ボンゴレファミリー所属の千束とたきな   作:たきな大好き0802

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今回からあまりにも話が飛び過ぎの場合はあらすじを付けることにしました。
そこで簡易に経緯を説明した後に本編に行く感じに。

あらすじ:10年後山本と出会ったツナ達は地下のアジトに行き、途中で特殊なバリアに引っかかったラルが倒れたアクシデントがありつつも変わったスーツを着たリボーンと再会するのであった。そこでツナと獄寺はモニターに映し出された映像から日本の並盛だということを知るのであった。


覚悟の炎

ボンゴレの10年後のアジトの一室にてツナ、獄寺、千束、10年後山本、10年後たきな、リボーンが集まっていた(ラルは倒れており、近くのソファーに寝かされている)

 

「現在、全世界のボンゴレ(サイド)の重要拠点が同時に攻撃を受けている。もちろんここでもボンゴレ狩りは進行中だ」

 

「ボンゴレ…」

 

「狩り…?」

 

「おまえ達も見たはずだぞ。ボンゴレマークのついた棺桶を」

 

「それってオレ達のことー!?」

 

(やっぱり10年後の私達って……)

 

「てめえ!!」

 

リボーンの言葉で察した獄寺が山本を殴る。

 

「何をしてやがった!!何で10代目があんなことに!!」

 

「ひいっ!獄寺くん!」

 

獄寺が山本を問い詰め、ツナは彼が怒り狂う姿を見て怯える。

殴られた山本は口から血を流しながら悲しい顔で「すまない」と言うのであった。その時は山本だけでなく、近くにいたたきなも同じような悲しい表情をしていた。

 

「てめえら、すまねーですむわけ…!!」

 

「やめろ、獄寺。10年後のお前もいたんだぞ}

 

「!く……そ……」

 

リボーンの言葉に獄寺は冷静になってなんとか言葉を飲み込んだ。その姿を見てリボーンは話を続ける。

 

「敵であるミルフィオーレファミリーの恐ろしいところはもちろん戦闘力の高さだが、それよりもやベーのは目的がただ指輪を得るための勝利や制圧じゃないことだ」

 

「!?」

 

「本部が陥落した時点でミルフィオーレは交渉の席を用意してボンゴレ側のある男を呼びだしました。ですが、奴らはその席で一切交渉などせず男の命を奪ったんです……」

 

たきなが語る事実に過去からやってきたツナ、獄寺、千束の3人は絶句していた。そして流れからその相手も察してはいた。

 

「それからもこちらの呼びかけにも一切応じず、次々とこちらの人間を消し続けている…奴らの目的は―――ボンゴレ側の人間を1人残らず殲滅することだ」

 

「つ…つまり過去からきたオレ達も危ないってこと…?」

 

「やばいじゃん!」

 

「それだけじゃねーぞ。おまえ達と関わりのあった知り合いも的にかけられてるんだ」

 

「!」

 

「うそ…!?」

 

「そ…それって!」

 

リボーンの言葉にツナ、獄寺、千束はそれぞれ狼狽する。自分の顔見知りがこの時代で殺されているかもしれない事実にビビっている。

 

「うろたえんな。まだ希望がなくなったわけじゃねえ」

 

「山本、たきな、バラバラに散ったとはいえ、まだファミリーの守護者の死亡は確認されてねーんだな」

 

「ああ…」

 

「他の守護者が殺されたならすぐに情報が来るはずです」

 

「ならやることは1つだ――――お前はちりぢりになった6人の守護者を集めるんだ」

 

「え!?」

 

リボーンの宣言にツナは戸惑いの声を出す。なぜそんな結論になるのか理解できないからだ。

 

「歴代ボスもずっとそうしてきたんだ。ボンゴレに危機が訪れる時、必ず大空は6人の守護者を集めどんな困難をもぶち破る」

 

「だ…だけどたった7人集まったところで…」

 

「そうだよ!確かに7人は強いけどこんな状況で7人だけじゃ…アニメや漫画なら分かるけど」

 

リボーンの言葉に反論するツナと千束。敵の総力を聞いてどう考えても仲間達が集まった程度で逆転できるように思えなかった。

 

「逆だぞ。奴らと勝負できるのはおまえ達しかいねーんだ。この時代の戦い方は特殊だが、だからこそお前達7人にも分があるとオレは思っている」

 

「何…言ってんだよ…訳が分からないよ!それよりオレ達の知人もボンゴレ狩りの的になるっていってたけど…それって母さんや京子ちゃん達も入ってんのか!?」

 

「ミルフィオーレが抹殺する対象は拡大し続けている。彼女達もおそらく…」

 

「そんな…!!大変だ!!どうしようリボーン!!」

 

母や京子ちゃん達が狙われるという話を聞いてツナは途方に暮れてリボーンについ頼ってしまう。

 

「手はうってある」

 

「!?」

 

「オレがラル・ミルチを迎えにいくのと同時にイーピンとランボが笹川とハルを探しにいったんだ」

 

「あいつらが?」

 

「そうか!イーピン達こっちじゃチビじゃないんだ!!」

 

「ええ。何度も10年前に来ていますからツナ達も信頼できると思いますよ」

 

ツナ達は自分達の時代のランボとイーピンを頭に思い浮かべてはすぐに10年後の姿の彼らの姿に書き換える。

 

「今は連絡待ちだ。ママンはタイミング悪く5日前に家光とイタリア旅行に行ってな……状況がつかめねぇ」

 

「そんな…」

 

「イタリアって…!まさか…母さん…?」

 

(ツナ……)

 

リボーンの言葉を聞いてかなり動揺しているツナを見て、千束は彼を心配していた。

 

「他の仲間達だがビアンキとフゥ太は情報収集に出ている。だが…この2日間で並盛にいるオレ達の顔見知りはほとんど奴らに消された……」

 

「!!!」

 

「山本の親父もな…」

 

「そ…そん…な…」

 

想定よりも酷い状況にツナは絶句する。山本は何も言わないが目を細めていた。

 

 

「それにミカもな」

 

 

ツナ達が声がする方向を見るとドアからそこには癖のある長い金髪をオールバックにまとめ黒色のうさ耳リボンを頭の上で結んだ黄色い服装の少女…クルミがドアから現れた。姿は10年前の世界とまるで変らなかった。

 

「クルミ!?……って、その姿はクルミも10年前と入れ替わったの?」

 

「何言ってんだ?お前」

 

「あはははっ、そいつは10年後のクルミだぜ。全然、成長しないから勘違いしてもしゃーないけど」

 

「ええっ!!?クルミって10年経ってもこのままなの!?」

 

まさかのクルミが10年前と容姿が全く変わっていない事実に驚きを隠せないツナ

 

「ボク的には何も問題ないんだがな。映画の料金とか安く見れるしな」

 

「いやいや!それは年齢偽造で犯罪だって……ってそんなこと言っている場合じゃない!先生が死んだって本当なの!?」

 

「ああ……正確には連絡取れなくっているだが……」

 

「結構日にちが立っていますし、生存は絶望的かと。仲間を逃がすために囮になったと聞いています…」

 

「そ…そんな……先生が……」

 

「千束……」

 

ツナはミカが死んだことを聞いてかなり悲しんでいる千束を見て心配していた。

 

「まあ、心配するな。ボンゴレサイバー科所属のこのボクが何とかしてやる」

 

「お前、この10年間で正式にボンゴレ所属になったのか」

 

「ああ。――と言ってもなぜかミルフィオーレ側のセキリティが強固で中々上手く動けないんだけどな」

 

「なら、ダメじゃん!」

 

自信満々で言ってはあまり活躍できていないクルミに千束は突っ込むのだった(ちなみに10年前でクルミはリコリコの従業員ではあるがボンゴレ所属ではないという微妙な立ち位置であった)

それからツナ達は明日行動することになってそれぞれ割り当てられた部屋で今夜は明かすことになった。

 

 

 

 

 

 

(……『明日に備えて寝ておけ』って言われたけど…寝れないや。今日は1日に色々あり過ぎたな……)

 

寝室のベッドでシーツを掛けて横になっている千束だったが色々あって寝れなかった。リボーンの失踪、10年バズーカの暴発、棺桶の中、10年のボンゴレの皆、ミルフィオーレ、10年後のボンゴレの本部壊滅……思い出すと色々とありすぎて寝れないのは当然だった。

 

(私が死んでいたことはある程度、想像できていたから別にいいけど先生が死んでいるかもしれないなんて……)

 

 

自分は心臓の件もあって死んでいることを覚悟できていたが、先生が死んでいることにはまったく覚悟できていなかった千束は激しく動揺していた。

ミカは千束にとっては保護者であり、父親であったためである。そんな彼が死んだことを知って誰よりもショックだった。

 

(先生…本当に死んじゃったの……?本当は生きていて『遅くなって済まない』って言って超、いいタイミングで現れることを知っているんだから!)

 

(……はぁ、いくら現実逃避しても先生は現れないのに…分かっているのに……)

 

千束はミカが死んだことを信じられずにシヨックで一度は現実逃避をするがすぐ冷静さを取り戻す。そして毛布を自分の体に丸めるようにかける。

 

(ダメダメ!もう何も考えないで寝なきゃ!明日は早いんだから!!)

 

そう言って千束は枕に顔をうずめて寝ようとしていた。彼女がそれから眠りに落ちるのはそれから1時間位経ってからの事だった……。

 

+++++

 

次の日の朝、ツナ達が部屋に出てリボーン達の元に向かっていると扉の前でリボーン達の会話が聞こえてはラルとすれ違う。

その時にリボーンがラルに『コロネロの(かたき)を打つ気だな』と聞いていた。

 

 (コロネロの…(かたき)?)

 

「おめー達よく眠れたか?いよいよ守護者を集めるミッションをスタートするぞ」

 

「え!?ちょ…ちょっと待ってよ!!まだ心の準備が…そ…それに…!」

 

「いつまでも京子達の心配したって始まんねーぞ。守護者を集めることが最終的に京子達を守ることになるんだ」

 

「!!」

 

「大丈夫っスよ、10代目!アホ牛はともかくイーピンは結構やります!きっと無事に帰ってきますよ」

 

「そーそー!ランボは心配だけど、イーピンは強いから大丈夫だって!」

 

「獄寺くん…千束……」

 

(さらっと言っているけど、2人ともランボに対しての信頼感がねぇー!仕方がないけどさ……)

 

ツナはランボがディスられているのすぐに気が付いたが、自分もそれは分かっているので触れることはしなかった。

 

「んじゃ始めっぞ。あれから山本とたきなと話し合ったんだが最初に欲しい守護者は即戦力…つまりつえー奴だ」

 

「!強いっていったら…」

 

「そうだ…ボンゴレ10代目最強の守護者、雲雀恭弥だ」

 

獄寺は『オレがここにいるし、残りの守護者の中じゃ最強っスね…』と張り合っていた。

ツナもドン引きしながらも雲雀がいたら心強いとは思ってはいた。

 

「でも雲雀さん、今どこに…?」

 

「それがよくわかんねーんだ」

 

「!」

 

「オレとたきなもここをしばらく離れてて、今守護者達がどこにいるのかわからねぇんだ。ヒバリの手がかりはこいつだけだ」

 

山本がそういうと懐から取り出した写真には1匹の黄色い鳥が写っていた。

 

「なぁ!?これってバーズの鳥じゃなかった!?」

 

「ああ。今はヒバリが飼っていてヒバードって言うらしいぞ」

 

(誰が名前を付けたの―――――!!?)

 

「どうやらハルさんがヒバリの肩に乗ってるのを見かけたらしくって名前を付けたようですよ」

 

まさか名前があることに驚いたツナ達にたきなが補足する。

 

「って、手掛かりはそれだけなの……?」

 

「まあ、でも並盛好きのあいつのことだ。きっとこの町に手がかりはあるはずだ。オレはいけねーがしっかり連れて帰ってこい」

 

白い着ぐるみみたいな服装をしているリボーンがツナ達に山本とたきなと共にいくように言う。今のリボーンは外に行くと体の不調を起こすらしい。リボーンがそばにいないということに不安に駆られる。

 

「山本とたきながついているぞ。奴らはこの時代の戦い方を熟知している」

 

「え…そ…そうだけど……」

 

「なーに、ビビるこたぁないさ。お前達はこの時代のオレ達が失ったすんげー力をもってんじゃねーか」

 

「!?」

 

「失った…すんげー力…?」

 

 

「…おまえ達は希望とともに来てくれたんだ。ボンゴレリングっていうな」

 

 

山本は静かにそう告げるのであった――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、山本とたきなはツナ達を連れて5丁目の工場跡に出る。どうやらここを含めて入口は6つあるようだ。

 

「おい…!この時代のボンゴレリングはどうなったんだ!!」

 

「とりあえず、並中行くか」

 

「ええ、ヒバリがいる可能性を考えたらそこが妥当ですね」

 

「コラ!聞いてんのか!?」

 

山本とたきなが行き先を決めると先程の発言が気になった獄寺が、イラついた態度で聞いてきた。

 

「?何だ?」

 

「ボンゴレリングだ!!何でこの時代にねーんだよ!」

 

「そうだよ!あんな激戦をして手に入れたのに!!」

 

「あーその話な、だいぶ前にリングを砕いて捨てちまったんだ」

 

「「「なーーー!?捨てたー!!?」」」」

 

山本の発言にツナ達は声を上げた。彼があっさりと答えたこともあって動揺も大きかった。

 

「一体、誰がそんなことしたんだよ!!」

 

「うちのボスさ」

 

「そ、それって!!もしかして……!!」

 

「ツナが!!?何でそんなことを!?」

 

まさかの人物でツナ達は驚きを隠せずに疑問符が浮かぶ。

 

「守護者には反対する者もいましたが…ボスは本当に譲らずで……」

 

「オレ…なんでそんなことを……?」

 

「ハハハ、おまえにもわかんねーか。……ツナがボンゴレリングの破棄を口にするようになったのは、マフィア間でリングの重要性が騒がれ始め…略奪戦の様相を呈してきた頃なんだ…戦いの火種になるぐらいならない方がいいと思ったんじゃねーか?お前はそういう男だ…ボンゴレの存在自体にすら首をかしげていた程だからな」

 

「ええ……ツナはそういう人です」

 

「………」

 

山本とたきなは過去を偲ぶような顔つきになっていた。未来のツナについて語る彼らを見てツナ達は納得するしかなかった。

 

「つっても今じゃオレ達もリングに頼っている部分がでかいんだけどな。お前達にも教えてやる野球と同じで特訓あるのみだ」

 

「そういえば山本…野球は――――」

 

ツナは気になっていることを聞こうと思った瞬間に前方で爆発が起こる。

 

「こっちです!急いで!」

 

煙の中から二人の男女が現れる。ツナ達が良く知っている10年後ランボとイーピンだった。

 

「ランボにイーピン!」

 

「誰かを連れてるな」

 

「それって…まさか!!あそこにいるのは…!」

 

「京子さんハルさん逃げて!!ここは私が!!」

 

「でも…」

 

イーピン達が誰かに声を掛けているとその直後、上空から赤い炎の刃がイーピン達を襲い爆発が起こる。

 

「ああ!!」

 

「上か!!」

 

「敵!?」

 

ツナ達が上空を見上げると、黒い隊服を着た二人の男性が靴から赤い炎を放出して空を飛んでいた。

片方は紫髪のポニテでもう1人は褐色肌のゴツイ男だった。

 

「ミルフィオーレのブラックスペル!」

 

「きょ、京子ちゃん達が!!」

 

「ブラック…スペル?」

 

聞いたことがない単語に獄寺は復唱する。

ミルフィオーレファミリーは元々、白蘭率いる新進気鋭のジェッソファミリーとユニ率いるボンゴレと同等の歴史を持つジッリョネロファミリーという2つのファミリーが合併してできたもの。そして元々の所属で分けるようにジェッソ出身は白い制服のホワイトスペル、ジッリョネロ出身は黒の制服のブラックスペルに分けていた。ちなみにホワイトスペルは緻密で狡猾な戦いを得意としてブラックスペルは実戦で慣らした猛者が多いと言われている

 

「いくぞ!ボンゴレリングからマモンチェーンを外せ!」

 

「千束は念のためにいくつかのリングを渡しておきますので持っていてください」

 

「う、うん!」

 

千束はたきなからいくつかのリングを手渡される。そこには色違いの宝石がそれぞれ嵌めてあった。

山本がツナ達にマモンチェーンを外すように指示するでたきなは千束にいくつかのリングを渡す。そうしては5人はランボ達の元に向かう。

 

「じゃあ行くぜ!オイラの獲物達!!」

 

そう言ってブラックスペルの野猿が匣から鎌を取り出すと、ランボ達がいる場所に炎を飛ばす。

爆発が起こり、煙が広がっている隙に野猿は突撃し鎌を振るう。

 

「その首頂き!」

 

だが、その攻撃は山本の刀によって防がれた。

 

「兄貴、こいつ誰だ?」

 

「抹殺者リストに載ってたかもしんねーが、消えていく人間をいちいち覚えちゃいねーな」

 

「だよな!!」

 

野猿が山本に鎌を振り回す。だが山本は、野猿の攻撃を全て防いで捌いていく。

 

「なんだこいつ!?オイラの黒鎌(ダークデスサイズ)を!!」

 

「いくぜ…!」

 

山本の指のリングが光り、刀に青い死ぬ気の炎が纏われる。

 

《時雨蒼燕流 八の型――》

 

「離れろ野猿!!」

 

《篠突く雨》

 

山本が相手の懐に飛び込み鋭い斬撃で突き上げる。野猿は当たる前に後ろに飛んで衝撃を和らげる。

 

「みんな大丈夫!?」

 

「しっかりしろ!!」

 

「無事!?」

 

「ボ…ボンゴレ!!獄寺氏、千束氏も!!」

 

山本が野猿の相手をしている間に、ツナ達はランボ達の元に向かう。

2人の姿を見たランボは喜びを露わにした。

 

「だから言ったじゃないですか!絶対ツナさん達が助けに来てくれるって」

 

(10年後のハルーーーーー!?)

 

(なんか色っぽくなっているね……)

 

そこにはランボと共に一緒にいた10年後のハルがいた。10年前とは髪型を変えておりボブカットで背も高くなっており、美女になっていた。

 

「…はひ?なんだかハル…急に背が伸びたみたいです!」

 

(中身は変わってない――――!!)

 

ツナ達が中身は変わっていなかったハルに呆れる中、野猿が赤い炎を飛ばしてくる。

たきなが動こうとすると山本が前に出て匣を開匣し、水のバリアを出して防ぐ。

 

「お前等、よく覚えとけ…リングにはこの(ボックス)を開ける力がある」

 

「そ…そーか!!こいつに開いてる穴はそーやって使うんだな」

 

「それはこの時代の獄寺の……!?」

 

獄寺が懐から10年後の自分が持っていた鞄に入っていた匣を取り出して匣の穴にボンゴレリングを押し込むが開く様子はなかった。

 

「ん…?何も起きねーぞ」

 

「ハハハ!人間の体ってのは血液だけでなく目に見えない生命エネルギーが波動となって駆け巡ってるんだ」

 

「!」

 

「――山本の話の補足をしますと波動は七種類あって、リングは自分の素質と合致した波動が通過しますとそれを高密度エネルギーに変換して生成します。死ぬ気の炎を」

 

たきなが説明していると山本は匣を開匣し雨属性の炎を纏った燕――雨燕(ローンディネ・ディ・ピオッジャ)が野猿に襲いかかる。どうやら雨燕には炎を消す性質があるようで野猿は手間取っていた。

 

 

「す…すごい!!」

 

「んだありゃ…?」

 

「……!あれ…!?た…大変!!京子さんがいない!!」

 

「嘘!?」

 

「もしかしたら…さっきの爆風で…!」

 

「そ…そんな…!!」

 

「まだ決まってねーぜ!探しにいけ、ツナ!敵はこっちで引き受けた!!」

 

「山本!」

 

「う…うん!わかった」

 

ブラックスペルを山本に任せて走り出すツナだったが、太猿が放った炎によって近くの建物の窓に吹き飛ばされて中に放り込まれる。

 

「ツナ!」

 

「千束!ツナを追いかけましょう!山本、そっちは任せましたよ」

 

「ああ!頼む!!」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

たきなに引っ張られて千束はツナが吹き飛ばされて入っていった入口に入っていった。

 

 

 

 

 

 

その頃、なんとか無事だったツナは外にいる仲間の心配をしながらもすぐに京子のことを心配し、工場内を走り回る。その間、最悪の可能性が頭を過り目と鼻から涙や鼻水を流しながら探し回っていると京子らしき人物を見つける。

 

(うわっ!!泣いている所見られたーーーー!!超かっこわるいーーーー!!)

 

「ありがとう、来てくれたんだねツッ君」

 

「!!」

 

(『ツッ君』って何ーーーーー!!?)

 

ツナが情けない顔を見せないために袖で顔を拭いていると彼女から知らない呼び方をされて困惑した。

京子が足をくじき動けないでいると先ほどツナを吹き飛ばした太猿が現れる。

 

「とりこぼしはなしだぜ。なぁにすぐに済む。雨の守護者(メインディッシュ)を待たせらんねーからな」

 

「下がって!」

 

「ツッ君…!」

 

ツナが京子を守るように立ちふさがって、体を震わせながら死ぬ気丸が入った瓶と手袋を取り出していた。

それとほぼ同じタイミングでたきなと千束は近くのドアまでやってきていた。たきなは急に立ち止まったため後ろから来た千束は彼女にぶつかって鼻を抑える。その時にたきなの懐から1つの匣が地面に落ちる。

 

「いててて……急に立ち止まって何!?」

 

「しっ!どうやら敵がツナと京子さんの前にいるようです」

 

「えっ!ヤバいじゃん!」

 

「大丈夫です。ここから不意打ちを喰らわせれば……」

 

たきなは目の前に落ちた匣を拾おうとして手を伸ばすが――――

 

ボフン!

 

という音と共に京子とたきなを煙が包み込む。

 

「ツナ君…?」

 

「えぇーーーー!!?」

 

「千束……?」

 

「はああ――――!!?」

 

いきなり知っている人物が現れて驚く京子とたきな、2人が唐突に入れ替わったことにそれぞれ慌てるツナ。

 

「な、なんで10年前の京子ちゃんが!!どうなってんのーーーーーーーーー!!?」

 

「千束、ここは一体……?」

 

「ああ!もう!!時間がないから端的に伝えるよ!!ここは10年後で今は敵と交戦中!!以上!!!」

 

「え、ええ……?」

 

だが、千束から話を聞いてたきなが唖然とする中で赤い炎の塊がツナと京子を襲う。

 

「あぶない!!」

 

ツナが京子を突き飛ばす。それによって京子は爆発に巻き込まれなかったが、ツナに攻撃が直撃してしまう。

 

「ツ…ツナ君!!」

 

「つ、ツナ!離してください、千束!!ツナを助けないと……!!」

 

「気持ちはわかるけどダメだよ!この世界の戦い方は特殊で何も知らない私達じゃただやられるだけだって!!」

 

「ですが!このままではツナが……!!」

 

吹き飛ばされたツナの所へ向かおうとするたきなを必死に止める千束。千束もたきなの気持ちは痛いほど分かったが、10年後の戦い方を知らない自分達が入ってもやられるのは目に見えているために必死に止めていた。

 

「お嬢さん…次はあんただ」

 

「!!」

 

「女子供を殺すってのは、草を刈るようなもんだと思わんか?なんの手応えもなく気づけば…ちょん切れてる」

 

「やばい!京子ちゃんが!!」

 

「なあに怖がることはない─一瞬であの世だ」

 

太猿は再び持っている鎌で炎を飛ばし、その炎は京子に向かっていった。千束は「だめぇぇぇぇぇぇ!!!!」と必死に駆けだそうとするが、距離がありすぎて間に合わない。

して炎が着弾し爆発が起こり、京子は巻き込まれたかに見えた――――が。

 

「ツナ…君?」

 

「よかった!2人とも無事でよかった!!」

 

 炎が当たる直前に超死ぬ気状態のツナが京子をお姫様抱っこして救出していた。

 

「さがってろ」

 

「…………はい」

 

「ツナなら心配ありませんね。あのXANXUSに勝ったんですから!!」

 

「うん。そうだといいけど……」

 

 千束が心配する中でツナは京子を下がらせてXグローブに炎を灯し、太猿に向かって飛んでいく。

 太猿が炎を放ちツナに当たるが――――

 

「あの構えは、零地点突破改だ!」

 

「相手は死ぬ気の炎を使っているようですし、ツナがかなり有利ですね」

 

零地点改で太猿の炎を吸収したツナは、速度を上げ太猿に突っ込んでいく。太猿はツナの突進をかわすが、ツナは手刀で太猿を気絶させようと彼の後ろに回り込む。

 

「っだらぁ!!!フフン!!フン!!」

 

「無駄ですよ、そんな大振りの攻撃なんてツナには簡単に避けられますよ」

 

「このままならなんとか勝てそうだけどね……」

 

太猿は鎌で切り裂こうとするが、ツナはそれを余裕で躱しているのを見てたきなは嬉しそうな表情をしているが千束は不安を払拭できていなかった。

そんな中、ツナは再び太猿の背後に回り込む。

 

「ハエかこいつは!!ええい!うっとうしい!!」

 

太猿が腰についた匣の一つに指輪の死ぬ気の炎を注入する。すると太猿の背中に炎が出現して複数の針に形を変える。そのうちの一本がツナの左肩に突き刺さる。

 

「ぐぁっ!」

 

「あぁ!!ツナ君!!」

 

「「ツナ!!」」

 

「来るな!!」

 

京子達が叫んではツナの元に駆け寄ろうとするが、ツナがそれを制止する。

 

「……大丈夫…」

 

肩から血を流しながらも立ち上がろうとするツナ。

 

「君達は…守ってみせる――オレの…命にかえても」

 

「ツナのリングが!」

 

(リング争奪戦の頃も炎が灯っていましたが…その時となんか雰囲気が違います……)

 

ツナが顔を上げると首にチェーンで掛けているボンゴレリングに炎が灯って額とグローブの炎が膨れ上がる。

たきなはリンク争奪戦の時のことを思い出すがその時と雰囲気が違うのは何となく察していた。

 

「すごい…リングに炎が灯った途端にツナの炎もでかくなってる……!」

 

「怖じ気づいたか」

 

「ぬっ!!ふざけるな!!女と炎は使いようだ!!てめーのようなうるせーハエには、殺虫剤をまくまでだ!」

 

太猿が先ほどとは別の匣に炎を注入すると、三つの円盤がツナに向かって飛んでいく。ツナはその円盤を回避するが、円盤はまるで生きているかのようにツナの後を追跡する。

 

「追って来てる!」

 

「逃げきれるものか!!黒手裏剣(ダークスライサー)はおまえだけを貫くぞ!!」

 

ツナが攻撃を避けていると黒手裏剣と呼ばれた円盤は空中に飛んでいるツナの炎に纏わりついている。

 

「炎に反応するのか」

 

「その通りだ!!おまえの発するようなでかい炎のみを追尾し、炎を吸収するたびに加速する!!そして最終的には─目標物の1.5倍の速度に達する!!回避は不可能だ!!」

 

(デカい炎…それでは私の銃で誘導できそうにありませんね……)

 

(でも、こういうのって確かお決まりで使用者に突っ込んでは……)

 

たきなが悩む中で千束は漫画やアニメのようなお決まりの展開を浮かべていた。ツナも千束と同じようなことを思いついたのか黒手裏剣を連れて太猿に向かっていく。

 

「なぬ!?オレに向かって!?――――とでも言うと思ったか!!」

 

「円盤が避けた!?」

 

「使用者には絶対に当たらんようにできている!!回避は絶対に不可能と言ったはず!!」

 

「クソー!よくある方法じゃ無理だったかー!」

 

黒手裏剣は太猿を避けているのを見て千束は手を大きく振って悔しがる。追ってくる黒手裏剣を見たツナは、飛んでくる全ての黒手裏剣を片手で掴み取って凍らせて天井に着地する。

 

「バ……バカな!!黒手裏剣を凍らせただと!!?」

 

「なるほど…初代(ファースト)エディションで凍らせれば簡単なことでしたね」

 

「不思議だ…体が軽い」

 

ツナは凍らせた黒手裏剣を放り投げると一瞬で太猿の元に移動し、今度はブーツの炎を凍らせる。それにより、太猿は地面に落下する。

 

「バカな!!ほ…炎を…凍らせるなど!!こ…これではまるで噂で聞いたボンゴレ10代目…!!貴様何者だ!!!」

 

太猿がツナに斬りかかろうとするが、ツナは無言で鎌の一部を掴むと黒鎌を凍らせていく。

 

「ぬわっ!」

 

「いくぜ」

 

「ぬおぉ!!」

 

そしてツナは拳に炎を込めて太猿を殴り飛ばす。太猿はその一撃で倉庫の天井を突き破り空高く飛んでいった。

 

「よっしゃ!決まった!!」

 

「待ってください、ツナが!!」

 

「ツナ!!」

 

ツナは太猿を殴り飛ばした直後、額の炎が消えその場に倒れこんだ。千束達はそんなツナに駆け寄る。

その後、野猿を倒した獄寺と合流して10年前と入れ替わった山本達を連れて千束達はアジトに戻った。




原作の流れを添わないといけない回だと原作になってしまう悩み(N回目)
ここは下手に千束達を活躍できないのでしかないとは思ってはいるんですが……
 

読んでいただきありがとうございます。
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