久々に主人公が大暴れしますよん。
「……初めて見るニケですよん。皆さんはご存知なんですかぁ?」
「あの方々はピルグリムです」
「……ええっ!?じゃああの青いニケはブルースカイですかぁ!?」
「ア、アークに……!ラプチャーにヘレティックにピルグリムまで来るなんて……!」
「わ、私たちは大丈夫なんでしょうか?」
狼狽するミランダ。驚愕するポリ。
「うーん……そうですねぇ。地上での記録を見る限り。ブルースカイは非常に友好的ですよん。何度もニケの窮地を救ったり、新人指揮官に戦いのイロハを教えてる記録があります。ただ、それ以外の皆さんは好意的でも敵対的でもないようですよん。少なくともアークを害する目的はなさそうですよん」
「……そんなに記録が残ってたのね」
「はい。ブルースカイと言えば第一次地上奪還作戦、第二次地上奪還作戦の活躍記録が残ってますよん。ただ詳しい出自は不明ですね。量産型モデルの噂はありますが……」
「……なるほど」
ラピはそう1人呟いた。
「指揮官、どうしますかぁ?」
「とりあえず、行ってみよう」
「では、私はここで待っています。問題が発生したらすぐにご連絡ください」
エニックを残して指揮官達は外に出る。
ズズッ、ズズッ、歩みに合わせて重い何かを引きずる音が響いた。
「おっもーい!ドロシー様!スカイ様!ニヒリスターってこんなに重いんですね!」
それとは裏腹に明るい声色が響く。
ドロシー、ピナ、ブルースカイがそこにはいた。
「こんにちは、カウンターズと……そちらの方々は?」
「A.C.P.U。アークの治安維持部隊。警察だよ。やぁやぁ、大変なことになってるみたいだけど、対応は上手く行ってるよ」
「わわっ、ポリ!私たちのこと知られています!」
「本当ですね……得体が知れませんが、敵対的ではなさそうですよん」
「ところで、どうしてアークに?」
「招待されたんですよ。ブルースカイとピナ、後は……ブルーマイトでしたか。彼女らが護衛に付いていたのですが、アークで爆発音とラプチャーの侵入を見ましたので」
「メティスとアブソルートの援護をしつつ、許可取って入ってるから不法侵入じゃないよ」
「よいしょ、っと!」
ピナがニヒリスターを放り投げる。ピクリとも動かない。
「鹿より遥かに重いです……後怖いです……」
「……この方、死んだのでしょうか?」
「ひとまずは、そうですね。首が完全に貫通しています。それから胴体も。普通であれば死んでいるはずです。しかし、ヘレティックですから。もうすぐ自己修復するでしょうね」
「それで、これをどうしろっていうの?」
「ここからエデンに持ち帰ってもいいのですが、起きられて暴れられては困ります。アンチェインドもありませんので、ひとまずはアークの方がよろしいかと。ただ、くれぐれも扱いには気をつけてください」
「爆弾とか埋めてないでしょうね……?」
「爆弾みたいな存在にわざわざ埋めると思われているのですか……?」
唖然とするドロシー。
「ドロシー、やっぱ君悪く見せるの向いてないよ」
「はい……?」
「ドロシー様が胡散臭くなるのはアークへの印象が悪い……という事で勘弁してください!すみません!私もアークは嫌いです」
「……そう。パピヨンはどうなったの?エデンはこのことを?」
「そう身構えないでください。私は話をしに来たんです。パピヨン様なら大活躍されています。アークと私を繋いでくれました。最も、彼女も隠し事をしているのであまり肩入れするのは良くないですね。取引と言ってください。その結果、私とアークを繋いでくれる事になりました。エデンには現状内密に事を進めていますが……どこかのスカイがお見通しでしょう」
「そもそも僕の発案だし、ヨハンもセシルも気付くでしょ」
「スカイ……!!アンタねぇ!何が目的なの!?」
「アニス、ぴーちくうるさいよ。君たちの為なんだよそれもこれも。つうかアークのラプチャー侵入の件には僕らは関わってないっての。いくら憎しでも……」
そっと、ブルースカイはA.C.P.Uに聞こえないように、そしてネオンにも聞こえないようにアニス、ラピ、指揮官に秘匿通信を繋ぐ。
「命懸けで守ったアークを襲うと思われてるなら心外だ。命賭けて守ってるんだよ、全部」
そう、ハッキリと答えた。
「では、再会の挨拶はこれぐらいにしましょう。バーニンガム副司令官様はどちらに?」
「……どうして?」
「そのバーニンガム副司令官様が私を招待してくださったのです」
「……エニック」
「少々お待ちください」
「エ、エニック?どうした?」
バーニンガムが通信に映る。
「こんにちは。ドロシーです」
「!!」
「ピ、ピルグリム?」
「はい」
「ほ、本当に来たのか?」
「あら。本気ではなかったのですか?」
「い、いや。そうじゃない」
「スカイ様」
「ん?」
2人の話し合い中にこっそりピナが話しかけてくる。
「なんか、どっちも腹の中を見せてませんね……」
「バーニンガム副司令はそういう人だから。気を付けるんだよ。ドロシーには言ってあるけど」
「普段のドロシー様からだと想像できません……!怖いですね」
「だね」
「エ、エニック。13ブリーフィングルームに案内してくれ」
「エニック。座標を私とミランダに送ってくださいよん」
「わかりました」
「??」
「案内は私とミランダがしますよん」
「わ、私たちがですか?」
「私も護衛としてドロシー様に付き添います!ピナです。よろしくお願いします」
「では、案内をお願いします」
「はい、お任せくださいよん」
「ヘレティックは私が持っていきます」
「ありがとうございます!」
「では、すぐに出発しますよん」
「ええ。では、またお会いしましょう」
ポリ、ミランダ、ドロシー、ピナ、ニヒリスターがその場を去った。
「大丈夫だろうか」
「大丈夫でしょう。その気があれば、とっくに行動を起こしていたはずですから。それに__」
「A.C.P.Uはアークの公権力。ドロシーがもし彼女たちに手を出せばアーク全体が動くことになる」
スカイが続ける。
「そもそもそんな事をしたらアークとエデンの関係は修復不可能になる。ラプチャーがいるってのに内輪揉めしてる暇があるのかい?最も、アークではそうなんだろうけど」
「ぐぬ……アンタねぇ、復活したか知らないけど調子乗り過ぎ、ウザさが増してるわよ」
「ポヤポヤしてる君たちより先に来て戦って、人的被害を出さずにラプチャーを殲滅してるんだよこっちは。話に興じてる今もね」
「!!」
スカイの背後を見れば青い武器が各所に飛んでいるのが分かる。全てビットで、会話の片手間に飛ばしてラプチャーを倒しているのが分かる。
「量産型ニケ部隊を纏めあげて、市街地で戦闘行動。後はウチのブルーマイト……クローンが防衛に当たってる。更に地上でメティスとアブソルートに増援が送られてるからこれ以上ラプチャーが増えることはないだろうね」
と言ってもアーク内に大量のラプチャーがいるんだけど、と続ける。
「その通りです。死亡したニケ、および人間はいません。作戦は全て順調、まもなく片がつきます」
「……では、私たちがアークのラプチャー討伐に合流する必要がないということだな?」
「その通りです。あなたが合流したとしても進捗にさほど影響はないでしょう」
「指揮官様……追い掛けるつもり?」
「ああ。エニック。クロウ、バイパー、ジャッカルの行方は分かるか?」
「ラプチャー侵略時、私の『神経が別の場所に向けられた時』を狙ってエキゾチック部隊は私の監視網から外れました。現在、行方が分からない状態です」
「シュエンは?」
「現在、ミシリス本社にいます。エリシオンとテトラのCEOも一緒です。ミシリス本社はアークで安全な場所の一つですから」
「分かった、ありがとう。ミシリス本社に行こう。シュエンなら何か知ってるはずだ」
「じゃ、僕はやる事があるから」
「やる事?何だ?」
「今は秘密。それじゃ、頑張って」
スカイは変形し、上空に飛翔する。指揮官とカウンターズはミシリス本社へと向かった。
そこで、各CEOと協議を重ねた結果、アウターリムへと向かうことになる。一方シュエンはニケ用のリミットを解除させたワードレス分隊を捜索に向かわせる。それから、ミハラがクロウの人質になり、ユニが裏切るのはすぐの事だった。(前回EP参照)
それから事の顛末を語ろう。アウターリムへ赴いたカウンターズはエキゾチックの罠に嵌り、指揮官は拘束され、ニケと分断された。
指揮官は人質にされて、クロウ達と一緒にテレビを見ている。テトラコネクトの生放送だ。唯一違うのは、そこにミハラも拘束されているということ。
「……ごめんなさい。私の所為よ」
「いやぁ、仕方ないさ。事故だったんだ。いや、取引か?お前の相棒は随分お前のことを大切にしてくれているみたいだからな」
「ミハラ……」
「さ、放送が始まるまで話でもしよう。アンチェインドは見つかったか?」
「さぁな」
「見つけたんだな」
「やっぱりすごいヤツだな。何でも解決できるのか。ちなみに、この状況はどうやって解決するつもりだ?」
「君たちを捕まえて自白させる。それがダメなら、脳スキャンだな」
「……おい、お前。今のこの状況は、むしろお前があれほど望んでいたニケの待遇が改善されるきっかけになるかもしれないんだぞ」
「……なんだと?」
「メティスの話からはじめようか。奴らは、「NIMPHのない……制御手段がなくなった兵器が果たして人間側に立って戦ってくれるだろうか」という非常に根本的な問いをアークに投げかけた。その結果、どうなった?メティスにNIMPHを。アークのクズどもも知っていたんだ。ニケという兵器は、制御不可能な状態下では自分たちを守ってくれはしないって事実を。そうなっても仕方がないような扱いをしてきたからな。勝利の女神となるべきニケを、人間の盾としか扱ってこなかった」
「なぜメティスだった?」
「簡単さ。シュエンなら、何かすると思ってた。さすがに、アークにラプチャーを呼ぶなんてバカなマネをするとは思わなかったがな。とにかくあの派手なショーのおかげで、ニケは「NIMPHがなくても人類を守る守護神」だという印象を植え付けた。そうして今も、ピルグリムのやつらがウヨウヨ飛び回ってやがる」
「計画が失敗して残念だったな」
「そう思うか?じゃあ、なんでアークに穴を開けたと思う?」
「……」
「新しい目標ができたからさ。メティスのラプチャー掃討により印象付けられた。「勝利の女神」というイメージは素敵なショーを見た感想に過ぎない。それじゃあ、ニケはただのピエロになるだけだ。だから、穴を開けた。絶対に安全な場所だと思っていたアークに、ラプチャーという原初の恐怖を呼び込む。その時、アークはどんな選択をするのか見たかったんだ」
「……話を続けてくれ」
「テレビ越しに見ていたラプチャーという存在が目の前に現れたら、人間は恐怖を感じるはずだ。つまり、アークにラプチャーが現れたら、みんなが同じ恐怖と対面し、初めて完璧な平等がうまれるんだ」
「君のそんな考えのせいで、多くの人が死ぬ」
「その通り。あたしも誰かが死ぬのは嫌だ。悲しいからな」
「嘘をつくな」
「だからあの時間にしたんだ。メティスの勝利イベントに合わせて。最低限の犠牲。まあ、そんなところだな。だが……エニックが予想以上に優秀だった。人間をシェルターに押し込んでらまたニケとラプチャーをテレビ越しの存在にしてしまったんだ。そこにヘレティックという最悪の敵がアークへやってきた」
「この時はちょっと期待したよ。ヘレティックは言葉通り、人類に対する悪意そのものだからな。だが……ピルグリムのやつらが「それ」を倒した。最初から分かっていたかのようにな」
クロウは苛立たしげに言葉を続ける。
「更に刺激的なショーになっただけさ。メティスの時は地上で。今度はアークで。距離が少し近づいただけで、一方的に楽しむショーには変わりない。このままじゃ、あたしが望むものは見られないんだ」
「一つだけ聞こう」
「君はいったい何が見たいんだ?」
「言っただろ?アークの選択がみたいんだ」
ーーーー
「ゴッデス部隊の話をしようか」
「人類のためにすべてを捧げてきた彼女たちを勝利の女神だの、人類の希望だのって持ち上げておいて、アークが完成した瞬間、捨てた。断絶されていたから、簡単に選択できたんだろうな」
「その次は第一次地上奪還戦。人類のために喜んで脳を捧げ、ニケになった彼女たちに再び勝利の女神という称号をつけた。そして、失敗に終わると、アークはニケを迫害し始めた。金と資源をつぎ込んだのに勝利をもたらさない厄介者になったんだ」
「「ニケフォビア」とかいう言葉はこの時生まれた。これも、人間とニケの断絶が招いた事態だ。第二次地上奪還戦の失敗。最初の芸能人ニケ、プリティーの死亡。モデルZXのゴッデスフォール事件」
「事件が起きるたびに、アークの世論は揺れ動いた。ニケを崇めて、迫害して、崇めて、迫害して。これは、人間とニケの断絶が原因で起きてるに違いない。ニケはアークにいるが、存在していない。テレビ越しの、ショーの出演者に過ぎない。ドラマを見て登場人物をけなしたり、褒めたりするのと同じさ。何故か?」
「画面越しの存在だからさ」
「アークはラプチャーを怖がらない。何故か?」
「画面越しの存在だからさ」
「アークはニケに感謝しない」
「アークはニケをけなさない」
「何故か?」
「画面越しの存在だからさ」
「アークはニケについて何も知らない」
「ラプチャーのことも何も知らない」
「だから教えてやらないと。ニケのこと、ラプチャーのことを完全に理解すれば、アークはきっと、真の「選択」をするはずだから。その選択のうちの1つに、お前があれほど望んでいた、ニケの待遇が改善される環境が含まれるかもしれない」
「君は……何をするつもりだ?」
「……テレビでも見よう」
ーーーー
私が、やるしかない。やらなきゃ、ミハラが死ぬ、殺されちゃう。私はどうなってもいいから、ミハラだけは。
「あ、」
ジジ、ジジ、回線が開く。
「さようなら、ミハラ」
そう告げると、ユニはカメラを持つ。
ーーーー
「アーク市民のみなさん!みえますか!?シェルターにラプチャーが攻め込んできました!シェルターの人々は全員亡くなりました!シェルターに人間がいることに、ラプチャーが気づいてしまいました!シェルターは安全ではありません!みなさん、シェルターから出てください!そこにいたら全員死んでしまいます!中央政府を信じないでください!彼らは私たちの命に何の興味もありません!繰り返します!シェルターは安全ではありません!シェルターは安全ではありません!」
「まさか……ユニ……!」
「へえあの子、思ったより演技が上手いのね?少し心配してたけど、よかった」
「ふ、ふふ、」
「え?隊長、笑ってるの?私も笑う!へへへへっ!」
「ユニ……ごめんなさい」
「……君がユニを……ミハラを捕らえたのはそういうことか……!!」
「勘違いしてるようだな。あたしは、あいつに指図できる立場じゃない。取引をしただけさ。だが、思ったより優秀みたいだな。空っぽのシェルターに、感覚を遮断したラプチャーを連れてきて、まるでラプチャーがシェルターに攻め込んできたかのように偽装して、言葉で揺さぶった。さすがラプチャー捕獲部隊。監獄を作る才能があるみたいだな」
「今の行動の結果……何が起こるか分かってやってるのか?」
「さあな。だから、ここでのんびり見守ろう。アークの選択を」
外を見ようとした瞬間、チャンネルが強制的に切り替わる。
「なんだ……?」
『もう大丈夫!私が来た!!』
そこに映し出されたのは青いニケ。ラプラスではない。ブルーマイトだ。彼女はシェルターの前に立ちはだかり、その背中にはラプチャーの亡骸が山のように立っている。
『私の名前はブルーマイト!見ての通りシェルターは安全だ!現在量産型部隊が各シェルターの防衛に当たっている!!シェルターから出た者は速やかに戻るんだ!!シェルターの外は安全ではない!!』
「は……?」
『ブースト、スマァァァ__ッシュ!!!!』
ブルーマイトの腕にガンビットが装着される。勢いよく噴射し、眼前のラプチャーの群れへ向かって拳を繰り出す。
瞬間、ラプチャーが爆ぜた。粉塵の中に立つのはただ、彼女だけ。大きな背中はヒーローのようだった。
「おい、ふざけるな……いや、でも遅い!他のシェルターは!」
『他のシェルターも安全だよ。出たら危ないから下がってて。繰り返す、シェルターに避難するように。繰り返す、シェルターに避難するように』
映像が切り替わる。上空からの視点で、地面にいるラプチャーに向かってビームが降り注ぐ。
カーテンを開け、窓の外を見る。銃撃音と少しの悲鳴が聞こえる。だが、市街地に躍り出る人間はいなかった。いや、いたとしても量産型部隊の援護と防衛によって守られている。
「おい!なんだ、なんだよ、これは__!!」
「え、えぇ、何が起こってるの?」
「あのピルグリムに筒抜けだった……?」
エキゾチック部隊は混乱に陥る。
『このテロを首謀した誰かさんへ。君の計画は見事に筒抜けだった。事の顛末は君の思うようにはならない。掌で転がすつもりが、逆に転がされてどうだった?僕はねぇ、凄く楽しいよ』
『ガンビット、フルバースト!!』
映像が切り替わる。ブルーマイトへ。
『もう大丈夫!私が来た!!』
人間達を目の前で守りながら、ラプチャーを蹴散らして行く。その背後に量産型の援護がある。本当に全て理解していたかのような統率。そして、圧倒的な力。
『ブーストォォォォ!!スマァァァァッシュゥゥゥゥ!!!!!』
その有様はヒーローだった。そしてアークはその光景を、生で見ている。
ーーーー
中央政府13ブリーフィングルーム
「し、市民がシェルターから勝手に飛び出したって?そ、それで。ふ、負傷者は?」
「現在、情報収集中だ」
「し、し、死亡者はいないよな?」
「……」
「!!」
「0だ、現在の数字だが」
「な、なんだと……?ほ、本当なのか!?」
「負傷者は救急稼働したAZXに乗せてミシリス医療センターへ向かっている。シェルターにいた医療チームも来ることになっている。被害はこれ以上拡大しないはずだ」
「ど、どうしてシェルターが開いたんだ?」
「……誰かがTetraの生放送用回線を使ったのDESU。嘘の情報をシェルター内にそのまま流しましTA。Panicになった人々がシェルターを強制的にOpen。Raptureがうごめく市街地へ出ましTA。Enikkがシェルターの扉を強制的Lockしていましたが非常脱出のための手動操作でDoorをOpenしたそうDESU。一部のシェルターだけで放送されたことが不幸中の幸いでしたGA……But!!そこにピルグリムが回線を乗っ取って全てのシェルターに放送したのDESU!!」
マスタングが映像を流す。そこにはブルーマイトとブルースカイの姿が写っている。更にブルーマイトの背後には統率された量産型部隊。あらかじめ嘘の情報を流されるシェルターを分かっていたかのような配置だった。そこからニケ達がラプチャーを殲滅し、各所に援護に回るブルーマイトの姿が映し出される。
「こ、これは、誰だ!?」
「ピルグリム、ブルースカイだ。恐らく同型機だろう」
「……」
シュエンは沈黙を保っている。
「う、嘘の情報は、だ、誰が、そ、そんなふざけたことを!」
「……調査中よ。音声を解析すればすぐ捕まるわ」
「それ以外にも、アークに穴を開けたのはニケだという通報もある。ミシリスのエキゾチック部隊が疑われているそうだ」
「ちょっと、確かな情報だけを話して。推測で話さないでよ。エ、エニックからデータはもらった。エ、エキゾチックって……ア、アウターリムの監視部隊じゃないか。つ、捕まえて調査してくれ。脳スキャンを、し、してみれば簡単じゃないか」
「……そう簡単な話ではない」
「??」
「エキゾチック部隊の行方が分からないんだ」
「エ、エニックは何をしてるんだ?」
「エニックは現在アークに散らばったラプチャーの動きを注視している。調査する余裕はない。実際、シェルターの扉のロックをするという簡単な動作をするだけでラプチャー10機の動きを見逃した。だが、犠牲は出なかった。上空にいるブルースカイが全て殲滅している」
「今は保たれているが、状況が落ち着くまでエニックに余裕はない」
「その為、特殊別働隊がエキゾチックを追跡している。もうすぐいい知らせがあるはずだ」
「あ、あの指揮官か。も、問題をおこしたこともあるが、ゆ、優秀な人材だな。か、彼が追跡しているなら、あ、安心だ……ちゅ、中央政府は引き続き、し、市民たちを安心させることに注力しよう。み、みんなもがんばってくれ。ら、ラプチャー殲滅を最優先にして」
「……ピ、ピルグリムがもうすぐこちらに来る。き、切るぞ」
ーーーー
一方、ピナ、ドロシー、ポリ、ミランダ。
「ピルグリムの方が正式にアークにいらっしゃるのは初めてですねぇ」
「……そうですね」
「スカイ様は度々訪れているようでしたが……」
2人はブルースカイがアークに度々訪れている事を思い出し、溜息を漏らす。
「アークを見た感想はいかがですかぁ?」
「……どうでしょう。いざ、来てみると。特に何とも思いませんね……あれほど望んでいた場所なのに」
「そうですね。確かになんかこう、思ってたのと違います」
「正直に申し上げると、地上と特に変わらないと思います。広くて、ラプチャーだけがいるこの光景は」
「今はラプチャーの襲撃のせいで市民がいないからです!普段は凄く賑やかなんですよ!」
「そうですか。……気になりますね。どのような風景で、どのような感情を抱くことになるのか」
「それにしても、本当にすごいタイミングで来てくれましたねぇ!ヘレティックが現れた時は本当に驚いたんですよん!」
「そうですか?」
「はい!本当に完璧なタイミングでした!爆発直後から、まるで仕組んでいたかのように完璧でした!」
「……」
「ど、ドロシー様……悪気はないと思います……」
「……すみません、ミランダに悪気はないんですよん」
「え?私、何か間違ったことを!?」
「ふふ、大丈夫ですよ。気にしないでください。ところで、先程の放送は?」
「ああ、びっくりしましたねぇ。ピルグリムの方が回線を乗っ取ってあらゆる所で放送するなんて思わないですよん」
「スカイ様……」
「でも、お陰様で混乱は落ち着きそうですよん、ありがとうございます。さて、あとちょっとで着きますよん。ラプチャーがいないといいですねぇ」
「ご心配なく。ラプチャーがいても私たちには何の問題もありませんから」
「はい!大丈夫ですよ」
「……ん?」
ドロシーは1つの建築物に目が行った。
「あの石像はなんですか?」
頭と腕がない、羽の生えた石像。
「あ、あれですかぁ?勝利の女神像ですよん。ゴッデス部隊のみなさんを称える石像ですぅ!」
「ふぅん……」
「へぇ……」
「アークのあちこちにあります!管理も徹底されてるんですよ!ちなみにですが、トラブルを起こすたびに罰として勝利の女神像を磨いていたんです!だから、ピカピカに磨くことができますよん!」
「……これは、なぜあるのですか?」
「えっ?それは……ゴッデスのみなさんは人類の救世主だからですよん」
「……」
「アークでは伝説だといえますねぇ。最初のニケの部隊ですし、最強の部隊ですからぁ。それに……アークのために地上に残り、最後まで戦ってくださった人類の守護神でもありますよん。データがあまり残っておらず、プロフィールなどは分かっていませんが、アーク内では一種の神話となってるですよん」
「へぇ〜!そうなんですね!」
「神話……ですか。どうしてデータがないのでしょうか?」
「かなり時間が経ってますからぁ。それに!ゴッデス部隊の情報をかなり、積極的に広めていた方がいたのですがぁ。その方が亡くなってから、どんどん情報がなくなってしまいましたねぇ」
「もちろん、今も神話であることに変わりないですがぁ」
「その方のお名前は分かりますか?」
「どなたの名前ですか?」
「ゴッデス部隊の情報を、積極的に広めた方のお名前です」
「えっと……」
「うーん……」
「……すみません、名前まではよく分からないですよん」
「そうですか、大丈夫です。気にしないでください」
「では移動しましょうかぁ?あと少しで着きますよん」
「……そうですね」
「そっかぁ」
ドロシーとピナの脳裏にあるのは、オスワルドという男。名前だけで顔は分からないが、アークガーディアン作戦での通信士。非情な宣告を告げられた、のにも関わらず不思議と恨んでいない。仲間の影響がある他に、彼自身が悪い人間ではなかったと、あの時間を過ごして思う。通信越しに話をした思い出が蘇る。彼は1人のゴッデスのファンだった。そう思うと、不思議と笑みが零れるのだ。
「ドロシー様、笑ってます?」
「笑っていました?」
「ええ。凄く嬉しそうでした」
「……そうですか。そういうピナも、嬉しそうです」
「あの思い出は苦しかったですけど、楽しくもありましたから。さ、行きましょう!」
ピナがドロシーの手を取って、前に進む。
牢屋:END
鬱展開?残念だったな、トリックだよ。
この為のブルーマイトでした。原作知識持ってる奴に敵う訳ないよなぁ!!クロウさんなァ!!!!!
ヒーローなので全て守ります。久々に主人公が大暴れしてます。
最後は入れ替えました!どうしても!!
仲間とピナがいるドロシー。原作では有り得ない事ですが、この世界線ではオスワルドも一緒にゴッデス部隊と過ごしていました。(OVERZONE編参照)
スカイの影響でゴッデス部隊と直接おしゃべりをしたり、1人のファンとして話したり。勿論この人物がオスワルドとは限りませんが、それでも彼とドロシーに救いがあれば良いなと思ってます。
この世界のゴッデス部隊から見て、オスワルドも共に戦った仲間だと作者は考えています。
小説の方向性(セリフや描写など)
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積極的に改変が欲しい
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原作準拠で大丈夫
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原作準拠だが改変は間間に欲しい
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幕間エピソードが欲しい
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激しい改変はなくて大丈夫