XX月XX日
司令官さんの自決騒動から一夜明け、やっと鎮守府を始動させることが出来ました
はじめに建造から取りかかることになりました
とりあえず、前回の経験を活かし、最初は最低値で建造することにしました
資材も少ない状態で戦艦級や空母級を作ったとしても、しばらくは厄介者になってしまいます
そうならないように駆逐級か軽巡級が望ましいとされてるみたいです
とりあえず、建造できるドックは2つ空いているので2つとも最低値の30で建造開始です
あとは時間が経てば完成するので、その場は妖精さん達にお任せして、私は執務室に戻りました
執務室に戻ると司令官さんが1枚の紙を持って椅子に座っていました
どうやら私の戻りを待っていたようなのです
私が戻ったことに気付くと、手招きして私を呼びました
どうやら、本部からの任務書らしく“鎮守府近辺の警備に出撃せよ”そう書かれていました
“警備だけの仕事だがやってくれるかい?”
“なのです、電出撃します”
その時司令官さんは、笑顔で出撃を見守ってくれましたが、本心は不安で一杯だったはずです
司令官さんの期待を裏切らないよう、安心してもらえるように必ず成功させないと・・・!
それでは、無事に戻ってこれるように頑張るのです!
ーーーーーーーーーーーーーーー
はぁ・・・はぁ・・・もうダメ、速度が出ない・・・
その時、私は深海棲艦に追われていた
普段ならどうってことのない相手、駆逐イ型“1隻のみ”だ
しかし、私は“主砲の1門、魚雷の1本”持ち合わせていなかった
だから私は攻撃できずにただひたすら逃げ続けていた
最初は軽々と回避していたが、かすり傷程度の攻撃が命取りだったようだ
何回も攻撃を受けてしまいついにはイ級の攻撃をかわすことすら億劫になってきた・・・
私はここで沈むより、あそこで“解体されていたほうが幸せだったのかな・・・?”
私は、ある鎮守府で建造され、誕生した
そこそこ大きな鎮守府だった
そして、部屋を案内されると・・・
私と同じ姿をした娘がいた
私という存在が既にいたのだ
私に気付いたその娘は、驚くことはなく
“私の妹になるのかしら?よろしくね!”
私に微笑み掛け、手を差出してきました
せっかく声を掛けてくれているのに、無視する方が野暮である、もちろん手を握り返し
“よろしくお願いします、姉さん”
自分と同じ存在と握手をした、なんとも不思議な気持ちだった
まるで、鏡に向かって話しかけ、握手の練習をしているみたいだった
挨拶もそこそこに、次に建造報告するために私は提督の部屋に訪れました
”この時に気付いていれば、こんな風にはならなかったのかもしれない”
提督との挨拶は素っ気ないものでした、
“あぁ、わかった、ほどほどに頑張ってくれ、退出してくれ”
入って10秒もせず退出を命じられました
鎮守府の提督にあいさつすることもできず、すぐさま退出しました
そして、時は流れ、私は主に鎮守府警備に回され・・・
そして、同じ部屋には私と同じ姿の娘が何人もいました
周りの娘達からこう呼ばれたときもありました
“鏡の住人の部屋”
一人ひとり姿は同じだけれども、感情・考え方は全く違う
ある娘はおてんば娘
別の娘はクールな娘
中には内気ながらも頑張り屋さんな娘もいました
呼び方も、私の名前だとみんなが反応してしまうので
最初に生まれた娘が長女
次に生まれた娘が次女
その次が三女など
こんな感じで名前を呼ばれました
姉妹中はそこまで悪くなく、思うことが手に取るようにわかってしまうのでそこまで苦労はしなかった
“このまま楽しく過ごしていけたらいいな”
現実はそんなに甘くはなかった
みんながある程度練度が上がったときに、その日がやってきました
次女の私が突然、提督の部屋に呼ばれたのです
この時の私は、“次は何の任務かな?”としか考えていませんでした
そして、提督と対峙し、まず言われたことは
“次女、装備をすべて外してこい”
こう言われ、頭にハテナを抱えたまま、工廠に移動しました
警備から遠征に移行かな?でも、三女や四女が行ってるし・・・
そして、装備を全て外した私は、もう一度提督の部屋に・・・?
扉が少し開いている・・・?
その時の私はあまり気にせず、扉にノックをしようと・・・
“そんなのあんまりだわ!!”
中から私の声が聞こえてきました
その声に驚いた私はノックする手を降ろし、少し開いた扉の隙間から中を覗きました
“これは前から決まっていたことなのだよ”
“だからって、なにもいきなり『解体』しなくてもいいじゃない!!”
解体しなくてもいいじゃない!
解体しなくてもいい・・・
解体ーーー・・・
頭の中にその言葉だけが響いて残りました
“君たちは元からこのために生まれてきたんだ、装備を充実させるために行った苦肉の策ってやつだよ”
“だから私たちを・・・いいえ・・・”
“長良型2番艦軽巡洋艦の『五十鈴』達を生んだのね!?”
長女だった五十鈴の長いポニーテールが揺れる
“全員がツインテだったらわからなくなるわね、だから私ポニテにするわ”
優しくて、自分が先に生まれたのに威張らず、妹たちを優先してくれた人
その人がトップである提督に怒っている・・・
“わかってくれ五十鈴、五十鈴と名のついた艦娘は一人だけでいい”
もう、頭が真っ白でした
無我夢中で駆け出しました
後ろから私を呼びかける声がしました
怖くて振り向くことができませんでした
途中で三女や四女・・・そして、末の十女ともすれ違いました
妹たちの顔は見ていませんでしたが、さぞかし驚いたでしょうね
そして、鎮守府を抜け、近海海域も抜け、かなり遠くの海まで来てしまったようね
むしろ、ここまで深海棲艦に出会わなかったことが不思議なくらいね
とうとう燃料も限界に達し、私はカカシ同然の的に・・・
私に狙いを定めるように、イ級がゆっくりと大砲をこちらに向け・・・
“もう駄目ね・・・”
“ねえさん・・・みんな・・・ゴメンね・・・”
“はにゃあぁああ!?どいてどいてえぇええええ!!”
“え・・・?ごふっーーーー!?”
そ、そんな・・・奇襲なんて聞いて・・・
そこで意識が途絶えました
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はにゃあぁああ!?どいてどいてえぇええええ!!
え・・・?ごふっーーーー!?カッコン
はうう・・・さっそくドジっちゃったよぅ・・・
あれ、今魚雷が発射される音が・・・
ズドーーーン!!
ふぇあ!?至近弾!?
・・・
え、深海棲艦!?何故ここに・・・?それに煙もあげて・・・あ、逃げて行っちゃった・・・
“電!大丈夫か!?”
あ、司令官さん!私は大丈夫です・・・けれども他の人とぶつかってしまって・・・
“何?意識は?”
ちょっと待ってください・・・あ、あの!大丈夫ですか?
“その様子だと気絶しているようだね、その娘もつれて帰還しなさい”
は、はい、了解なのです
五十鈴牧場許すまじ(作者は牧場未遂です
電が一度の行動で2度おいしい
そして、電特有のごっつんこアタック(鼻血