あっ、今回は斉木キャラも登場するのでお楽しみに!
「えぇ~!?かぐやさん、ラブレター貰ったんですか?」
生徒会室で仕事をしていた僕の耳に藤原さんの驚いているような声が聞こえてきた。
「えぇ。今朝靴箱に入っていたんです」
四宮さんにラブレター?そいつはよっぽどの物好きなんだろうな。
「とても情熱的な内容で、一度食事でもどうかと書いてあったんです」
「つまり…デートのお誘いって事なんですか!?それで…デートするつもりなんですか?」
「えぇ、もちろんです(するわけないでしょう?この娘、脳に花が湧いてるのかしら?)」
君は本当に容赦がないな。一応藤原さんは友達なんだろ?
言っておくが、別に僕は四宮さんを止めたりしないぞ。このまま何かの間違いで四宮さんに彼氏が出来れば大助かりだが、それは望み薄だろうな。それに…
(この私をデートに誘いたいのなら、国の一つでも差し出して初めて検討に値するのよ?誰が好き好んで慈善活動をするものかしら。これはあくまで会長に私を引き留めさせる為の作戦よ。この作戦なら会長もきっと…)
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『四宮さんに彼氏が出来るなんて僕には耐えられないよ!お願いだから行かないで!』
『…つまり、何が言いたいんですか?』
『…僕は四宮さんが好きだ!僕と付き合ってください!』
『あらあら、お可愛いこと…』
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(フフッ…完璧ね!)
な?四宮さんが考えそうな事だろ?
こういう作戦なら尚更四宮さんを止める理由がない。
「う~ん…このラブレター、なんだか胃もたれしそうな事ばかり書いてありますね…」
いつの間にか四宮さん宛てのラブレターを読んでいた藤原さんはそう口にする。
…そいつが四宮さんにフラれようが知った事じゃないが、その命知らずには少し興味がある。『千里眼』で手紙の内容を覗いてみるか。
ー四宮かぐや様
君の美しさにはこの俺でさえ魅了されてしまう。
君さえ良ければ俺と一緒に夕闇の晩餐をしてもらえないだろうか?
しかし、君が俺と一緒になれば俺が戦っている組織に狙われることになるだろう…
だが怯える事はない。例えこの身が滅びようと、君の事を守ってみせる。
俺達二人なら、どんな難局にも打ち勝つことが出来るだろう!
俺と君は、永遠の絆を結ぶことになるのだから…
海藤瞬ー
…お前かよ!!
「あの~、かぐやさん?この人はやめた方がいいんじゃないですか?明らかに頭がイッちゃってる人だと思いますよ」
それ本人が聞いたらトイレで泣くぞ。
…えっ?ラブレターの男を知ってるのかって?非常に不本意だが知っている。
ラブレターの男、海藤瞬は僕のクラスメイトだ。秀知院学園の初等部から通っている純院で多少勉強が出来る奴だ。
しかし、その良さを台無しにするほどのものを海藤は持っている。
それは、奴が重度の中二病だということだ。
制服はボロボロに改造しているし、怪我をしてないのに両腕に赤い包帯を巻いている。更に自分を悪の秘密結社『ダークリユニオン』と戦う戦士『漆黒の翼』だと思い込んでいる。
更に面倒なのが、いつも教室で一人でいる僕を同士だと勘違いし、よく絡んでくるのだ。
しかし、まさか四宮さんにラブレターを送ったのが
(くっ…やはり不干渉を貫きますか…ならこれはどうかしら?)
「藤原さん。たとえこのお方がイッちゃってる人だとしても、それが真実の恋ならば、身も心も捧げる覚悟はあります」
「み、身も心も!?」
おい、今何を想像した?
「で、でもそれが先生達に知られたらどうするんですか…?」
「どうもしません。それで停学、もしくは退学になろうと、私はそれを受け入れます」
「た、退学!?」
「向こうはこうして熱烈な愛を伝えてきているんですよ?退学も覚悟で応えなければ不義理ではないですか」
…それは違うんじゃないのか?
「か、会長?」
やれやれ…つい口を出してしまった…これも四宮さんの作戦の内なんだがな…
だが好都合だ。四宮さんに嫌われるために色々言わせてもらおう。
四宮さん。君が退学になるのは勝手だが、それで迷惑する奴の事は考えているのか?
「迷惑…どういう意味ですか?」
そのままの意味だ。このまま退学になったら君を支えてきた人達を失望させることになるんだぞ?君だけじゃない。君にラブレターを送った
「会長…」
少し言い過ぎてしまったか…だがこれで四宮さんは僕に愛想をつかして…
(会長…私の為を思って叱ってくれたのね!…ほ、他の男なら四宮家の力で制裁を与えるところですが、今回は許してあげましょう!)
むしろ好感度が上がってしまった…というか叱ったのが僕じゃなかったらどうするつもりだったんだ?
「…わかりました。彼には悪いのですが、今回は行かない事にします」
「うぅ…良かった~!」
「ふ、藤原さん!?」
藤原さんは号泣しながら四宮さんに抱き着く。
「かぐやさんが誰かのモノにならなくて良かった~!退学にならなくて良かった~!」
「わ、わかりましたから、放してちょうだい!」
「私が告白します~!愛してます~!大好きです~!」
これギャグ小説だぞ?勝手に百合小説にするんじゃない。
夕方になり、僕は家に帰る為に校門へと向かっていた。
(あ~…四宮さん、まだかな~?)
僕のクラスの教室からテレパシーが聞こえ、ふと気になって教室の中を覗いてみる。
教室の中では海藤がそわそわしながら四宮さんを待っていた。
(四宮さんと合流したらどこの店に行こうかな?やっぱりあの有名店が良いかな~…うぅ~、待ち遠しいな~!)
…さて、海藤が泣き出す前に帰るか。