ボンゴレファミリー所属の千束とたきな 作:たきな大好き0802
「はぁ~…バイト生活になって憂鬱だよ……」
学校帰りにツナは愚痴りながら帰路に就いていた。
昨日に進級祝いと言って食い逃げしてリボーン達が作った借金を返そうとしていたが彼らによって借金は増えていき、最終的に何か月もバイトして返すことで話が付いたのだが元々はリボーン達が作った借金なので納得がいっていなかった。
(リボーンとガキ共が食べ散らかしては獄寺君が皿割っては店の物を勝手に食って……最終的にビアンキが作った新技で俺を含めてKO……うううっ、思い出したら腹が痛くなってくるよ……)
ツナは借金が膨れ上がった経緯とビアンキが作ったポイズンクッキングを思い出して腹が痛く感じて押さえるツナ。そしてやっと家に辿り着くがその時に何か違和感を感じていた。
(……ん?何かおかしいような……)
ツナは家から少し後ろに戻って隣の家を確認する。
そうしたらその家は家じゃなくって和風な外装の喫茶店に変貌していた。
そこには『喫茶リコリコ』というティーカップを模した看板が店の所にあった。
「なんだこりゃ~!!」
隣の家がまさかの和風の喫茶店に変貌していてツナは声を叫ばずに居られなかった。そもそもここは基本的に家しかない住宅地。喫茶店があるのは違和感しかなかった。
建物に入るべきかツナが悩んでいる喫茶店のドアが開く。
「あっ、ツナだ。お帰り!」
「……お帰りなさい、ツナ」
「ち、千束!?たきな!?」
ドアから現れたのは赤い色の和服を着た千束と青い和服を着たたきなだった。
まさかの人物が現れてツナは更に混乱する。
「リボーンさんから聞きました。借金が出来てしまって大変だったですね……そんな事態に駆け付けられず、すいませんでした!!」
たきなはツナを見ては目の前にすぐに頭を下げる。
「い、いや!いいって!あの状況でもし誰がいても状況は好転しなかっただろうし……寧ろ、たきなが巻き込まれなくって良かったよ……」
「ツナ……」
「ほら、言ったでしょう?ツナなら怒らずに寧ろ心配するって」
ツナがたきな大対して優しい態度を見せるツナ。そんなツナに対して彼女が申し訳ないと思っていると千束が腕をたきなの肩に乗せて喜んで言った。
「それにしても2人はどうしてここに?てか、この喫茶店はなんなの!?」
「まあまあ、落ち着いて。説明するから中に入って」
「う、うん!」
ツナは千束に誘われて恐る恐る喫茶リコリコに入っていくのであった。
+++++
「遅かったじゃねぇか。ツナ」
「何、くつろいでいるんだよ!リボーン!状況を説明しろよ!!」
店内にツナが入るとカウンターでコーヒーをゆったりと飲んでいるリボーンを見つけた。状況が呑み込めないツナは暢気にしているリボーンにツナは怒鳴り声で言った。
「簡単なことだぞ。この店の表向きは和風喫茶だがその実態はDAの支部だぞ」
「DAって前に言っていたボンゴレ内部組織……っていうやつ?」
「そうだぞ。……と言ってもここはDAの支部の中で珍しくリコリスとしての任務こそ請け負っているが大抵は町内の手伝いといった地域に根ざした活動が主だ」
「ち、町内の手伝い?マフィアなのに?」
リボーンの言葉を聞いて疑問を投げかけるツナ。
「寧ろ、マフィアだからだぞ。自分のシマに対して親切にしてその地域と連帯をとってこそのマフィアだ。まぁ、この地域の人間は裏の顔は知らねぇけどな」
「てか、ここを拠点に何をするつもりなんだ?」
「そりゃあ、ツナ。お前のファミリーが集まる拠点のためだ。そのためにわざわざこんな住宅地で沢田家の隣に作らせたんだからな」
「こんな不自然すぎる所にできたのはそういう事情かよ!?」
まさか住宅街に喫茶店が出来ていたのは自分の関係だと聞いてツナは驚きを隠せなかった。
「というか前の住人はどうしたんだよ!?まさか……」
「心配するな。前にここに住んでいた住人はきちんと"お話"をして安全にここを引いてもらったから安心しろ」
「逆に安心できないよ!!」
ツナはリボーンの発言に信頼できない顔で強く反発した。
リボーンが"お話"と聞いて、銃で隣の住民を脅しているシーンがツナの脳内には浮かんでいた。だが、それ以上は怖くって聞けなかった。
「ちなみにここは千束の信条に基づいて殺傷はNGとなっていてな。ターゲットは生きたまま捕縛。DAには直接引き渡さず提携しているクリーナーに現場修復のついでに引き渡しているとかなり異端な支部だ。支部が移動することさえ珍しいことなんだぞ」
「支部が移動って……前はどこにあったんだよ」
「東京都の墨田区あたりにあったんだが、9代目の依頼で一時的にアメリカに行って日本に戻った後はここに店を構えることになったわけだ」
「すげー変わった経緯してんな……」
日本から外国に行ってはまた日本に戻るというとんでもない動きをしているのに困惑するツナであった。
「と言っても今はボンゴレ10代目のお前を守るために地域住民の悩みなどを解決する場合を除いて仕事は自重しているぞ。まあ、元々喫茶としての側面が強かったからな」
「色々言いたいことはあるけど、とりあえず普通に喫茶店として使っていいのか?」
「ああ。お前にもここで働いてもらうけどな」
「はぁ!?」
まさかのリボーンの発言にツナは声を上げざる得なかった。
「なんでだよ!?そもそもオレはお前達のせいでできた借金で、山本の寿司屋にバイトしなきゃいけないことになっているんだけど!?」
「心配すんな。ここで働いて借金を返せばいいじゃねーか。山本の実家には話を通している」
「手際が良すぎる!!」
あまりの手際の良さに作為的なものを感じざるを得ないツナであった。
「あー……そろそろアタシ達の紹介してもらっていい?」
ツナとリボーンの会話に入り込んできたのは茶髪で眼鏡を掛けた緑の和服の女性だった。
「ああ、説明は一通り終わったからいいぞ」
「オレはまだ納得していないけど!?」
「まあまあ、とりあえず話を聞こうじゃない。ツナ」
「千束……」
言いたいことはあったが千束諭されてとりあえず周りの自己紹介を聞くことにするツナ。フロアにはここの従業員である5人が集まっていた。なお、そこには何人か見知った顔もあった。
そして最初に前に出たのは眼鏡で色黒で和服でダンディなおじさんの男だった。
「まずはここの店長のミカだな。ミカはオレの昔からの知り合いだ」
「始めまして、ボンゴレ10代目。店長のミカだ。よろしく」
「あ、はい。沢田綱吉です……あ、あの!出来たらその呼び方は止めてもらっていいですか……?オレはボンゴレ10代目になる気はないんで」
「……そうか。なら、通称から『ツナ』と呼ばせてもらおう。それでいいか?」
「は、はい!ありがとうございます!」
(良かった。店長はまともな人だ!)
ボンゴレの内部組織の支部の店長と聞いてあまりいいイメージがなかったツナだったが、目の前のミカはまともそうな男でツナの目から涙が溢れ出す。
「ちなみにミカはゲイだぞ」
「は?」
「ただ、ミカのタイプにお前は入っていないから安心しろ」
「いや、そうだとしてもそんなことをいきなり聞かされる身にもなってみろよ!!」
いきなりとんでもない情報を近くにいるリボーン小声で聞かされて叫ぶツナ。
その姿を見てミカは疑問を持つがツナは「な、なんでもない」と誤魔化した。
(というか前に『例え思っていても言わないのがマナー』ってお前自身言ってなかったか?…そもそもそんな情報、初対面で教えられたら嫌でも意識するって!)
これから一緒に働く人の秘密にしてそうな情報を聞かされてツナは困惑していた。
そんなツナをよそに次は先ほどの茶髪の眼鏡の女性が前にいた。
「それじゃあ、次はアタシね。アタシは中原ミズキ、店長補佐をやってるわ。よろしく」
「沢田綱吉です。よろしくお願いします、ミズキさん!」
ツナは礼儀正しく頭を下げて挨拶をする。
「ちなみにミズキは彼氏募集中だが年齢がある程度いってないとだめだし、理想が高いぞ」
(さっきからなんだよ!?その役立ちそうにない情報は!!)
「どうやら最近はディーノにお熱らしい」
(だから一体、どこからそういう情報仕入れてくるんだよ!!?そしてディーノさんにお熱なの!?)
役に立たなさそうな情報を言ってくるリボーンにツナは口で色々言いたい気持ちを抑えていた。そして自分の前には黄色い和服を着たクルミが来ていた。
「次はボクだな。……と言ってもツナとは面識あるし、説明は不要だな。とりあえず、よろしく」
「……落ち着いて考えたらたきな達と一緒だったみたいだし、そういやいるよな…よろしく、クルミ」
「クルミの年齢は不明だ。見た目通りかもしんねぇし、もっと年上かもしれねぇ」
(実はおばあちゃんの可能性もあるっていうこと!?……いや、深く考えるのはやめておこう)
リボーンの言葉で目の前のクルミがもしかしたらとんでもない年齢かもしれない可能性が浮かんだが、ツナはすぐに頭の奥にしまった。
「そういえば、よく隣が喫茶店に変わっているのに気が付かなかったな。いくら白いカバーとか掛けられていたからって普通、そんなことしていたら疑問に思わないか?」
「確かにな。1か月ほどは準備をしていたはずだぞ」
「うっ……てっきりお隣さんはリフォームとかしているだけだと思ってたし……母さんはともかくオレはお隣さんが何してようと興味なかったし……」
「なるほど……まあ、普通に考えてこんなところに喫茶店作るような奴はいないしな」
「それはそうとして1月も気にしていないのは無理がねーか?どんなだけ鈍感だ、お前」
「うるさいな!気にしていなかったんだから仕方がないだろ……」
気になっている疑問をツナから答えてもらったクルミは納得したようにうなずいていた。
リボーンからのツッコミに対して、ツナはうめくように答えるしかなかった。
そうしてクルミは後ろに行って、変わるように前には千束がいた。
「はいはーい!次は看板娘の錦木千束でーす!よろしく!!」
「あいかわらず元気だね……よろしく」
「千束はお前達と同じクラスだが、実はお前たちの1歳上だ」
「え゛っ!?」
ここにきてまさかの情報によりツナは動揺する。
たきなも呼び捨てにしていたのでてっきり同い年だと思っていた千束が実は年上だったのに驚愕する。
「どうしたの?そんなに驚いて」
「え、えっと…いや……」
「こいつにお前が1歳上だと教えやったんだよ」
「リボーン!!」
話を誤魔化そうとしていたのに内容をばらすリボーンにツナは声を荒げる。
そしてそのことをバラされた千束は顔を赤くして大慌てでツナに詰め寄る。
「ちょちょちょっと!つ、ツナ!勘違いしないでこれには海より深ーいわけが……」
「いや、いいよ。どうせリボーンが勝手にオレ達と同じ学年にしたかったとかだろ?」
「えっ……」
「もしそうじゃなくって、たきなと一緒に学園生活と過ごしたいからだとしてもオレは責めたりしないよ……友達と同じ生活過ごしたいっていう気持ちは分からなくないし……」
「ツナ……」
「そもそもうちの学校には自分の好きな学年になれるとかいうヒバリさんがいるし、今更だし……」
「それもそうか。あははははっ!!」
ツナの言葉に悩んでいた自分がおかしくなって笑う千束。
実際、ツナの推測はほぼ当たっていた。学年を選んだのはリボーンだったし、千束はたきなと学園生活を過ごしたくってそのまま学年を変更をしなかった。
「それで千束…先輩って言った方がいいのかな?」
「いや、千束のままでいいよ。学年を変える気はないし、いきなり同学年を『さん』付けもおかしいでしょ?」
「た、確かに……分かったよ…千束」
「よろしい!」
千束はツナの言葉を聞いて親指を上に突き出した。
千束の話が終わったのを見計らってたきなが最後に出てくる。
「さて、最後は私ですね。……これから一緒に働くのでよろしくお願いします、ツナ」
(……一応、働くって言ってはいないんだけどなぁ)
「よろしく、たきな」
「たきなは普段はロングヘアーだが、場合によっては髪型を変更するぞ」
(一番どうでもいい情報来たーーーーーー!!!)
今まで聞いていた中で一番どうでもいい情報を出されて何とも言えない顔になるツナ。
だが、落ち着いてたきなの髪型を見ると今のは彼女の髪型はいつもと違うツインテールだった。
(確かにいつものロングヘアーと違う髪型だ……)
「へへへっ、ツナ。ツインテールのたきなはかわいいでしょ?もしかして見惚れていた?」
「なっ」
「ち、千束!!」
千束の言葉にあからさまに動揺するツナ。
たきなはツナを揶揄っている千束を叱るように声を上げた。
「ごめんごめん。だって、ツナの反応が面白いだもん」
「まったく千束は……」
「それでツナはたきなの今の髪型をどう思う?」
「えっ……えっと、たきなに良く似合っていると思う……普段の髪型より好きかな……」
「ふぅ~ん。へぇ~……だってさ、たきな。よかったね」
「な、何がですか!」
千束の言葉に過剰に反応するたきな。その言葉と裏腹にたきなは顔を赤くなっていた。
「あいつら何してんの?」
「さあな。俺達が干渉することじゃない」
「まあ、ミズキには関係ないな」
「青春だろ」
ツナと千束とたきなのやり取りを見てミズキは気本を投げかけるがその場にいた3人は三者三様の答えを言うだけだった。
そんな中、店のドアが開かれる。
「ちわーす」
「失礼します、10代目」
そこにいたのは山本と獄寺だった。
2人は私服でどうやら1度家に帰ってからこちらに来たようだ。
「やっと来たな、2人共」
「えっ、お前が呼んだのかよ。もしかして2人にも働かせるつもりか!?」
「そうだぞ。なんせ、2人はお前のファミリーだからな。ここで働くのは普通だぞ」
「だからオレはマフィアにならないって!てか、そもそも山本は野球やら店の手伝いで忙しいのに呼ぶなよ!!」
ツナは自分の都合で人を巻き込むリボーンに憤慨していた。
獄寺は置いといても、ボンゴレに一般人の山本を巻き込んでほしくないのはツナにとって本音だった。
「まーまー、ツナ。そう怒るなって。確かに大変だけど、小僧も手伝える時に手伝えばいいって言っていたしな。借金返すために頑張ろうぜ」
「山本……」
「それにしても表向きは喫茶店で裏はマフィアの支部とか面白しれー設定だよな」
(ここでもマフィアごっこが関連していると思ってるのーーーー!?)
事前にリボーンから話を聞いていたのか山本は『リコリコ』のことを知っているがどうやらマフィアごっこ関連だと思っているらしい。
相変わらずの態度でツナは驚きを隠せない。
「んでも山本がいなくってもオレがいますからの安心してくださいよ」
「そうだね……」
(寧ろ、君がいるのが心配なんだよ、獄寺君。……皿洗いしていて皿が飛ぶのは君だけだよ……)
自信満々の獄寺に、ツナは昨日の寿司での借金を返すバイトで彼が皿洗いで皿を飛ばすという謎の怪奇現象じみたことを見ていたために、バイトをやらすことには心配であった。
「それじゃあ、話し合いはついた所で2人にこの店の店長や従業員を紹介するぞ。一緒に働くことになるしな」
「……うっす」
「楽しみだなっ!」
(結局、やることになるのか……)
獄寺と山本に『リコリコ』の従業員を紹介を行うリボーン。
もはやここで働くことが決まっているのをツナはタメ息をついては覚悟を決めるのだった。
「うわー!皆、似合ってるよ!!」
獄寺と山本に従業員の説明をした後にツナを含めた3人は仕事をするために和服に着替えた。
ツナ、獄寺、山本はそれぞれ橙、赤、青の和服だった。
「そ、そうかな……」
「そうだよ!たきなもそう思うでしょう?」
「なんで私に聞くんですか……まあ、確かに似合ってますよ。ツナ」
「え、あっ…ありがとう……」
たきなに褒められてツナは照れて右手で髪をいじる。
その態度に少し鼻が付いたのかミズキは「フン!」と鼻をならす。
「そろそろ時間だし、始めるわよ。ひよっこ共は見てなさい!」
「初めは私が接客とかするから今後のために参考してね」
「さて、ボクも今回は働くとするか」
「レジ打ちとかはお願いできますか?店長が苦手なので」
「おいおい、店長としての威厳を保たさせくれ……たきな」
(色々気になることはあるけどやっぱり頼りになるな……)
元々リコリコのメンバーはそれぞれ先輩としての威厳などを見せるために全員がやる気を見せていた。
そんな姿を見てはどこか頼りになるようにツナは感じていた。
そして店は開店し、ここから並盛での喫茶『リコリコ』の歴史が始まる――――
「って、客があんまり来ていないんっすけど!!??」
―――だが、その夢はしょっぱなから崩れた。
なぜなら、店を開店して人が数名だけで来るだけであったからである。
それが初日たけならまだしもそれが店を開店してから数日した現在でもそれが続いているからである。
「あれー?おかしいなぁ……こんなはずじゃなかったんだけどなぁ」
「『おかしいなぁ』じゃねぇよ!きちんと宣伝とかしてしているのかよ!?」
「一応、千束がSNSで店の宣伝を発信していますが……」
たきなはそういうとスマホの画面をいじってSNSの画面にしてはツナ達に見せる。
そこには確かに店の宣伝用のSNSがあっそれはそこそこ昔の物であるためか千束、たきな、ミズキ、ミカが映っているものであった。
「千束……お前、さては新しく更新していないのか?」
「えっ、あー……確かに今用に更新するの忘れていたかも……」
「このおバカ!!そんなんじゃあ、誰も店が開店したことなんて知らないわよ!ましてここ住宅街よ!!」
「ごめんってば~~!!」
ミズキが声を大きくして怒る中、千束は申し訳なさそうな顔をする。
獄寺はたきなはそんな千束を呆れた顔で見ていた。
ツナが唖然としているとミカは彼の傍にさりげなくに寄っていた。
「この店がDAの支部の仮の姿であるためにも、あまり広まってほしくないのが私の心情だ」
「なるほど……」
「…と言っても店長の私からしてもここまで人が来ないと困るが」
ミカは困った顔でツナにそう申した。
食事を出すタイプじゃないとしても店の維持には金が必要である。
店に客が来ないと店は赤字で潰れるのは当たり前のことであった。
「ど~し~よ~!このままじゃあ、借金を返す所の話じゃないよ~~!!!」
「ツナ……」
「それなら皆で店を盛り上げるように考えればいいじゃねーか」
悩むツナの前にリボーンが店のテーブルに座ってコーヒーを飲みながらそう言う。
ミカに向かって「昔と違って上達したじゃねーか」と嬉しそうに話していた。
その言葉を聞いた獄寺はバッと立ち上がった。
「そうですよ、10代目!!リボーンさんの言う通り、俺達で店の宣伝を行いましょう。開店して今ならまだ間に合いますよ!!」
「えっ」
「確かにな。獄寺の言う通りに今からでも俺達で店のことを広げればいいじゃねーか!」
「そうだよ!!やろやろ!!」
「獄寺にしてはいい考えですね」
「『にしては』とはなんだ!してはって!!」
こうして獄寺の言葉を皮切りに喫茶店『リコリコ』を広める作戦が実行されようとしていた。
++++++
「SNSについてはボクに任せろ」
「えっ、クルミが?」
まず最初にSNSでどうやって広めようか悩んでいるとクルミが手を上げた。
「写真は任すことになるがこういうSNSで拡散は任せろ。こういうのにはコツがいるんだ」
「オレはよくわからないけど、出来る人がいるなら玄人に任せた方がいいからね。お願いするよ」
「ああ。任された」
ツナに任させてクルミは微笑して頷いた。
ツナ達はSNSはクルミに任せて店の知名度を広めるために次の行動を出た。
「つまり、借金を返すために隣の喫茶店を繁盛させたいから口コミで喫茶店のこと広めて欲しいんですね!」
「う、うん。頼むよ」
ツナはまず家の近くにいたハルに声を掛けていた。
ネットを除くとしたら口コミが1番だと思い友好関係が広そうなハルにまず声を掛けたのだ。
勿論、山本に知り合いにリコリコを広めてもらったり、クラスメイトにも広める予定だが……。
「はい!任せてください!ツナさんのためにこの三浦ハル、一肌脱ぎます!!」
「頼むからこんな所で『脱ぐ』とか大声で言わないでもらえる!?」
力んで声を上げるハルにツナは嗜める。
それを近くで千束とたきなは愉快そうにそのやり取りを見ていた。
「相変わらず面白いよねー、ハルちゃん。私好きだよ」
「私は彼女がツナに対して無礼を働かないか心配です」
千束は楽しそうな顔を笑っていたがたきなは対照的なように少し不満げであった。
ハルがツナに迷惑をたびたびかけているためにあまりいい顔をしなかった。
とはいえ、たきな同じくらい迷惑かけているのは置いてておく。
「
死ぬ気弾を撃たれたツナは手に持っていた大量のチラシを持っては町の商店街などに素早く貼っていく。
そのチラシはリコリコのチラシ(ちなみに作ったのは男共。たきなと千束は芸術方面が壊滅のため)でリコリコについて広めるために皆で貼ったり、人に渡していたりしていた。
そんな中でやり方が手ぬるいと思ったリボーンがツナに死ぬ気弾を撃ち込んだのだった。
「やっぱ、すげぇよな。ツナ」
「当たり前だろ。オレ達も続くぞ!」
「おう!」
今のツナの行動を見た獄寺と山本は素直に感心して彼に感化されてチラシを町中に歩いている人々に積極的な配っていった。
「相変わらず死ぬ気のツナってヤバいねー」
「特殊弾でブーストされているとはいえ、あそこまで素早く動けるのは才能ですね」
「あれ?たきなって特殊弾のこと知っていたの!?」
「ええ、とある事件の時にツナがかなり困っていた時に私を頼って色々と話してくれました」
「ふぅん…思ったより信頼されているんだね、たきな」
「……どうなんでしょうね。そうだったら嬉しいのですが……」
たきなは素直に千束の言葉を肯定することが出来なく俯いていた。
ツナは誰でも優しく、公平に接してくれるためその真意が測りかねなかった。
「きっとそうだって!たきなは自信を持ちなよ~」
「近いですよ……という私達もチラシ配りをしないと……」
「ああっ!そうだった!!」
体を寄せて話してくる千束たきなは面倒く臭い顔をしつつ、本来の目的を彼女に思い出させる。千束はすっかり忘れていたようでたきなに言われて慌ててチラシを配り始めた。
(……『友達でいたい』。あの言葉には嘘はないんでしょうが、本当にあなたにとって私はどういう存在ですか……?)
たきなは前にツナに言われた言葉を思い出しながら自分が彼にとって自分はどういう存在が気になっていた。
だが、彼女はすぐな頭を振ってはチラシ配りに集中することにした。
そしてツナ達が頑張ってリコリコを宣伝した結果――――
「あのすいません。注文いいですか?」
「は、はい。ただいま!!」
休日の朝、喫茶店『リコリコ』は数日前と比べるとお客さんが来て繁盛していた。
……と言っても朝なのでお客さんも1人しかいないが。
今、店にいるのはツナ、獄寺、千束、たきな、ミカである。
ちなみに山本は野球の練習で不在でクルミは家の方へミズキは奥の方で調理をしていた(ちなみにリボーンはカウンターの隅っこでコーヒーを飲んでいた)
(……色々と宣伝したけど流石に朝はこないよなぁ……その代わりに夜は結構人くるけど)
朝方は流石に人は来なかったが、それでも時間が経つほどお客さんは増えていた。
夜は閉店後のボードゲーム大会に参加するものもいるので足を運ぶものが多い。
そうしているとまた新しいお客さんがドアを開けて入って来た。
「やあ…ミカ」
「!!」
入って来た金髪の藍色のスーツの長身の男は久しぶりに友人に会ったようにミカの名を呼ぶ。ミカも驚いたようにあからさまに動揺していた。
「いっらっしゃいませ!!」
(店長の知り合いかなぁ……顔を見てから明らかに心ここにあらずっていう感じだし……それにしても彼を見たらなんか嫌な予感するなぁ……)
千束が男に挨拶する中でツナは入ってきた男に対するミカの態度に気になっていた。そして現れた男を見た時、ツナはなぜか嫌な予感を感じていた……。
(リボーンは店長は『ゲイ』って言っていたしまさか……いや、止めよ……)
「おーい、注文はまだか!」
「す、すいません!た、ただいま!!」
ツナはお客に呼ばれて接客を集中することにした。
その後、接客しながらツナが聞き耳建てて聞いた話だとどうやら千束曰く初めて見たお客様でどうやらミカの知り合いらしい。
「あの男何者なんでしょうか?どこぞのファミリーじゃないでしょうね……」
「さ、さあ……」
(悪い人じゃない……のか?まあ、あからさまにヤバそうな人ならリボーンやミカさんも動きを見せるだろうしなぁ……オレの気のせいか)
獄寺の言葉にあいまいに返事をしてしまうツナ。
男にツナも何か引っかかる所があったがリボーンが気にせずにコーヒーを飲んで理愛の実かも邪険などしていないのでツナは自分の気のせいだと結論に至り、仕事に集中する。
「それじゃあミカ…コーヒー美味しかったよ」
「ああ……」
「お帰りですか~?」
コーヒーを飲んだ男はミカに礼を言っては立ち去ろうとしていた。
それを見た千束は彼に声を掛けた。
「ああ。とてもいいお店だね。すっかり気に入ってしまった」
「よかった~!またのご来店をお待ちしてます~~!」
「ありがとうございました」
千束は男に向かって手を振って送り出す。
たきなも頭を下げて送り出す。
「また寄らせてもらうよ、千束ちゃん」
(!この人、千束の名前を知っていた……?)
男が去る前の千束の名前をいう男にツナは違和感を持った。
千束とたきなは店長が話したと話し合っていたがツナは違うと思っていた。
ツナはどこか胸騒ぎを感じずにいられなかった。
これで沢田家の隣に喫茶リコリコが作られました。
今後リコリコが活用されるかわかりませんがこれによってリコリコのメンバー全員ツナ側になったことになります。
後半が少し雑になってしまったのはすいません。無駄に話を長くしてしまった自分の力量のせいです。
そして吉松が出ましたが……少しずつですが本編に関わっていく予定です。
読んでいただきありがとうございます。
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