「やぁ、スカイ。君は出会った時から不思議だった。何故私の刀を持っていたのか、というね」
そう言って彼女は自分の腰に刺さった刀を抜く。それは紅蓮の刀「百日紅」だった。自分の姉を突き刺して、コアと一緒に回収された代物。
「君は……君の部隊は量産型のカスタマイズ。その中から優秀な1機だけを残して後は使い潰す。それを見兼ねたお姉さんは君だけを助ける為にその身を差し出した」
「……その通り。私の刀、百日花は回収された筈だ。姉さんのコアと一緒に」
「それを僕が強奪した。というか僕の所に来た、が正しいね。元々君の部隊は知っていたから探していた。任務の都合上関わる事は何にも出来なかったけどね」
「だけど、忘れる事なんてできないだろう?だから、コアを混ぜて強化した。花無十日紅には劣るけどね、姉の想いは何よりのもの。それこそ永遠のものだと思うよ」
くく、と紅蓮が笑った。
「この世に永遠なんてない、と名が示しているというのに、不思議な話だ」
「僕からしたら記憶は永遠だけどね。その刀は君が持っておいて当然の物。姉妹は揃っていた方がいい、忘れないでしょう?」
「……その通りだ。最初に出会った時、君に刃を向けた事、改めて詫びよう。すまなかったね」
「いいんだよ、いいんだ」
頭を下げる紅蓮に思わず立ち上がってしまう。アレは自分の態度も悪かったというのに。
「花に十日の紅なし。意味は知っているかい?いや、知っているだろうな」
「権は久しからず、と続くね。いくら綺麗に咲いた花でも十日と持たずに色褪せてしまう。それと同じように権力も10年と持たない。つまり、永遠なんてないって事だ」
うんうん、と紅蓮は頷く。
「何もかも風化して忘れ去られて行く。それが世の常だ。だけれど君はずっと覚えているんだろう。自分が死ぬその時まで。私はそれが羨ましいと同時に、恐ろしくもある」
「というと……?」
「未来で君を独りにしてしまうかもしれない。それがふと、怖くなったんだ。思い出として残り続け、消える事もできない。それはなんて、苦しいのだろうとね」
彼女は瓢箪を取り出す。いつものとは違う。それが大事な物だと知っている。
「この酒は仲間と、姉さんと一緒に新年を迎えた時に飲もうと思っていたのだが、中々開ける勇気が出なくてね」
「……それなら、いつか開ける日が来るよ。だからしまったままでいい」
「ほう、私がこの酒を開ける……ふふ、それは中々……未来に少し楽しみが増えたな」
瓢箪を慈しそうに見詰めながらしまう。そして別の瓢箪と盃をトン、と出しながらトクトクと注ぐ。
「未来は未来。現在の話ではないだろう?なら、現在の楽しみをと思ってね。よければ付き合ってくれないかい?」
「いいよ。……そしてよければ、君の話を聞かせて欲しい。こういうのはやっぱり当人からがいい」
「あぁ、いいとも。あれは丁度――」
そうして少し昔の話が始まった。知っている物語であるけれど、知らないエピソードは存在していて、やっぱり彼女達はこの世界で生きているのだなと認識した。
そして、すっかり酔い潰れた後、ドロシーがやってきた。あぁ、酔い潰させて話させる気だったかぁと察する。でもその前に……少しだけ、夢を。
通常紅蓮は持ってないので本当に難しい……。
小説の方向性(セリフや描写など)
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積極的に改変が欲しい
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原作準拠で大丈夫
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原作準拠だが改変は間間に欲しい
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幕間エピソードが欲しい
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激しい改変はなくて大丈夫