絶望を希望に変える為に   作:スカイ⛅

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chapter楽園:楽園は皆を歓迎する

地上基地「エデン」の研究室。

 

「セシル、アンチェインドを確保した」

 

「……!!ついに。あなたにしては時間がかかったようですがこの程度なら、まあいいでしょう。ヨハン、こちらへ持ってきてください」

 

ヨハンはセシルにアンチェインドのサンプルを渡した。

 

「……分析完了。紛れもなくアンチェインドですね」

 

「この容量なら、ニヒリスターを終わらせられるか?」

 

「それはすべてあなたにかかっています。あなたがたった1発の弾丸で彼女を殺せるなら、はい。十分な容量でしょう」

 

「そうか。危うく無駄に……いや、違うか」

 

「??どういう事ですか?」

 

「研究所でアークの指揮官に会った。青二才で、スカイやドロシーが言っていた人物だろう。アンチェインドをニケの解放のために使いたいそうだ」

 

「それで、どうしたんですか?」

 

「頭を冷やせと、ラプチャーの海に投げてやったさ」

 

「フッ……あなたらしいですね。その指揮官。お陰様でエデンにお客さんを入れちゃったんですよ。該当人物かと」

 

「そうか。まあ、それくらい乗り越えて貰わないとな。……スカイの様子は?」

 

セシルは沈黙する。今頃ドロシーとピナがあの指揮官達を案内してる頃だろうか。なら、問題はない。

 

「……芳しくありません。本人も分かっているようですが……あのままでは死にます」

 

「お前では無理なのか?」

 

「技術体系が違います。延命処置しかできません。本人曰く『君とは別の天才が作った物で、データは抹消されている』との事なので。その人物を探しに行ったようですが、ヘレティックと交戦した結果敗北しています」

 

「仮にもゴッデスが……か?」

 

「エデンのニケを100%、ゴッデス達を120%と出力を仮に比較しましょう。スカイの今の出力は70%。最新型のモデルを使っているのに下がっています。これは知っての通りコアとボディの乖離が産んでいます」

 

「該当人物の捜索は不可能なのか?」

 

「クリスタル地帯にいるのは分かっていますが、観測されるヘレティックが少なくとも2体いるそうです。ニヒリスターもいる以上、捜索はお互いに不可能だと判断しました」

 

「できる事は?」

 

「ありません。悔しい程に。本人の希望でゴッデス部隊の面々には話をしていません。勿論ドロシーやピナにも。……全く、面倒だわ」

 

「そうか……何かが変わるといいが……今、彼女は?」

 

「スリープモードですが、もうすぐ起きると思います」

 

「分かった」

 

ーーーー

 

「ようこそ。……ここは楽園。公の名称は、地上基地『エデン』。改めて、試験合格おめでとうございます」

 

「見ていたのか?」

 

「いいえ。ですが話は知っています。貴方たちなら合格するだろうとも思っていました。いえ、してもらわなければ困りますね」

 

「……期待値が高くないか」

 

「ふふ、地上奪還とニケの解放を目指す方が精鋭でなくては困りますから。あまりプレッシャーに感じないでくださいね」

 

「さあ、こちらへ。先日ラピ達も試験を合格しています。……知らない方が増えているようでしたが」

 

「ああ……実は__」

 

「__なるほど、分かりました。」

 

ドロシーはエデンを案内する。

 

「日差しが暖かいでしょう?ここでよくピナと一緒にお茶をしているんです。リンゴを召し上がってみますか?」

 

「ありがとう」

 

サクッ、と1口かじると甘い蜜とフルーティな果汁が口の中いっぱいに広がる。

 

「どうですか?」

 

「……極上の味だ。これはどうやって?」

 

「そうでしょう?アークには存在しませんから。元々の技術はスカイが。それを発展させて私とピナで作りました。樹林には紅蓮も携わっています」

 

「なるほど……偶に紅蓮が持ってきてくれるんだが、エデンのだったのか」

 

「……彼女はなんと?」

 

「……楽園からくすねてきたと。私も手伝ったのだからいいだろう。と言っていた」

 

「なるほど。収穫予定数と数が合わないのはその所為でしたか。ありがとうございます」

 

楽園の庭園。綺麗な花々には見慣れないいくつかの花が植えられていた。

 

「あそこの花々は?」

 

「ゴッデス部隊のメンバーが好きな花達です。種を探したり、作ったりと苦労しましたラプンツェルとスカイ以外はこだわりが強くて」

 

「スノーホワイトもか?」

 

「彼女は自分のには興味がそんなになかったのですが……いくつか、強いこだわりがありました」

 

「なるほど……」

 

庭園を案内して。

 

「……ここはエデンの中央研究室です。ここに来る途中にヨハンと3機のニケに会ったでしょう?」

 

「ああ」

 

「お気づきかもしれませんが、みんな先端技術で制作されたピルグリムなんです。セシルの手によって誕生しました。それ以外にもニケは存在しますが。皆古くからの付き合いです」

 

「ピナと似た装備を持っているニケもいたが」

 

「ああ、ノアですね。大元はピナですから。ピナの技術が原点。それを作り出したのはスカイで、その技術を元に独自にセシルが改良や制作をしました。アークと比べても半世紀は進んでいる技術だそうです」

 

「……全員?」

 

「はい、全員。ですのでスカイはある種の母と言っても過言……でしょうか」

 

「彼女が母親……??」

 

「冗談です」

 

中央研究室を案内して。

 

「最後にご覧頂くのはロビーです。基地全体を見渡すエデンの中心になります。あ、ちょうどノアとイサベルがインキュベーターで訓練中ですね」

 

「インキュベーター?」

 

「はい。アークのシュミレーションと似た概念の場所ですが、スノーホワイトが作ったので更に細かな調整と、より強力な仮想敵の作成が可能です」

 

「流れている音楽は?かなり古いというか……ステージ毎に変わっているようだが」

 

「仲間の趣味です。古いものほどいいんですよ、指揮官様」

 

「ゲーム……では?」

 

「スノーホワイトは否定していましたが、実は私もゲームだと思ってます。指摘すると唇をとんがらせるんですよ」

 

「さて、それでは合流と行きましょうか」

 

ーーーー

 

「指揮官様!無事だったのね!私たち、今度こそ指揮官様はもうダメだと……」

 

「ハニー!」

 

パピヨンが私に抱き着いてきた。

 

「グスン……ホントに心配したんだから。ケガはない?私がフーってしてあげる」

 

「……フーっ」

 

ネオンがパピヨンの耳に息を吹き掛けた。

 

「きゃっ!貴女今、私の耳に息を吹き掛けたの!?」

 

「はい。どこからか女狐の鳴き声が聞こえたので。私の息で倒してあげようかなって思ったんです」

 

「……ホント呆れた」

 

「楽園の試練というものを受けました」

 

「うん、それも1人ずつね。ピナは良いとして、ノア。からかってきてうるさかったわ」

 

「指揮官様はどうだったの?」

 

しばらく、ハランの試練について話をした。

 

ーーーー

 

一方その頃、ドロシーとピナ。

 

「カウンターズはどうでしたか、ピナ」

 

「はい!磨けば光る原石です!やっぱり場数慣れは強いですね」

 

「なるほど……」

 

「でも、パピヨンは怪しいですね。上手く行けば利用できるんじゃないかなぁって……」

 

「ふふ、ピナ。貴女も少し悪くなりましたね」

 

「……えへへ、そうですか?」

 

「ええ」

 

カウンターズの評価とパピヨンに関して、それぞれ意見交換を行っていた。

 

ーーーー

 

「指揮官様はどう思った?私たちは試されてるって感じたけど」

 

「同感だ。実力を確かめられた気がした。これからに向けて」

 

「そうね……正直いつかはヘレティックと戦わないといけないんだし。アンチェインドは必要だし……」

 

「指揮官、これからどうしますか?」

 

「そうだな……」

 

悩んでいる所に、扉が開いた。スカイを先頭にセシル、ヨハン、ドロシー、ピナ。インヘルトの面々が集まっていた。

 

「全員試験お疲れ様〜〜〜受かると思ってたけどね、いやごめんごめん。必要な手続きだから」

 

「スカイ……貴女ねぇ……」

 

「まぁまぁ。これからインヘルトとカウンターズの合同作戦を説明するから。報酬はアンチェインドと、少年だけに特別報酬」

 

「私に?」

 

「うん。何かは事が終わってからの秘密。でも悪い話じゃない。希望だよ」

 

「出た〜いつもの奴。僕は全部見えてるからね〜〜〜って奴!!気に食わない!」

 

「実際見えてるんだから仕方ないじゃん。そうカリカリしないでよアニス」

 

「ふん!」

 

「因みに君たちを選別に振り分けたヨハンなんだけども。アークの新星って呼ばれるくらいの有能な指揮官だよ」

 

「!!」

 

「おい、……待て、青二才が変な目で見てくる」

 

「伝説の指揮官であり、歴史上最も有名だったというあのアークの新星の事か?……いや、事ですか?」

 

「……なんだそのキラキラした目は」

 

「……その……先輩と呼ぶべきでしょうか?後、サインをください」

 

「……サインは書こう……その代わり気持ち悪いからやめてくれ。特にセシルの前ではな」

 

「……」

 

「わかった」

 

サインを書いてもらった。嬉しい。

 

「それで、合同作戦というのは?」

 

「……コードネーム・ニヒリスター。ヘレティックの一員であり、エデンを虎視眈々と狙う者。エデンは今まで計5回彼女と交戦し、5回とも膠着状態で終わりました。彼女を討伐する手伝いをして欲しいのです」

 

「その報酬としてアンチェインドを1発与える。メリットだろう?」

 

「でも、あなた達もアンチェインドを求めてるのよね?1発しかないんでしょう?」

 

「いいや、2発ある。たった1発に命運を託したくなかったからな」

 

「ふぅん……」

 

「具体的な作戦はどうなり……どうなる?先……ヨハン」

 

「……乗り気だな。まあいい。実際にシュミレーションを行う、作戦に同行するのはセシルを除いたこの場全員で__」

 

作戦説明が始まった。最終的に指揮官はエデンに同意し、互いに結託する事になる。

 

ーーーー

 

「本当によかったのか?お前も同行して」

 

「いいよいいよ。ここで行かなかったら不信感が出るでしょ」

 

ヨハンとスカイは研究室で話をしていた。

 

「またヘレティックと戦うのは嫌だけどね。残ったらなんかあるって思われちゃう」

 

「罪悪感か?」

 

「まぁね。元々こんなにはなってないからさ。カウンターズにはごめんねの気持ち」

 

「だが成長には繋がるだろう。それを見守るのも役割の1つだ。最も誰1人として死なせはしないが」

 

「嬉しい?」

 

「……少しな。成長が楽しみだというのもある。散々話だけは聞いていたから期待感が高いのかもしれんな」

 

「そっかそっか。心配は要らなさそうって訳だ」

 

「……おい、まさかとは思うが」

 

「何?」

 

「いや、なんでもない。……何もできないというのは歯痒い、それだけだ」

 

「何それ!……沢山してもらったよ、嬉しい事にね。自分の問題だからさ、こればかりは」

 

「そうか……そういえば、2発目のアンチェインドはどこで?いや、禁句だったか」

 

「うん、秘密だよ。悪いね」

 

「いや、構わない」

 

「……ありがとう。それじゃあ先行ってて、僕は大丈夫だから」

 

「分かった。何かあればすぐに教えろ。貴重な戦力は失いたくない」

 

そう言ってヨハンは退出する。

 

「大丈夫だよ。残せる物は残したから。……でも死ぬのって怖いなぁ。今じゃないとしても、徐々に死ぬってこんな気持ちか」

 

「まぁでも、やれる事はやろう。悲観し過ぎるのもよくないしね。何とかなるかもしれないし」

 

この時スカイは、自分の声色が震えている事に気が付かなかった。ディスプレイに評価されている同調率は65%に下がっていた。その画面を見詰めながら、しばらくすると画面を消した。




Q.この作戦の思惑って?
A.簡単にまとめるとエデンによるカウンターズ強化作戦。最初からエデン側からの好感度は高い模様。(指揮官同士のみ)

Q.2発目のアンチェインドって……
A.1番最初にちしかんと会った時にヒールドローンぶっ刺して採取した奴だよ。

Q.スカイって大丈夫?
A.どう考えてもダメだよね。

小説の方向性(セリフや描写など)

  • 積極的に改変が欲しい
  • 原作準拠で大丈夫
  • 原作準拠だが改変は間間に欲しい
  • 幕間エピソードが欲しい
  • 激しい改変はなくて大丈夫
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