リリカルな世界が、一部原作崩壊しているなんて聞いてない   作:コレクトマン

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転生者たちは静かに暮らしたい?

 皆は神様転生というものを知っているだろうか? 神のミスだったり、神の予想外のことで死んでしまった者たちをアニメ世界だったり、ファンタジー世界といった場所に転生特典と呼ばれるチートを与えて転生させることだ。

 

 何故その話をしたのかというと、俺こと“高嶺雄也”もその神様転生に巻き込まれた転生者なのだ。転生特典は神が適当に選んだ“魔法創造”というものだ。これはどういうものだというと、自分の思い描く魔法を自由に創ることができるのだ。例題として、金色のガッシュの魔物達の呪文を魔法として発動させることができたり、解呪が不可能な呪いでも簡単に解呪してしまう魔法を創れてしまうのだ。

 

 そんな使い方次第でチートになっている魔法創造だが欠点もある。ちゃんとしたイメージをしないと魔法は創れないのだ。例えば、攻撃魔法の初歩である炎系魔法“ファイアボール”はバスケットボールサイズの火の玉が目標に向かって射出されるというイメージをしないと不発に終わってしまう。また、物を創る魔法の場合はどこぞの正義の味方の持つ魔術である投影魔術と同様剣の骨組がしっかりイメージしないと脆い仕上がりになると同じ効果を持つ。

 

 俺自身、こんなチート特典をもらって大丈夫なのかと心配してきた。何せ、転生した場所はあの白い魔王の原点であるリリカルな世界こと“リリカルなのは”の世界なのだから。俺がこの世界に転生して数日が経った。俺は両親はおらずマンションで一人暮らし住んでいる。俺からすれば広すぎる家だったが、友達を誘うくらい程度の広さで十分すぎた。因みに資産については神からのご都合設定が活かされているのか、月に200万が口座に振り込まれていた。しかも電気代やガス代、家のローンは手取りも含めて90万差し引いても110万が振り込まれる。逆になんか都合が良すぎで怖い。

 

 それとこの世界に転生してから分かったことなのだが、どうやら自分以外の転生者が複数いるようだ。確認できて4人いて、その内三人は結構まともで最後の一人はかなりのDQN系の転生者だった。

 

 一人目の転生者は“加辺シン”。転生特典は“機械チート”と呼ばれるもので彼曰く、このチート特典は架空のロボットを現実に作れてしまうというヤバい代物だそうだ。下手をすればガンダムやら戦術機、挙句の果てにはアーマード・コアまで作りかねない。コジマやコーラルは……マズい……! なお、本人は緊急時以外はACを作るつもりはないらしい。しかし、それが後のフラグにつながるのは気のせいか?

 

 二人目の転生者は“光ミナト”。転生特典は“ロックマンエグゼのバトルチップシステム”と“ロックマンXDiVEのキャラ召喚”だ。まさかのロックマンを転生特典としてこの世界に転生してくるなんて予想だにしなかった。本人曰く、XDiVEのキャラや武器、カード類は全てLv200カンスト済みだそうだ。……インチキ性能もいい加減にしてくれ。しかもXDiVEのRiCOとiCOは最初から召喚されていて二人は親戚のお姉さんのような関係だそうだ。……もげろとは言わないが、時と場合を考えてほしい。そしてヴィアは兄のような関係であり、戦闘の師として彼から鍛えてもらっているようだ。

 

 三人目の転生者は、実は前世は男で今世は女性として転生した“ミラージュ・アラン”。言わずもがな転生特典は“メトロイドドレッドのパワードスーツ”だ。彼もとい彼女はゲームのサムス・アランに憧れており、決して本人にはなれないと分かっているようで彼女は彼女なりにパワードスーツを使いこなして見せるとのことでスーツは初期状態だ。時折ミナトと共にヴィアの戦闘訓練に参加して腕を磨いているようだ。

 

 この三人の転生者の共通する目的は出来るだけ原作に介入せず、降りかかる火の粉を払う感じでこの世界でのんびり楽しくスローライフを過ごすだそうだ。無論、俺も原作に介入したくないし、面倒ごとはご免である。しかし跳びかかる火の粉くらいは払うことはする。その点では三人と意気が合った。

 

 最後にDQN系転生者こと“神崎誠”はテンプレでいう踏み台転生者の類だった。銀髪オッドアイで自己中心的な性格で原作キャラを嫁扱いし、周りの人たちをモブと呼称しているはた迷惑なやつだ。転生特典は“無限の剣製”というエミヤさん本人がいたら真っ先に殺されそうな地雷系特典だった。自分を含むシン達はできる限りスルーする方針で乗り切ろうと考えていたが、ある日を境にそれは見事に崩れさるのだった。

 

 とある昼時のこと、自分たちは精神年齢的に大人だが子供は子供らしく公園で遊ぶことにした。その公園ではある一人の少女がブランコに座り込んでいてまるで悲しみを抱えた状態の孤独な少女だった。その少女がこの世界の主人公である“高町なのは”であることに気づいた。原作にあまり介入したくはないものの、目の前で困っている人を知らないふりするほど俺たちは落ちぶれてはいない。そうして四人はあくまでもなのはとは友達となって、彼女を元気付けるという目的で接触するのだった。

 

 

 ────────────────────────────────────────────

 

 

 栗色の髪の短いツインテールの少女ことなのはは暗い顔でブランコに座っていた。彼女の父親“高町士郎”は当時ボディーガードとして世界中を飛び回っていたがある事件で瀕死寸前の重傷を負い、意識不明の重体で入院している。彼女の母親である“高町桃子”は事実上一人で喫茶「翠屋」を一人で営んでいる。高町家の長男と長女こと“高町恭弥”と“高町美由希”は勉強と修行をこなしながら桃子の手伝いをしている。それになのはも手伝おうとしたが、三人からは大丈夫と断られ、ただずっと一人で居る事が多くなり、やがて自分自身が要らない子なのかと自問自答してしまうほど気持ちが込み上がるばかりだ。気づいたころにはなのはの瞳から涙を流していた。泣いても父親は帰ってこないと分かっていながら暗い気持ちを押し殺して自分が良い子でいなくちゃいけないんだと自分を責めていた。

 

「寂しいよぉ……」

 

「ねぇ……君、大丈夫?」

 

「雄也、そこに誰かいるのか?」

 

「え……?」

 

 お店が終わるまで待っていようと思っていたその時に、知らない男の子三人こと雄也達と女の子ことミラージュが駆け寄ってきた。なのははあまり泣いているところを見られたくないと思い、良い子としての自分を振舞う。

 

「だ、大丈夫なの……」

 

「大丈夫だったら泣いたりしない筈だが……」

 

「雄也、あまり追及するな。誰にだって知られたくないことや言いたくないことは一つや二つあるんだ」

 

「す、すまない。流石に無神経が過ぎた……」

 

「俺じゃなくて、あの子にいうことだろう?」

 

 雄也はシンに無神経が過ぎることを指摘されて素直に謝罪したが、シンからは謝る相手が違うといってなのはの方を指した。今度はなのはにちゃんと謝罪した。

 

「すまなかった。初対面で変なことを聞き出してしまって……」

 

「う……ううん、平気なの。でも……どうして?」

 

「えっ?」

 

「どうして、私に関わろうとするの……? 初めて会って間もないのに……どうして……?」

 

「どうしてって……」

 

 なのはは何故ここまで関わろうとするのか雄也に問いただした。するとミラージュが雄也の代わりに答える。ただしボケる方で……

 

「その答えは……

 

 ①女は泣いているよりも笑顔の方が一番いい。

 ②あっそうなんだ。……っで、助けるのに理由が何か必要かい?

 ③そんな事よりおうどん食べたい。

 

 さてっどちらでしょう?」

 

「ふぇっ!? まさかの三択形式なの!?」

 

 ミラージュの予想外のボケになのははどう返していいのか分からなくなった。そこに雄也がミラージュにツッコむ。

 

「ミラージュ、この肝心な時にボケに走るな。場を和ませようとした結果なのはが困惑しただけじゃないか」

 

「なにかしゃべらないと執筆者に忘れられそうな気がして」

 

「「「メタいこと《いうな/いわないの》!?」」」

 

「えぇっ……」

 

 ミラージュのボケの所為で変な雰囲気になってしまったなのは含む五人。そこにとんでもない爆弾が降りかかる。

 

「よう! 何やってるんだ?」

 

 それはDQN転生者の神崎だった。これを見たなのはは何となく纏ってる雰囲気が異質に感じれた。その異質な雰囲気に嫌ななにかを感じ取ったのか、雄也たちの後ろに隠れる。そして加辺たちも神崎を見てそれぞれの反応を見せる。

 

「おっ……なんだ? 俺に照れたのか?」

 

「むっ……でたな、地元で噂の問題児“D”!」

 

「誰が問題児だモブ野郎っ!! それと俺は英単語のDじゃねぇ!?」

 

「そうだぞシン、奴はDじゃなくて“Q”だ。間違えてどうする」

 

「あれっ? それも違うような気がするけど……確か、N? だっけ?」

 

「QでもNでもねぇっ!? 俺は神崎誠だ!! 間違えるんじゃねえモブ共っ!?」

 

 三人はワザとらしく英単語のD、Q、Nと答えた。流石に神崎もキレていたが、問題はそこではない。これを聞いていた雄也は三人がワザといったD、Q、Nを合わせるとある言葉が頭の中で過った。

 

「D、Q、N……って、お前らナチュラルに奴をDQNと遠回しに言ってるのか? だとしたら質が悪いぞオイっ……(汗)」

 

「誰がDQNだモブ野郎共!? それと俺の嫁のなのはに近づくんじゃねえ!!」

 

 そう神崎が言うが、肝心のなのはは神崎がまだ名乗っていないのに名前が知られているという恐怖を感じ取り、神崎を警戒した。誰だって見知らぬ人物に自分の名前を呼ばれたら警戒する。

 

「落ち着けよ。そもそも俺たちや彼女たちはお前のことを知らないし、名乗った覚えがないのに名前を呼ばれたら誰だって警戒するだろうが。それ以前に相手を嫁呼ばわりなんぞしたら余計に怪しさMAXのストーカーだぞ?」

 

「うるせぇっ! モブが俺に指図すんじゃねえ! 俺は嫁のなのはに用があるんだ! 邪魔すんじゃねえ!!」

 

 完全に聞く耳を持たない神崎に流石に雄也は駄目だ此奴と思いつつ内心、神崎の自己中心的な性格に腹を立てていた。もういっその事で雄也は思ったことは即実行の如く魔法創造で空間隔離魔法を作って即発動した。

 

「……空間隔離魔法“メタフィールド”」

 

 雄也は手に魔力を収束させ、それを上に向けて放つ。すると雄也と神崎だけを包み込むようにフィールドを形成、フィールド内に閉じ込め、その場から消えた。

 

「ふぇっ!? な……なんか魔法とか言っちゃてたけど、えっと確か、雄也君……だっけ? 雄也君って魔法使いだったの?」

 

「厳密には魔法使いじゃないけどな。それはそうと、あらら……。雄也の奴、DQN相手に完全にキレてるよ」

 

「私たちがボケに回ったのと、奴の自己中心的な性格が彼の逆鱗に触れたのだろう。最悪の場合が考えられるな」

 

「よりによってネクサスの技名をまんま使っちゃったよ彼。いろんな意味で大丈夫かな? それよりも、今は二人を待つしかないね。……あっそうだ。このPETなら二人の様子を見られる筈だよ」

 

 ミナトがそう言って小型の端末ことロックマンエグゼ6のPETを取り出して皆に見せながら立体スクリーン越しに二人の様子をうかがうのだった。しかしこの後に踏み台転生者である神崎がとんでもないことになることは当時のなのは達は知る由もなかった。

 

 

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 メタフィールドに閉じ込められた神崎は一体なにをされたのか分からずに遠吠えの如く声を荒げだして無駄に体力を消耗させていた。

 

「何なんだよ、この異空間は!? しかもこの異空間、俺の魔力を少しずつ吸収していやがる!?」

 

「その通りだ。これはお前のような分からず屋を閉じ込めたり、街の被害を最小限にするために即席で作った空間隔離魔法だ。ちな、元ネタがウルトラマンネクサスだが……知ってるか?」

 

「知るかそんな幼児が見る特撮の技なんざ! 要はてめえを殺せばこの結界はぶっ壊せるんだろう! だったら即殺してやる、モブ野郎っ!! 《無限の剣製》!!」

 

 神崎はメタフィールドから脱出するために雄也を殺そうと無限の剣製を発動させようとするが、何時まで経っても何も起きなかった。

 

「な……何で!? 何で俺の魔法が使えねえんだ!?」

 

「お前……自分でこのメタフィールドの特徴を言っておきながら忘れるとか鳥頭もいいところだぞ? お前のその無限の剣製だったか? 俗に言う《MPが足りません》状態だぞ」

 

「はぁっ!? ひ……卑怯だぞモブ野郎!!」

 

「戦場に卑怯もらっきょうもへったくれもない。あるのはDEAD or ALIVE(生か死か)の二つだけだ。……そんでもって最上位拘束魔法“バインド・極”」

 

 そう雄也が唱えた瞬間、神崎の身体に鎖、身体に掛けられるくらいの大型手錠、拘束具、止めに棺桶(顔窓アリ)の順に拘束していく。完全にミノムシ状態になって棺桶内から脱出できなくなった神崎は必死に拘束から逃れようと暴れるが、逆に締め付けられて苦しくなるだけだった。

 

「て……てめえ!! この拘束を解きやがれ!」

 

「黙れ。その自己中心的な性格に俺たち……いやっ、厳密には俺だけか。俺が胃に穴ができそうなくらいにストレスを抱える羽目になっているんだぞ。外にいる友人三人は見た目はまともそうに見えるが、どっちかっていうとボケる側で、こっちだけがツッコみ側だぞ。味方もいない孤立した兵士そのものだ。そこにお前という劇薬……というより馬鹿が入ったせいで余計に俺の胃にダメージが入っているんだぞ……。どいつもこいつもまともな奴が一人もいねえ……まともなのは俺だけか? って言いたいくらいにうんざりしてるんだよ。だから貴様はその自己中な性格というねじ曲がった芯を叩きなおす。無論、初代ACの強化人間手術イベント式でな……」

 

 そう雄也が言うが目どころか顔すら笑ってなかった。雄也の言う友人三人という言葉になのははシンたちを見た。シンたちは目をそらして自分は関係ないと主張するが、なのはは彼らが雄也の胃を痛めさせている原因であることに気づいた。そんな事よりも神崎はこれから自分自身に起こるであろうことの顛末を聞かされて青ざめ、震えだす。そして雄也の魔法創造によって作られた手術室にズルズルと棺桶につながっている鎖を引っ張り、手術室の扉の奥へと連れて行かれる。棺桶越しにだ。

 

「やめろー! 死にたくない! 死にたくなーい!」

 

「い……一体、なにが始まるの?」

 

「大惨事な大戦みたいなことなるから大惨事大戦じゃないか?」(誤字にあらず)

 

「うわぁ……今度からボケるのは最小限にしておこう……」

 

「ノーコメントだ」

 

 そうして扉が閉まり、手術中のランプが点灯して扉の奥からは何やら不気味な会話が聞こえる。

 

「これが今度の実験体かね?」

 

「はい、資料では元レイヴンだったとか」(※違います)

 

「成程、例のルートからか」

 

「負債は相当な額だったそうですよ」(※違い(ry)

 

「夢、破れたりか……フッ、だがこの実験で生まれ変わるさ」

 

「生きていれば──―ですが」

 

「ま、そういう事だな。では始めよう」

 

((((何が始まろうとしている《の/んだ》!?))))

 

 あまりにも怖い話の内容に変な恐怖を抱いてしまい、なのは達は震えが止まりそうには無かったそうだ。その後、ドリルの起動音やら爆発音やら野獣先輩の叫び声だったりと何だか不安な一抹が残っていた。

 

 そして数分後……。メタフィールドが解除され元の世界に戻ってきた雄也と神崎。しかし神崎はあちらこちら体の隅々までいじられ、改造という修正を施されてどこか機械じみた感じになっていた。

 

「戻ったぞ。とりあえず此奴の修正は完了した。もう二度と俺たちに迷惑を掛けることはないだろう」

 

「ワタシハ……ナニカサレタヨウダ……ニンゲンデナクナッテシマッタ……」

 

「ふぇぇえええっ!? 本当に大丈夫なの!? なにか機械のように言葉がカタコトになってるよ!?」

 

「「「うん、知ってた……」」」

 

 なのはは嫁呼ばわりしてきた神崎にいい感情は持ち合わせていなかったが、今の神崎を見て流石に同情してしまった。そして三人はこうなる結末が大体予想できたのか苦笑いしかなかった。

 

 それから少し落ち着いたところで神崎は、己が行っていたことに恥ずべき行為だと理解し、償いとしてその場で自害しようとしていた。無論、雄也たちは全力で止めにかかった。この公園で自殺事件なんて起こされたらたまったものでもない。何とか神崎の自害行為を阻止した際に神崎からどうやって償えばいいを問いだされた。雄也からはいっその事神父になったらどうだと提案したら即採用し、この場を去るのだった。あぁ……神崎誠、序盤初めに登場してここで転生者高嶺雄也によって更正されて神父の道へと進むことになり、原作介入から脱落するのだった。

 

 そうして神崎を見送った後に雄也は改めてなのはの問いに答えるのだった。

 

「えっと……さっきの問いの答えなんだが、さっきミラージュが言っていた助けるのに理由が必要か? だ。俺たちは純粋に君が大丈夫なのか心配だったから声をかけたんだ」

 

「……!」

 

「俺たちも雄也と同じ気持ちだよ。もっとも、あの問題児の所為で変な誤解を生みだしてしまったかもしれないけど……」

 

 雄也がそう言うようにシンたちも同じ気持ちであると代弁する。なのはも神崎が放つ異質な何かを警戒したために雄也たちも同じなのかと少し思ってしまった。しかしそれが間違いであったと理解し、雄也たちに謝罪した。

 

「……ごめんなさい。最初はどうして声をかけてきたのか分からなかったの。さっき出てきた神崎君……だっけ? 最初は異質で嫌な感じだったのだけど、その……雄也君が改造? しちゃったからまともになってくれたけど……」

 

「正直に言えばやり過ぎた感はあるが、反省も後悔もない。あのまま野放しにしてたら後々面倒ごとに絡んでくると思って先手を打っただけだ」

 

「だからって初代ACの強化人間改造手術はやり過ぎたと思うが……」

 

「一応言っておくが、お前たちも例外じゃないからな。度が過ぎたらお前らも改造してボケ回数を減らすぞ?」

 

「「「肝に銘じますので、それだけはご勘弁を……」」」

 

「だったら要らぬタイミングにボケるな。只でさえツッコミ担当が不足しているんだから……」

 

「にゃははは……」

 

 流石のなのはもツッコミ担当の雄也の気苦労を感じ取ったのか苦笑いでしか答える事しか出来なかった。何とか空気を換えようとシンが自己紹介でもしようと提案してきた。

 

「まぁ……こんな空気にしてしまった自分が言うのもあれだけどさ、ここいらで自己紹介でもしないか? 名前知ってた方が色々と楽だし。んで、言い出しっぺの俺から……俺は加辺シン。私立聖祥大附属小学校二年で趣味は機械いじりと物作り程度かな?」

 

「じゃあ次は僕が、……僕は光ミナト。シンと同じ学校のニ年で、えっと……ソフトボケ担当かな?」

 

「どういう自己紹介だ。……俺はこいつらのツッコミ担当兼友人の高嶺雄也だ。さっき見せた魔法だったり、他の魔法を作れたりすることができるチートじみた魔法使いだ。それと同じく私立聖祥大附属小学校の小学二年だ」

 

「……ミラージュ、ミラージュ・アラン。彼らと同じ学校の二年だ」

 

「えっ!? 私と同じ学校の二年生なの!? という事は……8歳!?」

 

 まさかの同い年であることに驚きを隠せないなのは。あまりにも同じ年とは思えないほどの雰囲気になのはより少し年上かと思ったのだ。まあ……実際のところ、転生者たちの精神年齢は年上である為間違ってはいない。

 

 様々ないざこざがあったが、なんだかんだでなのはの事情を教えてもらった。

 

「なるほどな……なのはの父親が大怪我か」

 

「うん、だから私はお母さんやお兄ちゃんとお姉ちゃんはお店を頑張ってるから邪魔にならないよう一人で公園にいたの……」

 

「なんか今更かもしれないが、結構ヘビーな内容だな……」

 

 また気まずい雰囲気になったところで、ミラージュが雄也にとんでもないことを言いだした。

 

「雄也、お前の魔法でなのはの父親の大怪我を治せないか?」

 

「……ふぇっ?」

 

「おまっ……出来なくはないが、なんでそれを俺に振るんだ!? 俺の魔法には確かに回復魔法はあるが……」

 

 雄也は回復魔法を使うべきか否か迷っていた。ただ面倒くさいという理由ではなく、回復される側の絵面が問題なのだ。そんなことを知らないなのはは雄也に父親の怪我を治してもらうよう頼み始めた。

 

「……お願い! もしそれが本当だったら、お父さんを治してほしいの!」

 

「落ち着けっ! あくまでも出来なくはないだけで、問題は回復される側の絵面が問題なんだ」

 

「じゃあ何か? 回復を受けた相手が回復の代償に寿命が縮むのか?」

 

 シンは回復方法がどんなものか検討もつかず、雄也にそういうデメリットがあるのか聞いた。しかし、帰ってきた答えは予想外のものだった。

 

「違う、その回復魔法を唱えると俺の真上に一つの剣が出てくるんだ。しかもその剣に突き刺されることで、初めて回復効果が発動するんだ。因みに剣に貫かれても血が出ないが刺された瞬間だけ結構痛いぞ」

 

「えええええぇぇぇぇぇ!!!? それって本当に回復魔法なの!?」

 

「うわぁ……完全に人選ミス?」

 

「言ってる場合かよ!? 本当に大丈夫なのかそれっ!?」

 

 そんなことを聞かされて不安になるなのは達。雄也は回復の案を出してきたミラージュに言っとけと言わんばかりに一人で士郎のいる病院に向かおうとしていた。

 

「ことの発端を提案してきたミラージュに言え。俺は一人で病院に行ってくる。……所でなのは、なのはの父親がいる病院は何処だ?」

 

「えっ? えっと……あそこの大きな病院が見えるでしょう? あそこにお父さんがいるの」

 

「OK……あそこだな。……転移魔法“転移(ガトム)”」

 

 なのはから確認を取った後にすぐさま転移魔法で士郎の下に転移するのだった。取り残されたなのは達は雄也のいう回復魔法に対して不安をぬぐい切れないでいた。

 

 

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 そして場所は代わり、なのはの父親が眠っている病室に転移に成功する雄也。士郎の容態を見てかなりの重症であることが素人でもわかるくらいに体中に包帯がまかれていた。

 

「一体どんなことに巻き込まれたらこんな大怪我になるんだ? ……っと、考えている場合じゃない。さっさと終わらせよう」

 

 そう言って雄也は例の回復魔法を発動させる。雄也の言う回復魔法とは……

 

「……第五の呪文、“サイフォジオ”」

 

 それは金色のガッシュの魔物の女の子ティオの回復呪文である。雄也の真上に桃色の剣が生成され、今か今かと空中を浮遊している。

 

「これで回復できるはず……後は痛くないように刺さないと……」

 

 雄也は魔力で慎重に剣を動かし、士郎の真上にゆっくりと下して軽く突き刺した。すると剣から治癒の魔法が士郎の身体全体に巡り、少しずつ回復していくのだった。ここで一気に回復させると吸血鬼もビックリな超回復を成し遂げた事になり、逆に怪しまれるためある程度回復させた後に即座に転移魔法で離脱するのだった。

 

 

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 そうして無事に戻ってきた雄也はなのは達に上手くいったと報告する。なのはからは感謝されたが、シンたちの視線からは《もげろ……》という負の感情が感じ取れた。この時に雄也は少しキレて顔が鬼に成りかけたのは内緒だ。そんなこんなでなのはとは正式に友達となり、何とか元気づけることに成功するのだった。

 

 ……だったのだが、今頃になってあることに気づいた。

 

「……ていうか俺たちって、なのはと友達になった時点で原作介入回避不可になったんじゃないのか?」

 

「「「……あっ」」」

 

 最後の最後で締まらず、雄也たちは結局原作に巻き込まれることになった。……なっちゃったのである。

 

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