絶望を希望に変える為に   作:スカイ⛅

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ステライベあまりにも良すぎた。あの展開はズルいと思うんですよね。
今回は2本立て投稿です。


LAST KINGDOM:ぶつかり合う剣

少し前、インディビリアとトーカティブが城壁に侵入した時。

 

「どうする、ドロシー」

 

「スノーホワイト、ラプンツェル、ピナは城壁でラプチャーを食い止めてください。ヘレティック・インディビリアは私と紅蓮でお相手いたします」

 

「お気をつけて、お2人とも」

 

「ドロシー様も紅蓮様も負けないでくださいね」

 

「了解した。すぐに行こう」

 

そう言って3人はそれぞれの持ち場へと向かって行く。

 

「やれやれ、サシの勝負であれば負けはしないのだが」

 

「なら2人であれば完膚なきまでに叩きのめせると思いませんか?」

 

「……ふふっ、それもそうだ」

 

紅蓮はくすりと笑う。ライバル同士の一面もあるが、こと、肩を並べるに相応しいのはドロシーだとどこかで自分でも思っていた。

 

「たった2人で私と戦うつもりですか?たいした自信です」

 

「アークで別の2人に負けたので、複数は苦手かと思いまして」

 

「貴女には負けていませんが?」

 

「奇遇ですね。私も貴女には負けていませんので」

 

「それに1人で城の中に飛び込む自信家には敵わぬと思うがね」

 

「それだけの実力がありますので」

 

「奇遇ですね、こちらもです」

 

「ドロシーの言う通り、こちらもだ」

 

お互いが臨戦態勢に入る。しかし、インディビリアの目的は奥に控えるクラウンだった。

 

「紅蓮、アレの攻撃は尻尾の刃です。刀というより鞭に近いのでお気をつけて」

 

「相分かった」

 

キンッ!カンッ!キンッ!金属の弾かれ合う音が響く。紅蓮とインディビリアが高速で刀を打ち合い、隙をドロシーが伺う。

 

「全く、趣味の悪い獲物だ」

 

「そうですか?お仲間が戦っているのに入ってこない彼女の方がよっぽど趣味が悪いと思いますが。それに剣を振りまわすなんて原始的すぎると思いませんか?」

 

「その原始的な相手にかすり傷の1つも付けられていないではないか」

 

「ふふ……では、もう少し出力を上げてみましょうか。出力を超えれば音速も超えられますよ」

 

鋭い刃と化した鞭が目で捉えられないほどの速度で暴れ回る。しかし、紅蓮は攻撃を全て弾いた。

 

「……」

 

「ふむ、この程度か?つまらんな」

 

「……何ですって?」

 

「技も、策も、狙いもない。力任せに振り回すのみ。こんなもの、剣術と呼ぶにも及ばぬ」

 

ザン!

 

紅蓮の剣がインディビリアの尻尾を切り落とした。ドサッとインディビリアの尻尾の先についていた刃が力を失い地面に落ちた。

 

「音速を超えると言ったか。やみくもに振り回す剣では光の速さを超えたとて、意味がない。それに我々は常に音速を超える者を見ているのでな」

 

「そうですか」

 

グググッ……インディビリアの尻尾が再生した。

 

「何度でも作れば同じことです」

 

「君……そうして生きて行くことにどれほどの意味がある?不死の身を笠に着て、上を目指すでもなく、それをひけらかすだけの生き様に……何の面白みがある?」

 

「生意気に説教をするあなたのような存在をズタズタに引き裂く面白さがありますよ」

 

「ズタズタに引き裂けてないではないですか」

 

にやり、とドロシーが笑う。ヒュッと音速を超えた刃が迫るも、その根元を彼女は掴んだ。

 

「何……ですって……!?」

 

「貴女は淑女ではないですね。戦いとは、こうやるのです」

 

根元を勢いよく引っ張り、近付ける。その無防備な腹にドロシーは蹴りを入れ、更に持ち上げる。まるでインディビリア自身が大きな武器とでも言うかのように。そうして地面に叩きつけ、反動で空中に浮かせる。そこを。

 

「這いつくばりなさい」

 

踵落としで地面に大きなクレーターを作る。

 

「ガハッ……!!」

 

「よく……も……ッ!?」

 

ふらふらとよろめいて立ち上がったインディビリアをどこからともなく槍が直撃する。

ガツン、と槍に弾かれて地面を無様に転げまわる。

 

「……全く、不意打ちしか芸がないようですね」

 

弾かれた槍がクラウンの手に収まる。

 

「貴女こそ、その身体でよく口が回りますこと」

 

「無駄話はこれくらいにして、とっておきをお見せしましょうか」

 

「また巨大化するおつもりですか?」

 

「いいえ。あれは好きではありません。だって、美しくないでしょう?」

 

シュウウウ__

 

「この音……まさか__」

 

「何かを吹き出しているのか……ドロシー、心当たりは?」

 

「……エブラ粒子、です」

 

「ッ!?」

 

クラウンの態勢が崩れた。

 

「私は超高濃度のエブラ粒子を放出することができるのです。効果のほどはみなさんご存じでしょう?濃度があがれば、精密機械である人間もどきは動けなくなり、気を失います」

 

「……卑劣な手を……」

 

「ふふ、やっと真剣な顔が見られました」

 

「ぜぇ……はぁ……ゲホッ、ゴホッ……!」

 

クラウンが咳をする。苦しそうに。

 

「エブラ粒子が貴女にとっては直接毒になるということですか?何と引き換えた代償ですね。それは」

 

「完璧な王には魅力はありませんもの」

 

「そうですね。面白くなってきました」

 

「そうですか。それはよかった」

 

ドロシーが目にも止まらぬ速さでインディビリアの腹を殴る。

 

「ガハッ……!!貴女も……、芸がない……!」

 

「己の所以を忘れた貴女に言われたくないものです」

 

「まぁいいでしょう。少し面白くなってきました。いいことを思いついたので、今はここまでにしておきます」

 

インディビリアが姿を消した。

 

「はぁ……!」

 

「大丈夫かい?」

 

「クラウン!」

 

2人が駆け寄る。

 

「ええ……!大丈夫ですわ。3人の支援に回ってください」

 

「承知した。休んでいたまえ」

 

「後は任せてください」

 

しばらして

 

「城壁の穴は、別の一部を取り崩して塞いだ。しかし、長くは持たないだろう」

 

「……尽力に感謝いたしますわ」

 

「ブラックスワンは私が全機倒した……お陰でほぼ相打ちみたいな状態だけれど……」

 

げほ、と血を吐き出し、スノーホワイトに肩を貸されているスカイ。

 

「応急手当がまだなのですからあまり動かないでください、スカイ」

 

「そうだ。無理をするな」

 

「……ありがとう」

 

「でも……あいつらは、本当に入ってきたければ、いつでも入れるみたいですね」

 

キロがそう言う。

 

「……現実的に見て、ここは単なる古い建築物だ。厚い城壁が少しは防壁の役割を果たすとは言え、ラプチャー相手では気休めだ」

 

「次もこの規模で仕掛けられたら……?」

 

「厳しいだろうな」

 

「それでも、守り抜きますわ」

 

「ああ、そう信じている」

 

「マリアンは?」

 

「今は容体が安定して休んでいます。私が後で様子を見に行きます」

 

「……次の襲撃に備えて、城壁の補修と武装の点検を。恐らく、近い内にまた……うっ……!」

 

「大丈夫ですか!?」

 

「ええ、問題ありません、キロ」

 

「城壁の外からエブラ粒子が散布されているようだ。時間をかけて毒殺、か……やはり、趣味が悪い」

 

「そうですね。しかしその趣味の悪さに助けられてもいます」

 

「うう……お嬢さま……!お前たち!大丈夫なのだ!?」

 

「チャイム!?目を覚ましたのですか!?」

 

「はい……この通り……!」

 

「よかった……少々、2人にして頂けますか?」

 

クラウンとチャイムを残し、全員が部屋を出た。

 

「チャイム」

 

「……ぐっ……く」

 

「話しなさい。言いたいことがあるのでしょう?」

 

「うっ……!ヒック……!お、お嬢さま……あいつらが……!あいつらに……!見逃してやると言われたのです……!命を助けてやるから、王国を売れと……!」

 

「っ……」

 

「わ、私など生かしておいても何の危険にもならないと……!私が数十人いても問題ないと……!私は……!侮られたのです!塵のように思われた!それが……とても悔しいのです!」

 

「悔しくて……!一矢報いてやろうとしても……それが敵わなかったことが……!とても悔しいのです!あまつさえ王国に刃を向けるところだった……!ううっ……」

 

「……チャイム。私に証明してみせるのです。あなたが無力でないことを。そして、あなたを生かしておいたことを彼奴らに後悔させるのです。クラウン王国の最初の民、王の秘書たるチャイムがどれほど恐るべき存在か。あなたを甘く見たことがどれほど愚かだったのか、思い知らせてやりましょう」

 

「……はい!この屈辱を晴らして見せます。必ず!後悔させてみせます!」

 

「ええ、信じておりますわ。そしてその時には私も傍にいます。王国と、民を辱めた者は……決して許しませんわ」

 

____

 

「タロス……」

 

キロはタロスに向かって呟く。

 

「私たち、何もできなかった。ううん、私か。一撃で左腕を破壊されて、動けなくて……スカイさんは死にかけるぐらいまで戦ってたのに、見た?」

 

「現状、スカイの装備の大半は失われています。宙に浮く程度が精々でしょう」

 

「それくらい頑張ってたのに、私は?……タロスのパイロット、スカイさんに変えてもいい、かな」

 

「キロ、私のパイロットはあなただけです」

 

「それは変えられるでしょ。設定変更は面倒だけど、不可能じゃないって知ってるよ」

 

「変更は可能です。しかし、実行しません」

 

「なんで?」

 

「私が望ましいことと判断しないからです。それに、彼女も」

 

タロスがセンサーを部屋の扉に向ける。ややあって、中にスカイが入ってきた。

 

「スカイさん……!?身体が、まだ!」

 

「やぁ。多少動けるから、弟子の様子を見に来たんだよ。私が深手を負ったのは私の所為。私の油断。そこにキロもタロスも関係ないよ」

 

「で、でも……!武器がないじゃないですか!タロス、タロスなら戦えます!命令すれば……」

 

「だぁめ」

 

スカイが優しくキロの頬を撫でる。

 

「私は身体が軽くないとダメなんだ。重装備は不慣れでね。……分かるでしょう、キロ?」

 

「……でも、じゃあ……」

 

「大丈夫、私は死なないよ」

 

静かに泣くキロを、スカイは慰める。

 

____

 

王城、広場。全員が集まっていた。その中で完全に復帰したチャイムが口を開く。

 

「みんなも分かっていると思うが、このまま耐えててもらちがあかないのだ。リーダーを打ち取るか、ラプチャーどもを一網打尽にする案が必要なのだ。しかし、現状の戦力では難しいのだ」

 

「だから我々は、この場所自体を利用するのだ」

 

「この場所、ですか?」

 

「その通りなのだ。知ってる者もいると思うが、ここは昔、観光地だった場所なのだ。詳しく言うと、人工島に作られたリゾートだったのだ。百年以上の時間が経った今は陸続きのようになって見えるが……」

 

「要は、水場だった場所の地盤は現在も不安定という事でしょう?」

 

「そうなのだ、ドロシー。気づいていたのか?」

 

「ええ。恐らく同じ作戦を立案していたかと。この城の周りには崩しやすい地盤があります」

 

「それなら話が早いのだ。あれだけのラプチャーが密集していたら今は更に不安定な状態の筈なのだ」

 

「そこで、私たちの作戦はこうするのだ」

 

「正門以外、すべての城壁前の地面を崩す。王国へつながる道を、正門だけに限定するのだ。そうすれば、こちらは正門に全戦力を集中できるのだ」

 

「それで、正面衝突する……と。防衛戦において、攻める方は防衛側の戦力の3倍が必要だと聞いた事があります。まして我々は……"1つ"の場所を守る事は得意です。物資がない状態での戦闘も心得ていますし」

 

「しょ、正気ですか……?ひ、飛行する個体もいますし、ヘレティックと特殊個体は城壁を軽く飛び越えてましたが……正門ではなく、他の場所から来られたら大変なことになるのでは?」

 

「いいえ、それは有り得ません」

 

ドロシーがきっぱりと物を言う。

 

「奴等は私たちを下に見ています。現在指揮しているヘレティック・インディビリアは特にその性質が著しい。先の戦いで優秀な手駒を失い、煮え湯を飲まされた鬱憤も溜まっているでしょう」

 

「その通り!我々はやつらにおもちゃとしか思われてないのだ!真っ向勝負を仕掛ければ、必ず乗ってくるはずなのだ」

 

「正面から踏みつぶした方が、楽しそうだと思うはずなのだ」

 

「同意だ。トーカティブもそれを好む」

 

「不安材料は……スカイ!装備はまだなのだ!?」

 

「あー私?そうだね、今はボディの回復に専念してたから武装は後回しにしてた。最低限の物はあるけど空中戦は難しいかな……でも、これからスノーホワイトも手伝ってくれるから」

 

「任せろ」

 

「ふむ、分かったのだ」

 

「あの……」

 

キロがおずおずと手を上げる。

 

「もし……正面衝突で負けたらどうなりますか?」

 

「心配は無用ですわ。それはありません」

 

「その通りだ」

 

「当然であろう」

 

「戦況としてはいい方ですね」

 

「そうですね!」

 

「うん、これくらいなら大丈夫だよ」

 

「……」

 

「キロ!」

 

「あ、は、はい。」「タロスと爆弾の製造に取りかかるのだ。王国の城壁全体を取り囲むから大量に必要になるのだ」

 

「火薬なら支援しよう。大量にある」

 

「急ぐのだ。時間はあまりないのだ。お嬢さまの体調もすぐれないし、マリアンも心配なのだ」

 

「は、はい。……あの、その前に……スカイさん、少し話をさせてくれませんか?」

 

「……私かい?いいけれど」

 

鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしてスカイはキロと2人きりになる。

本来であれば、ここでキロと話すのはクラウンだったのに。

 

「(やっぱり改変の結果か……)」

 

 

小説の方向性(セリフや描写など)

  • 積極的に改変が欲しい
  • 原作準拠で大丈夫
  • 原作準拠だが改変は間間に欲しい
  • 幕間エピソードが欲しい
  • 激しい改変はなくて大丈夫
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