元SRT特殊学園小隊長が行く! 作:SWAT
「平和だなぁ……」
トリニティ総合学園でのんびりと座っているのは、トリニティ総合学園のティーパーティの制服に身を包んではいるものの、1ヶ月前はSRT特殊学園に在籍していた至って普通の女子高生である。
そんな彼女は学園にあるベンチに座り、銃撃の音をBGMにしながらのんびりと白目を剥きながら黄昏ていた。
すると突如爆発音が響き渡る。流石に爆発音は聞き逃せないと思ったのだろうか。彼女は傍に置いたHK417“STANAG”に付けられた3点スリングを肩にかけて、様子くらいは見に行っておこうかと爆発音が聞こえた方向に歩いて行った。
今日もトリニティ総合学園は平和である。
ってそんな訳ないだろう!と私は主張したい。確かに銃弾が生徒が持つ神秘によって貫通せず、痛いとかで住む世界ならまだ問題は無い。
ただ殴り合う感覚で銃を撃つのは可笑しいと私は主張したい。普通に考えて喧嘩で殴り合うのが状態化している時点で治安が悪いとしか思えない。
そうだそうだと心の中の日本人魂が言っています。
というわけでSRTに入って少ししたくらいで生徒会長が失踪したという事が発生したようで、なんやかんやあってSRT特殊学園が解体される噂が早速発生した。情報筋によるとSRT特殊学園に所属していた生徒はヴァルキューレに編入、事実上はSRTをヴァルキューレへ吸収させる事となっているようで、
SRTに入った理由?それはFBI!open up!擬きをやってみたかっただけのただのロマン。なお途中で転校したおかげで何となくのグループが形成されていて今の所の友人は皆無なので何とかして作りたいとは考えていた。
そこでティーパーティの人事部から、「お前もティーパーティにならないか?」と聞かれ、2年上の先輩とはいえ幼馴染と姉がいるのでそこへすっと入り、今はティーパーティの末席をやっています。
書類仕事だの゛じい゛!!!!!(白目)
政治?派閥?なにそれ美味しいの?え、ナギサ様が代表しているフィリウス分派の将来の有望株?
ううっ…私はそんな大層な学生じゃないですよぉ!!!
私の幼馴染は二人います。聖園ミカさんとその妹のユイさんです。
ミカさんは言わずもがなですが、ユイさんがなかなか面白いお方でした。“SRTで特殊部隊やってくるわ”と言って進学の際にSRT特殊学園に入学したのです。
それから噂によると、一個小隊の小隊長をしていたとか。ですがティーパーティの情報網に掴んだ話だと今回の連邦生徒会長失踪によって責任者不在によりSRT特殊学園が解散となる話が出てきているようです。
そして解散後はSRTの学生がヴァルキューレ警察学校に編入することになるとも。それを聞いた私はミカさんに少しお話をしたのです。
そうすれば彼女がトリニティに来ると思ったのです。そしてそれは見事に的中しました。
彼女は正規の手順を踏み編入試験を受け、トリニティへ編入する事となりました。
昔から2つも年が違うのに私の心を掻き乱しておいて、なのに私の傍から離れていった彼女。今度は二度と手放したくない。
静かにティーカップをソーサーに置きつぶやいた。
『私の勝ち』
ナギサの口角は少し上がっていた。
「な、なんなんですか貴方達は⁉︎」
爆発音が聞こえた方向へ行き争いの声が聞こえた路地裏へスッと顔を覗かせると何とそこは誘拐現場だった。何とあろう事か一人の小さいながら有翼のトリニティ生徒に8人程度の不良が囲んでいた。
有翼のそのトリニティ生は護身用の拳銃しか持っていなかった。
その拳銃抵抗しようにもせいぜい一人か二人程度の相手しか出来なかっただろう。そんないたいけな少女が小銃持ちの不良8人に立ち向かえというのも些か酷なお話だろう。
これは少し骨が折れそうだなと思いながらSTANAGのセレクターをセミオート側へ回す。有翼の子だから助けるんじゃないよ、誰でもこういう状況だったら助けるつもりだったし。
「トリニティ生徒だから絶対相当金持ってるぜ?オラ早く金出せよ。金出したらすぐに解放してやるからよ?」
「すぐに自警団や正実の方たちが来ますよ⁉︎だ、誰か助けて──────……え?」
左角からすっと自然に右半身を乗り出す。
まずは1人目。即応できそうな銃を手にしている者を先に叩くべきだ。ということで一人目は手に持っている銃を瞬時に選んだ上で丁寧に銃撃ではたき落として差し上げて迷わず眉間へぶちこむ。2人目は銃を肩にかけてこちらからは後頭部しか見え無かった為後頭部に1発。3人目は額に1発。4人目も同様に……ワンマグ以下で8人を無力化、そして出来上がったのは痛みに蠢く8人の不良達だった。
意外と根性なしだなと思いながら、顎を足で蹴り意識を奪う。
おっと、暴力はダメ!刑法208条違反!と冒頭で喋っていたのに早速暴力を奮ってしまった、いけないいけない。まだ連邦生徒会長直轄唯一の暴力装置の癖がまだ抜けきってないな。
それより被害者のメンタルケアをしてやらないとと思い立ち、囲まれていた彼女に声をかける。
「怪我はないか?」
「あ、はい怪我はありません、助けてくれてありがとうございます!
え、ティ、ティーパーティ制服……⁉︎」
頬を赤くしたり青ざめさせたり、色々と忙しい子だな。
「じゃ、私はこの辺りでお暇するよ。正実委員とお話しするのも面倒だしね」
「あ、あの!」
「ん?」
「せ、せめて貴女のお名前を!」
「名乗るほどの者でもないよ。じゃあまた縁があったら会おう」
「あっ、お待ち下さい!
……行ってしまいました。ピンク色のショートヘアの子でティーパーティの方……もしかするとあの方が最近噂になっている、転校生の方かも……」
「不良にトリニティ生徒が脅迫されているという通報を受けて出動してきましたが」
彼女が行ってしまったのとほぼ入れ替わりで正義実現委員会が到着した時には、当然の事だが不良は気絶していてそのまま転がされていた状況だった。
「被害者によると助けた人物はあっという間に制圧して行って、そのまま帰ってしまったようです。その人物はティーパーティ制服にピンクのショートヘアだったそうで」
正義実現委員会のNo.2であるハスミが、証言を聞き出した部下から報告を受けていた。
「あぁ、その方ですと最近転校されてきたという……元SRTとの事ですから、この程度造作もないという事なんでしょう」
「しかし流した鳥は大きかったですね」
「えぇ、全く。まさかフィリウス分派に取られるとは思いもしませんでした」
彼女たちが噂をしている転校生とは、聖園ユイに他ならない。パテル分派の長ミカの妹であり、まだ知らない者も多いが実は元SRT特殊学園“SQUIRREL”小隊長上がりである。小隊長時代のユイはハスミやツルギとは治安維持組織関係者として仕事上程度の顔馴染みでしか付き合いがなかったが、ユイにとってはティーパーティの面々に顔馴染みが多かったことであっさりとTPTへ招待されるとフラーっと行ってしまったのだった。
なおユイがトリニティに放流されていると知った正実トップ層は正実にSRTの元生徒を取り込み、正実の全体的な練度上昇を考えたのだが、幼馴染であったナギサが既に手を回し、フィリウス分派に入れていたのだ。
という事で彼女は現在トリニティ総合学園の生徒会と言える組織、ティーパーティの書記官を務めている。
「不良たちの拘束終了しました」
そう報告した正実委員の後ろには、転がっていた不良がうんうん言いながら拘束されてモゾモゾと蠢いていたのだった。
「ありがとうございます」
という事で不良は無事一般通過元特殊部隊小隊長にしばかれお縄についたのだった。
今日もトリニティは平和である。