カス人間なのでどうしても理由をつけて書くのをサボってしまうのどうにかならないかな…
地上へ
静寂に包まれた執務室の扉が静かに開き、一人の指揮官が足を踏み入れた。彼の姿を認めると、アンダーソン副司令官は視線を向け、軽く眉を上げる。
「来たか。」
「いろいろ言いたいことはあるが、その様子だと私に何か用事があるみたいだな。先に言うといい。」
指揮官は敬礼の後、まっすぐアンダーソンを見据えて言葉を発した。
‘’副司令官、長期任務に行かせてください。‘’
アンダーソンは無言でその言葉を受け止め、一度指を組んで考え込むような仕草を見せた。そして、机の上に並べられた書類を軽く叩く。
「……何か目的があるな?」
指揮官は一瞬だけ沈黙した後、静かに口を開いた。
‘’アンチェインドを作ったという研究所に行ってくるつもりです。‘’
アンダーソンは一瞬、驚きを隠せない表情を浮かべた。しかし、すぐにその表情は厳しいものへと変わり、ため息をつくように口を開いた。
「……相変わらず、面倒なことを思いつくな、君は。」
アンダーソンは指揮官の言葉を一度反芻し、ゆっくりと机に肘をついた。その目には冷静さと、どこか計算された思惑が見え隠れしている。
「……だが、ちょうどここに君に与えようと思っていた任務がある。」
‘’任務……ですか?‘’
指揮官が眉をひそめると、アンダーソンは無言のままデスクの引き出しを開け、小さなケースを取り出した。そのケースの中には、淡い紫色の光を放つ結晶の欠片が収められていた。
「これを見ろ。」
アンダーソンがケースを開くと、紫色の結晶がわずかに光を放ち、その周囲の空気が歪むような錯覚を覚えた。指揮官は慎重にそれを見つめながら、問いかける。
‘’これは……?‘’
「狂竜結晶、と私たちは呼んでいる。地上の各地でごく稀に発見される物質で、研究はまだ進んでいないが、非常に厄介な性質を持っている。」
アンダーソンは指でケースの蓋を閉じ、視線を指揮官へ向ける。
「この結晶の最大の問題はな、量産型のニケや小型のラプチャーがこれを一欠片でも取り込むと、発狂し暴走を始めることだ。」
‘’暴走……?‘’
「そうだ。この結晶を体内に取り込んだ者は周囲のものを手当たり次第に攻撃するようになり、最終的にはエネルギーの制御を失い、自壊する。人間には影響がないようだが、ニケやラプチャーにとっては危険極まりない代物だ。」
指揮官は結晶を見つめながら、思案するように口を引き結ぶ。
‘’それを、私の任務として調査しろということでしょうか?‘’
「そういうことだ。アンチェインドを探しに行くついでに、この結晶についても調査してほしい。特に、どこから発生しているのか、何が関与しているのか。その答えが分かれば、今後の戦略に大きく影響する。」
アンダーソンは一度指を組み、静かに息を吐くと、さらに言葉を続けた。
「それと、君は望んではいないかもしれないが、今回の任務には量産型のサポートを受けることはできない。理由は分かるな?」
指揮官は狂竜結晶のケースを見つめながら、低く呟くように返した。
‘’……量産型のニケは、この結晶に近づけない。‘’
「その通りだ。だからこそ、君に任せる。この任務は極めて危険だが、君なら何らかの成果を持ち帰ってきてくれるだろう。」
アンダーソンの言葉に、指揮官はゆっくりと息を吐き、静かに頷いた。
「それと……死地に赴くもののためだ。物資は多めに用意しておこう。」
‘’感謝します。‘’
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前哨基地の倉庫には、補給物資がずらりと並べられていた。積み上げられたコンテナの中には食糧、弾薬、修理キットなど、長期任務に耐えうるだけの備蓄が詰め込まれている。その光景に、ネオンは目を輝かせた。
「おおっ!すごいですっ!物資が山ほどあります!私たち、お金持ちになったんでしょうか!?」
彼女は駆け寄ってコンテナの蓋を開け、中身を覗き込んでいく。エネルギーパックや銃弾のケース、さらには高級食糧まで入っているのを確認し、興奮したように頷く。
「ちょっと待って!」
ネオンのはしゃぎっぷりに水を差すように、アニスが手を挙げた。彼女は腕を組み、じろりと物資を睨みながら首を振る。
「喜ぶのは早いわよ。これがどこから来たのか、誰が送ってきたのか、ちゃんと確認しないとダメでしょ?」
ネオンは唇を尖らせた。
「いいじゃないですか、きっと師匠の活躍が認められて送られてきたものですよ!」
「そういう問題じゃないっての。」
アニスがため息をついたちょうどその時、ラピが端末を操作しながら彼女たちのもとに歩み寄ってきた。冷静な表情で、彼女は画面に映し出された情報を二人に向けて見せる。
「物資の提供者は、副司令官ね。」
「えっ、マジ?」
アニスが驚いてラピの持つ端末を覗き込む。確かにそこにはアンダーソン副司令官の名前が記されていた。
「何よ、それなら最初から言ってよ~!指揮官様のための支援物資ってことね!」
「ええ、そういうことね。でも……」
ラピは眉をひそめながら、じっとコンテナを見つめる。
「……指揮官、この物資の量、尋常ではありません。中央政府がこんな手厚い支援をするなんて、どういう風の吹き回しでしょうか?」
その言葉に、指揮官は肩をすくめ、微かに苦笑した。
‘’アンダーソン副司令官が言ってたよ。『死地に赴く者には、これぐらいのことをしてやる』、と。‘’
一瞬、場が静まる。指揮官の何気ない言葉だったが、その意味するところはあまりにも明確だった。
「死地……」
アニスが小さく呟く。
「……ってことは、今回の任務、相当ヤバいってことですか?」
ネオンの笑顔が、少しぎこちなくなる。
「え、ちょっと待ってくださいよ!?死地って師匠、そんな危ないところに行くんですか!?」
‘’そういうことになる。行くのはアンチェインドを作った研究所、それに加えて副司令官からの依頼で『狂竜結晶』という結晶の調査も並行して行う。‘’
「狂竜結晶?」
ラピがすぐに端末を操作し、検索を試みる。しかし、データベースにはそれらしい情報は出てこなかった。
「その研究所だけじゃなく、結晶に関する任務も受けたってことは……。」
ラピは腕を組み、冷静な声で指揮官に問いかける。
「……本当に大丈夫なのですか?副司令官がそこまでの物資を用意するほどの任務とは、相当危ないんじゃないでしょうか?」
アニスは腕を組みながら深く息を吐き、軽く肩をすくめた。
「ちょっと、考えすぎじゃない?確かに危ない任務なのは間違いないけど、こんなに準備してもらってるんだから、むしろ前向きに考えようよ!」
彼女は無理にでも明るく振る舞うように、笑顔を浮かべた。
「それにさ、こうやって悩んでても仕方ないでしょ?だったら、しっかり準備して、全員で無事に帰ってくることを考えた方が建設的ってもんじゃない?」
ネオンが勢いよく頷き、拳を軽く握る。
「そうですよ!今は気合い入れていきましょう!ほら、せっかく師匠のためにこんなに物資が届いたんですし!これを活かさない手はないです!」
アニスの言葉に続き、ネオンも朗らかに笑い、場の雰囲気が一気に和らぐ。
ラピは彼女たちの様子を見て、小さく息を吐いた。
「……まあ、考えすぎても仕方ないですね。」
指揮官は彼女たちを見渡しながら、淡々と言葉を続ける。
‘’そういうことだ。とはいえ、この物資を全部持っていくのは無理がある。‘’
ネオンがコンテナを見上げながら、腕を組む。
「ですよね…。こんなにあっても、とてもじゃないけど運びきれないですし。」
アニスも頷きながら、コンテナの中身を眺める。
指揮官は改めて物資の山を見渡し、静かに告げた。
‘’できるだけいいものを持っていこう。‘’
「ふむ…仕方ないですね。ぜいたくな暮らしは諦めるしか。」
ネオンは残念そうに頷く。
彼女の言葉にアニスが笑いながら肩をすくめる。
「そもそも、ぜいたくな暮らしなんて今までしたことないでしょ?」
「うっ、それを言われると…!」
ネオンがむくれる中、ラピは静かに指揮官へと目を向けた。
「……危険性については気にしていないのですね?」
彼女の問いに、指揮官は迷いなく頷いた。
‘’ああ、そうだ。‘’
即答する指揮官をじっと見つめたまま、ラピはわずかに目を細める。そして、小さく息を吐きながら頷いた。
「それほどの覚悟があるなら……上がりましょう。アンチェインドの研究所を探しに。」
彼女のその言葉が、一つの決意を示す合図のように響く。
ネオンが勢いよく拳を握る。
「おおっ!探検ですね!何が出てくるかワクワクしますよ!」
アニスも軽く息を吐きながら笑う。
「いやいや、ワクワクするような場所じゃないと思うけど……ま、やるしかないわね。」
指揮官は彼女たちを一瞥し、静かに告げる。
‘’では、準備を整え次第、出発する。各自、必要な物資の確認を怠るな。‘’
楽園、火竜あたりのストーリーは原作沿いのダイジェストで行こうと思っています。指揮官が大きく成長するのはエデンでヨハンの指導を受けた後なのでそのあとのほうがオリジナル展開を入れやすそうですからね。