斉木楠雄は告らせない   作:のぞむ

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-注意-

・『かぐや様は告らせたい』と『斉木楠雄のΨ難』のクロスオーバー。
・白銀御行は登場しない。

それでも良いという方は本編へどうぞ!


斉木楠雄は告らせない

僕の名前は斉木楠雄。超能力者である。

 

テレパシー、サイコキネシス、透視、予知、テレポート、千里眼、etc、大抵の事は何だって出来る。その気になればたった三日で人類を滅ぼす事も可能だ。

だがそんな事をするつもりは毛頭ないし、何より僕は目立つことが嫌いだ。だから平凡で地味な男として目立たずに過ごす。それが僕の願いだ。

 

それなのに…

 

「まぁ!皆さんご覧になって!」

 

「生徒会のお二人よ!」

 

どうしてこうなった?

 

私立秀知院学園。それが僕の通う学校の名前だ。

一応言っておくが、こういう系統の小説にありがちな別世界へ転移したという設定ではなく、僕は元からこの学校に通っている。

 

…小説?設定?僕はさっきから何を言っているんだ?

 

それはさておき、この秀知院学園にはたくさんの金持ちの子供が通っており、初等部から通っている生徒を純院、僕の様に外部から入学した生徒を混院と呼んでいるらしい。

 

そしてどういう間違いか、僕はこの曲者だらけの学校の生徒会長を務めるハメになってしまった。

そしてそうなってしまった元凶は笑みを浮かべて僕の隣を歩いている…

 

君の事だ、四宮かぐや。

 

四宮さんはこの国随一の富豪、四宮家の娘で彼女の家は大きな権力を握っている。僕としては関わり合いたくない人間だ。

だがひょんな事から彼女に興味を持たれてしまい、色々あって僕は生徒会長という滅茶苦茶面倒くさい立場に抜擢されてしまった。

 

「いつ見てもお似合いの二人ですわ!」

 

「えぇ、神聖さすら感じてしまいます…」

 

「もしかしてお付き合いなされているのかしら?どなたか訊いてくださいな」

 

「そんな!近づく事すらおこがましいというのに!」

 

それだけは絶対にない。一見冷静を装っている四宮さんだが、心の中ではこんな事を考えていた。

 

(下世話な愚民ども…この私を誰だと思ってるの?国の心臓たる四宮家の人間よ?どうすれば私が平民と付き合うなんて発想に至るのかしら…でもまぁ、会長にギリのギリギリ可能性があるのは確かだけど。向こうが私に跪き、身も心も、故郷すら捧げると言うなら、この私に見合う男に鍛え上げてあげなくもないけど…まぁこの私に恋焦がれない男なんていない訳だし時間の問題かしら?)

 

…かなり回りくどい言い方だったが簡潔に言うと、四宮さんは僕に好意を抱いている。

 

やれやれ、いったいどういう事があって僕に惚れてしまったんだ…

四宮さん、君には悪いが気持ちには応えられない。君の気持ちが突発的な物ならすぐに目が覚める筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから半年が経ったが…

 

(うぅ~!なんで会長は私に告白してこないのよ!絶対私に恋してる筈なのに~!…わ、私は別に会長の事なんて何とも思っていませんけど、会長がどうしてもというなら考えてあげなくもないわよ)

 

全然覚めなかった…むしろ悪化した気がするのは気のせいか?

半年前と違い、四宮さんの思考は『付き合ってあげてもいい』から『如何に僕から告白させるか』にシフトチェンジしていた。

 

「会長、今日も石上くんみたいな暗い顔をしてますね~」

 

この失礼な事を言ってきたのは生徒会書記の藤原千花さん。四宮さんとは中等部からの友人らしい。藤原さんは四宮さんとは違う意味で厄介だ。何故かというと、彼女の思考だけは全く読めないからだ。

 

最初は何も考えていない馬鹿なのだと考えていたが彼女自身はそこまでバカではなさそうだ。僕なりの考えだが、彼女は常に自分の本能に従って生きている…つまり考えるよりも前に行動に移る為、思考を読むことが出来ないのだろう。

 

「会長?今失礼な事考えませんでしたか~?」

 

気のせいだ。

 

ちなみに今日は来てないが、生徒会にはもう一人石上優という会計がいる。かなり捻くれているがその腕は確かだ。役員を含め、人がよく出入りするこの生徒会室では超能力を使って仕事が出来ない。認めたくはないが石上のおかげで生徒会の仕事はスムーズになっている。

 

「あ、そういえばですね~」

 

結構だ。

 

「もう~!最後まで言わせてくださいよ~!実はですね、懸賞で映画のペアチケットが当たったんですけど、家の方針でこういったものを観るのは禁止されてるんですよ。もし会長とかぐやさんが良ければ譲ろうと思ってるんですけど~」

 

そう言って藤原さんが見せてきたのは恋愛映画のペアチケットだった。映画自体は嫌いではないがそうなれば必然的に四宮さんと一緒に行くことになってしまう。

 

「何でもこの映画を男女で観に行くと結ばれるジンクスがあるみたいですよ~!素敵ですね~!」

 

…なるほど、そういう事か。

 

(フフフ…これは全て私が準備した物よ。態々懸賞を偽造し、藤原さんの家のポストに投函。そして会長の休日を狙い打ち…これが私の計画!)

 

何で僕の休日を知ってるの?怖いんですけど。

 

とにかくハッキリ断るとしよう。

 

(断るつもりなの!?この私と映画を観に行く絶好の機会なのよ!…まさか会長、私と映画に行くのが恥ずかしいというの!?充分ありえるわね)

 

ありえねぇよ。

 

「(不本意だけど、私からも少し言ってあげようかしら)会長。態々藤原さんが私達にと言ってくれているんですよ?偶には良いのではないですか?」

 

そう来たか…このままでは埒があかないな。こうなったらこの技を使うとするか…

 

必殺、迷惑顔だ。

 

(す、凄く迷惑そうな顔をしてる!?私と一緒に映画に行くのは嫌だと言うの!?…いえ!これはきっと照れ隠しよ!そうに決まってるわ!)

 

ポジティブに考えすぎだろ。

 

「あれ?かぐやさん、何か落としましたよ?…へぇ~、人気スイーツ店のコーヒーゼリー引換券ですか~。確か映画館の近くにあるお店のですよね?」

 

ん…?

 

「えぇ。クラスの方に貰ったんです…(念の為にって早坂から貰ってた引換券ね…正直会長がこれに食いつく気がしないのよね…)」

 

…今度の休日で良いか?

 

「その日なら大丈夫です…えっ?」

 

どうしたんだ?

 

「い、いえ。何でもありません(食いつくの!?まぁいいわ…この映画を観た会長はとてもドキドキし、そして私に告白…フフフ、休日が楽しみね)

 

それだけは嫌だ。言っておくが僕が楽しみなのは映画じゃなくて人気店のコーヒーゼリーの方だ。

 

(それにしても会長ったら、スイーツが大好きなのね…お可愛いこと…)

 

それについては否定しないが、なんか癪だな。

 

 

 

 

…最後に言っておく。これは単なるギャグ小説でも、恋愛頭脳戦でもない。

 

(さて、どんなスイーツで会長を堕とそうかしら…)

 

これは、四宮さんから告白をさせない様にする僕のΨ難な日々である…




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