ボンゴレファミリー所属の千束とたきな   作:たきな大好き0802

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この話はアニメ28話『ウソ!俺が殺したの?』の話を参考にして書いてます。
ご承知してください。


ええっ!オレが殺したの!? 

スーツの男が店に来店してから数日後、千束とたきなはリコリスの制服を着てそれぞれ店にいた。

リコリコでの和服ではないのでは今日が店の定休日であるからである。

 

「えええっ!!?最初はツナの所で住もうとしていた!!?」

 

「ええ。一緒に住んでいた方が何かあった時を考えたら一番合理的なことだと思ったんです」

 

たきなと軽い雑談の時に驚くべきことを聞いて千束は開いた口が塞がらなかった。

まさかたきながツナと同棲を考えていたとは考えていなかったからである。

 

「そりゃあ、そうかもしれないけどさぁ……いくら母親が一緒にいるとしても同年代の異性同士が1つ屋根の下で一緒に暮らすっていうのは流石にダメでしょう!!」

 

「……ツナにも言われましたが…『世間の外聞が悪い』というやつでしょうか?」

 

「そ、そうそう!世間の外聞が悪いよ!!」

 

(なぁんだ。ツナの奴、きちんと言ってあるじゃん。ビビッて損した)

 

どうやらツナがたきなから提案されて時にきちんと理由を伝えていて千束は安堵していた。

たきなも既に納得はしているようで軽い雑談の話題として出しただけでそれ以上は話す気はないようだ。千束は(なかなかヘビーな話題振って来たな…)と思いながら話を変える。

 

「それにしても暇だよねー」

 

「……というか開店前の時間ですし」

 

千束が言うと店内は「ガラン」としていて静かで千束達以外の物音もしない。

 

「いやいや。ここまで人がいないのは珍しいことだよ!!」

 

「確かに…店長は昨日に知り合いの人たちとお酒を飲んで店の奥で寝ていますし、ミズキは個人的な買い物中でクルミは……商店街の福引で当たったチケットでランボとイーピンと一緒に遊園地にいくんでしたっけ?」

 

「そうそう。つまり、今日はたきなと2人っきりってこと!いやー、こんなにうれしいことはないって!!」

 

リコリコのメンバーが全員がそれぞれの事情でいないことでたきなと2人っきりのことに、千束は満面の笑みで語る。

 

「そこまで嬉しいですか?」

 

「嬉しいよ!1年ほど離れていたし、こっちに来てもツナ達と一緒のことが多かったしリコリコのこともあって中々2人っきりになれなかったじゃん。……たきなは嬉しくないの?」

 

「……まあ、嫌じゃないですよ」

 

「やったー!!」

 

たきなの答えを聞いて千束は嬉しそうに彼女に抱き着いた。

たきなは驚きながらも嫌そうな顔をせずにそのまま彼女を支えた。

 

「それじゃあ、外にお出かけしようか?行先は行ってから決めるっていうことで」

 

「いつものことじゃないですか……まあ、千束らしいと言えばそうですけど」

 

「いいじゃん。楽しそうだし、早速、出かける用意を――――」

 

 

 

「お、オレの人生はもう終わったんだ……もう自首するしかない!!」

 

「ツナさんが刑務所から出るまでハル待ってますから!!手紙いっぱい書きますから!!」

 

 

 

隣の沢田家の2階からツナとハルの声が大きく聞こえてきた。

聞こえてきた単語で普通ではないことが起きているのは予想できた。

 

「……千束、申し訳ありませんが。お出かけは中止です」

 

「分かっているって。どう考えても異常事態なのは察せるしね」

 

2人は銃などを入れたバックを背負って急いで沢田家に向かった。

「おじゃましまーす」と言って沢田家に入る2人だが、丁度奈々はいないようで靴を脱いではすぐさま2階へ向かった。

 

「大丈夫ですか!ツナ!!」

 

たきなが声を荒げて2階のツナの部屋を見ると、そこには膝をついて泣いているパジャマ姿のツナとハル、それを茫然として見ている獄寺と山本の姿があった。

そしてベッドには知らないニット帽子の男が倒れていた。

 

「一体何があったんですか!?」

 

「た、たきな…千束……」

 

ツナはやって来た2人を涙目を流しながら見ていた。

 

+++++

 

「――――というわけなんだよ……」

 

それからツナから事情を聞いた獄寺、山本、たきな、千束。

話をまとめると夜に部屋に入って来た男をツナが殺してしまったらしいということ。その証拠に男の顔に殴られた跡があり、それがツナの拳と一致したらしい。

千束とたきながリボーンから聞いた話によるとツナの防衛本能が殺し屋の才能を目覚めさせたらしい。

そしてごくまれに死ぬ気弾を受けすぎるとピンチの時に死ぬ気モードになる奴がいるらしく、それがツナで命の危険を感じて死ぬ気モードになって侵入者を殴り殺してしまったということらしい。

 

(いやいや!撃たれすぎて死ぬ気モードになっちゃうのってあるの!?そもそも死ぬ気だからってツナが人を殺すわけがない気がするけどなぁ……あっ、でも小言弾を受けていなくて超直感が働いていないなら事故で脳震盪が起きて殺してしまったかもしれない……)

 

千束はリボーンの話を聞いて、死ぬ気になったとして人殺しをするか疑問に思っていたが、無意識で死ぬ気モードになっては超直観が働いていないために起きた事故ならあり得るかもしれない……と千束は推測する。

 

(それにしてもこの倒れている人ってどこかで見たことがあるような……うーん…どこだっけ……?)

 

千束は倒れている男の顔にどこかも覚えがあった。

だが、それがどこかだったのか思い出せずに思い悩んでは「う~ん」と唸っていた。千束が頭を悩ませていると獄寺達はツナを心配していた。

 

「落ち着けよ。ツナは覚えていないんだろ?」

 

「そうです。この男がツナの部屋に侵入して来たなら泥棒でしょうし、返り討ちしたなら正当防衛になるはずです」

 

「たきなの言う通りっスよ。だいだいこいつ本当に死んでんスか?」

 

獄寺はそういうと持っていたタバコに火をつけて死体の近づける。

 

「おい!起きねーと根性焼きいれっぞ!」

 

タバコを瞳孔に近づけると目は「ピクッ…」と動き出していた。

周りは慌てだしてはハルは救急車に電話をしようとするがリボーンは「医者を連れてきた」と伝えて連れてきたのは……。

 

「Dr.シャマルだ」

 

「ヒック」

 

(酔いどれーーーーーー!!!)

 

リボーンが連れてきたのは酔いつぶれたDr.シャマルだった。

酔いながらもシャマルはなんとか立ち上がる。

 

「Dr.シャマル!早く患者を診てください!!」

 

「そーだった、そーだった。死にかけな奴がいるんだった」

 

シャマルはそういうとたきなの前に立って手で胸を触ろうとしているとたきなはノーモーションでシャマルを殴り飛ばした。

 

「げふっ」

 

「……相変わらずですね。Dr.シャマル」

 

たきなは顔を嫌悪感丸出しでまるでゴミを見るような目でシャマルを見ていた。

明らかに普通じゃない態度に千束は違和感を持ったためにツナの傍に寄って彼に尋ねた。

 

「ねぇ、たきなってあんなにもシャマルに対してあたりがキツいの?」

 

「さ、さあ……?前にオレに掛った病を倒すためにシャマルと取引をしてキスで引き受けたけど、直前になってなぜか嫌がって辞めたんだ」

 

「ええっ!!?どうして!!?」

 

「さあ…多分、ボスのオレが見ていたからそういうのを気にしていたんじゃないかな?」

 

「ああ……そういうことかぁ」

 

ツナの話を聞いてなぜたきなが契約したのにそれを破ったのか納得した。

ただ、それは彼が考えている理由とは別ではあった。彼女はボンゴレ10代目ではなく、『沢田綱吉』にキスされるのを見られたくなかったと理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、シャマルに患者を診てくれるようにツナは頼んだがシャマルは男は診ないと言って断っていた。

そしてシャマルは本当に生きているか確かめるように言った。ツナ達は男の生存を確かめるために瞳孔、息、心臓を確認することにした。

 

「瞳孔開いてます」

 

「息も止まっている……」

 

「心臓……止まってる」

 

「「「「「……ということは……」」」」

 

(死んでる………)

 

色々と確認した上でツナ達は男が死んでいることを確認する。

その結果は彼らを沈鬱な表情にさせて黙らせてしまう。

 

「仏さんには用はねぇ。じゃあな、千束ちゃん。また機会があったらゆっくり会おうな」

 

「うーん……時と場所によるかなぁ」

 

「けっこうけっこう!またな千束ちゃん。んー……ちゅ」

 

シャマルは千束に向かって投げキッスをしてその場を去っていった。

それを見たハルは寒気を感じたのか体を震わせていた。

 

「千束はあの男と知り合いなんですか!!?」

 

「顔が怖いよ……まあ、ちょっとした知り合いっていうだけだよ。だからそんなに怖い顔しないで……ね?」

 

(千束ってシャマルと知り合いなのか……)

 

シャマルと千束が知り合いと聞いてたきなは心配なのか怖い顔で迫っていたが千束は彼女を引き離して宥めた。

その会話を聞いてツナは千束がシャマルと知り合いなのに驚くが、すぐに今自分が置かれている状況を思い出す。

 

「それより……死んでるってことは、オレの人生やっぱり終わりだあああああっ!!!」

 

「安心しろ。こんな時のためにもう1人呼んでおいたぞ」

 

「えっ」

 

ツナが驚きの声を上げるとバイクが走る音がして沢田家の前で止まる。

すると家の塀を登り窓を開けてとある人物が入ってくる。

 

「やあ」

 

「ヒバリさんーーーーー!?」

 

急に現れた人物にツナは驚き、他のメンバーは警戒しだす。

だが、雲雀はいつものぎらついた様子はなく落ち着いていた様子であった。

 

「赤ん坊に貸しを作りに来たんだ。ま、取引だね」

 

「待っていたぞ、雲雀」

 

「ふーん……」

 

ヒバリは倒れている死体を興味深そうに見ていた。

 

 

「うん。この死体は僕が処理してもいいよ」

 

「はあ~~~~!!!?何言ってるんですか!!?」

 

 

雲雀の発言にツナは激しく動揺する。

自校の風紀委員長が犯罪を犯すことを言い放ったから当然ではある。

 

「死体自体を消して犯罪自体を無かったことにしてくれるんだぞ」

 

「それは色んな意味で不味いから!!」

 

リボーンは補足するがそのことが更にツナを不安にさせる。風紀委員が死体があった事実さえなかったことをするなど前代未聞だった。聞いたこともない。

 

「じゃあ、あとで風紀委員の人間をよこすから」

 

「委員会で殺しもみ消してんの~~!!?」

 

「またね」

 

「いや!ちょっと待って!!」

 

雲雀は要件を言うだけ言うと窓から飛び出してさっさとバイクに乗って姿が見えなくなっていた。ツナが止めようとしていた時には既にその場にはいなかった。

 

「ど、どうしよう……風紀委員が事件をもみ消したうえでヤバいことを吹っ掛けられる~!!」

 

「十代目……」

 

「ツナ……」

 

「ツナさん……」

 

ツナは雲雀に任せてもロクでもないことになるのを察して頭を抱えて悩みだす。

獄寺達はそんなツナを見守るしかなかった。

 

「……ツナ、風紀委員は私たちが何とかしますので自首しましょう」

 

「えっ、で、でも……」

 

「落ち着いて聞いてください!死んだ男は家に入り込んできた。ツナはその男ともみ合って殴って突き飛ばしたら相手を殺してしまった……取調室ではそう証言してください」

 

「ええっ!!?」

 

たきなの提案にツナは驚愕する。まさか自首した上で警察の取り調べでそう話すように促しているのだ。たきなはさらに話を続ける。

 

「状況的にそう見るのが自然です。基本的に正当防衛と見られるでしょうし、あなたの年齢的に最悪でも少年院送りだけかもしれませんが念のためです」

 

「ちょ、ちょっと!どういうこと!?」

 

「殺してしまった男は他人の住居に侵入してツナの部屋にいた…記憶がないことを黙って争った話を作れば警察も信じるでしょう。そうすれば正当防衛でツナに罪は無くなる」

 

「そうか!泥棒が襲って来て身を守ったことにすれば、ツナに罪があることにならないんだ!」

 

「ええ。そういうことです」

 

たきなの話の意図を察して千束が補足を行った。状況的に非があるのは入って来た男の方なのは明らかである。

多少不明慮な所があるとしてもそこを補えれば

 

「よくわからないけど、そういう方法で行けばオレは罪に捕らわれないってこと?」

 

「ええ…ここにいる皆さんが周りに話さないことが前提にはなりますが……」

 

たきなはそういうとちらっと獄寺達を見る。彼らは近くにいたために当然今までの話を聞いていた。

 

「10代目のためだ。黙っているに決まっているだろ!」

 

「死んだ人には悪いけど…泥棒だったみたいだし運がなかったていうことだな……」

 

「ツナさんのためならハルは秘密を墓場まで持っていく覚悟です!」

 

「ツナは自分の意思で人殺しをするような人じゃない……不幸な事故だったんだよ」

 

「ふっ……ツナ。お前はいいファミリーに恵まれたな」

 

「ありがとうたきな!本当にありがとう!!」

 

獄寺達の覚悟を聞いてリボーンは感嘆の声を漏らす。

今の自分にとって救いになる提案で、ツナは涙を流しながらたきなの手を握ってお礼を言っていた。

 

「ぼ、ボンゴレ…いえ、ツナの危機ですし、仲間としてこれくらいは当然のことです」

 

(あっ、言い直した。そして『仲間として』ね~…それが抜けないと前に進めなさそうだよ。たきな)

 

ツナにストレートにお礼を言われながら手を握られているためか顔を赤くして顔をツナから逸らすたきな。それを見ていた千束は楽しそうに見ながらたきなの想いの今後を考えていた。

 

 

「ツナくーん。こんにちわー!」

 

 

そんな時、家のチャイムがなって京子ちゃんの声がした。

彼女は前日からツナに『話したいことがある』と言って会う約束をしていたのだった。

 

「そ、そうだった!今日は京子ちゃんが来るんだった!!」

 

「や、やばいじゃん!死体をこのまま置いて置くのは危険すぎるよ!!」

 

「とにかく隠しましょう。自首するのは彼女が帰ってからにしましょう」

 

京子ちゃんが来たことにより獄寺達は慌てて色々と片付けを始める。

ツナも部屋の外に出てすぐさま着替えを始める。

慌ただしくしている中でリボーンは下に降りて京子を向かい入れた。

そして京子ちゃんは2階のツナの部屋に向かうのだが……。

 

「ツナくん!」

 

「よぉ……笹川」

 

「京子ちゃん、お日柄も良く……」

 

「京子ちゃん、いらっしゃい!」

 

(私と千束以外、あからさますぎます!……死体とか見たことがない人が多いでしょうし、仕方がないでしょうが……)

 

訪れた京子ちゃんをツナ達は向かい入れるがその態度はどこがぎこちなかった。たきなはそのあからさまな態度に呆れていたが死体に慣れていないのを思い出して強くは責めなかった。

そして死体はとりあえず押し入れに入れて隠すことにした。とりあえずの処置で雑なのは仕方がなかった。

 

「京子ちゃん、こっちに座って!」

 

ツナは座布団を置いてそこに京子ちゃんが座るように促した。

彼女が座った後、京子ちゃんが話したい事を聞いた後にさっさと帰ってもらおうと考えていた。

だが――――

 

「うわっ!」

 

隠していたはずの死体の腕が押し入れからはみ出していた。

それを見たツナ、獄寺、山本、ハルの4人はあまりのことに顔が引きつっていた。

流石の京子ちゃんもおかしいと思ったのか皆の視線がある後ろを振り返る。

死体はなぜか押し入れから出て倒れそうになっていた――――

 

(もうお終いだーーーーーーー!!!)

 

それを見ていたツナはこの世の終わりのように涙を流しながら絶望していた。

 

 

「うひゃひゃひゃっ!!!」

 

「コラ!ランボ待つ!!」

 

 

そんな時、開いていた窓から遊園地に行っていたはずのランボとイーピンがいきなり入って来て部屋を飛び回る。

 

「ら、ランボとイーピン!?クルミと一緒に遊園地に行ったはずじゃ……」

 

「それについてはボクが話そう」

 

「クルミ!!」

 

いつの間にか部屋に来ていたクルミがドアの方からやってきていた。

そうしてクルミは何故ここにいるか話始めた――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人で無事に遊園地に着いたのは良かったが、そこで入場券を持っていたランボが自分の頭のもじゃもじゃに入れていたためにどこかに無くしてしまったらしい。

ランボも必死に探していたが見つからずにイーピンが怒りだしランボとイーピンの追いかけっこが始まっていた。

 

「こんなことなら最初からボクが持っておくべきだったな。まあ、当てたのはランボだったからボクが持たせてもらえたかというと微妙だけど」

 

クルミが話し終わるとランボは「ランボさんは悪くないもんねー!」と言って窓を飛び出していった。勿論、イーピンもランボを追いかけてその場からいなくなる。その場にいた皆は唖然としてその様子を見ていた。

 

「一体なんだったんでしょう……」

 

「さ、さあ……?」

 

「それより一体なにがあったんだ。獄寺達が顔を引きつっているから気になっているんだが……」

 

「事情は話しますので廊下に行きましょう」

 

たきながそう伝えるとクルミはたきなについて廊下に向かった。

千束も心配なのかその後をついて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてたきなと千束はクルミに全てを話した。

ツナが人を殺してしまったかもしれないこと、生きていたことに望みをかけたが男は死んでいたこと、その死体をどうするかみんなで悩んでいたことなど。

話を聞いたクルミは少しの間、考えては口を開く。

 

「なあ、ボンゴレ10代目が人を殺したのならボンゴレ本部とかに頼めばあちらで処分とかしてくれないのか?まだきちんと継承していないとしても次期ボスだろ?」

 

「あっ…確かに……」

 

「完全に失念していました……」

 

クルミの指摘に今気が付いたように「ハッ」とする千束とたきな。

そんな2人にクルミはため息をついた。

 

「はぁ……お前ら、ボンゴレのエージェントだよな?エージェントならボスが故意であれ事故であれ、罪を犯したらそれを隠すために全力で動くべきじゃないのか?そもそもこういう時に本部とかの力を借りるべきなんじゃないか?」

 

「すいません……完全に失念していました……」

 

「いやー…ツナが人を殺したと聞いて気が動転しちゃった……」

 

「お前ら……本当にボンゴレのエージェントか?」

 

クルミは2人の態度に呆れかえっていた。

『リコリス』はエージェントと聞いていたがここまで杜撰だと疑いたくなるのも仕方がないものだ。

 

「私、すぐに本部に電話してきます!!」

 

「頼んだよ!!」

 

たきなはクルミが言ったことを行おうと階段を下りて電話を掛けようとする。

途中でたきなはツナの代わりに宅配便の受け取りに行った京子と一緒になった。

 

「あっ、たきなちゃん。どこかに電話?」

 

「ええ……少し……」

 

たきなは彼女のどこかほんわかした彼女が苦手だった。

そのためか彼女との会話の時少しどもってしまう。もっとも理由はそれだけではないが……。

とにかく、彼女は速足で下に降りて裏口から家を出て外で小声でボンゴレ本部に連絡するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで安心だね!」

 

下に降りていったたきなを見送くってクルミにそう言う。

 

「それにしてもツナが無意識で人を殺すかねぇ」

 

「それは私も思っていた。殴り飛ばして打ちどころが悪かったんだろうけど、どこかしっくりくこない」

 

(それに死体の人はどこか見たことがあるような……うーん…思い出せないなぁ……)

 

千束は死体の男の顔が引っかかっていた。見たことがあるように感じるがそれがどこか思い出せなかった。

ちなみにツナ達の部屋では例の死体を劇の道具と言って京子ちゃん達を誤魔化していた。途中で京子の兄の了平もツナの部屋に来ていた(そもそも京子の『大切な話』というのは了平から頼まれてツナにボクシング部に入ってもらうことだったらしい)

 

「あ、とにかくこれで一見落着――――」

 

 

 

次の瞬間、千束達のすぐ近くで爆発音が耳に轟いた。

 

 

 

 

「ちょちょちょ!!?何があった!!?」

 

音を聞きつけた千束がツナの部屋に入るが部屋には死体がなかった。ツナ達はそれぞれ慌てるように部屋から出ていこうとしていた。

出ていこうとしていたツナは千束の目の前で足を止めた。

 

「千束!実は戻って来たランボの奴が手榴弾を投げつけて……って、それ所じゃない!今の爆発で死体が吹き飛んじゃって宅配便のトラックの上に乗ってどっかにいっちゃったんだ!!」

 

「ええええっ!!?どうしてそんなことに!!?」

 

「オレが一番聞きたいよ!!!」

 

あまりにも焦っているためかツナは質問に対して強く当たってしまう。

大声で千束がびっくりしたのを見て、ツナは申し訳なさそうに「……ごめん」と謝る。

 

「そんなに申し訳なさそうな顔をしないで。私は気にしていないからね、ね?」

 

「ありがとう。オレは他のみんなと一緒にトラックを追いかけるつもりだけど千束とクルミはどうする?」

 

「私も一緒に行くよ!死体がこのまま外に行くのをほっとけないし」

 

「ボクは追いかけても役に立たないからドローンでサポートさせてもらうよ」

 

「それじゃあ、行こう!」

 

ツナがそういうとツナと千束は部屋を出て行っては階段を下りる。

そこで階段を上ってくる京子とすれ違う。

 

「あっ、ツナくん。荷物が――――「ありがとう!部屋に置いといて!!」

 

今、京子に対して目を向けている余裕がないツナはそういうとさっさと家を出ていった。千束も彼を追いかける中で廊下でたきなと鉢合う。

 

「千束、皆、どうしたんですか?どうやら慌てているようでしたが……」

 

「たきな!実は……」

 

千束はすぐさま、死体が手榴弾に吹き飛ばされてそれがトラックの上に乗って行ってしまったことを話した。

それを聞いたたきなの顔色がすぐに青くなっていく。

 

「なっ……かなりヤバいじゃないですか!!」

 

「だから、そう言っているんだって!!早く追いかけないと……」

 

「待ってください。闇雲に行っても意味がありません。まずはツナと連絡してどこら辺を走っているか連絡してそこから先回りしましょう」

 

「おお!たきな、冴えてる!!」

 

「普通のことだと思いますよ……まったく、本部に連絡して本部の人間が死体を何とかしてくれると話が付いたというのに……」

 

たきなは愚痴りながらもスマホを動かして電話を掛ける。

やっとうまく事が運びそうだと思っていたのにまさかの死体が外に出るという予想外の展開になってたきなは焦っていた。

 

 

 

それから数分後、たきな達はツナからの連絡を受けて死体が乗ったトラックの場所まで向かうのだった。

 

+++++

 

それからツナ達は死体を乗せたトラックを止めるために色々と行っていた。ハルがトラック運転手に電話して死体がトラックに乗っていることを伝えるがいたずら電話だと思われて切られてしまったり、獄寺がダイナマイトで吹き飛ばそうとしたり、食材探しから戻って来たビアンキがポイズンクッキングで道に穴を開けて妨害するが全てタイミング悪くトラックが宙に浮いて妨害を避けていってしまっていた。

 

「こうなったら私がトラックのタイヤを狙撃して止めます」

 

「たきなの狙撃は正確だからね!きっと止められるよ」

 

たきな達が今いる場所から少し離れた橋を走っている死体を乗せたトラックを追いかけながら、たきなと千束は話し合っていた。

今丁度、トラックの前にはイーピンとランボが目の前にいた。

 

「イーピンにまかせて」

 

イーピンは『餃子拳』…で臭いを放ちトラックの運転手に当てて動きを封じる。

餃子拳とは餃子餡の食べた後の臭い息を拳法で圧縮してそれを相手の鼻に叩き込んで脳を麻痺させる。そして脳が麻痺して筋肉が動いてまるで念動力のように相手を動かす拳法のことである。

 

「今です!」

 

「ランボさんもやるもんねー!」

 

トラックのタイヤを持っていた拳銃で狙撃するたきなと手榴弾をトラックに向かって投げるランボ。

だが、タイミングが悪く、手榴弾の爆発によってトラックは浮いて拳銃の狙撃は当たらずにトラックはそのまま高く飛んでランボ達を大きく飛び越えた。

 

「そ、そんなバカな……」

 

「いやいや!この展開は予想できないっしょ!?」

 

まさかの狙撃失敗で動揺するたきなと彼女を宥める千束。

千束からしてもこの状況は驚きを禁じ得なかった。

 

「色々と手を尽くしているけどこのままじゃあ、死体がどこかに放り出されるのも時間の問だ――――「うおおおおおおおっ!!!」

 

「つ、ツナ!?」

 

叫び声が聞こえると思って後ろを振り返るとそこにはツナがパンツ一丁で走り出して2人を通り過ぎていた。彼が走り去っていった方向にはトラックが向かって走り去ったところだった。

 

「またリボーンが死ぬ気弾を撃ったみたいだね……」

 

「聞いた所だと死ぬ気弾の継続時間は5分らしいですから怪しい所ですね。間に合えばいいのですが……」

 

【聞こえるか2人共、あの配達の車の行き先が分かったぞ】

 

千束とたきなのインカムから声が聞こえてきて空を見るとそこにはドローンが飛んでいた。そのドローンはクルミが操っているもので声の主は彼女であった。

 

「クルミ!ナイス情報!」

 

「これで先回りできますが……一体どこなんですか?」

 

「それは――――」

 

クルミから告げられた場所は意外な場所であった。

 

+++++

 

それから死ぬ気状態のツナは死体を乗せたトラックを追いかけていた。

煙突に上ってトラックを探したり、下水道に落ちてもそこから必死に走り出してマンホールから出てトラックの近くまで飛び出すが――――

 

「時間切れだな」

 

リボーンがそう呟くと彼の額の炎は消えてツナはトラックを目の前にして地面に突っ伏す。丁度、配達する場所だったのか中から宅配の人が出てきてふらつきながら荷物を持っていく。

ふらついてるのはトラックを止めるためにツナ達が色々とやってきたことで精神的にダメージを受けたからである。

 

「ハンコをください…山本さん…」

 

「えっ……山本……!?」

 

ツナが顔を上げるとそこは山本の実家の『竹寿司』であった。見知った場所にたどり着いたことを知ったツナは項垂れながら体を起こす。そうしていると次々とツナの仲間が集まって来た。

 

「十代目!」

 

「ツナさん……」

 

「皆ありがとう。オレ……自首するよ。たきなが言ったことがどこまで警察が信じてくれるか分からないけどやってみるよ」

 

「ツナ……」

 

「ツナさん……」

 

「沢田……?」

 

涙ぐみながらそう呟くツナに彼の周りの人間は悲痛な表情をしながら彼の名前を呼ぶことしかできなかった(了平だけ状況が呑み込めていないためか疑問形だったが)

 

 

 

 

 

「警察に?どうしてですか?」

 

 

 

 

 

「だって…オレ…人を……って、えっ?」

 

ツナは聞いたことがない声に思わず驚きの声を上げる。

声がした方向を見るとトラックの荷台の上に乗っていた死体がなんと肩膝をついて起きだしたのだ!

 

「始めまして、10代目」

 

「い、い、生き返った~~!!?」

 

「み、ミステリアスです……」

 

「一体どういうことですか……!?」

 

まさかの生き返った目の前の男を見て唖然とする一同。

悩んでいると男の隣に先ほどから見えなかったリボーンが現れる。

 

「こいつは殺され屋の『モレッティ』だぞ」

 

「えっ!?」

 

「モレッティは自分の意志で心臓を止めて仮死状態になる「”アッディーオ(さようなら)”」を使うボンゴレの特殊工作員だ」

 

リボーンがそう告げると何かを思い出したように千束は握った右手を左手の上に「ポン」と置く。どうやら何かを思い出したらしい。

 

「そうだ!殺され屋のモレッティだ!どこかで見たことがあると思っていたけど、やっと思い出したよ」

 

「それ、もっと早く思い出して欲しかったよ!!!」

 

ツナは思い出した内容を聞いて叫ばずにいられなかった。

もっと早く思い出してくれていればここまで大変な騒ぎにならなかったのでは……?と思っていた。

 

「じゃあ死んでいなかったの!?全部嘘!?」

 

「そうだ。死ぬ気弾の使い過ぎで勝手に死ぬ気モードになってしまうというのも嘘だ」

 

「なんでそんなことを!?」

 

どう考えても手が込みすぎて問い詰めなければツナは納得することはできなかった。

 

「いやぁ、こいつが丁度日本に遊びに来たんでな」

 

「10代目に挨拶がてら”アッディーオ(さようなら)”を見てもらおうと思いまして」

 

「他に見せ方あるでしょ!!?こんな嘘までついて……」

 

ツナが呆れているとモレッティとリボーンは荷台から飛び降りる。

そしてリボーンは顔を上げてツナの方を見る。

 

「知らねーのか?4月には嘘をついてもいい日があるだろう?」

 

「それは4月1日、エイプリルフールだけだって!!」

 

「オレにとっては4月中はいつでもエイプリルフールだぞ」

 

「なっ………」

 

今まで破天荒な場面はたくさんあったが流石にリボーンの今の発言にはツナは絶句した。そして事の真相を知っては体の力が抜けてしまい膝をついて項垂れる。

 

 

 

 

 

「そ、そんなーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

ツナの周りには彼の絶叫じみた悲鳴が響くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、雲雀が呼んだ風紀委員とたきなが呼んだボンゴレの人間の間で争いごとが起きてひと騒動が起きるのだが……それはまた別の話。




これでモレッティ回は終わりです。
原作というか日常編に千束とたきなが入り込むっていう感じで考えていたのですが……。思ったより長くなってしまって、困っていたり。
これでも短縮とかしたんですけどねぇ……(汗)


読んでいただきありがとうございます。
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