ボンゴレファミリー所属の千束とたきな   作:たきな大好き0802

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今回の話は改装を見るのが面倒という人は飛ばしてもよいです。
あとがきで見ていない人にも分かりやすく解説する予定なので。


過去と今

「なんであんたがそこにいるんだよ!紫黒さん!!」

 

ツナはヴェルぺの素顔を見て、咄嗟に叫んでいた。

目の前の男が店の常連で一般人だと思っていたからだ。

 

「……どうして?あなたはがこんなことを……?」

 

「ねぇ、本当にあなたは紫黒さんなの?顔が似た人じゃないの?ほら、世の中には似た顔が3人いるとか言うし……」

 

「お前ら気持ちは分かるが。今は現実を見ろ。奴はオレらを殺しに来た殺し屋の『ヴォルペ』だ。忘れるな」

 

「う、うん。……分かったよ」

 

千束が困惑して取り乱しているとリボーンは釘をさす。それを聞いて彼女は落ち着きを取り戻す。

 

「まず言っておこう。私は本人では紫黒成政ではないが肉体的にはそうであるといえる」

 

「……どういうこと?」

 

ヴェルぺの説明に千束はますます困惑して、額に右手を当てては悩んでいた。

 

「つまり、お前の体に複数の人格がある……多重人格ってことか?」

 

「流石だな、アルコバレーノ。今の説明ですぐに理解するとはな。そうだ。私は多重人格者だ」

 

「う、嘘……」

 

「信じられません……」

 

「だが、奴の顔は紫黒さんと全く同じだ。多重人格というのが本当なら納得できる話だ」

 

千束とたきなは信じられない目でも見ていたが、ツナはどこかで納得しているようでヴォルペの方を見て様子を窺っていた。

 

「そもそもあなたは『紫黒成政』として我々に近づいたんですか?…いえ、近づいたならば我々に危害を加えられる時はいくつでもあったはずです」

 

「そうだな」

 

「つまり、あなたに意図して人格を操れるというわけではない?いや、そうだとしたらなぜあなたは複数人格を持っているんですか?」

 

「……いいだろう。冥土の土産で貴様らに教えてやろう。なぜ私がこのようになったのか。紫黒成政とはいったい何者か……」

 

「……もし興味がないって言ったら?」

 

「関係ない。仮面を割って素顔を晒させたんだ。無理でも知ってもらうぞ。貴様らにも全く関係ないというわけではないからな。……ボンゴレであるならな」

 

「ボンゴレであるのなら……?」

 

ヴォルペの言葉をどこか引っ掛かるツナ。そんなツナの態度を気にせずにヴォルペは話し始める。

 

「あれは数年前、私…いや、『■■■』がまだボンゴレの忍者だった頃――――」

 

(『ボンゴレの忍者』……やはりお前は――――)

 

ヴォルペの言葉に心当たりがあったリボーンだが、口には出さずに静かに耳を傾けていた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

男は黒髪でどこでもいるような青色の着物を着た少年だった。そんな彼は野原の上で横になって過ごしていた。

彼の家系は忍者の家系でそれゆえ、普段は山奥でひっそりと暮らしていた。いや、正確には彼だけではない。彼と同じような忍者の過程である者達がいて同じように共同体で暮らしていた。彼らはある組織の命令で動く忍者組織であった。

 

「忍者の時期、頭領がこんなところで油を売っていていいんですか?」

 

「シオン……」

 

声が聞こえて振り替えるとそこには黒髪ロングで黒い忍者装飾の女の子がそこに立っていた。その少女はたきなに瓜二つほど似ていた。男は体を起こしては気安そうに話しかける。

 

「別にいいだろう。任務はないんだし」

 

「遠くないうちに頭領になるんだからもっと自覚を持って欲しいっていうのが分からないんですか?」

 

「いや、分かってるよ。というかその堅苦しい口調辞めろよ」

 

「あなたが頭領になったら許嫁の私はあなたの妻になるんですから。今までの態度でいられませんよ」

 

「相変わらず真面目だなぁ。俺の幼馴染は」

 

男は彼女――水城シオンという少女の態度に首をかしげた。

彼と彼女は幼馴染で将来が約束された仲だった。関係は良好だったが、シオンと呼ばれる少女は最近、立場を考えてか口調を変えていた。

 

「この里は所詮、大きなマフィア組織の下について動く程度のものなんだし、そこまで重く考えなくっていいって」

 

「そうはいきません。あなたは遠くない未来にこの里のトップになるんですから。振舞いなども気を付けていただかないと」

 

「はいはい。その時になったらきちんと振舞うって。だけど、今すぐじゃないだろう?」

 

「そうですけど……」

 

「なら、そう急がなくっていいじゃないか。だから、前の口調で頼むよ」

 

「はぁ……相手変わらず勝手なこといいますね。まあ、別にいいけど、私は」

 

「おっ、口調に戻ったな。やっぱりその口調が一番いいわ」

 

幼馴染の口調がいつものようになったので男は安堵の息を漏らす。

そうすると彼女は男の隣に座って木材の箱を出しては開けるとおむすびが4つ入っていた。

 

「おお!いつ見ても美味そうだな、シオンの手料理!」

 

「『美味そう』じゃなくって『美味い』だから」

 

「いや、分かってるって――――ん、うまい!」

 

「もう!調子がいいんだから……」

 

おにぎりを食べた男の態度に少し呆れながらもどこか満更なさそうな顔をするシオン。彼女も自分用のおにぎりが入った小さな箱を取り出してはおにぎりを口にする。

 

「それにしてもボンゴレか……イタリアのマフィアか知らないが役立っている気がしないんだよなぁ」

 

「コラ、■!流石に言ってもいいことと悪いことがあるわよ!!ボンゴレのおかげでこの里は存続できているのだから!!」

 

「……ボンゴレのおかげねぇ。たまに幹部らしき『虎杖』という爺さんと下っ端が顔に見せるだけだろう?あっちのトップが顔を見せたことなんてないだろ?」

 

「確かにそうだけど……普通にこんな里にトップが顔なんて出さないから。幹部の人が来るだけここは結構恵まれているよ」

 

「恵まれているね……なんか洗脳じみてないか?」

 

「そんなわけないじゃない。考えすぎよ」

 

「そうか……」

 

(本当にそうか……?いいように使って場合によって切り捨てるつもりじゃないのか?……いや、例え下っ端としてもこの里の人間は強いからそうそうと切り捨てられないと思うが……)

 

シオンとの会話でボンゴレ側に対して大きい不信感を抱いていた。ただ、現状彼らがいる忍者の里はボンゴレにとって色々と貢献してきたために切り捨てられることはないと思っていた。

実際、彼らの里は暗殺や隠密活動を主に行っていて上の組織であるボンゴレには貢献していたのは事実であった。

そんなことを考えながらも残っているおにぎりを食べきる男。

 

「ふぅ……ご馳走様。美味しかったよ」

 

「あっ、食べた後にすぐに横になっちゃだめよ!」

 

「細かいことは言うなって」

 

「……もう!■はマイペースなんだから!」

 

シオンは食べた後にすぐに横になる男に怒りながらも内心はそこまで怒ってはいなかった。寧ろ、らしくと思って受け止めていた。

 

「俺はこうやってお前と一緒に静かに暮らしていければそれでいいんだよ」

 

「本当に無欲ね」

 

「そうか。俺は結構欲を出している方だと思うぞ」

 

「■様ー!こっちに来て遊ぼうよー!」

 

2人が話していると河原の方からに子供達が声をかけてきた。彼らは水遊びをしていて男とシオンを誘っていた

 

「ああ、少し待ってろ。今そっちに行く。……そうだ、シオンも行こうぜ」

 

「わ、私も!?私は別に……」

 

「そう言うなよ。お前らもシオンも一緒にいた方がいいよなー?」

 

「うん!シオン様も一緒に遊ぼうよー!!」

 

「ほら、子供達もこう言っているんだし、一緒に行こうぜ!」

 

「………分かりました。一緒に行きましょう」

 

「よし!そう来なくちゃ!!」

 

「きゃあっ!……ちょっと、引っ張らないでよ!」

 

男はシオンの手を握って子供たちがいる場所へ走り出す。シオンは呆れながらも彼の手をしっかり握って走り出す。

男はこのように彼女と一緒にいる時間が何より大切で楽しかった。こんな時間がずっと続けばいいと思っていた

 

 

 

 

 

 

――――終わりがすぐに近づいていたことも知らず。

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

「しっかりするんだ!シオン!!」

 

2人が子供達と水遊びしてから数か月後―――とある人気がないゴーストタウンのとある廃墟の中でシオンは口から血を流して男の腕の中で倒れていた。体にはいくつの傷があり、止血はしているものの顔色は悪く危険な状態であった。

 

「あ…■……」

 

「クソ!怪我が酷い……早く治療を……」

 

男シオンを背中に抱えて立ち上がってその場に離れようとするが、人影が見えて腰を落とす。ベージュの制服を着て、拳銃を斜め下に持ったリコリス達が外の方へ歩いていたのだ。

 

「クソ……!ボンゴレめ……俺達を最初から始末する気だったんだ……!」

 

悔しそうに歯を食いしばる男。男とシオンを含む一行は任務としてこの辺りに送られたが――――それは罠だった。男達が踏み込んだ時、リコリス達から銃撃を受けて何人もの仲間達が次々と殺されていった。

 

「クソ……早く里の皆に知らさないと……いや、里の方ももう……」

 

里の心配をする男だが、同時に里がもう終わっている可能性も考えていた。だが、諦めずにその場から離れようとするがシオンを抱えたままだと難しかった。

 

「■……私を置いて行って……」

 

「何を言っているんだよ!!そんなことできるわけないだろ!!!」

 

「でも…このままじゃあ、2人とも死ぬしかないよ……」

 

(……それは分かっている)

 

周りで武器を持った女達がうろうろしているのを見てもその場でじっとしていてもいずれ見つかる可能性が高いのは2人とも理解はしていた。

 

「私は…■に生きて欲しいの……」

 

「………っ!」

 

「■…生きて……」

 

シオンの想いは男には伝わっていたために断ることができなかった。

男が顔を伏せては熟考し始める。そして、10秒ほどして顔を上げてはシオンと顔を合わせる。

 

「……分かった」

 

「■……」

 

「だけど、俺はお前を見捨てるなんてしない。仲間を呼んで戻ってくる!だから、ここで待っていてくれ」

 

「……うん」

 

シオンは小さくうなずいた。それを見て男は彼女をその場に優しく降ろしてはその場から駆け出す。置いて行った彼女の方を振り向かないために……

 

(クソ!クソクソ!!絶対、助けを呼んでやるからな!!)

 

走り出しながら男は必ず仲間を呼ぶ覚悟を持って里に向かいだした。

 

「……死なないで、■」

 

走り出していく男を見送ってシオンは笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男の行動は無駄なことだとは知らずに。

 

▽▽▽▽▽

 

「う…嘘だ……!里が……」

 

必死に走り出して里についた男が見たのは所々破壊されていて里の皆が体から血を流して死んでいた。盆然として、その場に立ち尽くすしかなかった

 

「生き残りだ!逃がすな!!」

 

「くっ……!!」

 

白い制服を着た男達に見つかりマシンガンを向けられるが彼はすぐにその場から走り出して逃げ出す。

そこから彼は走りながら生存者を探すがどこを見ても死体ばかりで生存者は見当たらなかった。

 

(どういうことだ?一部の人間を外で殺してその隙に里を襲ったのか?……だが、なぜだ?俺達、忍を危険視したとはいえもう少し利用していてからの方がいいはずだ……)

 

「とりあえず、家に行くしかないか…誰か生きているかもしれない」

 

そう呟くと男は自分の自宅に向かうことにした。

里のうろつく男達に隠れながら移動していくと一軒家の豪邸に辿り着く。それこそ、男の住む家だった。

 

(頼む……!誰か生きていてくれ……!!)

 

一片の希望をもって男は家に上がる。だが、家の中は血の匂い…死臭が広がっており、死体もあちこちに倒れていた。

 

「奴らめ……ここまでやりやがって……あっ」

 

男がこ―家の柱に寄りかかっている死体を見るとそれは現当主であり、自分の父大矢の死体であった。男はゆっくりとその死体に近づく。

 

「……親父」

 

男はそう呟いては死体にゆっくり近づいてじっくりと見つめていた。出来たら別人であって欲しい、自分の勘違いであって欲しいと思っていた……だが、そんなことはなくその死体は間違いなく自分の父親だった。

(一体どうしてこうなったんだ……ついこないだまでシオンとおにぎりを食って子供たちと遊んでいたはずなのに……)

 

現実を受け止められない男はまるで遠い記憶のようにシオン達と過ごしていた過去を思い出していた。だが、こちらに走ってくる足音を聞いて我に返る。

 

「クソ……!」

 

(敵の戦力が分からない上で下手に相手にできない……それでも俺が戦うとしたら……)

 

里の人間を殺した男たちに対抗するために彼は家の奥の部屋に向かって走りだす。男達に気が付かれようと関係なく動いていた。

 

(よし!箱は無事だ!)

 

とある部屋に入ると男は壁側に置いてある箱を開ける。そこには真ん中にある藍色の宝石を爪の装飾が囲んでいる禍々しいリングであった。そのリングは彼の家に代々受け継ぐ物であり、使った者は絶大な力を得るのと引き換えに己の魂を喰わせてしまうという噂があるリングであった。壊すことは不可能で代々彼の家が管理してきたのだ。

彼はその禍々しさを感じながらもそのリングを手にしては自分の指に嵌める。

 

「うぐっ……!なんだこの力……?」

 

嵌めた瞬間、まるで頭をかき回されるような感覚に陥って床に膝をついてしまう。なんとか立とうとすると意識が朦朧として立てなかった。

 

『あとは()に任せろ』

 

「だ、誰だ……?」

 

謎の声が聞こえてくると同時に男の意識はシャットアウトされていった――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで誰の命令だ?」

 

「うぐぁ……」

 

そこには白い制服を着た男の一人を片手で首を絞めて尋問をしている彼――――のちにヴォルペと呼ばれる白髪の男だった。周りには同じような白い制服の男が死屍累々になっていた。

 

「わ、我々は虎杖司令官に命令されただけだ……」

 

「……そうか。なら、死ね」

 

次の瞬間、男の首元をクナイで切り裂き出血させて殺す。相手は叫び声を出す暇なく絶命した。

 

「……リコリス…リリベル……よくも仲間を……!」

 

ヴォルペは怒りに震えながら落ちていたスマホに白い髭の爺さんが映っていた。それを見た彼はすぐに踏みつぶしてそのスマホを破壊した。そこに映っていた男は前からこの里を訪ねていた虎杖というボンゴレの幹部だった。

 

「許さん…許さんぞ……!ボンゴレ……!リコリス…リリベル……それだけじゃないボンゴレに必ず復讐してやる……!!」

 

ヴォルペは憎しみや悲しみを持ちつつ歯を食いしばり……狐の仮面をつけていく。

そうして『リコリス殺し』は誕生していった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「……これが”私”が誕生した理由だ」

 

「……つまり、ボンゴレは忍者のあなた達の一方的に使っては捨てた……ってこと!?」

 

「一言で言うとそういうことだ」

 

「しかも一方的な虐殺を行って……」

 

「そんな……ボンゴレが貢献している組織を簡単に切り捨てるなんて……信じられません!」

 

話を全て聞いたたきな達はどうしてもボンゴレが行った所業だと信じられずにいた。

 

「確か『虎杖』という幹部はいるが……奴はボンゴレ推進派であり過激派でもあったはずだ。奴はボンゴレの繁栄のためには味方でも切り捨てる非常な男だ。確かにあいつならお前らの忍者の里を危険とみなして一方的に排除するのはおかしくはねぇ」

 

「そんな…ヴォルペの話が全部正しかった場合に限るけど……何も悪いことしていないのに勝手に脅威だと見て殺すなんておかしいよ!!」

 

「ああ。復讐には肯定する気はないが……これはあまりにも……」

 

過激派としても過激すぎるボンゴレの行動にたきなは開いた口が塞がらなかった。

 

「貴様らに同情して欲しくって話したわけではない。この顔を晒した貴様らの褒美のようなものだ」

 

「待ってください。まだ肝心の紫黒成政さんについて聞いてませんよ!」

 

「待て、順序よく話そう。…復讐を誓ったオレはボンゴレについての情報を得るために表立って動いているリコリスやボンゴレの下っ端を殺しまわっていた。そんなある時にボンゴレ十代目が脱獄犯の骸達を倒したという噂を耳にした」

 

「それで並盛に来たわけか……一応、ツナのことなど詳しい情報などはできる限り伏せていたんだが……調べたのはお前の執念っていうわけか」

 

「好きに解釈しろ。それでオレはボンゴレ十代目立の詳しい情報を得るために一般人に装い奴らの仲間がやっている『リコリコ』を訪れたが……そこで問題が発生した」

 

「問題?」

 

ヴォルペの発言に千束は何のことを指しているかわからずに首をかしげる。

 

「井ノ上たきな……貴様が死んだ幼馴染と似ていたせいで私の中に『紫黒成政』の人格ができてしまった」

 

「…………はい?」

 

「えっ、人格ってそんなに簡単に出来るものなの!?」

 

まさか「人格が増えた」という返答に戸惑ってしまう千束とたきな。2人は呆気にとられているとリボーンが前に出る。

 

「奴の話が本当なら家にあってリングが精神的な影響によって人格ができやすくなっているんじゃねーか?」

 

「…その通りだ。そしてできた『紫黒成政』は何故か井ノ上たきなに惚れては告白し始めた。恐らくこの体に残っていた幼馴染への好意が作用したと思うが……そこは置いておこう。奴は精神が強く、引き離さそうとしても離れずこちらからの制御を受け継がないのに困っていた」

 

「だから、数か月間行動が全くなかった時期があったのはそいつ主導権が握られていたわけか」

 

「あっているようで少し違うな。常に人格が出るわけではないが、そのまま残っていたら面倒なところもあったからな。人格について調べるためにも一時的に活動停止していたわけだ」

 

「つまりを今の姿を見ると紫黒さんの人格はもういないわけ?」

 

「そうだ。たきなに対しての行為が満たされることで消えると予測した私は奴の脳内に『他に好きの相手がいるかもしれない』とささやいて誘導させた……そして結果、奴は相手に想いの相手がいて消えていった」

 

「消えた……ということはもう紫黒さんはいないということですか……」

 

ヴォルペからの言葉を聞いてはたきなの表情はどこか寂しそうであった。

 

「ああ。お相手がいると知った時点で精神的に弱っていたからな。だから、オレはその隙を突いて井ノ上に幻術を掛けて事故に見せかけて殺そうとしたが……ボンゴレ10代目に助けられてしまったがな」

 

「……!まさかあの時、急に眩暈がしたのはあなたのせいだったなんていうんですか!?」

 

「そうだ。コストがあまりかからず最善の方法だと思ったのだがな……」

 

「オレが気が付いていなかったからたきなは死んでいたわけか……」

 

彼の話を聞いてツナは間に合わなかった時を想像して背筋に冷たいものが走った。

 

「あの時に貴様を越せたらどれだけ楽だった――――うぐっ!?」

 

「!?」

 

「もうやめるんだ、ヴォルペ。これ以上ボンゴレの人間を殺すんじゃない――――黙れ!!消えぞこないが!!!」

 

「彼は1人で何を……?」

 

「もしかしてあれが彼の本当の主人格っていうやつ……?」

 

「恐らくな。オレの超直観もそう言っている」

 

「ああ、オレもツナの意見に賛成だ。恐らく、ヴォルペの奴が本来の主人格を押さえつけていたが何か拍子で人格が現れたんだろう」

 

急に一人芝いようなことをし始めたヴォルペに困惑しながらツナ達はその原因は元の人格が手始めていることだと推測している。

そんな千束達が話し合っていると「パンパン」と一定の手拍子で拍手が彼女たちの耳に聞こえていた。




ここまで。ということでヴォルペの過去について書きます

◇ヴォルペ(■について過去。名前が伏せられているのは本人の都合)
―――――――――――
忍者の次期頭領になる予定だった■はたきなと顔がたきなそっくりの幼馴染兼許嫁の少女「シオン」と日々過ごしていた。
彼がいる里はボンゴレ傘下の忍者組織であったが、様子を見に来るのはボンゴレの下っ端の人間と幹部の「虎杖」という男だけだった。

ある日の任務中に■はボンゴレの人間(リコリスサード)によって不意打ちをつかれて彼の部隊は重傷を負われてほぼ全滅してしまう。
かろうじて自分とシオンは生き残るがシオンは瀕死で■は彼女を置いていけなかったが、シオンに説得されて助けを呼ぶという面目で里に向かう(シオンは■が離れた後に息絶える)

里についた■だったが里はボンゴレ(リリベル)によって殲滅されていた。なんとか里を奔走するが周りは死体ばかり。自分の家に入り、父親の死体を見た■はボンゴレと戦うために家に代々伝わる呪いのリングを付ける。
付けた瞬間、髪が白色に変色して意識を乗っ取られた新しい人格『ヴォルペ』が誕生する。

ヴォルペによって里を襲ったリリベルを惨殺しては命令したのは「虎杖」であることを知り、ボンゴレ自体に復讐を誓う(呪いのリングで精神汚染されているのもあるが、その男を放置していたボンゴレも責任があるという考え)

生き残っている里の人間と共に復讐するために『リコリコス殺し』という異名も地になるほどリコリスを殺しては少しずつ情報を得ていたヴォルペ。
六道骸をボンゴレ10代目が倒したと聞いては仲間共にボンゴレ居場所を見つける。

まず相手のことを知るために『紫黒成政』としてリコリコに通う一般人として紛れ込もうとしていた。だが、シオンによく似たたきなを見たせいで演技だったはずのたきなに惚れている『紫黒成政』という人格ができてしまった(これは呪いのリングの影響である)

それから紫黒の人格が強いためにリコリスでの行動が制限されるヴォルペ。人格について調べるために殺しの活動を一時的に中止する。

数か月ほどして邪魔になった紫黒を消すために頭の中にツナとたきなが付き合っている可能性があると吹きかける。その後、紫黒がツナとたきなにデートを提案後に隠れて見張るように言う(ここら辺から紫黒の人格が弱まる)

デート中にヴォルペ人格になってたきなに幻術をかけて事故に見せかけて殺そうとするが、ツナによって失敗(ちなみにここでの幻術はリングの炎によるもの)
デート終盤に紫黒はツナとたきなの仲を恋人と認めて、満足して紫黒成政は消える。

その後、ボンゴレ10代目達を殺すために様子見や情報収集に徹する。
そしてツナ達が未来に帰ってきた後に吉松と接触してはツナたちを殺すために他の人間と組む

ここまでが本編までの流れ。登場キャラについて。

・忍者の里
日本の田舎にひっそりと存在する忍者が住んで日々鍛錬している里の一つ。政府や大きな組織の下についていることが多く、■がいる里もそうだった。■がいた里はボンゴレの下について潜入や暗殺など幅広いことを行っていた。
ボンゴレ幹部の「虎杖」の行った大幅な粛清によって■の里はほぼ全滅した。虎杖はもう忍者の里を十分活用したので抹殺命令を下したのが有説。

・■■■
忍者の里の次期首領になる予定だった男。忍者としてのスペックは高く、だれからも次期首相を渇望されていた。
『シオン』というたきなにそっくりの幼馴染兼いいなずけかがいた。幸せの日々を過ごしていたが、ある日のボンゴレからの粛清により幼馴染と里の人間を失ってしまう。
生き残るために彼は家に伝わる呪いのリングに手を伸ばすが……。
現在主人格をヴォルペに乗っ取られ中でなかなか表に出ることができない。名前はヴォルペが嫌っているためか黒く塗りつぶされている(苗字二文字、名前一文字)
雨属性担当。

・ヴォルペ
呪いのリングを付けた■によって生まれた人格。冷静沈着でボンゴレを恨んでいる。
■の忍者技術とともに自らの霧の頬により幻術で何人ものリコリスとボンゴレ関係者を殺してきた殺し屋で『リコリス殺し』という異名を持つ。簿価ゴレを消すためにはどんな手段も問わない危険な男。現時点での■の体の主導権を握っている。
霧属性担当。

・紫黒成政
ヴォルペがリコリコのことを調べるために作った人間…というせっていだったが幼馴染と似たたきなと出会ったために新しい人格としてできてしまった。性格は真面目でノリが良く、面倒見がいい。
ヴォルペは少しの間は様子は見ていたが、たきな達に深く入れない所を見て、ツナとたきなが出来ているように思わせて、たきなが幸せだと満足しては消えていった。
一時的にヴォルペも主導権も取られるほど強いときは意識が強かった。
晴属性担当。

そして気になる箇所があるかもしれないのでQA

Q:リングの炎を出せる強さもあるのになんでツナ達にすぐ攻撃をしなかったのか。
A:ヴォルペが慎重だから。そもそも今ある戦力でボンゴレに叩か回に挑んで生き残れる保証がないため。
忍者側の戦力はリリベルの襲撃など如ってかなり少なくなっているためにボスのヴォルペも慎重になっている。

Q:呪いのリングってやっぱり……。
A:それは次の話にて判明予定。


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