コードギアス―謀略のキヨナガ   作:嫉妬憤怒強欲

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アニメ1話の戦闘シーンを見て思ったのですが、サザーランドやグラスゴーといったナイトメアの構造はモジュールブロックというものでしょうかね?腕パーツが丸ごと外れましたし

それとも○ンダムで言えばモノコック?


STAGE03「生徒会」

 結論から言うと、枢木スザクと同行していた桃色の髪の少女の介入により、シンジュクゲットーで起こっていた純血派の内輪揉めは治まった。

 

 彼女の名前はユーフェミア・リ・ブリタニア。神聖ブリタニア帝国の第3皇女で、このエリア11に新しく着任した副総督とのこと。つまりクロヴィス殺害の捜査を正しく行うよう取り計らった人物だ。

 どういう物好きかと少し気になってはいたが、まさかブリタニアの皇女だったとは。

 しかもその皇女とデートするなんて、枢木スザクはどういう星の下で生まれたんだ?

 なんにせよ、ブリタニアの皇族に関わると面倒事に巻き込まれそうなので、あまり関わらないようにしよう。

 

♢♢

 

 スザク(本人がファーストネームで呼んで欲しいと希望)との初対面から数日後。

 オレとスザクがナンバーズだという理由で、特派がトレーラーごと軍施設内から追い出され、アッシュフォード学園大学部という私立校の施設への引越し作業を手伝ったりと忙しかった。後ろ盾があるんじゃなかったのか眼鏡。

 

 ちなみにスザクは一等兵から准尉に昇格と同時に、向かい側にあるアッシュフォード学園の高等部に入学した。

 ユーフェミア皇女が17歳なら学校に通うべきだと便宜を図ってくれたからって、少し流されすぎな気がする。

 オレ?丁重にお断りした。ロイドが手を回してくれたおかげで名誉ブリタニア人として役所に登録されたから入学ができるにはできるが、この前街中で見た件を考えれば碌なことにならないのは目に見えていた。嫌がらせを受けると分かっていながら行くなんて度胸はオレにはない。

 なので、平日も特派のテストパイロットとしての訓練と、ナイトメアフレームに関して理解を深めることに力を注いでいる。

 

「操縦評価オールA++って……」

「……………驚いたね。最初の時は素人とそう変わらない操縦だったのに、回数を重ねるごとにスコアがどんどん更新されていっている」

 

 大学にある格納庫にて。

 ロイドとセシル、他の職員がシミュレーターの外部モニターに表示されたオレの能力判定を見て感嘆の声を上げていた。

 

「やっぱり君にもパイロットの才能があったみたいだね」

「いや。単にセシルさんの教え方が丁寧でとても分かりやすかったので…」

 

 他の職員がいる手前、プライベート以外ではロイドには取り敢えず敬語を使うことにする。

 

「あらそう?」

「いやいや。だとしてもここまで腕を上げるなんて成長スピードが速すぎるよ」

「そうですか?以前いたところでは当たり前でしたが」

「ええ…」

 

 噓は言っていない。

 

 才能とは物事を巧みになしうる生まれつきの能力であり、突出している個性の一部だ。1から10やって11の事を理解できる人種を凡人と呼ぶに対し、才能で1やれば11を導ける人種を天才と呼ぶ。ランスロットを上手く使いこなせたスザクは後者の方だ。

 

 凡人と天才の違いがそうだとしたら、間違いなくオレは前者だ。

 

 オレのやっていることは、学んだことを足し合わせることで11を導けてるだけに過ぎない。分かりやすく言えば、1から10までの基礎を突き詰めつつ、もっと良いやり方がないかと模索して手数を増やし、実践しては自分にあうように最適化を繰り返すといった感じだ。

 ナイトメアの操縦も、いつもと変わらない感覚で試行錯誤し、ようやくコツを掴んだばかりだ。

 

「へえ、基礎の積み重ねねぇ。それってどの分野でも適用するの?例えばナイトメアの設計とか」

「さあ。それはやってみないと分かりませんが…なんでそんなことを?」

「ん?さあ、なんでだろうねぇ」

 

 ロイドが何を考えてるかわからないが嫌な予感がする。

 それより……

 

「……それで、オレが乗る試験機はどうなってるんですか?」

「あー…それなんだけど、少し手こずってるんだよね」

「手こずっている?」

「軍からナイトメアを取り寄せようとしてるのだけど………スザク君がランスロットに乗ることを認めただけで満足しろって返されてて」

「…成程」

 

 器の小さい連中だな。

 ナイトメアへの騎乗はそれだけでも貴族の特権の一つとされ、ナンバーズ出身者や平民出の一兵卒が騎士になることは基本的に認められないみたいだ。

 そういえば………

 

「引っ越し作業中に大学の敷地内でナイトメアみたいなのを見かけたのですがあれは?」

「ん?ああMR1のこと。軍で使わなくなったグラスゴーの装甲を取っ払って内部のフレームだけの状態で民間に払い下げられているナイトメアだよ」

「ナイトメアが民間に?」

「他にも警察用や競技用のような、直接的な戦闘以外の用途で普及しているの」

「搭乗者の地位などの規制は?」

「そっちの機体では特にないけど………あっ」

「そっか。元々軍用のを転用しただけだから基礎フレームは同じか。民間のをこっちで買い取って手を加えるのなら軍にいちいち打診する手間が省ける」

「それに軍用以外なら規制がないので。キヨナガ君が乗っても問題ありません」

「この手があったとは……いやあ盲点だったねぇ」

「大学の方と交渉してみますね」

 

 オレを置いて話が進んでいく。話を聞く限り、どうやら試験機の問題は解決したようだ。

 

「あっロイドさん。そろそろ…」

「ああ。そうだったね」

「?なにか始まるのですか?」

「今日はクロヴィス殿下の葬儀が本国から全国生中継されるの。キヨナガ君も並んで」

「あっはい」

 

 セシルさんに言われるまま、格納庫にあったモニターの前に立つ。

 先程まで盛り上がっていたロイド達技術屋も並び静かになっていた。

 

 モニターにクロヴィスらしき若い男の巨大な遺影が飾られた大きく広い式典会場に遺族らしき多くの人間が映る。

 

『――――神聖ブリタニア帝国第98代唯一皇帝陛下よりお言葉』

 

 アナウンスに合わせて、遺影の下にあった教壇の前に一人の老齢の男性が現れた。

 大きな存在感と威圧感、威厳に満ちた男だ。

 大柄な体格と綺麗に並んだ白髪の四段横ロール、油断も隙もない巌の表情からただ者でないことがモニター越しに伝わる。

 

『人はァ!平等ではない』

 

 神聖ブリタニア帝国第98代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアの渋さと鋭さを併せ持つ声がスピーカーから響いた。

 

『生まれつき足の速い者、美しい者、親が貧しい者、病弱な体を持つ者、生まれも育ちも才能も、人間は皆違っておるのだ。そう。人は差別されるためにある!だからこそ人は争い、競い合い、そこに進歩が生まれる。不平等は悪ではない!平等こそが悪なのだ。権利を平等にしたEUはどうだ!人気取りの衆愚政治に堕しておる。富を平等にした中華連邦は怠け者ばかり。だが…我がブリタニアはそうではない。争い競い、常に進化を続けておる』

 

 へぇ。

 

『ブリタニアだけが前へ!!未来へと進んでいるのだ。我が息子クロヴィスの死も、ブリタニアが進化を続けているという証。戦うのだ!競い、奪い、獲得し、支配し…その果てに未来がある!!オール・ハイル・ブリタァニア!!!』

 

オール・ハイル・ブリタニア!

オール・ハイル・ブリタニア!

オール・ハイル・ブリタニア!

 

 皇帝が掛け声を上げると、式典会場は呼応に包まれた。

 息子の死を悼む葬儀の筈なのに、威風堂々たる“弱肉強食”を掲げた皇帝の演説に、映像側で多くの人間達のブリタニアを称える声が耳に残る程しばらく続いた。

 

 

 

 

「どうだった?」

「ん?」

 

 葬儀が終わり、それぞれの持ち場に戻ろうとしていた時にロイドから声をかけられた。

 

「どうだったって、なにが?」

「皇帝陛下の演説だよ。平等は悪だとか、差別を肯定するような発言に対してキミはどう思ったか気になってね」

 

 なんだそんなことか。人は平等か否か。

 

「皇帝の言うことは間違っていないと思う」

「……その心は?」

「”平等”という言葉は”差別や偏りなくみな一様に等しいこと”という意味だが、そもそもの話どこで人は”平等”であると判断する?」

 

 大学進学したら平等であるのか。

 異性と結婚し、子どもを産み、最期の瞬間は大勢の人たちが見守る中で逝くのが平等であるのか。

 あるいは、この世に生を授かるだけで平等であるのか。

 

 いや、違うかもしれない。

『平等』なんて言葉がある時点で、人は決して『平等』ではないのだ。

 

 昔の日本の思想家は言った。

 

――――天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。

 

 だがこれには続きがある。

 

――――産まれた時は平等だが、その後に差が生まれるのは学問に励んだか励まなかったかそこに違いが生じる

 

 つまりスタートラインはあくまでも同じであり、様々な可能性をその手で摑めるか否かは自分の手に掛かっており、他人や環境には左右されないということだ。

 

 また他にも似たような言葉を放っているフランスの哲学者がいる。

 

――――人間の運命は人間の手中にある

 

 奇しくもフランスの哲学者は日本の思想家とほぼ同じように考えたのだ。

 

 兎にも角にも、人間はこの地球上、唯一の意思ある生物だ。

 考えることが出来る人間は必ず気付く。

 

 平等という言葉は噓偽りだらけだが、不平等もまた受け入れ難い事実であるということを………。

 

 

「「「………」」」

「……ん?どうした」

 

 ロイドとその場に居合わせていた職員達が固まっており、静寂に包まれていた。

 

「…収容所での面会の時でも思ったけどさ。キミ、イレヴンにしては物凄く論理的な思考をしてるね。しかも日本占領を命令した皇帝陛下のお言葉を肯定するなんて」

 

 全部肯定しているわけじゃないがな。

 

「おかしいか?」

「ナンバーズからすればね。まあ根拠のない感情論に走る人間よりかはマシかな」

「…………もしオレが否定的な意見を言ったら反乱分子として突き出していたか?」

「ん?………さあ、どうなんだろうね」

 

 

……ダメだ、いつも通り過ぎる笑顔の所為でこの天邪鬼が何を考えてるかわからない。

 

 

 

♢♢

 

 

「生徒会に入ったんだな」

「うん…偶然学園に昔の友達がいて、彼がきっかけをくれたんだ」

「そうか。良かったな」

 

 格納庫でナイトメアの整備の講習を終え、暇つぶしにスザクに学園でのことを聞いた。

 

「それで生徒会の皆と少しずつ打ち解けていってさ……………あっキヨナガの話をしたら皆興味が湧いちゃってさ」

「えっ」

 

 なに話しちゃってるんだコイツ。

 

「生徒会長のミレイさんから生徒会所有のクラブハウスに連れてくるよう言われてて」

「部外者を敷地内に入れて大丈夫なのか?」

「そこは”生徒会長権限で許す!”だって」

 

 それ職権乱用って言わないのか。

 

「……そう言われてもな」

「あらいいんじゃないの?」

 

 近くで聞き耳でも立てていたのか、セシルさんが会話に割り込む。

 

「MR1の改修作業にまだ時間がかかるから外に出ても問題ないわ。ほとんどの時間を格納庫や自分の部屋で費やすよりいい気分転換になるだろうし」

「うっ……」

「それにスザク君を受け入れてくれた子達なら、キヨナガ君とも仲良くなれると思うわ」

 

 気を使われてたようだ。

 セシルさんにそこまで言われたら断ろうにも断れない。

 

「………いつ行けばいい?」

 

 

 

 

 

 翌日の放課後の時間帯、スザクに連れられて学園の敷地内にある生徒会所有のクラブハウスの中に入った。

 

「会長、連れてきました」

「おっ、来たわね。どうぞ入って入って」

 

 入り口は小規模の舞踏会ができそうなくらい広いホールになっていて、見たことの無い料理が、数人の生徒達によっていくつものテーブルに並べられている最中だった。

 

「ごめんなさいね。まだ準備の途中で」

「あの、会長これは?」

「スザク君が生徒会入りしたからその歓迎会をやろうと思ってね」

「えっ…あ、ありがとうございます」

「それでそれで。この子がスザク君の職場の友達?」

 

 エプロンを付けた金髪ロングヘアの女子生徒が興味深々とばかりにオレに視線を向けてくる。

 

「…まあ、そうなりますかね」

 

 年上みたいなので敬語で話す。というかオレはスザクから友達認定されていたのか。

 

「あっ、私は生徒会長のミレイよ。よろしくね」

「あっ、どうも」

「ほら皆も挨拶して」

 

 ミレイ会長に言われて、他の生徒達(男子二人、女子四人)がこっちに来て一人ずつ自己紹介してくる。

 

「俺、リヴァル。生徒会では書記をやってる」

「シャーリーです。よろしく」

「えっと………その……ニーナ、です」

「私はカレン。よろしく」

「副会長のルルーシュだ。スザクと同じ職場なんだって?こいつが無茶なことをしないように気にかけてやってくれ」

「ちょっ、ルルーシュ……」

 

 スザクと黒髪の男子生徒ルルーシュのやりとりからして、スザクの友達というのがルルーシュのようだ。

 

 それより気になるのは……………

 

「私はマーヤです。よろしくね」

 

 頭につけたゴシック風のヘッドドレスの下にパッチリとした青い瞳、太ももまで伸ばした艷やかな黒髪ロングを始めとする清楚な印象を与える女子生徒マーヤの顔に見覚えがあった。

 

「えっと……私の顔になにかついてる?」

「ん?あっ、失礼」

 

 じっと見すぎたか。

 

「あらあら?もしかしてマーヤちゃんに一目惚れしちゃったのかしら?」

「ええっ!?」

「いえ。以前何処かで見かけたと思ったのですが、人違いだったみたいです。すみません」

「は、はあ……」

「なぁーんだ。つまんないの」

 

 ミレイ会長がなにか呟いているがスルーしておく。シンジュクゲットーで見かけたことは黙っておくとしよう。

 

 今のところ警戒1、興味・好奇心5、困惑1ってところか。

 眼鏡をかけた大人しそうな女子生徒ニーナはオレ……もといイレヴンに対して恐怖心を抱いているようだな。

 

 印象を悪く捉えれないよう、何時かのリベンジでオレも自己紹介をする。

 

「えっと……どうも。姉小路清永です。あー……スザクとは同じ職場で働いています。皆さんとも仲良くなれたら幸いです」

 

 

 

「「「「「「「「……」」」」」」」」

 

 

 この空気………どうやらまた見事に失敗したようだ。

 

「すみません遅れてしまって。歓迎会はもう始まってますか?」

 

 そこへ気まずい雰囲気を打ち破るかのように、栗色のウェーブがかかった髪の少女が車椅子に乗った状態で奥の扉から現れた。

 

「あら?知らない香りが………誰かほかにいるのですか?」

 

 ん?ひょっとしてこの少女、目が………。

 

「紹介するわね。この子はナナリー、ルルーシュの妹よ。で、こっちはスザク君の仕事仲間のキヨナガ君。コミュニケーション能力が低そうなのが玉に瑕なんだけど仲良くしてあげて」

 

 会長、一言余計だ。

 

「まあ、スザクさんのお友達ですか。スザクさんは危なっかしいところがあるのでよろしくお願いしますねキヨナガさん」

「ナナリーまでルルーシュと同じことを…」

「…ああ、よろしく」

 

 なんか、車椅子の少女ナナリーの優し気な笑顔を見ていると癒されるな。

 

「さて、これで全員揃ったみたいだしパーティーを始めましょうか!」

「何言ってるんですか会長。まだ準備が終わってませんよ」

「あっ、いけないそうだった」

「あっ…手伝いますよ」

「良いの良いの。スザク君とキヨナガ君は今回の歓迎会の主役なんだから」

「は、はぁ…なんかすみません」

「おいおい。そこはありがとうって言うところだろスザク」

 

 皆が準備を進めている間、スザクとオレは邪魔にならないように隅に寄る。

 ちなみにナナリーはオレ達の話し相手担当となり、兄のルルーシュが「一応言っておくが妹に変なことするなよ?」と釘を刺された。あれなのか?俗に言うシスターコンプレックス、略してシスコンか?

 

「……いつもこんな感じなのか?」

「そうですね。いつも賑やかで楽しいです。特に今日みたいなパーティーの日は」

「そうか…」

 

 オレにとっては場違いな気がするが……

 

「……キヨナガさんも、私と普通に接してくれるんですね」

「ん?」

「私は足が不自由で目も見えないので、他の人にいつも気を遣わせてしまって…」

「あー……悪い。無神経だった」

「いえ…そうではなく、今みたいに接していただいた方が良いです」

「…そうか」

 

 ふとナナリーが手に持っている物に目がいく。

 

「ところで、何を持ってるんだ?」

「これは折り鶴です」

「折り、鶴?なんだそれは」

「えっ」

「キヨナガ、折り鶴を知らないの?」

 

 オレが紙でできた鳥のようなもののことを知らないことにスザクも驚いていた。

 

「……悪い。オレの周りにそういうのは無かったからな。それって日本では知られていたものなのか?」

「あっ、うん。紙を折って鶴に似せた形に作る折り紙の一種なんだ。日本だった時は結構ポピュラーだったんだけど……」

「そうなのか…」

 

 そんなのはホワイトルームでは教わらなかったぞ。

 

「…それで、ナナリーはなんでその日本でポピュラーだった物を知っているんだ?」

「私たちの身の回りのお世話をしてくれている方が日本人なんです。その人からお話を聞きました」

 

 ナナリーの話し振りからイレヴンに対する蔑みの感情は全く伝わってこない。むしろ、親しみすら感じる。

 スザクが学園に馴染めたのも、こういった人間がいてくれたおかげか。

 

「ちなみにこの鶴を千羽折ると願いが叶うんですって……」

「千羽も?流石に多すぎないか?」

「ふふっ、そうですね」

 

 いったい誰が考えたのやら。

 

「そんなに作って、いったい何をお願いするつもりなんだ?」

「笑いませんか?」

「いや、言いたくないなら別にいいが…」

「もう、そこは笑わないって言うところですよ」

 

 オレを咎めるようにプクリと頬を小さく膨らませた後、ナナリーは少し恥ずかしげに答えた。

 

「優しい世界でありますように…って」

「はは…うん。ナナリーらしいや」

「もうスザクさん、笑わないでください」

「ごめんごめん」

 

 優しい世界…ね。

 辺り一面真っ白な世界にいたオレには、それがどんなものか全く想像がつかないな。

 

 

 数分後。歓迎会の準備が終わり、全員にグラスが渡る。

 

「それじゃあ、スザク君の生徒会入りとキヨナガ君との出会いを祝して乾杯!」

「「「「「乾杯!」」」」」

「乾杯」

「……乾杯」

 

 ミレイ会長が乾杯の音頭を取り、後に続くように生徒会のメンバーがジュースの入ったグラスを高く上げたためオレも合わせる。

 

「さあ、料理の方はいっぱいあるから遠慮なく食べてね」

「あっ、どうも。頂きます」

 

 ミレイ会長に渡された皿の上に乗っている料理をフォークで取り、ゆっくりと口に運ぶ。刹那、口の中一杯に美味しさが詰まった爆弾が爆発した。

 

「美味しい…」

 

 これほど美味しいのがバイキング形式で食べ放題というのだから驚きだ。

 

「ん?あの…なにか?」

 

 黙々と食べていると、気づけば視線が多く集まっていた。

 

「えっと、その、キヨナガがそんな顔をするなんて思わなかったから……」

 

 代表してスザクが答える。

 

「そんなにも変な顔をしているのか?」

「そうじゃなくてさ…無表情とまではいかないけど、最初に会った時から感情の起伏が普段から全然見られないから……。だからその、そんなに美味しそうに食べるなんて思わなくて………」

「まじか。俺、無表情なの緊張してるからだと思ってた……」

「私も……」

 

 そんなに顔に出ていたのか。

 自分の顔を触れても今どうなっているのかさっぱりわからない。

 

「………ま、そりゃ誰だって顔に出てしまうぐらい美味しいと思いますよ」

「あら。嬉しいこと言ってくれるじゃない」

「会長。それ作ったの俺ですから」

「へえ、ルルーシュも作ったんだ」

「咲世子さんに手伝ってもらってな」

 

 噓は言っていない。

 ここに来る前に今まで口にしていた、人間に必要な栄養素を重視するだけで味なんて二の次の固形物とは一線を駕す味だ。

 

 セシルさんからの差し入れ?ノーコメントで。

 

「ま、姉小路ってお堅そうな名前なのに食べ物に弱いのは意外だったな」

「だね。そういえばキヨナガ君はいくつなの?」

「ん?15歳ですが?」

 

「「「「「「「えっ!?」」」」」」」

 

 シャーリーからの質問に正直に答えただけなのに皆驚いた。

 

「どうしたんですか?」

「てっきり同い年くらいかと思ってたわ………」

「すごく落ち着いているしね。まさか2歳年下なんて…」

「スザクにため口で話してたしな……」

「まあ、キヨナガさん私と歳が近いのですね」

 

 つまりカレンとマーヤ、ルルーシュは17歳、ナナリーは14歳か。

 ちなみに18歳のミレイ会長を除いた生徒会役員も17歳とのことだ。

 

 その後も食事しながらあれこれと質問されたり、今度ナナリーに折り鶴の折り方を教わるという約束をしたりと、暫くの間賑やかな時間を過ごしたのだった。

 

 

 

 こういうのも悪くない、か。

 




アニメを振り返りながらロスストも観て執筆中。
アニメの演説シーンとロスストのを見比べましたが、アニメの方が迫力ありますね。○ンダムのあのシーンと似てますし。


しれっと狂犬ちゃん登場。
セリフが少なくてごめんなさい。
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