付きですが。もしロイドがオレを見つけてくれなかったら、外の世界を知らないまま一生を牢獄で過ごしていたでしょう。結果色々な経験ができています。なのでオレを見つけてくれたロイドには…まあ、感謝しています」
「………そう、だったんだ」
「そういうわけなので、オレが戦うのはあくまで自分のためです。捨て駒にされたりまた檻に閉じ込められたりとか、余程のことがない限りは裏切ったりしないので安心してください」
「あっ、別にそういうことを心配しているわけじゃ………」
自分のため、か。
自分以外のなにかの為に戦う時がくるのだろうか。
「…そうだ。今の話はどうか眼鏡には内緒でお願いします。聞いたらあの妖怪絶対調子に乗るので」
「――――残念でしたぁ」
………はあ。
振り返ると、件の妖怪もやしプリンがいた。
「………何時からいた?」
「ん~?キヨナガ君が自由の為に戦っているってところから」
結構頭じゃん。
「二人を探してた時偶々話が耳に入っちゃって。いやあ、キヨナガ君が僕に感謝しているなんて。アハハ」
だから聞かれたくなかったんだよな。
ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべるロイドの態度にげんなりする。
ここであの顔を殴ればこの絡みも終わるだろうが、軍艦の上で暴力沙汰を起こすのは得策ではないか。
「…で、なにか用か?」
「おっと、そうだった。二人ともイチャイチャしているところ悪いけど、機体の最終調整するから呼びに来たんだ」
「い、イチャイチャなんてしてませんよ。話聞いてたのなら分かっているでしょ」
「えっそう?まあどっちでもいいや。とにかく格納庫に来てね」
「まったくもう……行こキヨナガ」
ロイドにからかわれながら艦内に入るオレ達。
格納庫で機体の最終調整を終えた頃には、目的地である式根島に到着した。
途中でテロリストから奇襲を受けるなんてこともなく無事入港し、船着場の上へと降り立つオレ達。
既に基地から迎えの士官が来ていて、ユーフェミアを出迎えた。
「到着時刻は予定通りです。司令部に控えの間を用意させておりますが、いかが致しますか?」
「船はここに寄港すると聞きましたが」
「はい、変更はありません」
「では待ちましょう」
どうやらしばらくここで待機のようだ。
それにしてもなんでこんな島に第二皇子が来るんだ?
島の外観はたくさんの緑に囲まれていて、外周は12キロメートルくらい。その気になれば歩いて周ることも可能なぐらい小さかった。
ちなみに何故租界から離れた島なのかはロイドでさえ知らないとのこと。なんだソレ。
どう時間を潰そうか考えていた時、突然島の方から轟音が聞こえた。
「な、なんだ!?」
全員の視線が音の方へ向く。
立ち上る黒煙からして、敵襲か?
「なにごとですか?」
「皇女殿下!危険です、一度船の中にお戻りください!」
士官が無線機で基地に確認を取る。
「司令部がテロリストの奇襲を受けているとのことです!」
「そんな!?何故今まで察知できなかったんですか?」
「その、どうやら特殊なジャミングが働いているようでして………」
特殊なジャミングか。
それを使ったとしても、船で来たのなら目視で気付けたはず。
とすると、潜水艦を使っているのか?
だとしたら租界に引き返すのはかえって危険だろうな。
「ご安心ください。皇女殿下のことは自分が守ります!」
「いいえスザク、あなたは司令部の救援に向かってください」
「え?」
何言ってるんだこのお姫様。
「せっかくの戦力をここで私一人の為に遊ばせておくわけにはいきません」
いや、護衛の意味わかってます?
「副総督。彼は名誉ブリタニア人ですぞ」
ユーフェミアの言葉に士官が意見を述べる。
「敵は黒の騎士団である可能性が高い。ランスロットごと裏切ったら………」
「あの、分かってます?それって皇族批判ですよ」
「あ、いえ。そんなつもりは毛頭………」
ロイドの指摘で士官は押し黙った。
「枢木スザク。ここであなたの力を示すのです。そうすれば、いずれ雑音も消えるでしょう」
「…はい!」
スザクが司令部へ救援に向かう流れで、部下になっているオレとマーヤもロイドに促されて出撃することになった。
専用の更衣室(勿論男女別である)でパイロットスーツに着替えて、機体に乗り込むオレ達。
「ユグドラシルドライブ起動。出力安定を確認。いつでもいけます」
『了解。キヨナガ機、マーヤ機は出撃後、ランスロットのカバーに回れ。くれぐれも気を付けてね』
「了解」
『マーヤ君のサザーランド・カスタムは、量産試作型ヴァリスと外部エナジー・フィラーを積んだ機体だよ。バーストモードで連射すると、すぐにエナジー切れになるから気を付けてね』
『わかりました』
マーヤの乗るナイトメア、サザーランド・カスタム”は、グラスゴーカスタムとは別に、ランスロット用の装備の実証実験機として特派が組み上げたサザーランドの改造機だ。
青のカラーリングで、通常のサザーランドと違い、頭部の外装が白いマスクとその上に配置された赤い四つのセンサーカメラによって女性的な顔立ちになっている。
装備は以前ナリタ連山でオレが使っていたヴァリスが流用されていて、エナジー消費の問題を解決するための苦肉の策としてもう一個エナジー・フィラーが機体の外側に取り付けられている状態だ。
オレがあまりヴァリスを使いたがらないのを見かねてロイドがマーヤの方で試すつもりのようだ。
その代わり、オレの方には新装備のアサルトライフルが装備させられている。
『三機ともステータス、オールグリーン。バックアップ成立。ランスロット、マリスカスタム、サザーランド・カスタムともに発進よし』
『ランスロット………』
「マリスカスタム……」
『サザーランド・カスタム……』
『『「出る(発進!)」』』
一方租界では………
ウィルバー「なにぃ!?いないだと!?いったいどこに!?」
特派スタッフ「その、式根島に………」
ウィルバー「いつ戻ってくるんだ!?」
特派スタッフ「さ、さあ………」
レオンハルト(いつ帰れるんだろうか………)
キヨポン達とは入れ違いになったウィルバーとレオンハルトが立ち往生していた。