お久しぶりです。
イベントを見つつ今後の展開を考えては消しを繰り返していましたが、今回のイベントで形になったので再開して行こうと思います。
「……いや、まあね。キャリーしてもらうのも楽でいいんだけど、このままじゃ何もやる事がないじゃない」
インヘルト、ゴッデスの3人の活躍を見てアニスが呟く。合同作戦とは言ったものの道中のラプチャーは殆ど彼女らが倒してしまっている。
「私たちは対ニヒリスターの最終兵器だから力を温存しておけってことじゃないですか?」
「ぷっ、違いますけど〜」
「違いません!!もう!ノア!」
ゴツン、とノアの頭にピナの拳が入る。
「いった〜い!何するのよピナ!」
「ウチのノアがすみません……昔からこうで……」
「……いいの、別に。よく分かってるから」
カウンターズの表情は優れない。ただ1人、指揮官を除いて。
「これで大体分かったか?」
「ああ」
「……何が分かったの指揮官様?」
「ヨハンはわざとインヘルトとゴッデスの連携を見せたんだ。力を私たちに理解させる為に」
「それって……どういうこと?」
「貴様の指揮能力を見させてもらう。その為には我々の実戦でのデータが必要だと思った。口頭での指揮力演習もやりやすいだろう?」
「そうだな。指揮するのはゴッデスの3人も入るのか?」
「ええ、それは勿論です」
「はい!大丈夫です!」
「戦力は多いに越したことはないからね。君の力も幾分か成長するだろうし」
「さて、追跡を続けながら試験を始める。セシル。少し席を外す。まずはニヒリスターの不意打ち対策だが、どうする?」
「スカイのセンサービットを展開。何かあれば反応する筈だ」
「正解だ。現に言われなくてもスカイはやっている。故に我々は安全に眼前のラプチャーに集中できるという訳だ。では、正面からニヒリスターと戦う場合は?」
「前衛にスカイ、ピナ、ノアのシールドを展開。後方からアニス、パピヨンの支援、ネオンのショットガンで近距離は対策。ハランのウイルスで撹乱。イサベルの誘導兵器で不意打ちを繰り出して、手間取っている所をラピとドロシーの射撃で応戦……か?」
「良い作戦だが、相手は飛翔している。ネオンのショットガンを活かす場合は相手の射程距離でもある。火炎放射を放ってくるだろう。更に手数が豊富なスカイとステゴロが最強のドロシーがいる。スカイのガンビットのフルバーストをハランの攻撃に合わせ、ニヒリスターが移動する隙をソードビットで撹乱。そこにドロシーの攻撃を与える。当たり所が良ければ地面に倒れるだろう」
「……なるほど、そこに全火力を合わせる。更にアンチェンインドの隙も作れるか……」
「だが装甲は厚い。更に激昂したニヒリスターが全方位に火炎放射を振り撒いた場合、何人かは戦闘不能に陥るかもしれない。短期決戦で仕留められればそれに越した事はないが、長期化すれば同じ手は喰らわないだろう」
「ならスカイを援護に回して全員の手数で攻めるか?」
「それも作戦の1つだ。だが相手は再生する。生半可な火力では致命打にならない」
「同じ箇所に攻撃を当て続けるのはどうだろうか。パピヨンの狙撃がある」
「飛翔している相手にか?確かに狙撃や高機動形態を持つスカイやイサベルは可能かもしれないがリスクは高い。それにニヒリスターは頭も切れる。気付かれずにやるのは至難の技だ」
「……なるほど。ヨハンやインヘルト、ゴッデスが揃って倒せない理由も理解した。これは……」
「ああ。だからカウンターズという向こうには知りえない切り札が必要なんだ。何をしてくるか分からない。未知であるということはそれだけで武器になり得る。難しいかもしれないが、ヘレティックと交戦経験のある貴様なら乗り越えられる試練だ」
「……ではこういうのはどうだろうか」
ーーーー
「……半日経ってるわよね?アレ」
「ええ。そうね」
「ダーリンの目を見てよ、キラキラしてる」
「憧れ!って奴ですね!」
カウンターズは何とも言えない表情をしている。
「ヨハン、嬉しそうですね。育てがいがあるんでしょうか」
「あの偽物に〜〜〜?」
「普段の相手はスカイかドロシーだから、新鮮なんじゃないかしら」
微笑ましそうに見詰めるインヘルト。
「……スカイ、私は服が汚れるのは嫌だと言いましたよね?」
「どうせチリチリになるでしょ。それに君のステゴロは実際強いんだからさ……怒らないでよ」
「そうですよ!寧ろ最終兵器って感じがしてかっこいいですよ!!」
「淑女、とは……」
落ち込んでいるドロシーを励ます2人。
そして、
(帰ったらお説教ですか、これは。そもそもオペレーターの話を聞かない、通信も聞かない。一方的に話を聞いているこっちの身にもなって欲しいものですね。いや、そもそも通信を切らないだけまだマシ……マシって何、セシル。そんな事地上でする筈がないでしょう……する筈、ないわよね……?)
ブツブツと1人呟くセシル。
そして肝心の仮想戦の結果だが。
「100戦中10勝か。最後の10回は連勝だったな。逆に言えば90連敗だが……よく持ち直した。改善の見込みはアリだが」
「まだまだだ。実戦だとして、90回は部隊共々全滅している事になる。本当に私の指揮でいいのか?」
「未知はそれだけで切り札になり得る。俺が指揮するのとお前が指揮するのとでは毛色が違う。そこに勝機がある筈だ」
「勝率10%ですか……悪くはありませんね、スカイ。貴女はどうでした?」
「3~5%ぐらいを想定してたかなぁ。いやぁ変わるもんだねぇ」
「ちょっと、指揮官様を低く見すぎじゃない?」
「ごめんごめん。でも低く見積もって高い結果を出す方がいいでしょ?自信にもなる」
「……それはそうだけど、なんかムカつくわね」
「ブルースカイがそう言っているなら、実際そうだったかもしれない。でも、差異があるという事はやっぱり付け入る隙がある筈よ」
「ラピがそう言うなら……まぁ、うん、納得はする」
「わぁ!アニスって本当にブルースカイが嫌いなんですね!!」
「嫌いよ嫌い!悪い!?」
「相反するから仕方ないんだよ。僕はアニスの事好きだけどさ」
「うわ、気持ち悪い。やめてよね」
「誰が君の部屋定期的に掃除してると思ってんだよ……エデンの部屋も散らかして……」
「ちょっと……私も会話に混ぜて……」
『ええ、私も会話に混ぜて欲しいものですね』
「セシル……」
怒気を孕んだセシルの声が響く。
『私は少し失礼と聞いたから黙っていたのですが、いつから少しは半日になったのでしょうか?知らないうちにこの基地が光速に近づきでもしました?随分楽しそうでしたが可愛い後輩ができてそんなに嬉しかったですかヨハン?』
「……」
『ドロシー、どうしてヨハンは黙っているんですか?男性相手にしか饒舌に喋れない機能でもあるのか確認してください。それとも喋り方を忘れてしまったのでしょうか?』
「ヨハンの言語能力は至って正常だと思います。ですが念の為、後で脳波検査を推奨しておきます」
「ドロシー……お前まで……」
「何か?」
「……」
「「「「……」」」」
「全力で怒られてますね」
「あの人間味のない男も、誰かに怒られることがあるのね……」
そう言いながら進行して行く一行。
地熱が湧き上がっているのを確認し、もう少しで温泉でも見えようかと言う所。ニヒリスターの領域だ。近くに感知された熱源はなく、スキャンを避ける為に遮蔽物の隙間に隠れている可能性もあるという事でイサベルがとてつもない高度まで飛翔する。その時、ゴゴゴゴと揺れる音がした。
『……コードネーム・ニヒリスター!上空から超高速で接近中!』
「……えっ、雲の上からくるの?」
「揺れがどんどん大きくなってます!」
爽やかな空の雲が半分に割れ、その隙間から流れ星のようなものが大気を燃やしながら落ちた。
ドンッ!地面に着地したのはコアまで火で覆われたような赤黒い火竜だった。
「ニヒリスター。クイーンの先鋒。とうの昔に朽ち果てるべきだった古代の遺物……!」
「ヘレティック……」
「ハァ、この楽園の虫けらどもが。挑発しただと?この俺を?灰になりたくて仕方ねぇみたいだな!その願い、叶えてやるぜ!」
『ニヒリスターのコア出力、急上昇中!』
「指揮官!センサーに通常範囲を超える熱源が感知されました!」
「あっそう、触れた瞬間溶けるってことね……」
「……あん?なんだよこれ」
『??コア出力が再び下降します。ニヒリスターはなぜ……』
「ったく、じれってぇなぁ……」
ニヒリスターの影が一瞬で消えた。
「こんないい土産持ってきてんなら先に言えっての!お前、しゃべるラプチャーを知ってんだろ?お前がトーカなんとかって呼んでた奴のことだ」
「トーカティブのことか……?それが、何故……」
「どうしたって?あいつはなぁ、俺がかなり大事にしてた手下なんだよ。お前とあのボロボロな巡礼者とそこの羽虫に殺されちまったけどな」
「……」
「羽虫って、酷い言い草じゃないかニヒリスター」
「あん?……はっ、てめぇにゃ用はねぇよ。青色を鮮血と炎で真っ赤にしてやりたいが、その必要もなさそうだしな」
「(バレてる、か)」
ブルースカイはそう独りごちる。
「まぁ、っつう退屈な復讐劇を期待してたなら悪りぃけど、俺、そんなに情に厚いタイプじゃねーんだよな。お前にとってはラッキーだろうけどよ。だからよ、お互いにとって利益のある話をしようぜ」
「実はよお、トーカティブが死ぬ前、すっげえ興味深い話をしてくれてな」
ニヒリスターの尻尾が少年、指揮官の体に触れると今にも皮膚が張り裂けそうになっていた。
「お前を捕まえて、身体の中をひん剥いたら、そこに俺の望むものがあるはずだって言っててよお」
「私はただの凡人だ」
「秘密っつーのはよ、抱えてる本人も知らねえ時ほどおもしれーんだよな。どこかの羽虫とは違ってさぁ」
「あいつにその話を聞いた時からお前に会える日を待ってたんだ。なぁ、一体その体に何が入ってんだ?」
「トーカティブの奴、俺の望むものが何だと思って、あんなリスクまで背負いながらコイツを俺に差し出そうとしたんだ?」
「そう、そう思ってたらよお……この楽園の青二才どもが、自らブラックボックスを持ってきやがった!」
バンッ!突然竜に変身したニヒリスターは辺り一面をめちゃくちゃにして、混乱の際に指揮官を掴んだまま飛び上がった。
「……えっ?ヘレティックが偽物を拉致しちゃったよ?あれ大丈夫?」
「イサベル、すぐに追撃を」
「今変に撃ち落としたら少年が死ぬ!下降した時に助けるんだ!」
「ちょっとブルースカイ!アンタでどうにかできないの!?」
「予測が不可能過ぎる!無理だよ!」
そんなことを言いながらパピヨンがニヒリスターの尻尾を掴み、そのまま連れ去った。
「僕が先行する。みんなはタイミングを見計らって」
「どうしたんですか、スカイ?」
「……ニヒリスターは今すぐ少年を殺すつもりはない。恐らく、話をする時間がある。その間にヨハンとドロシーで策を立ててくれ」
「お前はどうするんだ」
「時間を稼ぐ」
スカイは変形し、高速で後を追った。
「フォーメーションFFで最短距離で後を追う。いいな、ドロシー?」
「ええ、同意します。炎はノアとピナの盾で防ぎながら……全員を救う道を探しましょう」
ーーーー
「アハハ!イヌみてえに走り回んのも、そろそろ飽きてきただろ?逃げてばっかりいねーで俺と戦おうぜ?もっとあったかく気持ちよーく焼いてやるからよお、なぁ?」
カウンターズの限界が近い。かといって自分もここで死ぬ訳には行かない。どうするべきか。
「あん?うるせえと思ったら羽虫かよ、何の用だ?」
「盗られたものを取り返しにきただけだよ。イヌを追いかけ回すことしか脳がなさそうだし、君はさ」
ガンビットを展開。ビームをニヒリスターに向かって放つ。けれど、ニヒリスターは避けることなくビームを浴びた。
「……!!はっ、アハハ!!ハハ!」
「何がおかしい?」
「やっぱり見立て通りだ……お前、弱ってんじゃねぇか。もうすぐ死ぬだろ?なあ?それなのに助けに来たって?笑っちまうよなあ!!」
ニヒリスターが火を吐く。それを旋回して避けると、目の前に巨大な装甲が立ちはだかってくる。
「っ!?」
ガン!という衝撃。滑落して行く所に更に炎。シールドビットで防ぐ。
「色々考えてんのかぁ?動きが散漫なんだよおめえはさぁ!!」
「うるっ、さいなぁ!!」
装甲をビームサーベルで切り裂き、ソードビットを何本も突き刺す。
「ははっ、痒い痒い。ほんとに羽虫みてぇだなぁ。惨めで醜い。生きてんのかすら怪しい。そんな屍同然の状態で、俺に勝てるわけねぇだろうが!!」
「がっ……はっ!!」
思いっきり叩きつけられ、地面に衝突する。
「これでお前も地面を這う犬になったなぁ?いや、這いつくばってる虫ケラか。ハハッ」
「はは……自分でもここまで弱いとは思ってもいなかった。こりゃあ、切り抜けれてもキツそうだね」
まずい、意識が朦朧とする。頭から叩きつけられた所為だ。どうする。ヨハンやドロシー達は?センサーが壊れている。分からない。
「ここで、灰になりな」
ニヒリスターの炎が迫る。シールドビットを最大展開するが、破損して行く。負ける。負けた。僕はその場に倒れ込んだ。
「あ……?んだよ、トドメを刺すまでもなかったな」
ニヒリスターの狙いがカウンターズに差し迫る。指揮官はアンチェンドの入った拳銃を向けていた。
「はっ、おもしれぇ。でもちょっと待ってな。こいつはちゃーんと殺さねぇと後ろから刺されたりすんだよ。だから__」
大きな竜の口が開く。スカイ目掛けて振り下ろされる鋭利な牙。
「なっ、待て__!!」
「っ……」
「嘘、スカイ、逃げて!?」
「ダメですアニス!意識が!」
「嘘、嘘嘘嘘嘘!?」
スカイのボディを貫く、筈だった。頑強な盾に阻まれたかと思うと、次いで、白い閃光が迸る。
「スカイ様また無茶して……」
「全く、先行してやられては意味がないと言うのに。いけませんね」
ピナが防ぎ、ドロシーが装甲を蹴りで貫いた。
「ちっ……ほんとにお前らはこいつのことになるとワラワラ湧いてくるなぁ!!楽園の奴らといい、邪魔なんだよ!」
「当然です。彼女は仲間ですから」
「当たり前でしょう。私たちの恩人ですよ!命を賭けて助けます。助けてもらった分!」
「はっ、やってやるぜ」
「今です、ヨハン」
ダンッ!銃声が響く。
「がっ……!?自己修復が……なんで、グッ……」
「今だ。全員、一斉射撃」
「フェザー全機、最大火力で展開」
「盾にもレーザービームがついてるの知らなかったでしょ?今度から覚えておいてね」
「ヨハン……成功か?これは」
「ああ、初弾をアンチェイドにしない作戦は成功だった。名演だったぞ」
「自己修復機能はもうなくなった。ヘレティックを倒すのはここからだ。お前たちの力も貸してくれ」
ヨハンが手を差し出し、指揮官が握る。
カウンターズ、ヘレティック、ゴッデスの一斉攻撃。
「っぐあぁ!!畜生!!こうなったら__」
「逃さない」
飛翔しようとするニヒリスターの背中をビームが焼いた。
「がっ__羽虫__!!」
「トドメを刺さなかったのが敗因だよ、ニヒリスター」
「そろそろ終わらせる時が来たようね」
ハランが死の鎌を構える。
「やめろ……やめろって……そしたら俺が、お前たちの代わりに殺してやるから。この手で殺してやるからさあ!」
「クイーンを!!」
「!!射撃をやめてください!!」
ドロシーが割り込んでくる。次いで、ボロボロのスカイも立ち上がり、ライフルを向けながら歩いてくる。
「ニヒリスター。死にかけのあなたが、どうやってクイーンを殺すというのですか?」
「俺に……計画がある。ずっと前から……考えてたんだ。リリスのボディについて、知ってるか?」
「リリスの……ボディ?」
「最初のニケ、ゴッデスのリーダー。リリーバイスの事さ」
「クイーンの前身であり……地上に残った唯一の未練さ……!」
「何故リリスの頭だけお前達は持ち去った?答えろニヒリスター!早く!!」
「気持ちは分かりますが、どうしたんですかスカイ……?」
「うるせえ……それさえ見つかれば、この手でクイーンを殺してやる……だから……」
「いいから答えろ!!じゃないと__」
「う る さ い」
空気が冷え込んだ。
「どうして……どうしてみんな、そんなにおしゃべりが好きなの?」
背筋が凍るような寒気。音もなく現れたソレ、リバーレリオは絶大な存在だった。
「指揮官、攻撃しましょうか?」
「……いや、目の前に見えているのは氷山の一角だ。今の戦力でどうにかできる相手じゃない」
「同意。コイツには勝てない」
「察しが良いね。その察しの良い頭を、これからはもっと低く静かに動かすようにして……もし、今度また私を起こしたら、その時は、その楽園って場所ごと深海に葬るから」
その瞬間、スカイの身体がグラついた。強制的にスリープモードに入った。
火竜:END
小説の方向性(セリフや描写など)
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積極的に改変が欲しい
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原作準拠で大丈夫
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原作準拠だが改変は間間に欲しい
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幕間エピソードが欲しい
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激しい改変はなくて大丈夫