chapter感覚〜献花:100年後の邂逅
「スノーホワイト、やっと合流できた……って身体大丈夫?ボロボロだけど」
「ああ、スカイか。問題は無い。おしゃべり野郎を追っている内にこうなった。今は1分1秒が惜しい。奴の痕跡を追いたい」
北、スノーホワイトと合流。おしゃべり野郎とはトーカティブの事だ。何故かスノーホワイトは奴の事をおしゃべり野郎と頑なに呼び名を変えない。何か知らない内に因縁でもあったのだろうか。
「了解。センサーで足跡は見つけられるから空から探そう。都市部に入ったら赤外線でスキャンする」
「そうしよう。背中を借りる」
ガシャン、音を立てて変形。可変状態になると背中にスノーホワイトが乗る。確かな重みを感じつつ振り落とされないようにロックする。
「そのおしゃべり野郎はどこに進んだ?」
「こっちだ」
「了解」
センサーで見える足跡はかなり大きい。単独で戦うのにも限界があるにも関わらず、生き残れているのは流石スノーホワイトだろう。しかし、定期的に修繕をしているとはいえ彼女の3割程は既存の部品では無い。こればかりはどうにもならなかった。ナノマシンで足りない部品をスキャンして穴埋めしているが素材はラプチャーやニケ。「これではいつか化け物になるかもしれないな」と言っていたのを思い出す。どちらかと言えばテセウスの船なんじゃないかと思うが。
「ここからは都市部だ。奴は……どこだ?」
「わかんない、センサーにも反応は__」
その時、銃声が聞こえた。その方面にセンサービットを展開し、ズームすれば。
「カウンターズ!?ワードレス!?」
「おしゃべり野郎……アイツらは知り合いか?」
「重要なキーパーソンだ!死なせたらダメだ!」
「よし、行こう」
「「エンカウンター!!」」
ーーーー
カウンターズ視点
ミハラ、ユニは戦闘不能。指揮官は右足が折れている。
「指揮官!」
「こいつ…!」
「逃亡とは、愉快じゃないな。さあ、大人しくついてこい」
「……アニス、ネオン」
「ごめん。命をかけて」
「……くそっ」
「……はい」
絶望的な状況。このままでは全滅__そんな2文字が脳内に過ぎる。その時。
「素晴らしい」
ドオオン!!トーカティブの体に巨大な穴が開いた。続いて。
「ガンビットフルバースト!シールドビット展開、カウンターズを守れ!ヒールドローンは負傷したニケと指揮官の治療を!」
ビームの嵐。トーカティブの身体を貫く。自分達を守るように展開されたシールドに自律型のドローン。これは……。
「ここは任せろ」
「くっ……!巡礼者共……!」
「失せろ、異端め」
「……修復機能が間に合わない……くっ」
トーカティブはあっという間に視野から消え去った。
「私は奴を追う。ブルースカイ、こいつらは任せる」
「了解、気を付けて。こっちは大丈夫だから」
謎の白髪の人物は姿を消した。しかし、ブルースカイと呼ばれた白髪に青い装甲のニケはこちらに近寄ってくる。
「まずは安全地帯を"作らないとね"」
瞬間、迸るビームの雨。直角に、鋭角に、曲がりながらラプチャーを殲滅して行く。30分も経たない内に付近のラプチャーは殲滅された。
「よしよし、付近にラプチャーなし。もう安全だよ」
各種ビットが収納される。圧倒的な力だった。
ーーーー
スカイ視点
「……貴女は、一体」
ラピが僕に銃口を向ける。ふむ、とフェイスアーマーを外す。
「僕はブルースカイ。地上をさすらうニケだよ。……知らないの?"彼女"から何も聞いてない?」
「ッ!?」
ラピの視線が鋭くなるがそれを素通りしてヒールドローンを展開。ナノマシンの応用で自動的に修復してくれる。
「さて、君が指揮官か。聞こえる?」
「ッ……あぁ……」
「痛みには先程ので慣れてると思うからさっさと治療するね。我慢しなよ」
ヒールドローンのコードが折れた右足に直接ぶっ刺さる。
「っぐ……!!あ……」
「ちょっと!!」
「何してるんですか貴女!」
「アニス、ネオン。やめなさい。彼女は治療をしてくれてる。見て」
指揮官の右足が見る見るうちに元の方向に戻る。痛みはあるがそれでも立って動けるくらいには回復した。
「それで、君達も。話はそれからだ。ワードレスも寝ちゃってるしね。完璧に作戦は遂行したいだろう?」
「……ラピ、信用していいの?」
「ブルースカイ。その名前は有名よ。地上で窮地に陥った時、彼女と出会えば必ず生還できる。その上地上で生きるノウハウを伝えてくれる。……まるで教官みたいな存在、と言われていたわ」
「えぇっ!じゃあ私達も生き残れるって事ですか!?良かった〜!」
「そうじゃないわ!なんでコイツが私達の名前を知ってるのかって話!」
アニスは疑り深い。仕方のない事だけれど。
「よせ、私達の命の恩人だ」
「指揮官様……!でも……!」
「僕は未来を見ている。君達がいつかトーカティブと出会う事も知っていた。丁度このタイミングで助けに入れて光栄だったね」
「何……オカルト?やめてくれない?そういうの?」
「オカルトでもなんでもいいよ。命の恩人に冷たいなぁ。……指揮官、そのスマホにシュエンからアークテロ作戦の捏造書類で脅されてるでしょ?」
「!!何故、それを……」
「ほらね。それじゃあ帰るとしようか。先へ進んだ電波塔で助けを求めたら露呈するし、シュエンは鉄くずだなんだと言い張るから……捜索は終了。このまま呼ばずに帰還しよう」
「引き返すにはもう遠すぎるわよ」
「輸送機を要請することもできません。通信が遮断されていますから」
「全員僕に乗ればいい。上空から引き返そう。大型輸送ユニットは……これか」
拡張装甲が展開される。ゴツゴツとした重武装に思えるが、彼女が変形するとそれはコンテナのようだった。ロボットアームで固定されたコンテナは部隊が1つ乗るには充分な積載量だった。
「安全運転で行くから半日……よりはかからないかも。ステルス機能もあるから安心安全。胡散臭いって思わないで!!助けてるんだから!!」
「……どうしますか、指揮官」
「可変……これも火力の真髄……!?」
「乗ろう。皆が安全なのが1番だ」
「……そうね。胡散臭い事この上ないけど、現状安全な助けには違いないわ」
「じゃあ、ワードレスの2人も運んで。全員損傷率0にするからヒールドローンと繋いだままでよろしく」
おっも……とブルースカイは呟きながら全員を載せて飛翔する。その時、スノーホワイトから通信が入った。
『奴を見失った。そちらは?』
『全員助けた。ちょっとアークに顔出しに行ってくる』
『!!』
『ちょっとね、ちょっと、ちょっとだけだから大丈夫。ほんと、無理しない。お願い、ダメ?』
『……無事に帰ってくれれば問題ない』
『ありがとう』
通信を切る。
「誰と話していたの?」
「ラピか。仲間とね。このままアークに行くんだから、僕も行くよ〜って話」
「……捕まる危険性とかは考えてないの?」
「捕まる?僕が?やれるものならやってみなよ。メティスにすら勝てるよ、人間相手だって人間じゃないって思い込めれば殺せるし」
「……何が目的?」
「んーー、未来への投資。深く君達と関わりはしないと思うから、大丈夫。ただ、灸を据えに、ね」
そう言ってラピは沈黙。次に起きたのはワードレスだった。
「あら……ここは、私達は……」
「ミハラ……大丈夫……?」
「起きたのね、ここはブルースカイって奴の拡張装甲の中」
「青き巡礼者……!どこに連れて行かれるの?」
「アークよ。そうでしょ?」
「そうだよアニス。そしておはようミハラとユニ。君達の修復率は100%。でもここで僕を捕まえようとか思わないでね?このまま大人しく一緒にアークに行くから」
「なんですって……?」
「君達送り届けてはいさようならは違うでしょ。見届ける義務がある。仲間には怒られるだろうけどね」
そう言いながらアークのエレベーターが見えてきた。さて、初めましてと行こうか。
ーーーー
指揮官視点
「第一、上部に報告せず、地上での作戦を遂行したこと」
「第二、5機のニケを伴いアークの戦力を低下させたこと」
「第三、ただし、5機のニケは損傷なし。指揮官にも損傷はなく、その意図は人類の平和に貢献するためであったこと」
「第四、ピルグリムを伴って帰還したこと」
「上記の事実を元に過去の事例を調査した結果、100%一致するケースは存在しませんでした。その為、例外的な判決を下します」
「指揮官に2日間の作戦遂行を禁じる。以上です」
「続いて、同行したニケに対して判決を下します」
「第一、命令体系を無視した作戦であることを認知していながら参戦したこと」
「第二、ピルグリムを捕獲したこと」
「上記の事実を元に過去の事例を調査した結果、一致するケースはありませんでした。しかし、類似ケースの再発を防止するため、次のように判決を下します」
「事件の主役であるカウンターズ、該当部隊のニケ、ラピに対して記憶消去を実施する」
「以上です」
指揮官は項垂れるように後にした。悔しさを滲ませながら。誰も居なくなった部屋、ブン、とステルス機能を解除したブルースカイが立っていた。
「……以上でよろしかったでしょうか。貴女の技術の一部提供と引き換えに判決を下しました」
「まぁ……妥当かな。アークの平和を守りたいんだろう?」
「それが私の役目です。貴女の処遇は……いえ、ここで貴女と争い事をしてこちらに利はありません」
「その通り、じゃあ行くよ」
ーーーー
スカイ視点
「ただの兵器じゃん。私たち人間の代わりに戦わせる兵器。兵器に記憶だとか感情だとか、関係ないでしょ?」
「あ、一緒に苦労してきたから?じゃあ、また一緒に苦労すればいいじゃない。白紙状態だから、更に良くない?お前の好みに合う、いい友だちに仕上げられるから」
「この……!!」
アニスがシュエンに殴りかかろうか、指揮官がシュエンをビンタするのを止めるラピが、そのどちらでもない。部屋が空いた瞬間、思いっきりシュエンの腹を殴った人物がいた。
「ごッ……!?」
「はぁ、知ってたけどウザイなコイツ」
ブルースカイだった。彼女はシュエンの髪を掴みあげ、壁に叩き付けながら更に腹を殴る。
「お゛えッ゛っ……!!なん……で……!」
「おしゃべりは以上?ゴミが。CEOがなんだって?今ここにお前を守るものはなーんにもない。僕はニケだ。でも、人間じゃないって思えば殺せるんだよ、クソガキ。鉄くずだ?兵器だ?その兵器に守られて地下でぬくぬくしてるだけのカスが良く言うよ。お前達の技術はな、"私達"の技術なんだよ。お前達の住んでる場所は"私達"が命を賭けて守ったんだよ。分かるか?分かんないよねぇ。じゃあ地上に連れて行こっか」
「こ……の……ッ!!言わせておけば……!」
「所でコレ、アークテロ計画書……君のデスクから見つかったんだけどおかしいね?エニック辺りにばら蒔いたら処分か君がだーいすきなニケになるんじゃない?」
それは精巧に作られた偽物。しかししっかりシュエンのサインとメティス分隊の名前が書かれていた。
「何よ、これ……デタラメじゃない!!」
「そう?でも彼女はどう判断すると思う?」
「鉄くずの分際で……!!」
「はっ!鉄くずだと、そうさ、そうとも。でも忘れるなクソガキ。いくらお前が優秀なCEOであり、お前の会社に務める研究員が優秀であろうと、その技術の根幹は"私達"の物だ!!基礎を、原点を忘れるんじゃない!!__それを忘れた者に訪れるのは破滅だよ、シュエンCEO」
「さっきからギャーギャーうるさいのよ!何が目的!?技術を返せって事!?」
「メティスだけ、とは言わない。もっとニケを丁重に扱え。人間と同等ではなくとも、無駄に消費をさせるな。お前が真に有能なら武器の、兵器の扱い方を上手く考えろ」
「……は?何よそれ、どういうこと?」
「溜まった不満はいつか爆発する。その時に責任を問われるのはお前だろう。……で、どうする?」
「……分かった、分かったわ。やめればいいんでしょ、鉄くず扱いを!!だから破棄しなさい!それ!」
ピ、と録音装置を切る。念には念を……まぁ、未来でどうにかはなるんだけどさ。そのままシュエンは逃げるように去っていった。
「貴女……」
「こりゃあ僕は追われる身になるかもね。溜飲は下がったかい?」
「ッ……下がる訳ないでしょ!だってラピが__」
「いや、ありがとう。止められなければ私がビンタしていたと思う」
「で、でも良いんですか?ニケが人間に手を出して……」
「どうやってやったの?」
「うーん、人間だと思わなければいい。それだけかな。特に僕は今の時代の人間に出会ってないから」
この世界を自分が生きている世界と認識する一方で、物語の登場人物とも認識している。そのお陰か人間相手でも問題はない。……分かっていても思わず頭に血が上って素が出てしまったのはビックリしたけど。
「ネオン、後をお願い」
そう言ってラピは部屋を出る。指揮官もそれを追って行く。
「それで貴女は一体何なの?」
「悪いけど今は教えられない。それじゃあね」
手をヒラヒラさせながら前哨基地を後にする。ただ、気にはなるので通信用のドローンを配置させておく。
ーーーー
中央司令室視点
「派手にやらかしたものだ。ミシリスのCEO様は」
中央司令室、アンダーソン副司令とエリシオンの社長であるイングリットが話をしていた。
「命令体系を完全に無視した単独命令か。日に日に暴れん坊になっていくな」
「違法ではないからな」
「それが更に問題……三大企業に、あまりにも便宜を図り過ぎている」
「その恩恵を受けている私が言うことではないが、同感だ。……でも今は我慢しよう。シュエンはまだ、アークにとって必要だ」
「……そうだな。それで、そこまでしたシュエンは何を得たのかね」
「あいつが私に言うとでも?」
「お互い、すぐにバレる嘘はやめようではないか」
「ネオンから報告を受けた。トーカティブと遭遇したらしい」
「我々が見つけたのか?向こうから訪ねてきたのか?」
「??あっちから訪ねてきたらしい」
「……そして、知ってはいると思うがピルグリムと遭遇したと言っていた。アークに帰還させてもらった、と」
「誰とあったのかね?」
「1人は分からない。だが、完全修復をした上で丁重に送り届けてくれた者の名はブルースカイ」
「……遭遇したニケ、指揮官は必ず生存させる彼女か。その後の指揮官とニケの活躍も一皮剥けると聞く。今の新人指揮官の初任の死亡率は何%だったか……」
アンダーソンが書類を調べれば50%と算出された。半分生きて半分死ぬ。死亡率は高いがそれでも下がった方なのだろう。
「前哨基地で会話をしたらしい。何でもシュエンを物凄い形相で脅していたと。怒る……いや、怒っていたらしいな」
「……あの彼女を?」
「あの彼女を」
「……」
アンダーソンは溜息を漏らした。
「シフティーくん」
「はい」
「新人の指揮官を呼んでもらおうか」
「今ですか?」
「そう、今」
ーーーー
指揮官視点
指揮官はアンダーソン副司令に呼び出されていた。
「久しぶりだな。足を折った人を呼び出してすまない。……いや、治ったんだったか」
「はい。治りました。彼女……ブルースカイというニケに助けられました。副司令、彼女は一体……?」
「その前に、今の気分を聞こう。君はニケたちを特に大切に扱っているのに記憶消去は、愉快な経験でなかろう。気分はどうかね?」
「……話したくありません」
「……そうか。以前、君は私に尋ねた。マリアンの侵食について、何か知っているのかと。そう、私は知っている。秘密厳守を約束するなら、私が知っていることを話してあげよう」
「秘密は守ります」
「全く誠意のない返事だな。それでも約束は約束、話してあげよう__」
アンダーソン副司令から話された内容はアーク内でニケに侵食させて地上へ上げ、作戦を邪魔するやつらがいるということ。しかし個人なのか団体なのかも不明。分かっているのは彼らがラプチャーと内通。正確にはトーカティブと内通しているということだ。そうして指揮官はトーカティブの捜索を命じられる。
「……所で、ブルースカイに出会ったと聞いたが、どうだった?」
「正直、分かりません。あっという間に現れて、トーカティブを追い払って、圧倒的な力で付近のラプチャーを殲滅したと思ったら……私達の傷を治してくれました。その後の行動も的確で……こう言っていいのかは分かりませんが、全て分かっているようでした。シュエンCEOに関しては……脅しめいた事をしていましたが、叱っていました。その、大人が子供を怒るような……」
「……ふむ。ありがとう。彼女については唯一情報がある。数多くのニケや指揮官を助け、指導し、死亡率を低下させた。彼女に助けられたという人間は多い。その影響かニケに対して暴力的な扱いをする指揮官も減った。まるで空から自分達の行動を見られているようだ、とね」
「何者かについては分からない。だが、間違いなく彼女が現れた時は君の助けになるだろう」
「それは、どういう……?」
「では、もう行っていい。すまないが5分後に会議があってね」
「待ってください。最後に、私を助ける理由を聞いてもいいですか?」
「……感覚も記憶もあるのに、自分ではそれらをコントロールすることもできない彼女たちに、捧げる献花だと思ってくれ」
2日後、ラピは記憶消去を施されたのに記憶が無くならなかった。一同が困惑していると、どこからともなく小型のドローンロボットが登場する。
『あーあー、聞こえてる?テストテスト』
「誰!?何よ!?」
「撃ちますか!?」
「この声……」
「ブルースカイだ」
上からアニス、ネオン、ラピ、指揮官。三者三様の困惑が広がる。いつの間にこんな物が置かれていたのかと。
『ラピの記憶は消されなかったみたいだね。良かった良かった。ワードレスは普通に記憶消去されてただろうから何とか最小限に抑えられて良かったよ』
「貴女……!知ってて黙ってたの!?」
『そりゃあね。でも言霊は嫌だから黙ってた。アニスの地雷を踏むような真似をしたのは謝る。でも本来、僕が居なかったら君達はどうしてた?』
「え、ええと……電波塔に行ってました、よね?」
「……そうね。そこでオープン回線で支援を求めてたと思うわ。損害を出しながら」
『そうするとこんな事じゃ済まなかったと思わない?例えば……ワードレスの分隊長、ミハラの記憶が消去されてユニの恨みを買うとか』
「だからってラピは良かったって言うの!?ふざけないで!」
「そうですよ!何だと思ってるんですか!」
『違う違う!!ラピは記憶が"消されない"そうなっていたんだよ』
声の主、ブルースカイは慌てて訂正する。それでも、アニスとネオンの怒りは収まらないのか「顔を見せなさいよ卑怯者!!」などと怒っている。
『分かった分かった……これでいいかい?』
投影されたスクリーンには白髪に青眼の少女が映っていた。
「出ましたね!」
「出たわね……!!」
「2人とも落ち着いて。……ブルースカイ、貴女は何を知っているの?」
『んー……かなり先の事まで、ある程度は。例えばラピ、赤頭巾は元気かい?』
「!!」
ラピは驚愕した。その事実を知っているのは社長しかいない。にも関わらず、何故、ピルグリムが知っているのだろうか。
「……マリアンの事は知っているのか?」
『流石指揮官。あ、うーん、少年とでも呼ぼうか。いい勘をしているね少年。それも僕は知っている。助けられなかったけどね。この世には助けていい事象と、ダメな事象がある。彼女の件はそうだった』
「お前が内通者か?」
『んな訳ないでしょ、僕はただ、ハッピーエンドを望むだけ。その為だけに尽力してる。この後君はアンダーソン副司令に呼び出され、北部を目指して、なんやかんやあって研究基地に送られて、そこでマスタング社長と出会って変なダンスを覚えさせられる。これは事実だ。もし欠片でも違っていたら僕の事を疑えばいい。でも、合っていたら信じて欲しい』
「いい加減ね、指揮官様嘘よ。こんなペテン師信用しちゃダメ」
「そうですそうです!最低最悪です!!」
「……いや、そうでもないようだ」
ピコン、と端末に着信があった。それはアンダーソン副司令からの物だった。
『どう?』
「まだ、信用には足りえない。何の為にこんな事をするんだ?」
『さっきも言った通り……いや違うか。全てはニケの為、人類の勝利の為。100年前からずっとこの時を待っていたんだ。君達がこの物語の鍵だからね』
「100年前……その見た目で?」
「おばあちゃんじゃないですか」
「……2人共」
「今はまだ、信じられない。だから、これからよろしく頼む」
『こちらこそ。……頑張ってね、僕も頑張るから』
そう言ってスクリーンは消えた。ロボットは電源が落ちた。
「はーーっっ訳分かんない!胡散臭いし、なんなのもう」
「そうですそうです。あんな奴の事信じるべきじゃないです!師匠!」
反発するアニスとネオン、対照的にラピと指揮官は沈黙していた。
「2人はそうは思わないんですか?」
「……そうね。ちょっと思う所があって」
「ああ。あの様子だと私達の事を最初から知っていた。名前も覚えられていた。名乗った覚えはないのに。怪しいが……なら何故トーカティブを退けて助けたのかが分からない。過度な信用も疑念もせずにフラットに見た方がいい、と思った」
指揮官はそのままアンダーソン副司令の元へ。そしてなんやかんやあってブルースカイの予言通りの事象に巻き込まれるのだった。
「……ねぇ、なんで分かったのかしら。ピルグリムってアークの事分からない筈よね」
「そういう物なのだろう」
「はぁ……オカルトね……目もチカチカするわ」
こうしてカウンターズはトーカティブの痕跡を辿る為、交戦したピルグリムのいる北部へ向かう事になる。
後書き
Q.何で情報教えなかったの?
A.カウンターズの経験値不足で後々詰む可能性があったからですね。
Q.カウンターズのブルースカイへの好感度は?
A.20くらい。でも悪いニケじゃなさそう。というのが現実的。
Q.シュエンに関して
A.お前は優秀!!でも性格歪み過ぎ!!治せ!!クソガキ!!天才なら天才らしくちゃんとしろ!!エイブを見習えバカガキ!!!!!!!!
Q.ワードレスに関して
A.ユニ構文を無くす為。守りたい中には君も入ってるんだよという気持ち。エニックの判決が過去の事例に基づいているなら過去に事例がなければ参照できないよな?の妥協点がカウンターズに全責任を押し付ける事。ユニのこの後の展開はちゃんと考えてます。
小説の方向性(セリフや描写など)
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積極的に改変が欲しい
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原作準拠で大丈夫
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原作準拠だが改変は間間に欲しい
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幕間エピソードが欲しい
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激しい改変はなくて大丈夫