中庸道化連の名誉会長   作:水の兎

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大笑い

「あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

 

「ええい!!笑うなメイア!!」

 

足をジタバタさせて私は顔を上に向けて、顔手で覆い腹を抱えて大笑いしていた。

 

「いやいや、カザリ―ム。まさかあなたが元王女様だなんて・・・いやぁ・・・・」

 

そう言ってカザリ―ムの方を向く。

 

「プッ・・・・ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

「いつまで笑ってるんだメイア、お前!!」

 

ダメ、面白すぎて死ぬ。死んじゃう。

 

確かに聞いた話に関しては私も怒ってるんだよ?そのジャヒルとかいうそのクソ野郎のこと・・・

超魔導大国とかいう大国の王様だったらしいんだけど急に乱心し、ハイエルフだったカザリ―ムを殺して、妖死族(デスマン)となるように禁忌呪法・妖死冥産(バースディ)を使って今の姿に転生させて前の名前を捨てさせてカザリ―ムって名を与えて自身の実験に使用していたそう。

 

ある時にジャヒルが急にカザリ―ムを捨てようとしてきたので、バースディの呪法を盗んで逃げたらしい。それから十年ぐらいたってたまたま用事でこの辺に来ていた時に死んでいた私を見つけて()()()()()カザリ―ムが私に禁忌呪法・妖死冥産《バースディ》を使用したそう・・・

 

「いや悪かったけどあれは笑っちゃうって。そんな怪しい格好してるあなたが私にバースディを掛けた理由のほとんどが友達が欲しいからだなんて・・・その見た目で面白すぎて・・プッ・ひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!

「・・・もういいお前はしばらく口を閉じんようだしな・・・」

 

いつまでも爆笑を続ける私にカザリ―ムはジト目でムスッとして口を尖らせた。

 

 

 

 

「ふう、笑った笑った~」

「俺としてはあんなに笑い続けられるとは思ってなかったがな!!」

「それに関しては悪かったよ~まさかあなたが元女、それも元王女様だなんて誰も思うはずがないでしょう?」

 

そう言いながら私はカザリ―ムの野営の手伝いを始める。カザリームは夜ご飯の準備を始めている。私は近くから薪になりそうな小枝を集める。カザリ―ムは元王女とは思えないような馴染んだ様子で夜ご飯の下準備を済ましていく。

 

「へぇ~元王女って割には慣れてるんだね~」

「もう逃亡して十年近くだ。流石に慣れる」

「それもそっか~よし、焚火の準備できたよ~」

「わかった。離れていろ」

 

そう言われて私は少し後ろに下がる。

 

火炎球(ファイア)

 

カザリ―ムの手の平から手の平サイズの火が焚火に方に飛んでいき、薪に当たり火が組んだ薪にともる。

 

「ほぉ~すごいね~私もやってみたいな~」

 

そう言いながらカザリ―ムの方を見る。カザリ―ムはやれやれと頭だけ振って料理の下準備を再開する。

 

「俺は王女の際に学んだから基礎ができていたからこの体になっても割と早くから使えたが、お前はそうではないからな。時間がかかってもいいならこれからしっかりと教えよう」

 

そう言われて私は嬉しくなってカザリ―ムの背中を拳で軽く叩く。

 

「わかったわ。よろしくね、親友!!」

「う、うむ」

 

下準備の為にこちらに顔を向けないが彼の耳が赤くなっていたのを私は見逃さなかった。

 

 

 

 

私がデスマンになって初めての食事は、干し肉にパン、それとカザリ―ムが刻んだ野菜と干し肉の一部が入ったスープだ。どうやらカザリ―ムは薄めの味が好きなのかスープはかなり薄い。正直もう少し味を濃くした方が良いと感じる。

 

「ねえカザリ―ム、スープの味付けもう少し濃くした方がよくない?」

 

カザリ―ムはやれやれといった様子で頭を横に振る。

 

「悪いな、調味料は貴重なのだ。そう簡単に手に入るものではないし、出来るだけ節約したいのだ」

 

そう言いながらカザリ―ムは仮面を外す。先ほどカザリ―ムの身の上話を聞く際に素顔を見たが本当にクソ野郎は良い趣味している。実の娘にこのような仕打ちができる思考が私には理解できない。

 

「さ、温かいうちにさっさと食べましょ」

 

カザリ―ムにそう言われて私はスープにパンを付けて食べたり干し肉の一部を噛み千切ってからパンを食べたりとしていた。

 

「フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・」

 

カザリ―ムの方を見てみるとスプーンですくったスープに息を吹きかけていた。必要以上に・・・

 

「ねぇカザリ―ム、そこまで息吹きかける必要ないと思うわよ?」

「うるさいわね、()は猫舌なの。熱いのは苦手なの。まったくジャヒルめ本当に忌々しい。どうせ別の肉体に転生させたのならば舌の感覚も変更すればよいものを・・・」

 

カザリ―ムはそう返答してくる。それに対して私は呆れながらも自分の食事を再開する。カザリ―ムは少し涙を浮かべながらもスープを口に運んでいた。そんなに熱いのが無理なら冷めてからでもよかったのに・・・

私は気を付けながらスープの入った鍋を火が当たらない位置までずらす。

 

「カザリ―ムそんなに必死にスープ飲まなくてもいいからね。私は冷めてても大丈夫だし」

「いやよ、せっかく作ったんだから温かいものを飲んでほしいのよ。

・・・まぁ、あなたが()()()()()と言うのならずらした鍋はそのままでもよろしいですわよ」

 

そう言いながら顔をフンと上げているが口が悔しそうになっている。かわいい。

 

「はいはい、私がどうしても冷めたの飲みたいからそのままにしとくね」

 

するとカザリ―ムは顔をパーッとさせて告げる。

 

「えぇ!えぇぇ!!あなたの望みですから少し冷ましましょう!!!」

「はいはい、てかあらかじめ聞いていたけど本当に仮面が無いと()に戻っちゃうのね」

 

そう言うとパーッとなっていた笑顔がしかめっ面に変わる。

 

「仕方ないではないですか、私も最初は頑張ったのですがこれは慣らさなけば直せないものなのですから。それに今までは一人だったから話す相手もいませんでしたし・・・」

 

カザリ―ムは今の姿に変わって十年ほど経過しているが生前しかも異性の頃の記憶がはっきりあるせいで、仮面を外した状態ではどうしても女性口調の喋り方になってしまうらしい。仮面をつけていれば男性口調を保てるらしいが仮面を外すとどうしても王女の時の口調が出てしまうそうだ。

 

「まぁそっちも徐々に慣らしていこ?私の魔法みたいにさ」

「ええ、そうね」

 

そう言ってカザリ―ムは自身のスープに口を付けた。

 

(あち)っ!」

 

まあ、その器のスープはあなたが息を吹きかけて頑張って冷ます途中のすーぷだったからね。

夜ご飯を食べ終わり、後片付けをして私とカザリ―ムは休みました。周りはカザリ―ムの操る人形が警備してくれます。私が私になって初めての日が終了しました。

 

 

 

次の日が来たのです・・。私は少し周囲がうるさかったので目を擦りながら目を覚ましました。するとそこにはこちらを警戒しているカザリ―ムさん・・が目に入る。

 

「どうしたのですか?カザリ―ムさん?」

 

そう聞いてカザリ―ムさんはハッとして警戒を緩めます。どうしたのでしょうか?

 

「お前、メイアなのか?」

「何をおかしなことを言っているのですか?どう見ても・・・!?」

 

そう言いつつ下を向いて自分の体を見てみると()()()()()()()()()()()()()()。服もボロボロだった服ではなく引っ張れば少し伸びる着心地が良いベージュ色のモフモフした服を羽織っていてその下を見るとセーラー服を着ていて、さらに丈が短いスカート。セーラー服の胸元には赤いリボンを着けていた。

 

「・・・カザリ―ムさん、今の私の容姿はどうなっているのですか?」

「・・・鋭く尖った犬歯に腫れぼったい目元、黄色い瞳と縦長の瞳孔。髪型は両サイドにお団子を作り、そのお団子の付け根から髪がハネているな」

 

そう言われましたが私には何が起きたかどうすればいいのかわからず、じっと地面を眺めていました。すると・・・

 

《地面》

 

と見て分かるのですがそのような情報が私の頭の中に流れてきたのです。

 

「カザリ―ムさん、今地面を見ていたら地面っていう情報を得られたのですが・・・」

 

そう告げるとカザリ―ムから驚いている雰囲気を感じます。

 

「メイアは鑑定のスキル持ちか。ならば自身にそれを向けてみろ。そうすれば今の状況が分かるかもしれん」

 

そう言われて自分に向けて地面を見たようにじっと見つめる。すると・・・

 

 

ステータス

 

 名前:メイア

 

 種族:妖死族(デスマン)

 

 称号:なし

 

 魔法:なし

 

 技能:ユニークスキル『演芸者』

 

    ユニークスキル『観察者』

 

 耐性:熱変動耐性ex

 

    物理攻撃耐性

 

    痛覚無効

 

    麻痺耐性

 

    自然影響耐性

 

 

と出ました。それをカザリ―ムさんに伝えるとカザリ―ムさんは言います。

 

「あまりスキルや耐性を他者に伝えるのは良くないが・・・メイアその中でもユニークスキルの『演芸者』を鑑定してみてくれ」

「わかったのです」

 

もう一度自分をじっと見つめると頭に情報が流れてきたのです。

 

ユニークスキル『演芸者(エンジルモノ)

能力を使うと物語の人物や過去に会った人物の姿、声、性格を真似ることができる。元にするのは意識の深層にある人物も使用するため覚えがない姿になることもある。記録した過去の人物は百年経つと変身可能となる。物語の人物は見たらすぐに変われる。ただしその人物の心情などが書かれているところを読んでいないと自分の中のイメージで性格を構成する。後からその人物の心情を理解するとそのように修正される。同じ姿になるには一か月掛かる。また変身の元に相手と会うと変身が強制解除されてしまう。変身した姿の変更は一日に一回だけ。またオンオフは自由。オンオフを意識してない際は常時適用。

権能

擬態・擬声・魔力偽装・感情偽装・感情支配・魔力操作

 

つまり私の姿が変わった理由はこのスキルのせいのようですね

 

それをカザリ―ムさんに話す。

 

「成程、それがエンジルモノの力か。それならその姿はメイアの生前の知り合いか?」

 

そう聞かれて頭を捻りますが何も思い出せないのです。

 

「思い出せないですが私はこんなに可愛い子にあった覚えがないので生前に読んだ本か何かの人物だと思うのです」

「そうか・・・そういえば姿が変わった時は呼び方を変えた方が良いか?」

 

私は少しだけ考えて答えるのです。

 

「二人やもしこれから仲間ができて仲間だけの時はメイアで大丈夫です。他人が近くにいるときはその姿姿で呼び方を変えますのでそれで呼んでください。今の子の時は・・・」

 

私は少し考えますがスッと名前が浮かんだのです

 

 

 

 

 

 

()()と呼んでください」

 

 

笑みを浮かべながら私はそう言った。私のこの姿の時の偽名が決まったので、次はもう一つの方のユニークスキル『観察者(ミツメルモノ)』の方に意識を向けて鑑定をしました。

 

ユニークスキル『観察者(ミツメルモノ)

自他のスキルを閲覧する能力。しかし解析はついていないため効果については分からないが自分のスキルは詳細が分かる』また目の前で権能を使うとどのスキルの権能なのか判別することができる。

見通すだけなので鑑定を妨害する要領では無効化されない。

権能

思考加速・並列思考・記憶保存・鑑定

 

と出たのです。それをカザリ―ムさんに報告すると鑑定があるときよりびっくりされていました。

 

「それは無茶苦茶なスキルだな。相手のスキルが分かるだけでも十分なアドバンテージになる。それを妨害するために鑑定妨害などがあるというのに別のやり方でないと鑑定を防げないなんてな」

 

そう言われましたが昨日私という意識がはっきりした私にとってはよくわからないのです。私は裾に仕込まれていたナイフを出して手の上でくるくると回して遊びます。

 

「さて、メイアのスキルは確認できたしそろそろ行こう。ここには元々用で来ていただけだからな。数日も隠れ家を開けておくのはまずい」

 

なるほど、確かにそれは心配なのです。

 

「わかりました、ではカザリ―ムさんの隠れ家に行きましょう」

 

そう言って私たちは隠れ家に向かって移動を開始しました。

 

 

 

 

聞いてくれよ!!聞かなくてもいいぜ!!俺はよ、カザリ―ムについて行って数日掛けてあいつの家に着いたんだけどよ!!

あいつの隠れ家すげぇごちゃついてんの!!それなりに綺麗だぜ!!

別に脱ぎ捨てられた服が大量に転がてるとか洗ってない食器がいっぱいだとかそんなんじゃねぇ。大量に魔導書やらなんやらがいっぱい積み重なってやがんの!!

それについて切れたらカザリ―ムがよぉ!!

 

「気持ちはわかるが今はまだ安心して住める隠れ家が無いんだ。魔導書もこう置いておくしかあるまい?」

 

とかぬかしやがる!!そもそも隠れ家に住んでる時点で荷物増やすなっての!!!必需品だから仕方ねえな!!

でもよ、本のタワーを崩したらいくらなんでもカザリ―ムが怒りかねねえ・・・だから言ってやったんだ!!

 

「物とかを別の空間に保存する道具とかいうチートはねぇのかよ!?ありふれた平凡な力だろ!?」

 

そう言うとカザリ―ムが顎に手を当てて考えている。するとビー玉みてぇなのを手に取って魔力を込める。移動しながら俺はカザリ―ムの奴にエクストラスキル『魔力感知』を教えてもらったからな。魔力がばっちり見える。よく見えねえ。するとビー玉は先ほどより綺麗で澄んだ水色に変わる。

 

「なるほど、確かにこうすれば持ち運びが楽だな。思いもつかなかった」

「こいつ、馬鹿だなッ!!!!」

「おい、口に出てるぞ・・・」

「失礼しました!!」

 

 

 

 

私がカザリ―ムに助けられてからもうすぐで一年近く経つ。これでもカザリ―ムから魔法をいろいろと教えてもらったから元素魔法が使えるようになった。

それとは別に色々と戦闘技術を磨いて一人で盗賊団ぐらい滅ぼせるようになった。

 

それにエンジルモノの姿でも私自身が学んだ魔法を使うことができた。

それに加えて変身した人間の肉体的な技能が使えるらしく、初めて変身したトガの時は気配を消す、相手の死角に入り込み消えたように見せかける技術が使えたし、シルクハットをかぶり、ウェーブのかかった黒長髪に鋭い目つき、厚い唇が特徴の長身の男の時は指で槍のように突く技術、蹴りで剣のような斬撃を放つこともできた。ちなみに偽名はルッチにした。

ただ今のところ変身したすべての人物がおそらく何かの物語に出てきた人間なのだろう私は考えている。なぜなら変身した人物の顔を鏡で見るがいつも()()()()()()()()という感覚、革新がしなかった。

カザリ―ムもそろそろ仲間を増やしたいと言っていた。

そろそろカザリ―ムと遠出でもして誰か探すべきか?

そんな風に考えてその日は休んだ。

 

 

 

 

翌日、私はカザリ―ムと朝食をとっていた。

 

「そういえばカザリ―ム。あのクソ野郎の国が帝国を狙って攻め込むそうだよ」

 

それを聞いてカザリ―ムは驚き、ばッと立ち上がる。

 

「あいつはどこまで馬鹿なんだ!!あの国には()()()()()()()()()()()がいるのだぞ!!そんなことをしても殺されるに決まっているではないか!!!」

「確かにね。でも今そのヴェルダナーヴァに対してある噂が流れている」

「ある噂?」

 

カザリ―ムは知らないようで頭を横に傾けている。

 

「ヴェルダナーヴァと人間の間に女の子が生まれたのはしているかな?」

「あ、あぁ。その際に彼の国は今までにない位にぎわったと聞く」

「そうらしいね、そして実はヴェルダナーヴァの力のほとんどがその女の子に流れたっていう噂が流れてたんだよ」

 

カザリ―ムは驚きつつも納得がいった様子で落ち着いて席に座りなおす。

 

「なるほど、あのクソ野郎は以前までの謙虚さが無く傲慢で自己中心的な性格だ。その噂を聞けばあいつは動くだろうな」

 

その言葉に私は頷く。

 

「それにその女の子も我が物にしようと考えているそうだよ」

「愚かだな、それこそ無謀ではないか」

「そうだね、これに関しては聞いたとき呆れて声も出なかったよ」

 

そう呟いて食事を再開しようとした時・・・・・

 

 

 

 

 

突然体が悲鳴を上げた。

 

「・・!?あああああああああああああああああああああああ!!!」

「メイア!?どうした!!」

「っっっああああああああああああああああ!!!

うううううううううううううう!!!?」

 

私はのたうち回りながらあまりの痛みに声をあげる。カザリ―ムが私を抱きかかえて声をかけてくるが私はそのあまりの痛さに意識を手放した。

 

 




「中庸道化連の名誉会長」第2話をお読みいただきありがとうございます。

今回でクロスオーバータグの意味が分かったと思います。このように転スラとは別作品のキャラクターが出てきますがすべてメイアが変身した姿になります。私の年齢が分かるようなキャラクターが多くなると思いますが温かい目で見てもらえれば幸いです。

名前で元ネタが分かる人と喋り方で分かる人でしたね。一番最初に出てきた瞬間にそのキャラクターが好きになりましたからね。特にカザリ―ムに悪態をついた姿のキャラクターは該当する作品で一番好きでしたね~

猫舌はカガリの姿を思って考えていた時にスッと思いつきました。余談にはなりますがとあるシーンの会話はある中庸道化連の会話を再現したシーンになります。

それではここまでお読みいただきありがとうございました、続きをお楽しみにお待ちください。
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