「なんだこれ…」
ナナリーと共に折り鶴を折る約束(ルルーシュは不本意だったが妹が言うのだから仕方なく折れた)でアッシュフォード学園のクラブハウスに行くと、生徒会室に大量の段ボール箱が置かれていた。
「アーサーの猫タワーよ」
「アーサー?」
オレの疑問にミレイ会長が答えた。
「スザク君が拾ってきた猫よ。もう立派な生徒会のメンバーなんだから猫タワーを建てようと思って」
「にゃ~」
鳴き声がした方を見ると、会議用の長机の上に黒猫が乗っていた。
ひょっとして、スザクとユーフェミアがデートしてた時にいた猫か?
知識でしか知らない動物にそっと手を伸ばしてみると「フーっ!」と威嚇された。
「にしても、多すぎません?」
「アーサー用の玩具もあるわ。今日中にタワーを完成させたいのだけど、肝心の男子達が丁度いないのよねえ」
ルルーシュはなにかの用事、リヴァルはバイト、スザクは欠席していた分の授業の補習と…
ここにいるのはオレとミレイ会長、シャーリー、カレン、マーヤだけか。ニーナはいないな。
「ところで、キヨナガ君って男の子よね?」
「いきなりなんですか?見ればわかるでしょ」
「ここに男は何人いる?」
「…オレ一人だけですね」
「ナナリーとの約束の時間までまだ余裕があるわよね?」
「そうですけど…」
ひょっとしてミレイ会長、暗にオレに猫タワーを作るのを手伝えって言ってるのか。
「こういう時こそ男子の腕の見せどころじゃない?」
「私達も一緒にやるからさ、やろ?」
「えっと、なんかゴメンなさい…」
女子三人は会長側か。マーヤは少し申し訳なさそうな感じだが。
「…まあ、時間つぶしには丁度いいですね」
特に断る理由ないしな。
「ありがとう!頼りにしてるわよキヨポン!」
ん?
「「「キヨポン?」」」
「…オレのことですか?」
「そうよ。キヨナガって少しお堅そうな名前じだからね。ニックネームがあった方が親しみやすいと思って」
確かにそうかもしれないが…。
「キヨポンって…ふふふ」
「私は可愛いと思うな」
「あ、あはは…嫌だったら普通に呼ぶから」
カレンは笑いのツボにはまり、シャーリーは結構肯定的。マーヤは苦笑いしてオレに気を使うと、他の女子の反応はバラバラであった。
まあ良いや。呼びたければ好きに呼ばせれば良い。
「あっ、そういえば私おじいちゃんに呼ばれているんだった」
「理事長に?」
「ごめん。そういうわけだから、猫タワー作るの4人でお願い」
「ちょっ会長!?」
すぐにミレイ会長が生徒会室から出て行き、結局オレ達4人だけで猫タワーを作ることになった。
段ボールの箱を開けるとどうやら組み立て式のようでパーツがバラバラに分かれていた。
土台となる大きい部分はオレが、小さい部分は女子達が、と手分けしてやる。幸いそれぞれが簡易的な作りになっていたためそう時間は掛からないだろう。
「キヨナガ、そっちはどう?」
「できました。そっちのを乗せるだけです」
「わかった。こっちはそろそろできるよ」
「皆さん、こんにちは」
「あっ、ナナちゃん」
数十分が経ち、ナナリーが生徒会室に入ってきた。
…時間みたいだな。
「あら?生徒会室になにかあるみたいですが…」
「今ね。キヨナガ君と一緒にアーサーのお家組み立ててたところなの」
「まあ、良かったですねアーサー」
「にゃ~」
アーサーは人懐こくよくナナリーの膝の上に乗る。
「ふふっ、アーサーは私の膝の上がお気に入りなんですね」
「にゃー」
ナナリーも膝の上にいるアーサーを撫でて喜んでいるようだ。
「にゃにゃ~にゃ」
「にゃ~」
凄い。猫と会話している。
「後は私達だけでできるからキヨナガは行って大丈夫だよ…」
「わかりました。では…」
オレがナナリーに近付くと、彼女の膝の上に乗っていたアーサーがオレを威嚇し、膝から降りて部屋の隅へと移動した。
「…猫に嫌われてるみたいだ」
「いえ。アーサーはキヨナガさんのことを怖がっているみたいです」
「オレが怖い?」
「上手く言えませんが…キヨナガさんのなにかに怯えてあんな態度をとってるんだと思います」
「オレそんなに怖そうに見えるか?」
「うーん…私には大人しそうであまり怖そうには見えないんだけどな」
「というより、人畜無害そうかしら」
「えっとカレン、それ皮肉や侮蔑の時に使う言葉だから…」
「えっ、そうなの!?」
マーヤの指摘でカレンはハッと口を塞ぐ。
「あの、ごめんなさい…」
「いえ、気にしてません」
女子勢からのオレの印象はそんな感じか。
猫には人間とは別の感覚で物事を見ているという事なんだろう。
「まあ、こっちが無害なことをアピールし続けていれば向こうの態度も変わるだろう。それより、どこで折り紙をするんだ?」
「あっはい。ではリビングの方へ」
生徒会室を後にし、ナナリーの案内の下クラブハウスにあるリビングに向かうと、メイド服を着た穏やかそうな日本人女性が紙を用意していた。
「あら。ナナリー様」
「咲世子さん」
咲世子さん?スザクの歓迎会の時に聞いたような。
「紹介しますね。こちらはスザクさんのお友達の姉小路清永さん。彼女は私とお兄様のお世話をしてくれている篠崎咲世子さんです」
「初めまして。ルルーシュ様とナナリー様にお仕えしております篠崎咲世子と申します。本来はアッシュフォード家の使用人ですが、クラブハウスに住むうえでナナリー様の介助などルルーシュ様お一人では手が回らないであろうことを受け負うため二人の下を訪れています」
「あっどうも…姉小路清永です」
ルルーシュとナナリーはアッシュフォード家に世話になっているのか。クラブハウスに住むのを許可したりと気前が良いな。
「ナナリー様から清永様が折り紙をご存じないと聞き、本日は折り方と共に日本における折り紙の歴史をレクチャーしようかと思いますが」
「えっ、そこまでやるんですか」
「はい。折り紙のことを知るにはその発祥を知るのが一番かと」
まあいいか。あそこで教えてくれなかった日本文化を知るいい機会だし。
「ではまず折り紙の元とである紙についてからです。7世紀初頭に大陸から紙の製法が日本に伝えられたのち、日本人の工夫によって薄くて丈夫な紙、「和紙」が生まれました。はじめ写経や記録が紙の重要な用途でしたが、神事にも用いられるようになり、神への供物など様々なものを紙で包むようになりました。やがて供物や贈り物を包んだとき紙に折り目がつくことに着目して、包みを美しく折って飾る儀礼折が生まれてきます」
「ではそれが折り紙の始まりだったのですか?」
「はい。それから時が流れるとやがて礼法や決まりから離れ、折り方そのものを楽しむようになったのが「折り紙」です。江戸時代に入ると紙の生産量も増え「折り紙」はいっそう庶民に親しまれるようになりました。明治時代に入ると、「折り紙」は幼稚園教育にもとりいれられ、小学校では手工や図画でも教えるようになり、ますます盛んになりました」
成程、結構深いものだったんだな。
「次は折り紙の代表である折り鶴についてです。日本を象徴する鳥といえば『鶴』でした。古来より『鶴』は長命長寿の象徴として崇められ、『折り鶴』も日本の折り紙文化を代表する特別な存在(シンボル)として伝わってきました。それを千羽折った『千羽鶴』は平和や希望、鎮魂や絆、幸運や純愛などの言葉の象徴だったのです」
「まあ」
「へえ」
平和ね。今の世界とは程遠いものだな。
講義がひと段落した後、咲世子さんの指導のもと、折り方の基礎をしばらく学ぶ。
山折りに谷折り、中割折りにかぶせ折りといった様々な折り方の組み合わせにより、一枚の紙から様々な形にすることができるようだ。
ただ折る時に手の置き方が重要で、紙を折る時に端と端がずれてしまうと、その後の作業もずっとずれたままになってしまうとのこと。
実際に鶴を折ってみたが、ズレが目立って酷いものだった。咲世子さん曰く最初はそんなものだとか。
「では時間になりましたので、本日の折り紙教室は以上となります」
「「ありがとうございました」」
結局今日は綺麗に折れたのは三羽だけだったが、折る時のコツは掴んだため次はもっとうまくできるはずだ。
「それじゃあオレはこれで」
「はい。次を楽しみにしています」
ナナリーと別れ、生徒会室に向かう。
時間的にスザクの補習が終わる頃合いだ。
『乗って、C.C.!』
『なんだお前、こんなバイクを持っていたのか。物凄くボロいが』
『嫌ならモノレールで行って』
『なんだ。せっかく褒めてやったのに』
「ん?」
外からマーヤの声が聞こえてふと窓から外を見ると、私服姿?でボロボロのバイクに乗って学園の外へと出るのが見えた。後ろに犯罪者用拘束着を着た緑の髪の少女を乗せて。
いったいどういう状況なんだ。
「…まあいいや」
特に詮索する気がないためスルーして生徒会室へと向かい、扉を開ける。するとそこには
「えっ」
「「あっ」」
生徒会室にはスザクとシャーリーの二人しかいなく、そのスザクがシャーリーを押し倒していた。
何をというか、ナニを始めるようにしか見えない。
この状況でオレがすることは一つ。
「悪い。邪魔したな」
全て見なかったことにした。
「ちょ、ちょっと待ってキヨナガ!誤解だから!ちゃんと説明するから!」
♢♢
ある日の平日、スザクが学園にいる時間帯に格納庫に外部の人間が来るという説明を受けた。
この前の模擬戦の反省会であがったランスロットのエナジーに関する改善について直に話をするらしい。
当然ランスロットの問題はオレには関係ないため会議には出ず自室で待機だ。
オレにはオレで明日までに提出の課題のまとめをやるという重大な仕事が――
「お邪魔するよぉ」
「…ノックぐらいして欲しいな」
自室の扉が突然開けられ、オレに課題を与えたもとい押し付けた張本人が断りもなく部屋に入ってきた。
「いやぁ、いったいどんな設計をしたのか楽しみで居ても立ってもいられなくてねぇ」
堪え性がないな。
「それより今日はランスロット関係の会議で人が来るのに出迎えなくて良いのか?」
「ん?もう来てるよ」
「は?」
「あ、あのう…」
声のした方を向くと、扉の前で眼鏡をかけた金髪の穏やかそうな女性が立っていた。
「えっと…
「えっ」
「あはは、違う違う。彼女がさっきキミの言っていた会議で来る人なんだよ」
「え」
どこかの会社の社長って聞いていたが…童顔ってやつか。若く見える。
「紹介するよ。彼女はクラリス・ガーフィールド。僕とセシル君とはアカデミー時代の後輩で、今はエリア11でエナジーフィラーを軍に供給する企業『DGEコーポ』の社長をやっているんだ」
「初めまして。クラリス・ガーフィールドです」
「あっはい。姉小路清永です。さっきは失礼しました」
「ああ良いの良いの。うふふっ…まだ学生でも通用しそうね」
学生と間違えられたのが嬉しかったのか、クラリスさんは自分の頬に手を添えながら上機嫌に口元を緩ませていた。
「あらら、いきなりクラリス君のご機嫌を取るなんてキヨナガ君やるね。彼女、アカデミーにいた時はいつも不機嫌だったのに」
「それはプリン先輩がいつも私を酷い目に遭わせたからでしょうが!」
プリン先輩?また変わった呼び名だな。キヨポンも大概だが。
「…というかいったいこの人に何をしたんだ?」
「う~ん、色々ありすぎてどの話をしようか迷っちゃうなぁ」
マジか。
「あ、相変わらずの人でなしぶりですね…」
「んふ。褒められちゃった」
「褒めてなんかいません!大丈夫キヨナガ君!?この人になにか酷いことされていない!?」
「え、えっと…今のところは?」
「なんで疑問形なのさ…」
「なにかされそうになったらセシルさんに頼るか思いっ切りぶん殴ると良いわ!この人でなしは暴力に訴えないとわからないから!」
オレの両肩を掴むクラリスさんの目がマジだ。大学時代に相当な目に遭ったんだな。
「暴力はあまり好まないので、取り敢えずセシルさんの手料理を口に突っ込むという手でいこうかと」
「ええっ!?それは勘弁して欲しいよ!冗談だよね!?ねえ!?」
良し。ロイドにはこっちのほうが効果的らしいな。
「えっ…ひょっとして貴方、セシルさんの手料理を…?」
「…ほぼ毎日」
「そう…ごめんなさい。私には強く生きてと言うことしかできないわ」
クラリスさんが物凄く同情的な視線をオレに向けて気まずい空気になる中、ロイドがわざとらしく咳き込んで話題を逸らす。
「と、ところでキヨナガ君、新しいナイトメアの構想設計はどうなっている?」
「…簡易的なイメージモデルの作成と問題点の発見までなら」
「…設計?」
「せっかくだからクラリス君にも見てもらおうか」
「部外者に見せても大丈夫なのか?」
「大丈夫大丈夫。彼女口は堅い方だから…多分」
「多分って」
まあ良いや。責任を取るのはロイドだけだし。
特派専用の3DCADソフトが入った端末を起動してロイドとクラリスさんに見せる。
「これはグラスゴー?でもフレームや装甲の形状が知っているのとは違うような…」
「実証試験で問題が出てね。彼にはその解決になるかもしれない新しい機体骨格の検討をしてもらったんだ」
「え?」
「詳しく説明してあげて」
「はぁ…グラスゴーをベースに自重の全てが内部のフレームで支える構造になるよう新規作成しました。そうすれば機体の強度を上げる際の装甲の嵩張りで関節の可動域を狭めることはない…と主任が言っていました」
「提案したのはキヨナガ君でしょ」
「オレは何も提案していない」
「でも誘導はしたでしょ?」
「何のことやら」
「面倒くさいなぁ…まあ良いや。この
「汎用性を重視した設計だからな。あらゆる領域での戦闘が可能になるよう装甲単位の装備の換装ができる仕様にした」
無論、生産性を考慮して各部位の構成素材の数を大幅に削減させて構造を単純なものにし、尚且つ関節可動域を狭めないように計算・検討して装甲やパーツ同士が干渉しないような構成・配置にした。
「…成程、内部機構から完全に分離させた装甲は服に相当する『後付け』の装備品と見なしているのか」
「!?!??」
ニタニタと大好きな玩具を目の前にした子供の様だが、気味の悪い笑顔を浮かべるロイドの傍らで、クラリスさんは端末を見たまま呆けていた。まるで提示された情報に脳の処理が追いついていないようだ。
「良いよ良いよぉ。発想がすごく面白い。クラリス君もそう思うでしょ?」
「……えっ!?あっ、えっと」
ロイドに声を掛けられ我に返ったクラリスさんはずれていた眼鏡をくいっと戻す。
「…これ、全部キヨナガ君が設計したの?」
「…まあ、セシルさん達に意見を聞きながらですが」
当然いきなりそんなことができるわけないため、ここしばらくはロボット工学や機械設計、構造力学などといったナイトメアを構成する様々な分野の書物に目を通し、基礎的な知識を理解してからセシルさんや他のスタッフからアドバイスを貰いつつイメージモデルの作成を行った。
「だとしてもこれ凄いわよ。娘と変わらない歳でここまでのものを独自に考えつくなんて天才としか言いようがないわ」
「そんな大層なものじゃないんですが…ん?」
娘と変わらない歳?
「え?娘?キミ結婚してたっけ?」
「あっいえ、昔世話になった恩師の子で、恩師達が亡くなってしまってから私が引き取ったんです」
「あぁ養子ね。いやぁびっくりしたぁ、クラリス君いつのまにか三十路になっ――――」
「プリン先輩?」
「あっいえ。なんでもありません」
クラリスさんの圧のある笑顔にロイドがたじろいでしまった。
女性に年齢の話を持ち出すべきではないことをオレはこの時学んだ。
「と、ところで…なんか機体重量がグラスゴーより重くなってない?」
構想設計の話に戻したロイドは、予想通り後で判明した一番の問題点を指摘してきた。
「内骨格形成で自重の全てがフレームに集約した分、フレーム本体が装甲のついたグラスゴーと大して変わらないぐらい重くなってしまった。今軍で使われている装甲材をそのまま使った場合の総合重量が今表示されている値だ」
シミュレーションデータを見ても、これでは機体をVTOL1機で運ぶことが難しくなってしまう上、機動性が落ちて機動兵器としての体を為さなくなる。
外装を薄くすれば軽くなって従来の機体のものに近い値になるが、その反面装甲の強度が落ちてしまうし、これ以上フレームを覆う範囲を狭めればダメージが直接フレームに届く危険性が高まることに繋がるというジレンマに陥っていた。
だが目の前の男はなんてことない風に答える。
「なんだそんなことか。ようは軽いけどすごく硬い装甲材にすればいいんでしょ?」
「それが理想だが、そんな都合のいい素材あるのか?」
一応調べてみたが装甲に使えそうなものは見つからなかった。
鋼鉄の5倍の強度を持ち、重さは鋼鉄の5分の1と軽量のセルロースナノファイバーなら知っているがあれは水に溶けやすいため却下した。
「エレメントプリンターって便利な道具があってね。それに作りたい物質の構造データを入力すればその通りに作ってくれるよ」
マジか。そんなものまであるなんて科学技術は進んでるな。
「組成式の構築は僕がやっておくからさ。キヨナガ君は設計の修正をやっといて」
「修正?どこを?」
「そりゃあ外装のデザインに決まってるでしょ。まったく新しいナイトメアを作るってのに、外見がグラスゴーって」
見た目の問題かよ。
「どうせならランスロットみたく格好いいのにしないとさ」
「兵器に格好いいも何もないと思うんだが…第一ランスロットのファクトスフィアは胸部に二つあるだろ。今から位置を変えるのはちょっとな」
「仕方ないなぁ…じゃあファクトスフィアの位置は頭部のままでいいから、見栄えはそれっぽくしてよぉ。キミがこれに乗って実戦に出る時のインパクトが肝心だからさ」
「兵器に見栄えもなにもないと思うが」
「えっ、プリン先輩実戦に出るってどういうことですか?」
ようやく我に返ったクラリスさんがロイドの言葉に食いついた。
「どういうことって、ランスロットの装備のデータを取るために彼にも戦場に参加してもらうんだよ。言ってなかったっけ?」
「聞いてません!日本人がナイトメアに乗るのはともかく戦場に参加って…彼はまだ子供なんですよ!」
「子供なのは見ればわかるよ」
「そういうことを言ってるんじゃありません!」
「それよりそろそろ会議の時間だから行こうよ。じゃあキヨナガ君、会議が終わった後プレゼンとやるからそれまでに修正の方やってよ」
「えっ、聞いてないが」
「今言ったから、じゃあねぇ~」
「あっこら待ちなさいモヤシプリン!」
我が道を行くとはこのことだろうか。話を勝手に進めて部屋から出ていくロイドをクラリスさんが追いかけていった。
残されたオレは会議終了予定時間までの間、部屋で一人モデルの修正に入った。
そういえばクラリスさんはイレヴンであるオレに対して普通に接していたな。
クラリスの自宅にて
クラリス「はぁ…結局私には彼のことどうすることもできなかったわ…」
????「ただいま。あれ?クラリスさん今日は帰り早いね」
クラリス「あっ、おかえりなさい…はぁ」
????「どうしたの?なんか元気ないけど…」
クラリス「ああ、今日大学時代の先輩に仕事関係で呼び出されてちょっとね…そうそう。そこですごく頭のいい日本人の男の子に会ったんだけど――」