斉木楠雄は告らせない   作:のぞむ

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元々斉木の誕生日回を書こうと思っていましたが、偶々斉木の誕生日に更新出来ました。

斉木、誕生日おめでとう!


斉木楠雄の誕生Ψ!

夏休み…それは一年の中で学生のテンションが最も高まるシーズンだ。

 

僕がどんな夏休みを過ごしているか気になるだって?僕は基本的にずっと家の中でのんびり過ごしている。誰とも関わることのない素晴らしい日常だ。

だからこの小説を読んでいるそこの君、憐みの目を向けるのはやめてくれ。

 

さて…

 

(会長、喜んでくれるかしら…って、これじゃ私が会長の誕生日をお祝いしたいみたいじゃない!)

 

家の前にいる四宮さんをどうするべきか…

 

今日は8月16日。僕の誕生日だ。

両親からプレゼントを貰ったし、午前中に家に来た石上からもプレゼントの万年筆を貰ったりした。

 

それからしばらくして四宮さんがやって来たわけだが、誕生日プレゼントとバースデーケーキを持ったまま家に入らず5分ほどこの状態が続いている。

 

やれやれ、四宮さんは大丈夫なのだろうか?今日は中々の猛暑日だ。常人があのまま居続けたら熱中症になりかねないぞ。

 

やれやれ、仕方ない…

 

「ひゃわっ!?(な、なんで急にインターホンが!?)」

 

超能力でインターホンを鳴らし、家にいる母に出てもらう。僕が自分から出て行ったら「会長、私に気づいてすぐにドアを開けるなんて、お可愛い事…」なんて展開にはなりかねないからな。あとシンプルにケーキが食べたいからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ!かぐやちゃんって生徒会の副会長なの?」

 

「はい。会長にはいつも助けられています」

 

あれから母さんが四宮さんを家に入れて僕を呼んできた。

 

「いや~!良かったな楠雄。かぐやちゃんみたいな優しい子に誕生日祝ってもらえるなんてな」

 

父さんが僕を揶揄うような顔でそう言ってくる。後で覚えてろよ。

 

「ど、どどどどど、どうしてそう思うんですか!?」

 

ほら見ろ、四宮さんがメチャクチャ動揺してんじゃねぇか。

 

「あら違うの?さっきも石上君って子がくーちゃんに誕生日プレゼント持ってきてたからかぐやちゃんもそうのかと…」

 

「い、いえ、その…」

 

やれやれ…母さん、父さん、悪いが四宮さんを部屋に連れて行く。

 

「わかったわ。かぐやちゃん、ゆっくりしていってちょうだいね」

 

「はい」

 

 

 

 

それから四宮さんを自室に連れてくる。

 

(会長、どうして私を自分の部屋に連れてきたのかしら?…待ってちょうだい。確か殿方が女性を部屋に招いた時って…まさか、そういう事!?)

 

ちげーよ。

 

…両親がいるんじゃ渡しづらいだろ、ケーキとプレゼント。

 

「…会長、目を瞑って向こうを向いててもらえますか?」

 

そう言って四宮さんが部屋の電気を消す。

 

「…良いですよ。目を開けてください」

 

そう言われて目を開けると四宮さんが一人分にカットされたケーキを僕に差し出していた。

 

「会長、誕生日おめでとうございます」

 

僕がケーキを受け取ると四宮さんはカバンからプレゼントらしき箱を出して僕に差し出してきた。

 

開けても構わないか?

 

「は、はい…」

 

箱を開けると中には字が入った扇子が入っていた。

 

「会長、学校では夏も学ランを着ていますよね?ですからそれで少しでも涼しくなってもらえたらと思って…」

 

…ありがとう。大切に使わせてもらう。

 

「あ、ありがとうございます」

 

さて、さっそくケーキを頂いてみるか。

 

ふむ…甘さの中に上品な味わいを感じる。きっと四宮家お抱えのパティシエが作った物なのだろう。

 

…全然嫌いではない。

 

「…会長もそんな顔するんですね」

 

…ハッ!まさか四宮さんの目の前で変な顔をしてしまったか!?

 

「…フフッ、会長は本当に甘い物が好きなんですね」

 

ああ。僕にとってスイーツ…特にコーヒーゼリーは無くてはならない物だ。当然嫌いではない。

 

 

 

 

 

それから少しして昼食の時間になり、母さんの誘いで四宮さんも昼食を食べる事になった。

 

「ありがとうございます。私まで頂いてしまって…」

 

「気にしないでいいのよ!」

 

母さんは料理を机に並べていく。

 

(見たところ普通の料理ね。会長の家は一般家庭のようだから当然ね)

 

料理の感想を心の中で言った四宮さんは料理を食べる。

 

「おいしい…!」

 

「よかった~!かぐやちゃんって名家のお嬢様みたいだったからお口に合うか気になってたのよ~」

 

「当然だよ!ママの作るご飯は世界一美味しいからね」

 

「あらやだ!パパってば~!」

 

イチャつくのは僕と四宮さんがいない時にしてくれ。

 

(会長も、会長のご両親もとっても楽しそうに食事してる…私は…)

 

そんな四宮さんの心の声が聞こえてくる。

あの四宮家が一家団欒で食事をしなかったのは目に見えている。僕からしたらこんな食事は当たり前の事だ。だが四宮さんにとってこの光景は少し異様なのかもしれない…

 

四宮さん、母さんのご飯は美味いだろ?

 

「…はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はありがとうございました」

 

「どういたしまして。かぐやちゃんさえ良かったらまた遊びに来てちょうだい」

 

「はい。いずれまた来ます」

 

僕と両親は玄関で四宮さんを見送っている。

 

「そういえば石上君が話していたんだけど、今度生徒会のみんなで花火大会に行くのよね?」

 

「はい」

 

そういえば一学期最後の日にそんな話をしてたな…

 

「ですが会長は行けたら行くとしか言ってないんです、その日は会長、何か用事があるんじゃないですか?」

 

…ん?

 

「いいえ、くーちゃん花火大会の日は特に用事は無いって…くーちゃん?」

 

グッ…

 

「生徒会のみんなで決めた事なのよね?それならちゃんと行かないとダメよね?」

 

そ、それはそうだが…

 

「花火大会の日はちゃんと行きなさい。良いわね楠雄」

 

…あひゅう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(お、怒ってる会長のお母様、怖いぃ…!)

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